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「グッド・ルーザー」にはなれなかったフロンターレ | | |　

■　表彰式で・・・

ナビスコカップの決勝で0対2で敗れた川崎Fの一部の選手の表彰式での態度が問題になっている。鬼武チェアマンや川淵名誉会長も問題視していて、何かしらの処分が下される可能性もあるという。

確かに映像で見ると、銀メダルを受け取って後、すぐに外してしまったり、不貞腐れた態度で表彰式に臨む姿が見て取れるた。正直、表彰式ではよくある見慣れた光景ではあるが、川崎Fの場合は度が過ぎたようで、日本サッカーの重鎮の方々もご立腹である。

■　「トップレベルの選手こそ、グッドルーザーであれ。」

日本サッカー協会の前会長の川淵氏は、以前、コラムの中で、「トップレベルの選手こそ、グッドルーザーであれ。」と題して、次のように語っている。

これまで、Jリーグなどの試合でプレゼンターとして何度も表彰式に立ち合っていますが、優勝を逃したチームの選手が勝者を心から讃えているのを、最近ではほとんど見なくなったような気がします。

ユースなどの大会で悔し泣きをするのは初々しさを感じるんですが、残念ながら、トップレベルの試合では、“これぞ、グッド・ルーザー”という選手はなかなかいない。優勝したチームに素直に拍手を送っているのはキャプテンなど、ごく一部の選手だけ。ほとんどが表彰台から目を逸らしたり、ぶっちょう面をしている。特に、大会慣れというか優勝慣れしているチームに多いような気がしますね。負けた相手の気持ちを慮ることができたら、負けても他者に不快感を与えるような態度はしないと思うんですがね・・・。それにファンだって、悔しくとも敗戦を潔く認めて堂々と勝者に拍手を送る選手の姿をみたら、爽快感を持つだろうし、よりシンパシーを感じると思うんです。

FIFAクラブワールドカップと、天皇杯やナビスコカップなど国内の試合を比べてみると、世界一流の選手は、勝者を温かく讃えています。そういう一面を見ても、日本のトップ選手が世界一流から学ぶべきところは、まだまだたくさんありますね。

一生懸命にプレーしているんだから誰だって負けたら悔しい。しかし、そこでスポーツマンシップ溢れる態度をできるかどうかで、一流選手かどうか測られるのではないでしょうか。

http://www.jfa.or.jp/jfa/weekly_column/20080516.html

このコラムがアップされたのは2008年5月16日なので、今回の件とは関係はないが、言いたいことを良く分かる。

■　フロンターレだけの問題なのか？

今回は、川崎Fの態度が問題になったが、果たして川崎Fだけの問題なのかというと、そうではないだろう。

普段のJリーグの試合でも、試合に敗れたチームのイレブンは、サポーターへの挨拶もそこそこに足早にロッカーに引き挙げていくのが通例である。プロの選手といえども、試合に敗れた後、スパッと気持ちを切り替えられるかといったら、無理だろうし、逆に、そんな簡単に気持ちを切り替えて、笑顔でも見せられたら、観ている方は興ざめする。

「自分の応援するクラブの選手なら、あの状況でどういうふるまいをしただろうか？」と考えたとき、「グッドルーザーになれる。」と断言できるか？FC東京のイレブンだったどうか？浦和レッズのイレブンだったらどうか？ガンバ大阪のイレブンだったらどうか？鹿島アントラーズのイレブンだったらどうか？

サポーターも同様である。試合を観戦したあとに、味方だけでなく相手チームの選手を称える拍手を送ることが出来るかといったら、なかなか難しい。川淵氏は、「勝利至上主義の功罪」ではないかと語っているが、それも一理ある。

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