■ W杯の招致についてJFAのホームページを見ると、以下のような記述がある。
日本サッカー協会は、2018年及び2022年に開催されるFIFAワールドカップにつきまして、大会招致に関する「意思表明書(Expression of Interest form)」を、FIFA(国際サッカー連盟)に送付しました。
なお、FIFAワールドカップ招致に関するスケジュールは以下の通りとなっております。
FIFAワールドカップ招致に関するスケジュール
2009年2月2日 [意思表明書(Expression of Interest form)]のFIFAへの提出期限
2009年2月16日 [意思表明書]を提出した加盟協会に対し、FIFAが[招致登録書 (Bid Registration form)]を送付
2009年3月16日 [招致登録書]のFIFAへの提出期限
2009年4月 [招致契約書(Bidding Agreement)]、[開催契約書(Hosting Agreement)]、その他の 招致・開催に関連する書類をFIFAから送付
2009年12月11日 署名済みの[招致契約書]のFIFAへの提出期限
2010年3月14日 署名済みの[開催契約書]、[招致ブック(Bid Book)]、その他の開催に関連する書類のFIFAへの提出期限
2010年12月 FIFA理事会において2018年及び2022年のFIFAワールドカップを開催する加盟協会を決定
日本サッカー協会 会長 犬飼基昭 コメント
日本サッカー協会は、今後の日本サッカーとスポーツ全体の発展を目的に、FIFAワールドカップの初の単独開催に向けて、2018年と2022年の両大会の招致について、意思を表明した。今後、招致に向けてサッカー界が総力を結集して取り組んでいきたい。
但し、ワールドカップの開催にあたってはスタジアム拡充など大きな課題がある。それらを克服するには、現在招致活動を進めている東京オリンピックの開催決定が重要になるため、日本サッカー界としては、まずは東京オリンピックの招致に全力を挙げて協力していく。
■ 本当にW杯を招致すべきなのか?ここで、犬飼会長はW杯招致の目的として、「日本サッカーとスポーツ全体の発展」としている。2002年のことを思い出してみても、ワールドカップが1つの起爆剤となるのは確実である。仮に招致が成功すれば、サッカー界の発展に大きな影響を及ぼすのは確実だろう。
ただ、2018年というと2002年ワールドカップから16年後である。2022年でも20年後という計算になる。2002年は単独開催ではなかったが、同じ国でこれだけ短期間に複数回のワールドカップが開催される可能性は、非常事態を除くと限りなくゼロに近い。
また、JFAは「JFA 2005年宣言」の中で、「2050年までにワールドカップの日本での単独開催実現とその大会での日本の優勝」を宣言しているが、さすがに2018年や2022年の段階で本大会優勝を狙うというのは地元開催であっても不可能だろう。
■ 2050年の未来改めて考えてみると、2050年というと、今から41年後のことである。正直、生きているのかどうかも微妙な先の先の未来である。この大会での日本開催が実現し優勝を果たしたとしても、それが観られるのかどうか、体験できるのかどうかは誰も分からない。
「生きている間に、もう一度、ワールドカップを体験したい。」という気持ちは誰しもが抱く感情であり、「出来るだけ早く、日本でのW杯の単独開催を実現させてほしい。」と考える人もいるかもしれないが、ワールドカップの歴史を見ても、3度、ワールドカップを開催した国は無く、仮に2018年や2022年の招致が実現したとしたとしたら、それはイコール、将来の生まれてくるはずのサポーターが「自国開催」を体験できる可能性を大きく遠ざけることにつながる。
■ 時期尚早ワールドカップの持ち回り制は廃止されたが、現実的に考えて、日本単独開催の前に、中国大会やオーストラリア大会が実現する可能性の方がはるかに高く、2018年と2022年大会のワールドカップ招致の立候補は、単なるパフォーマンスにしか思えない。
現状、日本サッカー協会にしっかりとしたビジョンがあるのかも疑問であり、今、本当にすべきことは、2042年や2046年、2050年あたりの単独開催を実現させるために、サッカー環境を整えることではないか。招致活動を行うとなると単なる書類作りだけでは済まされず、多額の費用が必要になるが、今の日本サッカー界にそういった余裕はない。
※ 2018年/2022年のW杯の立候補国・地域 ・イングランド
・ロシア
・オランダ、 ベルギー(共催)
・スペイン、 ポルトガル(共催)
・オーストラリア
・日本
・大韓民国
・インドネシア
・カタール
・アメリカ合衆国
・メキシコ
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