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【女子：東京五輪日本 vs チリ】 FW田中美南が決勝ゴール！辛うじて3位でGL突破！ | | |　

■　3戦目の相手はチリ

東京五輪は5日目を迎えた。日本勢は史上空前の金メダルラッシュとなっており、国内は大いに盛り上がっているがここまで0勝1敗1分けで勝ち点「1」のみ。未勝利のなでしこジャパンは3戦目でチリと対戦した。日本の入ったE組は2連勝のイギリスが決勝T進出を決めている。1勝1分けのカナダが2位につけており、2連敗のチリは勝ち点「0」と苦しんでいる。日本は勝てば無条件で決勝Tに進出することができる。

日本は「4-2-2-2」。GK山下。DF清水、DF熊谷、DF宝田、DF北村。MF林穂之香、MF三浦、MF長谷川、MF杉田妃。FW菅澤、FW岩渕。怪我(?)の影響で2戦目はベンチスタートだったFW岩渕がスタメンに復帰。FW菅澤と2トップを組むことになった。CBはここまでの2試合はいずれもDF南がスタメンで起用されたがDF宝田が初出場&初スタメンとなった。左SBはDF北村、ボランチはMF林穂之香がスタメンに名を連ねた。

ベンチスタートになったのはGK池田、DF三宅、MF木下、MF中島依、MF遠藤純、MF籾木、FW田中美の7人。GK平尾、DF宮川、DF南、MF塩越の4人はベンチ外となった。3試合連続スタメンは右SBのDF清水、キャプテンのDF熊谷、ボランチのMF三浦、右SHのMF長谷川の4人だけ。結果が出ていないこともあってチリ戦でも日本はスタメンを大きく入れ替えてきた。18歳のMF木下は初のベンチ入りを果たした。

■　3位となって辛うじてGL突破

勝って自力で決勝T進出を決めたいなでしこジャパンにとって大一番だったが過去2試合とは打って変わって日本が主導権を握る展開になった。前半17分にMF杉田妃が抜け出してキーパーと1対1の決定機を迎えたが決められず。直後のFW菅澤の決定機もシュートは枠から大きく外れてしまう。前半の日本は惜しいシーンをたくさん作ったが相手キーパーの堅守もあってゴールを奪うことは出来なかった。

チリもこの試合で勝てば勝ち点「3」となって3位での決勝トーナメント進出が見えてくる。なかなかシュートチャンスを作れないチリだったが後半23分にサイド攻撃からヘディングシュート。バーに当たってゴールインか！？と思われたがノーゴールの判定だった。命拾いした日本は後半32分にMF杉田妃の縦パスからFW岩渕がボールを受けるとこぼれ球に反応したFW田中美が決めてようやく先制に成功した。

初戦でPKを外したFW田中美は汚名返上の大仕事をした。その後、危ないシーンもあったが何とか逃げ切った日本は1勝1敗1分けで勝ち点「4」。A組の3位となったが各組で3位になった3チームの中で最も成績が良かったので辛うじてGL突破を果たした。準々決勝の相手はアメリカに3対0で勝利するなど3連勝でGL突破を果たしたスウェーデンとなる。スウェーデン代表とは2011年のドイツW杯の準決勝で対戦している。

■　決勝ゴールを挙げたのはFW田中美南

秋からスタートするWEリーグを成功させるためにも今大会で好成績を残さないといけないなでしこジャパンだったが何とか最低限の目標であるGL突破を果たした。GL敗退に終わっていると女子サッカーやWEリーグには強烈な逆風が吹いただろう。簡単には払しょくできないほどのマイナスのイメージを世間一般に与えることになったのでとにもかくにも準々決勝に進めたことで関係者はホッとしているだろう。

内容的にはそこまで悪くなかったが格下のチリが相手なのでもっと楽な展開に持ち込みたかった。決定機でシュートをたくさん外す嫌な流れだったが後半の頭から登場したFW田中美がチームを救った。ボックス内で勝負するタイプのストライカーなので「らしいゴールだった。」と言える。こぼれ球に素早く反応してしっかりとシュートコースを作った。このゴールで初戦のPK失敗の悪いイメージは払しょくされるだろう。

なでしこジャパンはGLの3試合はいずれもメンバーを大きく入れ替えたがチャンスを与えられた何人かの選手がしっかりと自分の良さを出せているのはポジティブに考えられる。ボランチのMF林穂之香は当初はバックアップメンバーだったが正式メンバーに格上げされて2試合連続スタメン。この日も持ち味である運動量を生かしてたくさんのプレーに関わった。攻守両面でチームにプラスの影響をもたらすことが出来る。

■　準々決勝の相手はスウェーデン

18歳のMF木下は途中出場。右SHでプレーしたが随所に持ち味を発揮した。年代別代表の中心として活躍してきたMF木下は2003年生まれ。飛び級で本来の世代よりも上の年代別代表に選ばれるのが当たり前になっているほどの大器であるが初出場で大器の片りんを感じさせるプレーを見せた。本来のポジションはボランチ。163センチと日本人の女子のボランチとしてはサイズもあるので将来性は相当に高い。

五輪以降のなでしこジャパンや女子サッカー界を引っ張っていくことが期待されるが「新しいスター」が出てこないと女子サッカーは注目されない。久保建英、八村塁、張本智和などメディア受けするアイコン的な選手がいないとクローズアップしてもらえない時代になっている。MF木下は女子サッカーのシンボル的な存在になってもおかしくないだけのポテンシャルがあるので順調に成長してくれないと困る選手である。

次の準々決勝はスウェーデンと対戦するが難敵であることは間違いない。勝つのはかなり難しいと思うがもともとE組で3位になった場合はアメリカと対戦する確率が高かった。「準々決勝でアメリカと顔を合わせなくても済むようにGLは1位 or 2位で突破したい。」というのが日本のプランだったがアメリカが初戦でスウェーデンに完敗したことで状況は大きく変わった。「アメリカになるよりははるかにマシ」である。

MF澤の全盛期もアメリカにはほぼ勝てなかった。「今のなでしこジャパンがアメリカに勝利するのは不可能に近い。」と言えるがスウェーデンであれば幾分かは勝利の確率が増す。「(なでしこジャパンには)運がある。」と言える。今のなでしこジャパンの実力や評判を考えるとベスト4進出は大快挙である。極めて難しい試合になるのは間違いないが「ホーム・コート・アドバンテージ」も駆使して金星を狙いたい。

　→　　2017/09/20 　【女子サッカー】中学3年生のMF木下桃香(日テレ・メニーナ)という選手が相当に凄いらしい。

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