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【Jリーグ】 2020年の夏の移籍市場の総括 (下)～若手を補強した富山、元・日本代表のMF藤本淳吾はSC相模原に加入～ | | |　

■　首位を独走するブラウブリッツ秋田

J3は11節が終了した。全日程の約1/3が終了したが9勝2分けの負けなしで首位を走る秋田が独走態勢に入っている。2位の鳥取&熊本との差は「6」。2位以下を大きく引き離しており、「初のJ2昇格」に向けてこれ以上ないほど最高の序盤戦になった。11試合でわずか3失点のみ。隙のない戦いを見せているがFW田中直(沼津)を獲得した。JFLのFC大阪のときにゴールを積み重ねてJリーガーになった経験を持っている。

FW中村亮、FW齋藤恵、FW林容平、FW井上直がいるが、サイズがあって前線で起点になれるタイプのフォワードはいなかった。途中出場がほとんどになると思うが効果的な補強が出来たと言える。同じ7勝2敗2分けで2位タイとなる鳥取と熊本はどちらも夏の移籍市場で選手を獲得することはなかった。既存の選手たちで戦う道を選択した。首位の秋田とは「6差」なのでこれ以上離されるとJ3優勝は難しくなる。

「優勝候補の筆頭」に挙げられながら出遅れた富山だったがようやくエンジンがかかってきた。5勝3敗3分けで4位に浮上したがユーティリティーなDF川崎(横浜FC)とサイドアタッカーのMF滝(清水)をいずれも期限付き移籍で獲得した。川崎FからMF宮城天、浦和からMF池高を期限付き移籍で借りているがまたしてもJ1のクラブの有望な若手を獲得した。MF宮城天やMF池高よりもMF滝はJリーグでの実績がある。

スピードがあってサイドを切り裂くプレーが出来る選手なので貴重なカードになる可能性は高い。スタメンをなかなか固定できないのが悩みの種になっているのでMF滝にとってはチャンスである。出場機会を得て成長したい。5位の長野も同じ5勝3敗3分けで勝ち点「18」となるがこちらは夏の補強で選手を獲得することはなかった。ここ最近は勝ったり負けたりを繰り返しているので踏ん張りどころを迎えている。

■　元・日本代表のMF藤本淳を獲得した。

富山並びに長野と全く同じ5勝3敗3分けのSC相模原は動きが激しかったクラブと言える。開幕から右SHで起用されて躍動していたMF松田詠がレンタル終了の時期を早めて横浜FMに戻ってしまったが同じ横浜FMからDF池田航(横浜FM)を獲得。横浜FCでプレーした経験のあるMF立花も獲得したが最大のニュースはMF藤本淳の加入になる。清水や名古屋や横浜FMなどでプレーした元・日本代表が電撃加入した。

MF松田詠が抜けた後、ベテランのMF清原と若手のMF和田昌が2列目で起用されているがMF藤本淳の加入で厚みが増した。前線にはFWホムロとFWユーリ・マムチがいるのでMF藤本淳がフィットして周りの選手の良さを引き出せるようになると面白くなる。4位以下は大混戦になっているがSC相模原は久しぶりに好位置につけている。ネームバリューのあるMF藤本淳を獲得したのでクラブに対する注目度は増すだろう。

出遅れた鹿児島はここ3試合は2勝1分け。後半47分に同点ゴールを許して引き分けた10節の富山戦(H)は勿体なかったが鹿児島で活躍できていなかったFW米澤が覚醒中。ここ3試合で4ゴールを奪っている。得点源としてチームを引っ張っている。新戦力として高卒2年目のDF岡本將(新潟)の獲得に成功したが高さがあってフィードのできる有望なCBを加えることが出来た。DF青山直やDF藤原広らとの競争になる。

4勝3敗3分けで勝ち点「15」。10位と出遅れたFC岐阜は夏の移籍市場で動くことはなかった。有望な若手はたくさんいるので彼らに期待を寄せることになった。同じ4勝3敗3分けで9位のFC今治は「昇格1年目ということを考えると大健闘」と言えるが夏の移籍市場でFWレオ・ミネイロ(岡山)とFW澤上(C大阪)の獲得に成功した。得点力アップがテーマになるがフォワードの選手を2人獲得して前線の厚みは増した。

■　若手をたくさん貸し出した清水エスパルス

FWレオ・ミネイロはFC岐阜時代の2016年にJ2で13ゴールを挙げた実績がある。岡山では怪我がちでほとんど活躍できなかったが身体的なパワーとスピードを持った選手である。コンディションが戻ればエース級の働きが出来るが・・・。FW澤上は大学屈指のストライカーと言われて鳴り物入りでC大阪に加入したストライカーである。J3のC大阪U-23でも目立った活躍は出来なかったが潜在能力は非常に高い。

清水は今夏にたくさんの選手を期限付き移籍させた。FW鄭大世(→新潟)の移籍は驚きだったがすでに触れたMF滝をJ3の富山に貸し出して、FW平墳はJ3の藤枝MYFCに期限付き移籍して、高卒1年目のFW栗原イブラヒムジュニアは同じJ3の沼津に期限付き移籍となった。3トップはFW金子翔とFWカルリーニョス・ジュニオとFW西澤健の3人でほぼ決まったので若手が出場機会を得るのはかなり難しかった。

FWティーラシンやMF後藤優もいることを考えるとMF滝、FW平墳、FW栗原イブラヒムジュニアの3人を期限付き移籍で修業に出したのは賢明な判断と言える。FW平墳はやや伸び悩んでいるが左利きでポテンシャルの高いストライカーである。三菱養和SCユース出身のFW栗原イブラヒムジュニアは年代別代表にも召集されている190センチの大型ストライカーである。J3で多くの試合経験を積むことが期待される。

3勝6敗2分けで13位の岩手は評価の難しいシーズンになっているが今夏もDF佐々木翔(鹿島)とMF中野雅(東京V)を期限付き移籍で獲得した。また、ユース出身で高卒2年目となるMF清水敦はパートナーシップ協定を結んでいるヴィクトリア・ハイランダーズFCに期限付き移籍していたが岩手に復帰した。エース候補と期待されたFWモライスの契約解除も発表されたので選手の移籍に関するニュースは多かったと言える。

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