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【J2】再開直前(?)のクラブ別の展望 (ヴァンフォーレ甲府編/松本山雅編) | | |　

ヴァンフォーレ甲府

→　開幕戦はアウェイで町田と対戦したがスコアレスドローだった。どちらもあまり決定機を作れなかったので妥当な結果と言える。今シーズンから甲府は4バックを採用しているが放ったシュートは4本のみ。大宮で活躍したFWラファエルは久しぶりの日本でのプレーとなったがほとんど見せ場はなかった。2017年以来のJ1復帰を目指すシーズンになるが実績のある選手がたくさん抜けたので見通しは明るくない。

FWピーター・ウタカとMF曽根田が抜けた穴を埋めるのはなかなか大変だと思うがFWハーフナー・マイクの加入が濃厚となった。練習生としてキャンプに参加していたもののなかなか獲得のニュースが流れなかったので「不合格だったのか？」と思っていたが3月26日(木)になって「甲府が獲得へ」というニュースが流れた。36歳というFWラファエルの年齢を考えるとFWハーフナー・マイクを獲得できたのは大きい。

近年はどのクラブでも出場機会に恵まれていないが、やはり、195センチの高さは圧倒的である。32歳になったので「レギュラーとして起用された場合にどこまでやれるのか？」ははっきりしないが天性の明るさを持った選手であり、かつ、かつてのエースである。サポーターは歓迎するだろう。町田との開幕戦は「4-2-3-1」という布陣でMFドゥドゥがトップ下でプレーしたが「4-2-2-2」への変更も十分に考えられる。

FWラファエルはキープ力の高い選手なので「彼を下がり目の位置に置いてMFドゥドゥをサイドに回してFWハーフナー・マイクをCFで起用する。」というのがまず考えられる。「FWハーフナー・マイクがどこまでやれるのか？」は未知数なところはあるが迫力は一気に増すだろう。サイドハーフはMF松田力とMF泉澤が開幕戦ではスタメン出場を果たしたがMF中山陸やMF宮崎純など生え抜きの若手の台頭も期待される。

守備陣はDF今津とDF中塩のCBコンビだったので一気に若返った。立正大出身のDF中塩は大卒1年目になるが左利きでフィード力が高い。攻撃の起点になることが出来る。昨シーズンの甲府は極端に平均年齢の高いチームだったが幾分かは若返った。「若返り」というのは今シーズンの甲府の大きなテーマになるが若い選手を積極的に起用しつつ、2位以内を目指したい。MF入間川やMF山田陸なども有望株になる。

松本山雅

→　降格1年目の松本山雅はルヴァン杯に参加している。鹿島がプレーオフで敗退したことで磐田は不参加になったので「J2勢の中でルヴァン杯に参加しているのは松本山雅のみ」となるがルヴァン杯の初戦はアウェイでC大阪と対戦して1対4で敗れた。先制しながら4連続失点を喫したがJ2初年度からチームを率いていた反町監督が退いて布監督が就任した松本山雅は「クラブ史上初」とも言える変革期を迎えている。

ルヴァン杯は大敗だったので不安視された中でJ2の開幕戦を迎えたがアウェイで愛媛FCを相手に逆転勝利。好スタートを切った。攻撃陣が不安視されていたがFW阪野とMF鈴木雄がともに1ゴール1アシストの活躍を見せた。愛媛FCは下位候補に挙げられているが「アウェイでの逆転勝利」というのは価値がある。昨夏に加入したFW阪野はJ1では力を出し切れなかったがJ2レベルで考えると計算できる戦力である。

J2のリーグ戦は白星スタートを切ったので新型コロナでの中断は残念に感じていると思うが選手が大きく入れ替わっており、監督も交代していることを考えると「有意義な期間」になる可能性が高い。注目されるのはルヴァン杯の動向になる。1節を終えた後、ルヴァン杯も中断しているが「延期された分をどこかに組み込んでくる。」となると超・過密日程になる。J2のリーグ戦と両立させるのは不可能に近い。

その一方で2011年と同じでトーナメント方式に変更するなど縮小されるとしたらと松本山雅としては大助かりである。気になるのは怪我人が多く発生している点になる。いずれも中断期間中の怪我だと思われるがDF吉田将は全治4か月、DF乾大知は全治3か月、MF中美は全治6週間と診断されている。3人ともまあまあの重症である。選手層がそこまで厚いチームではないことを考えるとこの3人の離脱は痛い話である。

2位以内を果たすためには選手層を厚くする必要があるが開幕後にDF常田(仙台)とMF久保田(岡山)を獲得した。DF常田は187センチと長身のCBで、MF久保田はテクニックのある中盤の選手になる。DF常田を獲得したのは「DF乾大知が怪我をする前の話」になるがDF常田を獲得できたのは幸運だった。愛媛FCとの開幕戦はDF森下怜とDF橋内のCBコンビだったが「高さのあるCB」が欲しかった。いい補強と言えるだろう。