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【J2】水戸ホーリーホックの補強ポイントについて考える。(2018年夏の移籍市場) | | |　

■　開幕4試合を終えた首位だったが・・・。

長谷部監督を招聘した水戸は開幕4試合で3勝1分け。最高のスタートを切った。4節を終えた時点ではJ2の首位だったがその後は低調。10節からの8試合で1勝7敗と苦しんだ。17節を終えた時点では5勝9敗3分けで勝ち点「18」。19位まで順位は落ちてしまった。21位の愛媛FCとの差は「7」なので残留争いに巻き込まれているわけではないが油断の出来ないポジションである。踏ん張りどころを迎えている。

今シーズンの水戸の良い点は「アグレッシブな守備ができている点」になる。新加入のFW岸本やMF黒川といった日本人の若手はもちろんのこと、新外国人のFWジェフェルソン・バイアーノも守備での貢献度が高い。結果が出ていた序盤戦は激しいプレスからボールを奪って素早い攻撃からチャンスを作った。相手の良さを出させないサッカーができていた。3対0で山形に勝利した開幕戦の内容は圧巻だった。

「メンバーがまずまず固定されている点」は今年の水戸の特徴といえる。ケガ人が多く発生している左右のSBは固定しきれていないがその他のポジションはある程度は固定できている。FW岸本、MF黒川、MF小島幹、DFジエゴなど経験値の少ない選手の頑張りはポジティブなニュースと言えるが選手層は薄いので連戦になると厳しくなる。また、悪い流れになって選手起用で変化を生み出したいときも策が限られる。

■　すでに2人の若手の加入が決定

「選手層を厚くすること」が今夏の移籍市場での水戸の大きなテーマだったが早くもMF茂木駿(仙台)とGK志村(磐田)の育成型期限付き移籍での加入が確定した。どちらも1996年生まれの若手になるがMF茂木駿はキックの精度が高い選手で、GK志村は将来を嘱望されている186センチのキーパーである。育成型期限付き移籍になるのでマーケットが開く7月21日(土)を待たずにJ2の試合に出場することが出来る。

MF茂木駿は仙台では「3-4-2-1」のWBの位置でも試されてきた。アタッカー系の選手なので左右のSHが主戦場になると思うが、先のとおり、SBにケガ人が多くて固定できていないので「SBでの起用」も十分に考えられる。左SHで起用されているMF木村祐は精度の高い右足を持っているがMF茂木駿も相当に優れた右足を持っているので新しい大きな武器になる可能性はある。面白い補強と言える。

キーパーは苦労しているポジションの1つになる。新加入のGK松井が開幕から6試合連続でスタメン出場。快進撃の立役者の1人になったがケガの影響で7節以降は欠場が続いている。ベテランのGK本間が正キーパーに昇格して奮闘した試合もあったが17節のFC岐阜戦(A)ではイージーミスからPKを献上するなど精彩を欠く試合も多かった。18節の栃木SC戦(A)では高卒ルーキーのGK長谷川凌が抜擢された。

19才のGK長谷川凌を抜擢して勝利をつかんだのでGK長谷川凌に対する評価は相当に上がったが、やはり、今後はGK志村を正キーパーとして起用する可能性が高い。2016年にはGKカミンスキーが離脱した時期にチャンスを与えられてJ1で10試合に出場している。泣き所になっていたポジションがGK志村の加入によってストロングポイントになる可能性はある。MF茂木駿とGK志村の補強は評価できる。

■　補強ポイントはCBとSBとCF

資金的な余裕のあるクラブではないことを考えると今回のMF茂木駿ならびにGK志村の獲得の2件のみで「夏の補強は打ち止め」となる可能性も否定できないが、やはり、もう1人 or 2人くらいは夏の間に有力な選手を補強したい。中盤はすでに名前を挙げた選手以外にもMF伊藤涼、MF外山、MF平野、MF前寛之などなど活きのいい若手がたくさんいる。優先的にパワーアップさせたいのは最終ラインになる。

17試合で22得点なので失点数自体は決して多くない。キーパーが固定できない中、DF福井とDF細川の2人を中心によく頑張っているが彼ら以上の能力あるいは将来性を持ったCBを獲得できるのであれば本腰を入れて補強に乗り出したい。また、すでに触れたようにSBはケガ人が多くてやり繰りで相当に苦労しているので計算の出来るSBを出来ることならば加えたい。SBは優先補強ポイントの1つである。

FWジェフェルソン・バイアーノとFW岸本の2トップが基本形となるフォワードも出来れば強化したいポジションである。14試合で5ゴールのFWジェフェルソン・バイアーノは能力の高い大型ストライカーであるが怪我がち。欠場する試合が少なくない。「ケガに強いタイプ」には見えない。FW宮本も奮闘しているがエースが欠けたときの離脱のダメージを最小限に抑えてくれるCFは欲しいところである。

表1. 水戸ホーリーホックの各種のスタッツ (17節終了時点)

項目	J2平均	自チーム	順位	相手チーム	順位
シュート	12.6	11.88	13	11.88	8
枠内シュート	3.9	3.59	14	3.59	9
枠内シュート率	31.0%	30.2%	12	30.2%	8
ドリブル	12.3	12.59	9	11.24	7
パス	444.7	384.82	18	457.24	13
ボール支配率	50.00%	47.3%	17	52.7%	17
クロス	14.9	13.24	17	14.41	8
直接FK	13.1	12.88	13	14.65	17
間接FK	2.2	2.59	8	2.18	10
CK	4.6	4.12	17	4.12	4
スローイン	26.1	27.94	5	27.59	16
タックル	22.0	23.88	8	24.24	19
クリア	25.7	25.59	12	26.76	15
インターセプト	2.1	2.18	7	1.94	6
オフサイド	2.0	2.06	11	2.41	6
警告	1.3	1.18	12	1.00	18
30ｍライン進入	37.1	35.24	14	33.88	4
ペナルティエリア進入	13.6	12.29	18	14.24	17
(%)	36.7%	34.9%	14	42.0%	20
攻撃回数	130.7	134.53	5	132.71	15