■ 「J2のオリジナル10」が5チームも終結2018年のJ2は新たに甲府・新潟・大宮・栃木SCの4チームが参戦して、湘南・長崎・名古屋・群馬の4チームが抜けることになった。「J2のオリジナル10」である甲府・新潟・大宮がJ1から降格してきたのでJ2元年の1999年にJ2に所属したチームが一気に増えて甲府・新潟・大宮・山形・甲府の5チームになった。「悲願のJ2復帰」を果たした栃木SCもJ2経験が豊富なクラブなので新鮮味にはやや欠ける顔ぶれになった。
2011年のFC東京、2013年のG大阪、2015年と2016年のC大阪、2017年の名古屋のように良くも悪くも注目を集める「場違いなチーム」は見当たらない。広島あるいは清水がJ2に降格して、名古屋が昇格に失敗していたら2018年のJ2のメンツは相当に面白くなったが「J1のオリジナル10」の3チームはいずれも2018年はJ1で戦うことが決まったのでJ1昇格を狙うクラブにとっては大きなチャンスのシーズンと言える。
ある程度はオフの補強の動きが見えてきたJ1のクラブと比較するとJ2のクラブの補強の動きはほとんど見えてこない。ここから主力が大量に流出してメンバーが大きく入れ替わるチームも出てくるだろうし、補強に成功して戦力を大幅にアップさせるチームも出てくるだろう。現時点で2018年のJ2を展望するのはなかなか難しいが「2018年のJ2の中心」になりそうなのは新潟・大宮・甲府・千葉の4チームである。
■ J2の中心となるのは4強か???資金力的にはJ2の22クラブの中では大宮が抜けているが「断トツの優勝候補」になる可能性は低い。31節を終えた時点で伊藤彰監督を諦めて石井監督に託したが3試合で0勝2敗1分け。大きな変化は生まれなかった。もちろん、石井監督が就任した時点でJ2に降格する可能性が高かったので「J2に降格した原因」は石井監督では全くないが大宮を指揮した3試合で0得点/8失点。求心力の低下が懸念される。
最後の最後で大宮を追い抜いて最下位を脱出した新潟は4連勝でフィニッシュした。もちろん、残留争いの大勢に大きな影響を及ぼさない4連勝だったがいい形でシーズンを締めくくることが出来るといい気持ちのままでオフ期間に突入することができる。監督が代わったり、選手が大幅に入れ替わたとしてもチーム全体の雰囲気は継続されるケースがほとんど。大宮と新潟は対照的な締めくくり方になった。
新潟は黄金期の磐田を指揮した鈴木政一監督の招聘に成功した。Jリーグのクラブの監督としては結構なブランクがあるのでその点は不安視されるが豊富な経験値を持った監督を招聘することができた。年代別代表の監督を務めた経験もあるので「人脈を持っている点」も新潟にとっては大きな魅力と言えるだろう。主力が大量に流出しそうな雰囲気ではないので「新潟が昇格候補の筆頭」になる可能性が高い。
■ 過渡期に入ったアビスパ福岡&松本山雅甲府は残留争いの真っ只中の時期に吉田達磨監督の続投を発表した。何かしらの意図をもってあのタイミングで「続投」を正式に発表したと思うが残留には結びつかず。2018年も吉田達磨監督がチームを指揮することになるが本来はパスサッカーを好むタイプの指導者である。今シーズンは守備を重視したサッカーを選択せざる得なかったがJ2の戦いの方が監督の良さを出しやすいのではないかと思われる。
降格組の3チームと昇格の切符を争うことになるのはエスナイデル監督の続投が決まった千葉だろう。POの準決勝ではアンラッキーなジャッジにも泣かされて名古屋に屈したがレギュラーシーズンは7連勝でフィニッシュした。苦しんだ時期が長かったが監督の求めるサッカーが終盤戦になってようやく実現できるようになった。FWラリベイ、FW清武功、GK佐藤優といった主力の残留はすでに確定している。
J1復帰に失敗した福岡と松本山雅は難しいシーズンになるだろう。福岡は主砲のFWウェリントンの退団が決定的。MF三門やDF亀川などが抜ける可能性もある。井原監督の去就もはっきりしないが1つの時代が終了して次の時代に進むべき時期がやってきたように感じられる。この状況から一致団結して再び「J1昇格」を目指すのはなかなか大変である。反町監督の続投が決まった松本山雅にも同じようなことが言える。
■ シーズンごとの波が大きい東京V・横浜FC・京都7位でPO出場を逃した徳島は「今シーズンと同じようなメンバーで戦うことが出来ればJ1昇格の有力候補の1つ」に挙げられる。魅力的なサッカーを見せてJ2に新風を巻き起こしたが個人としての評価が急上昇した選手が多いので「主力の大量流出」の不安はある。ただ、名古屋がJ1に昇格するなどJ2の顔ぶれが厳しくないので「もう1年、徳島でプレーしたらJ1に昇格できるかも」という考えが生まれても不思議はない。
初のPO出場を果たした東京V、流出の可能性は高いと思われていたFWイバの引き留めに成功した横浜FCなども「J1昇格候補の1つ」に挙げられるが東京Vと横浜FCはシーズンごとの波が激しいチームである。良かったシーズンの翌年は期待外れに終わるケースがこれまでは多かったので上位候補に推しにくいところもあるがここから主力の流出が最小限にとどまった場合は4チームの競争に加わる可能性もある。
賛否両論ある中で布部監督の続投が決まった京都も近年は波の激しいチームである。今シーズンは最悪のシーズンになったので2018年は良いシーズンになる順番なのかもしれない。資金力ではJ2で屈指。タレントが豊富なチームであることは間違いない。フォワードで覚醒したFW闘莉王の去就に注目が集まる。J1経験のある山形・大分にとっても2018年はチャンスのシーズンになるのでモチベーションは高いだろう。
2017/12/07 【J1】 どこよりも早い2018年シーズンの展望
2017/12/08 【J2】 どこよりも早い2018年シーズンの展望 (上) ~中心となるのは4強か?~
2017/12/08 【J2】 どこよりも早い2018年シーズンの展望 (下) ~中心となるのは4弱か?~
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