湘南ベルマーレ→ J1に昇格して2年目となる湘南は昨オフに中心選手だったMF永木(鹿島)とDF遠藤航(浦和)とGK秋元(FC東京)が退団。センターラインの軸となる選手が抜けた一方で十分な穴埋めは出来なかった。一時は「出身地のクラブである京都サンガの監督就任が有力」と言われたチョウ・キジェ監督がチームにとどまったのは良かったが戦力ダウンは否めなかった。苦戦が予想されていたが開幕から8試合勝ちなしと苦しんだ。
8試合で0勝6敗2分け。2節の川崎F戦(A)と3節の広島戦(A)は共に後半のアディショナルタイムまでリードを奪っていたが終了間際に失点して勝ち点「3」を取り逃がした。4節から5連敗。苦しい流れだったが9節以降は4勝3敗2分け。直近の4試合は2勝2分け。現時点では16位と降格圏に位置するがアウェイでG大阪と引き分けるなどチーム状態は確実に上がって来ている。上り調子で2ndステージを迎えることができる。
開幕当初の勝てない時期と比べてメンバーが大きく変わったわけではないが横浜FMから加入したFW端戸が1トップのレギュラーに定着。14節の名古屋戦(H)から3試合連続ゴールを決めるなどここに来て急激に存在感を増している。レフティのFW端戸はシュート技術の高い選手なので「彼にいい形でボールを預けることができるとゴールが生まれるかもしれない。」という期待感が持てるようになったのは大きい。
同様に甲府から加入したボランチのMF下田もここに来て存在感を増してきている。15節のG大阪戦(A)は途中出場ながらゴラッソ2発をお見舞いした。3対3のドローに大きく貢献したが、16節の磐田戦(H)と17節の柏戦(A)はいずれもプレイスキックから先制ゴールをお膳立てしている。キックの精度が高いゲームメーカータイプのボランチで運動量は中盤の選手の中ではJ1で上位クラス。湘南でキーマンになっている。
守備陣はここに来てようやく失点数が少なくなってきた。新守護神のGK村山は波があってミスで失点に絡む場面もあるが神がかり的なビッグセーブてチームを救う場面も多い。ここまで4勝9敗4分けという成績を残しているが、勝利した試合のほとんどはGK村山が目立った活躍を見せている。他にはレギュラーとして起用されているわけではないがベテランのDF坪井は出場機会が巡って来たときは好プレーを見せている。
半分の日程が消化した時点で16位なので今シーズンの目標を「J1に残留すること」に切り替えざる得ない。当然のことながら降格圏を脱出して一日でも早く安全圏まで駆け上がることが当面の目標となるが夏の移籍市場がオープンする前の6月23日(土)にブラジル人のFWウェズレーの加入が発表された。タイの名門のブリーラム・ユナイテッドでプレーしていた選手で180センチ/72キロ。24歳なので年齢的には若い。
プレー動画を見る限りでは「力強さを持ったストライカー」と言える。180センチなのでCFとしては特別大きな選手ではないがボックス内では力強いプレーをすることができる。得点源になってくれるとチームとしては助かるが、先のとおり、ここ最近は1トップで起用されているFW端戸が好調。彼とのポジション争いに勝たないと出場機会は得られない。運動量が必要となるサッカーにアジャストできるか?に注目したい。