■ 具体的な話が出てきたが・・・。湘南の曹貴裁監督のパワハラ問題が表面化してから1日が経過した。その間にいろいろな情報が流れているがスポーツ報知の報道によると
・時期は少なくとも2018年2月~今年7月までの間。
・クラブハウスや試合会場などで選手やチームスタッフらに、高圧的な態度や暴言を繰り返した疑い。
・複数人の前でチーム関係者の能力を疑問視。人格を否定するような発言を行った。
・机をたたいたり、扇風機を蹴りながら選手に罵声を浴びせる行為が日常的にあった。
・精神的な苦痛や過度のプレッシャーから練習場に行けず、うつ病などを発症した関係者もいた。
・ライザップ社から今年1月に出向したスタッフは精神的に追い込まれて6月からチームを離れた。
という。かなり具体的な話が出て来たが、「スタッフへのパワハラ疑惑」と「選手へのパワハラ疑惑」を同列で語るのは難しい。この2つは分けて考える必要があるが、以前、曹貴裁監督が書いた本を読んでいるので、選手やスタッフに対して強い口調で怒ったり、叱ったりすることが普通にあったのはほぼ間違いないと思う。「今日はお前のせいで負けたんだ。」とミーティングのときに話すこともあったと書かれている。
■ 手元にある本に書かれていること昨今の日本のスポーツ界はパワハラ問題がしばしば話題になるが大前提となるのは「パワハラは絶対に良くない。」ということである。曹貴裁監督の今後を心配する声は少なくないと思うが、手元にある本に書かれていることを記述すると
・「今日はお前のせいで負けたんだ。」とミーティングで発したことがある。
・日本ではある意味ではタブーとされてきた言葉になる。
・相手を信頼しているからこそ言える言葉だと思う。
・その選手が厳しい言葉を消化できるという確信があって初めて発することが出来る。
・なので、相手の目を見据えて、はっきりと言葉にするようにしている。
・相手が言われたことを受け入れることが出来ないのであればそうした選手を育てた監督の責任。
・自分の言葉が原因で指揮官として信頼されなくなり、チームがバラバラになるのならば監督という仕事を潔く辞めた方がいい。
となる。パワハラ問題が発覚した場合、「パワハラをした側はパワハラをしたことに気が付いていない。」というのがキーワードになるが、著書の中にも「言い方には相当に気を使っている。」ということが繰り返し書かれている。「事実は咎めるが人格まで否定してはならない。」とも書かれているのでこういう形でパワハラ疑惑が報じられていることに関しては、監督自身、ショックを受けているだろうと推測できる。
曹貴裁監督のこれまでの言動を考えると「2020年も湘南の監督を務めている可能性」はほぼゼロだと思う。「退任濃厚」と報じたメディアもあるが、近日中に辞任もしくは退任となる可能性もある。「相手方がそれをパワハラと主張するのであれば全面的に否定するのは難しい。」と言える言動は数えきれないほどあると推測できる。Jリーグでは異例の長期政権になっているが引かざる得ない状況になっている。
■ 「パワハラは絶対に良くない。」繰り返しになるが大前提となるのは「パワハラは絶対に良くない。」ということである。今回の曹貴裁監督のように「パワハラをしたとされる側」に寄り添った主張をすると『パワハラを認める古い人間』というレッテルを貼られることになるが、やはり、「パワハラをされた側がパワハラをされたと感じたらOUT」という考え方は良くないと思う。今回の件がどうなのか?の結論を出すのは早いが悪用される可能性もある。
「セクハラをされた側がセクハラをされたと感じたらOUT」にも通じるところがあるが、今の世の中はいい人ばかりではない。今回の件がどうなのか?は別として悪意を持って「○○ハラスメント」を利用しようとする人は一定数いる。今回の件がどうなのか?は別として「訴えた者勝ちの世の中になる。」のは宜しくない。「とにかくパワハラはOUT」とシンプルに主張できる人は幸せな人生を歩んできたのかもしれない。
「パワハラ問題」でとにかく難しいのは『どこまでならばセーフで、どこからがOUTなのか?』という基準が全くない点になる。ちょうど1年ほど前に問題になった体操のパワハラ問題のときは「(最近の成績が良くないので)このままだと東京五輪に出場するのは難しいと選手に言ったこと」や「上の立場にいる人に部屋に呼ばれて1対1 or 1対2で話をすることになったこと」までパワハラの一種とされて問題視されている。
「パワハラをされた側がパワハラをされたと感じたらOUT」であるならば、明らかに不真面目に練習している選手に監督やコーチが叱咤激励することもパワハラの一種とされてNGになる可能性が出てくるが、こうなるとクラブとして成り立たなくなる。「パワハラは絶対に良くない。」のは当然の話として、「どこまでならばOKで、どこからがNGなのか?」をある程度は決めておかないといけない時代になっている。
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