9位 : 町田ゼルビア 1勝1敗1分け 3得点/2失点 → 昇格組の町田はここまで1勝1敗1分け。C大阪との開幕戦は試合を優位に進めながらCKからMF山村和に決勝ゴールを許して0対1で惜敗。2節の京都戦(H)もミスから失点して0対1のスコアで後半のアディショナルタイムを迎えたがMF重松のクロスからFW中島裕が起死回生のヘディングシュートを決めてドローに持ち込むと3節の山口戦(A)は2対0で快勝。退場者が出て数的不利になった後も大きな問題は生じなかった
まずまずのスタートを切ったが2015年のJ3で36試合でわずか18失点だった鉄壁の守備は十分にJ2でも通用している。C大阪→京都→山口と攻撃力のあるチームとの対戦が続いたが失点はセットプレーでのゴールと自分たちの不用意なミスがきっかけとなるカウンターで食らったゴールの2つだけ。C大阪の出来が非常に悪かったとは言っても最初の試合でC大阪を相手にいいゲームができたのは自信になっただろう。
目立つのはキーパーのGK高原。特に開幕のC大阪戦(H)と3節の山口戦(A)で好セーブを見せてチームを救った。2003年に磐田でキャリアをスタートさせて札幌で主戦キーパーだった時期が長かったGK高原も35歳。ベテランの域に入ったが彼の安定感がチームにいい影響をもたらしている。CB陣に怪我やレッドカードといったアクシデントが発生しているのは気になるが誰が起用されても一定以上の活躍が期待できる。
相馬監督も守備に関しては一定以上の自信を持っていると思うので「どのくらいの順位になるのか?」は攻撃陣がカギを握っている。J3の初代の得点王のFW鈴木孝は2節の京都戦(H)で負傷交代。3節の山口戦(A)は欠場となったのでまだ「J2初ゴール」が生まれていない。サポーターは3年連続でチーム内の得点王なっているエースのゴールを待ちわびていると思う。怪我を治して早い時期に初ゴールを決めたいところ。
その一方で山形から加入したFW中島裕がここまで2ゴールを挙げており、MF鈴木崇も3節の山口戦(A)で今シーズン初ゴールを決めた。千葉から期限付き移籍のMF谷澤も持ち味であるボールキープでチームに貢献しており、FW戸島やMF重松もチャンスを与えられたときはなかなかなのプレーを見せている。「W鈴木以外がどこまでやれるのか?」がポイントの1つだったがここまでは「脇を固める選手」が頑張っている。
10位 : 松本山雅FC 1勝1敗1分け 2得点/1失点 → 1年でJ2に戻ってきた松本山雅も1勝1敗1分け。開幕の熊本戦(A)は0対1で敗れて、2節の横浜FC戦(A)は2対0で完勝。3節の清水戦(A)は内容的には劣勢だったがスコアレスドロー。開幕3試合がすべてアウェイ戦だったこと、さらには、アウェイの清水戦が含まれていることを考えると1勝1敗1分けというのはまずまずと言える。次節がホーム開幕戦となるが強豪の千葉と対戦する。大事な試合になるだろう。
3試合で2得点/1失点。2節の横浜FC戦(A)では1年ぶりにチームに復帰したFW山本大が先制ゴールを決めたが思うようにチャンスシーンは作れていない。プレイスキックならびにロングスローで絶大な存在感を発揮したMF岩上が抜けた穴は大きくて、さらに1人で局面することができたドリブラーのMF前田直が抜けたのも結構なダメージである。違いを出せる選手が少なくなって攻撃においては迫力不足は否めない。
長身フォワードのFWオビナが怪我をして2節の横浜FC戦(A)から欠場が続いている。「全治6週間」と発表されているので6~8試合程度は欠場となる見込み。彼がいない時期をどう乗り切るのか?は大事になってくる。FWオビナがいるとロングボール中心のサッカーになると思うが、代わりにフォワードの軸として起用されているFW山本大は裏への飛び出しや運動量の多さが持ち味の選手なのでタイプは全く異なる。
J1を経験した松本山雅の次の目標は「J1に定着すること」。J1に定着するためにはロングボールやセットプレーに頼った攻撃では限界がある。先のことを考えてスタイルをモデルチェンジしなければいけない時期に入っていたのでFW山本大を軸に戦うことになったことで変化が急速に進むかもしれない。点の取れる選手が少なくなったのでFW山本大にかかる期待は大きい。ハードワークも求められるので大変である。
不安要素の多い攻撃陣と比べると守備陣は安定している。開幕の熊本戦(A)も失点はPKによるもの。熊本から加入したGKシュミット・ダニエルの存在感は絶大でもともと定評のあった守備陣はさら強固になった。長身のDF飯田は健在で、DF喜山は左ストッパーのポジションが板についてきて、新加入のDF當間は早くもチームに馴染んでいる。堅い守備は今シーズンの松本山雅の一番の武器と言えるだろう。
12位 : V・ファーレン長崎 1勝1敗1分け 4得点/6失点→ 2015年は6位でプレーオフに進んだ長崎は1勝1敗1分け。開幕はアウェイで金沢に2対1で勝利。好スタートを切ったが2節の清水戦(H)は0対3で完敗。FW大前に2ゴールを許すなど力の差を見せつけられる結果に終わった。迎えた3節の讃岐戦(H)の前半はほぼ完璧な出来。攻守に相手を圧倒して2対0とリードしてハーフタイムに突入したが後半に失速してまさかの2対2のドロー。勝ち点「2」を失う形になった。
結局、3試合で計6失点。2015年はリーグ最少タイの33失点だったことと比較すると失点の多さが目立つ。守備は長崎のベースになる部分なので要修正と言えるが課題だった攻撃陣はここまで3試合で4ゴールとまずまず。栃木SCから加入した左WBのMFパク・ヒョンジンが早くも2アシストを記録しており、4ゴール中3つのゴールがMFパク・ヒョンジンのクロスから生まれている。長崎の大きな武器になりそうだ。
期待のストライカーのFW永井龍も3試合で2ゴールと結果を残している。3試合で放ったシュートは10本。これは12本のFW大前(清水)に次ぐリーグ2位タイ。決定機を逃すシーンもいくつかあるがとにもかくにも2ゴールと結果を残している。C大阪のユースチームでプレーしていた頃から将来を嘱望されていたストライカーなのでポテンシャルは折り紙付き。個人としては非常にいいスタートを切ることができた。
彼のいいところは万能性。180センチ/73キロとCFとしてはまずまずのサイズがある。スピードやパワーも一定以上でドリブルで自らシュートチャンスを作ることもできる。前線からの献身的な守備も高く評価されてきた選手なので長崎でフォワードの軸として起用されたら「J2で屈指のストライカー」になれるだけの実力を持っている。決定力に課題を抱えているが早い時期に2つのゴールが生まれたのは精神的にも大きい。
シャドーの位置は164センチ/58キロと小柄なMF梶川が今シーズンも存在感を発揮している。相棒がまだ定まっておらず、大卒ルーキーのMF中村慶になるのか、大卒2年目のMF北川になるのか、新加入のMF田中輝になるのかは分からないが、今シーズンもMF梶川がいい位置でボールを受けてチャンスを拡大させる場面が多い。新外国人のMFロドリゴがどこまでチームにフィットできるか?も注目ポイントになる。
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