5位 : ジェフ千葉 2勝1敗0分け 4得点/3失点 → 前代未聞とも言える大シャッフルを行った千葉は2勝1敗。5位とまずまずの位置に付けている。3節の横浜FC戦(H)に至っては「スタメン11人が全員新加入選手」という珍しいことになったが『その割にはチームとしてうまく機能している。』と言える。2月に行われたニューイヤーカップの頃から着実に結果を出しているが最も不安視された『チームが出来上がるまでに時間がかかるのでは?』という心配はなくなった。
とにかく大きかったのは開幕の徳島戦(H)。セットプレーから先制点を許して敗色濃厚だった。あのまま1対0で終わっていたら「また今年もか・・・。」、「結局、何も変わっていないのでは・・・。」と思いながらサポーターはスタジアムを後にすることになったがアディショナルタイムに2ゴールを奪って逆転で勝利。奇跡的な逆転劇によって「今年のジェフは何かが違う。」とポジティブな雰囲気が漂うようになった。
ほとんどが新戦力なので注目選手は多いが新加入のFW船山貴が攻撃の軸におさまりそうな流れになっている。しっかりと結果も残している。「相方を誰にするのか?」が気になるところであるが、状態がいいのは開幕の徳島戦(H)で同点ゴールを決めたFW吉田眞。運動量も多くてアグレッシブなプレーでチームに勢いをもたらしている。ただ、FWエウトンの力は必ず必要になるのでうまく両者を使いこなす必要がある。
攻撃的なポジションのメンバーだけを見るとFW森本がいて、MFネイツ・ペチュニクがいて、FW松田力がいて、MF谷澤がいた2015年の方がネームバリュー的には上となるが、期待感は今シーズンの顔ぶれの方が上。得点チャンスが作れそうな雰囲気は醸し出している。五輪代表入りを目指すMF井出とFWオナイウ阿道が多くの出場機会を得るようだとサポーターの楽しみは広がる。MF井出の状態はかなり良い。
「連携面」という不安要素がなくなったこともあって現状では大きな問題点は感じられないが、「春先は調子がいいがどこかのタイミングで歯車が狂ってきて失速する。」というここ最近の千葉のパターンになっているので安心はできない。4節は松本山雅、6節はC大阪と対戦するが、ともにアウェイ戦となる。自動昇格枠を争うライバルとの対決となるが両チームに対してどんな戦いができるのか?は興味深い。
6位 : 清水エスパルス 1勝0敗2分け 3得点/0失点 → J2初挑戦となる清水はここまで1勝2分け。2節の長崎戦(A)はFW大前が活躍して文句なしの快勝だったが1節の愛媛FC戦(H)と3節の松本山雅戦(H)はいずれもスコアレスドロー。プレーオフに進んだ愛媛FCと長崎に加えて降格組の松本山雅との対戦になったので「序盤戦で強豪との対戦が続いた。」というのも大いに関係しているが、ホームで2試合連続スコアレスドローというのはサポーターにはストレスになる。
ポジティブに考えられるのは3試合とも清水が試合の主導権を握って押し込む展開だったこと。ゴールを奪うことはできなかったが1節の愛媛FC戦(H)と3節の松本山雅(H)はほとんど相手に決定機を作らせなかった。「守備組織の構築」に定評のある小林監督を招聘した効果が早くも表れており、『完全に崩壊していた。』と言えた清水の守備陣を短期間で立て直した。このあたりはさすがと言えるだろう。
DF角田やFW鄭大世が離脱していることもあって小林監督は若手選手を思い切ってスタメンで起用しているがここまでは期待以上の活躍を見せている。DF犬飼、DF三浦弦、DFビョン・ジュンボンが起用されているCB陣は経験値が不足しているがここまで3試合連続完封。先のとおり、ピンチの数自体が少ない。若い選手が多いので彼らを成長させながら昇格を勝ち取ることが期待されるが流れ的には悪くない。
「問題」とまではいかないが攻撃に関しては十分ではない。同じようにC大阪や千葉なども十分には得点を奪えていないので大半のクラブが攻撃面で苦労しているが3試合で3ゴールのみ。チャンスシーンを作れていないわけではないが『押し込んでいる割には決定機は少ない。』と言える。しかも、決定機の大半はFW大前が絡んでいる。その周りでプレーするFW北川やMF石毛やMF白崎などはもっと頑張る必要がある。
FW鄭大世が戻ってくると雰囲気はガラッと変わると思うが「ゴール前の厚み」が不足している印象。小林監督は守備に重きを置くタイプの指導者なので左右のSBやボランチがリスク覚悟で攻め上がるシーンはほぼ無い。2節の長崎戦(A)のように前の選手だけで点が取れると楽な展開になるがJ2は守備の堅いチームが多いのでこじ開けるのは簡単ではない。特にWボランチのどちらかは積極的にゴール前に絡みたい。
20位 : 徳島ヴォルティス 0勝2敗1分け 3得点/5失点 → 小林監督が退任して長島監督が就任した徳島は0勝2敗1分け。まだ初勝利を手にすることができていない。開幕の千葉戦(A)で勝利を目前にしながら逆転で敗れたのはショックが大きかった。フクダ電子アリーナでの試合なので「引き分けでもOK。」と言えたが同点に追いつかれた後、その流れのままに逆転ゴールを許した。「ハンドだったのでは?」という気もするので不運な面はあったが勿体ない試合だった。
監督が交代したチームは特に早い時期に初勝利を手に出来るかどうかで大きく流れが変わってくる。痛恨の一敗を喫して2節の熊本戦(H)もセットプレーで決勝ゴールを奪われて2連敗スタートとなったが3節の山形戦(H)は0対2の状況から2ゴールを奪って2対2のドローに持ち込んだ。後半開始からMF木村祐とMF内田裕を投入して「4-2-3-1」にシフトチェンジしたことが功を奏した。何とか勝ち点「1」を獲得できた。
3節の山形戦(H)で活躍したのは鳥栖から期限付き移籍したFW山崎凌。昨年の夏に行われたAマドリーとの親善試合でいいプレーを見せており、「注目の若手の1人」に挙げられていたが3戦目で2ゴールの活躍。1点目のドリブル突破からのシュートも、2点目の裏抜けからのシュートも潜在能力の高さを見せつけるファインゴールだった。187センチとは思えないほどのスピードを持っており左利きというのも魅力。
徳島にはJ1で二桁ゴールを記録した経験のあるFW佐藤晃とFW長谷川悠がいるが、開幕からJリーグでほとんど実績のないFW山崎凌が3試合連続でスタメン出場。ハーフタイムで2人の選手を入れ替えた山形戦(H)もFW佐藤晃が前半だけで交代してFW山崎凌はそのまま。長島監督が高く評価していることをうかがわせる選手起用が続いているがその期待に応えた。泥臭さが出てくると「ポスト・豊田陽平」になれる素材。
彼以外の新加入選手ではボランチのMF岩尾がさっそく存在感を発揮している。3節の山形戦(H)ではFW山崎凌の同点ゴールをアシストするなどラストパスの部分でもチームに貢献している。一方で3試合スタメンのFW渡は現時点では不発。持ち前のスピードを生かしたプレーでチャンスを作る場面は少なくなかったが最終局面での精度が不足している。アタッカー系のフォワードはFW渡のみ。重要な存在になるだろう。
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