■ 「目玉クラスの選手」をダブル獲得か!? 昇格1年目となる徳島は「主力の流出を最小限にとどめること」が今オフの最大のテーマだった。リカルド・ロドリゲス監督が浦和に移ったので「徳島時代の教え子をたくさん獲得すること」は十分に考えられたが浦和が興味を示した10番のMF渡井の残留は早々に決定した。FW垣田のレンタル延長にも成功して期限付き移籍だったMF杉森は完全移籍で獲得。MF岩尾やMF西谷和やGK上福元などの残留も決定した。
「主力の流出がほぼゼロ」という点だけでも高評価に値するがその上で「今オフのJリーグの移籍市場の目玉」だったがMF藤田譲瑠チマ(東京V)とMF本間至(新潟)のダブル獲得もほぼ確実となった。J1レベルで考えると資金力やブランド力があるとは言えない徳島が目玉選手の両取りに成功するというのは驚きである。実際にJ2のリーグ戦で徳島と対戦して攻撃的なサッカーに可能性を感じた末の決断と考えられる。
FW宮代(川崎F)も期限付き移籍で獲得したので中盤から前目のポジションに関しては魅力いっぱいのメンバー構成になった。ノビシロの大きい選手がたくさんいるので「中盤から前目のポジションはJ1屈指のワクワクできる顔ぶれになった。」と言える。もちろん、不安要素もいくつかある。最優先補強ポイントだったCBの補強が進んでおらず。空中戦に強いCBは怪我がちで、かつ、未更改のDFドゥシャンくらいである。
J1は強力なフォワードを擁するクラブがほとんどなので「個の力」でやられるケースは多くなると思われる。チーム全体の平均身長も低いのでセットプレーでやられる機会も多くなるはず。J2では失点数の少ないチームだったが失点の数は大幅に増えると思うがそれでも「少々の失点であれば何とか取り返せるのでは?」と思える攻撃陣になった。2人の獲得が正式に決まった場合、クラブの魅力度は一気に高まる。
■ 静かなオフになった川崎フロンターレ 王者の川崎Fは(
前編 )で触れたとおりで静かなオフになった。選手の入替えは少なくてFW遠野(福岡)やFW知念(大分)などレンタル組の選手を呼び戻したのがトピックスの1つになる。主力の流出もMF守田(→サンタ・クララ)とMF齋藤学(→名古屋)くらい。移籍市場での存在感は希薄だったがそれでもMFシミッチ(名古屋)とMF小塚(大分)とMF塚川(松本山雅)を獲得。やはり、MFシミッチを獲得できたのは大きい。
札幌は今オフも入替えはあまり多くないがピンポイントで有望な選手を獲得した。DF進藤(→C大阪)が流出したがDF柳(仙台)やMF青木亮(大宮)やFWオケチュク・ガブリエル(カサブランカ)などを獲得した。大学生のGK中野(法政大)とFW小柏(明治大)も獲得しているので例年どおりでポテンシャルの高さそうな選手を獲得した。キーパーの補強は考えられたがとりあえずはGK菅野とGK中野とGK大谷の争いになる。
浦和はリカルド・ロドリゲス監督を招聘して新しいスタートを切ったが30代中盤に差し掛かっている主力 or 元・主力は多い。GK西川、DF槙野、MF宇賀神、FW興梠、FW武藤雄あたりの動向は大いに注目されたが名前を挙げた5人はいずれも残留。39歳のMF阿部勇も残留したので功労者の日本人選手は残しつつ、若い選手を獲得するという流れになった。世代交代は進むのか?停滞するのか?は注目点になる。
補強自体は申し分ない。2020年のJ2で大いに目立ったMF明本(栃木SC)、MF小泉佳(FC琉球)を獲得。リカルド・ロドリゲス監督のサッカーに合いそうな若手のアタッカーの確保に成功した。他にもMF田中達(大分)とMF金子大(湘南)を獲得できたが何と言ってもDF西大伍(神戸)である。右SB or 右WBで違いを出せる選手を獲得できたのは大きい。DF西大伍の加入によってDF橋岡はCBでの起用が主になるだろう。
■ 経営難のサガン鳥栖は・・。 横浜FMはFWエリキ(→長春亜泰)がレンタル終了。DF岩田(大分)とFWエウベル(ECバイーア)を獲得した。FWエリキの穴は当然のことながら大きいが動画を見る限りではFWエウベルも相当に能力が高いアタッカーである。プレースタイルがよく似ているので「FWエリキの流出を想定した上での補強」と考えられる。攻撃力が高い若手世代の日本人の右SBは極めて少ないことを考えるとDF岩田を獲得できたのは大きい。
経営難の鳥栖はMF原川(→C大阪)、MF高橋秀(→横浜FC)、DF宮大樹(→福岡)、DF森下龍(→名古屋)、DF原輝綺(→清水)などが流出した。脂の乗り切った年代の主力がたくさん抜けたので「戦力的にはマイナス」と言えるがクラブの財政事情を考えると「年俸が高いベテラン&市場価値の高い中堅世代は売却 or 放出して、今後、市場価値がさらに高まりそうな若手は引き止める。」という基本方針は理解できる。
MF松岡大、FW林大地、MF本田風などを引き止めることが出来たのは良かった。過去を振り返ると「財政難と言われながら例年通りかそれ以上の補強をして『実は懐事情は改善されたのでは?』と言われたクラブが、結局、財政事情は全く変わっておらず、単に最後の賭けで大ギャンブルをしていただけ。」というパターンは多々ある。置かれた状況をしっかりと認識した上で動くことが出来た点は評価できる。
湘南と大分は入替えの激しいオフになった。どちらもチームの顔だった選手が流出してしまったが湘南はFWウェリントン(ボタフォゴSP)やFW町野(北九州)やMF中村駿(山形)などを獲得。面白い選手をたくさん獲得できた。大分はDF鈴木義(→清水)とDF岩田(→横浜FM)が流出したがFW長沢駿(仙台)やMF下田(川崎F)やDF坂圭祐(湘南)やFW渡邉新(新潟)などを獲得。流出した選手の穴はある程度はカバーできた。
昇格2年目の横浜FCも積極的なオフになった。FW斉藤光(→ロンメルSK)の流出は早々に決定してMF中山克(→清水)も流出。FW一美(→G大阪)とDF小林友(→神戸)はレンタルバックとなったのでマイナスも少なくないがMF松尾は残留濃厚。FWクレーベ(千葉)やFW渡邉千(G大阪)やMF小川慶(神戸)やDF高橋秀(鳥栖)などを獲得した。ネームバリューのある選手をたくさん獲得したが「まずまずの補強ができた。」と言える。
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