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【J1】今オフの移籍市場の「勝ち組」はどこだろうか？ (前編) | | |　

■　ストーブリーグは終盤戦に突入

Jリーグのストーブリーグは終盤戦に突入した。「今オフの補強はほぼ終了して新シーズンの背番号を発表したクラブ」もあるが未更改の大物や所属先が決まっていない契約満了組も少なくない。FWオルンガとGK中村航がW流出した柏は莫大な額の移籍金を手にしているのでここから大物の獲得を画策するだろう。早くも新シーズンの全体練習がスタートしたクラブもあるがまだ当分は移籍のニュースで盛り上がるだろう。

「コロナ禍」もあってストーブリーグも相当にイレギュラーなものになったが積極的な動きを見せたのはJ1のクラブの中では清水・名古屋・C大阪・浦和・横浜FCあたりになる。高齢化が進んでいるC大阪と浦和は若手をたくさん獲得して若返りを図った。湘南・鳥栖・大分は出入りの激しいオフになった。この3チームは流出した分の穴を埋めるために激しく動かざる得なかった。名古屋とC大阪はACLの戦いが待っている。

一方、ほとんど補強の話が無かったクラブもいくつかある。鹿島は高校生を3人、大学生を3人獲得しているが、新卒の選手を除いた新加入選手はようやく加入が決まったMFアルトゥール・カイキ(クルゼイロEC)のみとなる。ACLに出場するG大阪も静かなオフになっており、加入が決まったのはMFチュ・セジョン(FCソウル)とDF佐藤瑶(明治大)の2人のみ。FWレアンドロ・ペレイラ(広島)の加入はまだ正式発表ではない。

神戸も現時点で新戦力は4人のみ。MF井上潮(東京V)、GK廣永(広島)、DF櫻内(磐田)、MF櫻井(前橋育英高)という顔ぶれなので例年と比べると顔ぶれは華やかではない。DF小林友(横浜FC)のレンタルバックが確定して年代別のブラジル代表のFWリンコンの加入が濃厚となったがDF西大伍(浦和)とDF藤谷壮(北九州)が抜けたことを考えると不安いっぱいである。ここからの巻き返しがあるのか？は注目点になる。

■　ビッグクラブが静かなのが今オフの特徴

経営難と報じられた仙台も慌しいオフになったが新卒の選手を除いた新加入選手はMF上原力(磐田)、DF秋山陽(名古屋)、MFマルティノス(浦和)の3人だけ。FW長沢駿(→大分)とFWジャーメイン良(→横浜FC)が流出して、FWアレクサンドレ・ゲデス(→ファマリカン)とFW山田寛(→C大阪)のレンタルバックが決定したので純粋なフォワードはFW赤崎くらいである。さすがに水面下で動いている最中だと思われる。

横浜FMも新卒の選手を除くと新加入選手は少ない。DF岩田(大分)とFWエウベル(ECバイーア)を獲得したがGK白坂(Honda FC→鹿児島)は即レンタルとなったので現時点での新戦力は2人のみとなる。似たタイプのFWエウベルを獲得した時点でFWエリキの退団は十分に予想できたがFWエウベルの能力は相当に高い。右SBはDF松原健とDF小池龍がいたので充実していたがDF岩田の加入によってさらに充実した。

鹿島やG大阪や横浜FMといったJリーグの中ではビッグクラブと言われるところが静かな動きに終始しているのが今オフの大きな特徴と言える。FC東京や川崎Fあたりも積極的な動きを見せなかったことを考えると「コロナ禍」で観客動員数が激減した影響がより大きかったのは有力クラブや人気クラブだったと言える。入場料収入が多かったクラブは無観客試合ならびに制限試合の影響を諸に受ける形になった。

■　最も補強が上手くいったのは清水

J1の20クラブの中で最も補強が上手くいったのは満場一致で清水だろう。主力の流出がほぼ無かった上でGK権田(ポルティモネンセ)、FWチアゴ・サンタナ(サンタ・クララ)、FWディサロ・燦・シルヴァーノ(北九州)、DF鈴木義(大分)、DFウィリアム・マテウス(コリチーバFC)、DF原輝綺(鳥栖)、DF片山瑛(C大阪)など即戦力クラスをたくさん獲得。戦力は大幅にアップした。クラブ史上最高のオフになったと言える。

クルピ監督を招聘したC大阪も有望な若手をたくさん獲得した。監督交代には賛否両論あるが2020年の平均年齢はJ1の18クラブの中では最も高かった。FWアダム・タガート(水原三星)、FW加藤陸(金沢)、MF原川(鳥栖)、MF松本泰(福岡)、DF進藤(札幌)、DF新井直(新潟)など若手～中堅世代の実力者をたくさん獲得して主力の平均年齢は一気に下がるだろう。DF木本(→名古屋)などが流出したが十分な補強ができた。

久しぶりにACLに出場する名古屋も積極的な動きを見せた。DF木本(C大阪)、DF森下龍(鳥栖)、MF長澤(浦和)を獲得できたのは相当に大きい。主力の流出も現時点ではDFオ・ジェソク(→仁川U)くらいなので戦力アップに成功しているが明らかにピークの時期を過ぎているにも関わらず、高年俸と思われるMF柿谷(C大阪)とMF齋藤学(川崎F)の獲得に関しては賛否両論あるだろう。2列目は過剰なほど選手を抱えている。

その一方でCFの補強は今のところは進んでいない。MF阿部浩やMF前田直やMF柿谷は1トップの位置でもプレーできるがACLが待っていることを考えるとサイズがあって前線で起点になれるCF系の選手を是が非でも獲得したい。期限付き移籍のFW金崎は長期離脱中で、かつ、FWジョーに投資していたお金を回すことが出来るのでこちらも水面下で動いている最中だと思われる。大物フォワードの獲得に期待したい。

　→　2021/01/13 　【J1】今オフの移籍市場の「勝ち組」はどこだろうか？ (前編)
　→　2021/01/14 　【J1】今オフの移籍市場の「勝ち組」はどこだろうか？ (後編)