■ J2第48節27勝11敗9分けで勝ち点「90」。3位のヴァンフォーレ甲府を勝ち点差「1」で追う4位の湘南ベルマーレがホームの平塚競技場で東京ヴェルディと対戦。東京Vは松田監督就任後、3連勝中と好調。
ホームの湘南は<4-1-2-3>。GK野澤。DF臼井、ジャーン、村松、島村。MF田村、寺川、坂本。FWアジエル、田原、中村。FWアジエルがスタメン復帰。FW阿部はベンチスタート。
対する東京Vは<4-2-2-2>。GK土肥。DF福田、土屋、富澤、藤田。MF柴崎、服部、永里、飯尾。FWレアンドロ、飯尾。FW大黒、MF河野はコンディション不良のためベンチ外。
■ 3位に浮上試合は前半の序盤はホームの湘南ペース。何度か決定機を逃した後の前半26分にカウンターからFWアジエル→FW中村とつないで、最後は左サイドを駆け上がったMF寺川のシュートで先制。MF寺川は7ゴール目。しかし、東京Vは前半42分に右サイドを崩したMF永里のクロスをファーサイドのFW井上がうまく合わせて同点に追い付く。FW井上は3ゴール目。前半は1対1で終了。
後半は開始から東京Vペース。フォワードに近い位置に入ったFWレアンドロが頻繁にボールに触ってチャンスメーク。後半16分には右サイドをドリブルで崩したMF永里のプレーから相手のクリアボールをFWレアンドロが拾ってミドルシュート。これが鮮やかに決まって2対1と逆転に成功する。
苦しくなった湘南だったが、後半の最後のプレーでDFジャーンが頭でつないだボールをFW阿部が執念で合わせて同点に追い付く。結局、2対2。3位の甲府が福岡に敗れたため、湘南は得失点差で甲府を上回って3位に浮上した。
■ 劇的な阿部吉朗の同点ゴール!ホームで苦しい試合となった湘南だったが、ロスタイム4分が経過していて、最後のプレーでFW阿部が同点ゴールを奪った。これで勝ち点「1」を獲得。3位で直接対決を迎えることになった。得失点差が「1」のみなので、セーフティーリードではないが、直接対決でドローに終わっても3位をキープできるという心理的に有利な立場で試合に臨むことが出来るようになった。
値千金の同点ゴールを奪ったのはFW阿部吉朗。FWアジエルが復帰したことで、また、ベンチスタートとなったが、ワンチャンスをものにして貴重なゴールを叩き込んだ。DF村松が蹴ってロングボールをゴール前に上がっていたDFジャーンが頭ですらして、ディフェンスラインの裏のスペースに飛び出したFW阿部が最高のヘディングシュートを決めた。
FW田原に加えて、後半途中にFWリンコンを投入。さらに、DFジャーンも前に上がっていて、大型選手が前線に揃っていたが、DFジャーンの頭でのパスを見逃さず集中していたFW阿部の執念が実ったファインゴールだった。
■ 次節は大一番湘南は次節、甲府との直接対決が待っている。福岡に敗れた甲府と、劇的な同点ゴールで勝ち点を拾った湘南を比較すると、やはりムードがいいのは湘南だろうか。
ホームで勝利が必要ということで甲府は立ち上がりから攻めてくるはずであり、最初の15分をいかにしてしのぐかがポイントになるだろう。攻撃陣ではFWアジエルのコンディションが上がってきていないのが心配の種であるが、FW田原が調子を上げてきていて、FW中村も勢いを取り戻している。
甲府はDFダニエルが出場停止。湘南としては、落ち着いて攻めることが出来れば、チャンスはいくつか作ることが出来るだろう。ただ、熊本戦もそうであったが、ここ数試合、チャンスに決め切れないシーンが目立っている。クラブの命運を左右する大一番で、果たして誰が普段通りの仕事が出来るか。タフさが求められる。
■ 4連勝はならず一方の東京Vはロスタイムに失点して4連勝はならなかった。立ち上がりは動きが鈍く、MF寺川に先制ゴールを許したが、先制点で目が覚めたのか、それ以後は、東京Vが試合の主導権を握った。
中でも、古巣の湘南との対戦になったMF永里が出色の出来。豊富な運動量と果敢な飛び出して相手を混乱させて、なおかつ、2点ともに絡んだ。MF河野がねん挫のため欠場したが、MF永里が違った持ち味を発揮して、チームに貢献した。
また、FWレアンドロのプレーもスーパーだった。前半はボールが回って来ずにフラストレーションがたまる試合だったが、後半になると躍動。キープ力はずば抜けていて、得意の切り替えしは相手を悩ませた。
■ 松田監督になった効果経営譲渡の問題もあって、落ち着かない日々を過ごしていて成績も低迷した東京Vだが、松田監督にチームは急上昇。水戸、岡山、福岡に3試合連続完封勝利を飾って、さらには上位の湘南相手にも互角以上の勝負。希望の見える試合を見せている。
中心になっているのは、正GKに復帰したGK土肥とボランチのMF服部と最終ラインを統率するDF土屋のベテラントリオであるが、MF河野やDF福田、FW井上ら若手も生き生きとしてきた。
資金力に乏しい状況なので、どれくらいの選手がチームに残留するのか分からないが、腰を落ち着けて松田監督が来シーズンも指揮を執るようなことがあれば、上位争いをする可能性は低くはないだろう。
■ 11年ぶりのJ1の舞台を目指して・・・湘南は1999年にJ2に降格。以後、J1に再昇格することなく、ずっとJ2でのプレーを余儀なくされてきた。経営的にも苦しい状況は変わらず、何度かチームの存続の危機が訪れたが、今シーズンは残り3試合を残りして、大きなチャンスを迎えている。
1994年にベルマーレがJリーグに昇格して以降、何度も名勝負を繰り広げてきたヴェルディとの対戦となったこの日、平塚競技場には11,653人のサポーターが集まった。今シーズンは、何度か観客動員数が10,000人を超えており、サポーターも期待も相当である。
ベルマーレというと、過去には、MFベッチーニョ、FW野口幸司、MF岩本輝雄、DF名良橋晃、DF名塚善寛、MF田坂和昭、DF洪明甫、FW呂比須ワグナー、GK小島伸幸、そして、MF中田英寿とキラ星のごとくタレントを輩出してきた。もし3位以内となってJ1昇格が決定すると、実に11年ぶりのこととなる。
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