ロシアと中国に関する言説に欠けている重要な言葉:緊張緩和
2021年5月5日
ケイトリン・ジョンストン
バイデン政権の中国政策に焦点を合わせたノラ・オドーネルの最近の60ミニッツ・インタビューで、トニー・ブリンケン国務長官は、ルールに基づく国際秩序の擁護者としてのアメリカ、北京にそれを遵守するようにさせる重要性について話した。
「我々の目的は、中国を封じ込めたり、阻止したり、抑制したりすることではない。中国が挑戦している、このルールに基づく秩序を擁護することだ」とブリンケンは述べた。「この秩序に挑戦する国が誰であれ、我々は立ち上がり、秩序を擁護するつもりだ。」
もし、ブリンケンが本物のジャーナリストと話をしていたのであれば、中国に対し「ルールに基づく秩序」を擁護する、どのような特定の方法が、中国封じ込めたり、抑制したりすることと違うのかと問われたはずだ。今世紀の変わり目以来、制裁と封鎖で、故意に一般人を餓死させながら、違法戦争で何百万人も殺害し、何千万人も強制退去させている国が、自身を「ルールに基づく秩序」の擁護者だと、どうして公言できるのかとも問われたはずだ。
だが、ブリンケンはジャーナリストと話していたのではなかった。ブリンケンはノラ・オドーネルと話をしていたのだ。(下にYouTube画像があるが、日本では見えないのでリンクは貼り付けない。)
ブリンケンとのオドーネルのインタビューは、現代の主流記者が、なぜ、もっとタカ派で、攻撃的にしないか知りたいと要求する時だけ、アメリカ当局者に挑戦的な外交政策の質問を許される事実の完ぺきな実例だった。インタビュー中に、ブリンケンが聞かれた質問のいくつかが、ここにある:
「あなたが、狙いは中国封じ込めではないとおっしゃるのはわかりますが、今まで中国が軍事的に極めて強引だったり、攻撃的だったりするのを見たことがありますか?」
「あなたは我々が中国と何らかの軍事対決に向かって進んでいると思われますか?」
「人権について話しましよう。世界の他の国々が見ていないかも知れないことで、あなたが新彊で起きているのを見たことをお話しください。」
「新彊が中国との超えてはならない一線でなければ、何がそうなのでしょう?」
「中国はアメリカから、何兆ではないにせよ、何千億ドルもの企業秘密や知的財産を盗みました。それは敵の行為のように聞こえます。」
「それでバイデン大統領は、習主席にそれをやめるよう言ったのですか?」
「中国は長期的に、戦略的に、何十年も先を考えます。アメリカは最近、あちこちで遅れを取り戻しただけで、我々は戦略的、長期的に考えておらず、結果的に、中国が我々を超えることになるのでしょうか?」
「中国政権は香港に何をするつもりでしょう?」
「それなら、北京の2022年オリンピックをボイコットしましょう?」
(下にYouTube画像があるが、日本では見えないのでリンクは貼り付けない。)
アメリカ政府による新彊「大量虐殺」言説の多くの目につく矛盾や、欧米の戦略地政学的狙いを推進するため、この言説をでっちあげる巨大なプロパガンダ攻勢で我々が目にしている多くのものを、ブリンケンは決して問われることはなかった。ブリンケンが、中国が「軍事的に極めて強引だったり、攻撃的だったりする」のは、アメリカが何年も、中国を軍隊で積極的に包囲している事実に関係があるかどうかも決して問われなかった。この危険な路線から離脱するため、緊張緩和を追求して、どんな措置をとれるかについて、ブリンケンは、決して、オドーネルに問われなかった。
実際、アメリカに中央集権化した帝国が、ロシア、中国両国と益々敵対的な冷戦に向こう見ずに突入する中、国々の間での敵意緩和を意味する言葉「緊張緩和」は、奇妙なことに、主流談話に欠如している。先の冷戦中は、著名な民主党議員、共和党議員ともに受け入れていた議論の主な焦点だったが、この危険な新しい複数戦線の冷戦で、それは消え去った。
時折、この言葉を目にするが、それが最も重要なはずの強力な二大核武装国に関しては、ほとんど決してないように見える。シリアとサウジアラビア間の緊張緩和の可能性がある協議に関する最近の「ガーディアン」記事や、三週間前のロイター記事は、アメリカとイラン間の緊張緩和に触れており、先月のウォールストリート・ジャーナル記事は、アメリカと北朝鮮間の緊張緩和を書いていたが、最近、広範に流れる欧米のニュース・メディアによる、この言葉の使用は、見つけるのが困難か、全く見あたらない。
この概念さえ存在しないかのようだ。選択肢として考慮さえされていないかのようだ。それが選択肢なのを、人々は知らされていないかのようだ。
私が日々参加するオンライン会話や討論で、これが展開するの目にしている。一般にモスクワと/あるいは北京に対する、アメリカの無謀な冷戦エスカレーションを擁護する人々は、緊張緩和が起こり得る可能性を考慮さえしていないかのように語る。多くの人々は、そういう言葉が存在することさえ知らない。彼らは唯一の選択肢は益々対決的な冷戦エスカレーションと考え、いかなる代案を考慮する概念的枠組みさえ持っていない。そうやって、ロシアと中国との平和の可能性は、徹底的に人々の注目から隠されているのだ。
これは完全に計画的なように思われる。著名な学者で米露関係の専門家故スティーヴン・コーエンは、去年亡くなるまで、常に「緊張緩和」という言葉を使っていたが、それまでの年月に、ロシアとの事態が熱くなり始めるにつれ、彼は主流チャネルが、彼の分析を益々歓迎しないことに気がついた。同じ理由で、ノラ・オドーネルは、ブリンケンに、決して中国に対する攻勢を緩和させる方法ではなく、どのようにエスカレートするつもりか尋ね、主流メディアは、緊張緩和の緊急な必要性や可能性に関して、一般大衆を無知のままにしいるのだ。
我々は、既定の事実として選べる唯一の選択肢は、この二つの核保有国への攻勢を強化し続けるのを当然と思うようにされている。これはウソで、正気ではない。緊張緩和は絶対に選択肢だ。少数の有力な社会病質者が、アメリカ帝国は、いかなる犠牲を払っても支配権を維持しなければならないと決めたからといって、我々は毎日核のロシアルーレットという精神病ゲームで、地球上の全ての命を危険にさらし続ける必要などないのだ。
我々全員仲良くして、人類の繁栄に向かって、我々のエネルギーを一緒に使うことができない正当な理由などない。これを議論の話題として認めさえしない、主流言説をでっちあげる連中の狭まりつつある信じがたいオバートンの窓は、彼らは権力者のために、それを意図的に、気がつかないよう隠していると言う。中国とロシアの権益を攻撃し、傷つけることに代わる唯一の選択肢は、アメリカ帝国が地球の一極支配を放棄し、他の国々にその支配を越えて繁栄するのを許すことだから、隠されているのだ。
クレムリンや中国共産党に対する邪悪な忠誠心があると、しばしば私は非難されるが、これは、日にちと、たまたまその時書いている内容で変わる。だが、私の命や、私が愛する人々の命や、この惑星を共有している全員の命が、権力者以外の誰のためにもならない、ばかばかしいアメリカ至上主義価値観に賭けられるのに私は同意しないというのが現実だ。我々が武器を放棄し、他国の人々と友好的に協力できない、もっともな理由など存在せず、違うことを言う人々は、皆ウソをついているのだ。
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大本営広報部、政府方針転換の話題やら、自治体トップのズル接種の話題ばかりで、決して、肝心なPCR検査強化の必要性には触れない。悪辣な連中、反省しない。まして、宗主国の中国包囲網の先兵、ひだるま不沈空母を目指す憲法破壊をめざす国民投票法の策謀は完全にスルー。コロナを悪用する「ショック・ドクトリン」そのもの。
デモクラシータイムスやIWJの爪のあかでも...
英仏独の欧州勢も 緊迫のインド太平洋へ【半田滋の眼 NO.33】20210511
日刊IWJガイド
日刊IWJガイド・特別公開版「改憲・緊急事態条項新設にコロナ禍を悪用する菅総理の惨事便乗プロパガンダ! 真実を伝える独立メディアIWJにご支援をお願いします!」2021.05.15号~No.3166号
ごく一部を引用させていただこう。
加熱する中国包囲網! 仏軍が強襲揚陸艦を持ち込み、自衛隊霧島演習場で米海兵隊と着上陸訓練! 英国からは英軍史上最大級の空母に世界最大規模の最新鋭戦闘機群を搭載した空母打撃群が日本に寄港! 艦隊にはオランダ軍も参加! 世界各国から日本に集結した艦隊は、当然、中国のミサイルの標的となるので、「戦場」は日本列島に!!
<IWJ取材報告>「日本列島全土が中国のミサイルの射程距離内にあるのに『敵の射程外から発するスタンドオフミサイル』をどうやって日本国内に配備するのか?」矛盾をつくIWJ記者の質問に岸防衛大臣は実質無回答!!~5.14岸信夫 防衛大臣 定例会見
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