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2019年10月

2019年10月31日 (木)

公式に正気を失ったアメリカ

Finian Cunningham
2019年10月28日
Strategic Culture Foundation

 アメリカ政治家連中の下劣な泥仕合やパントマイム無駄話は不条理劇のようだ。今やいかなる中傷も許容される。トランプ大統領と彼のツイッター暴言が、下品さの水準を史上最低に設定するのを助けたが、民主党と共和党も、素早く狂気に身を落とした。

 最近、民主党の前大統領候補ヒラリー・クリントンが、同じ民主党議員のトゥルシー・ギャバードを「ロシア・スパイ」だと非難し、正気度判定で、はなばなしく失格した。来年の選挙で大統領候補者の座を得ようと競っているハワイ選出女性下院議員を一部の同僚民主党政治家が弁護した。だが多くのクリントン協力者や評論家連中がクリントン中傷キャンペーンを強化し、ギャバードは「クレムリンのために働いている」と繰り返した

 この超党派的なロシア憎悪は、何十年もの冷戦と、1950年代、ワシントンとハリウッドでのソ連シンパ容疑者に対する、マッカーシー迫害の赤の恐怖妄想に遡ることができる。だが2016年の選挙から、これまで3年間、アメリカ内政に対するモスクワによる干渉とされる「ロシア・ゲート・スキャンダル」で冷戦は狂気のように復活した。トランプに対するこの流言を始めたのは、クリントン選挙運動組織と既成マスコミと諜報機関のクリントン支持者だった。

 今年早々の空虚なマラー捜査で明らかなように、証拠も信頼性も不十分なのにもかかわらず、ばからしいロシアゲート物語や、その根にあるロシア憎悪は、クリントンの途方もないギャバード中傷が過度のマスコミ報道や同意の論評を得ていることで実証されるように、いまだにアメリカ政治家連中の意見を支配するのに成功している。こうしたばかげた妄想に信頼と敬意を払うこと自体、アメリカが公式に公式に正気を失っている印だ。

 もう一つの集団的狂気の徴候は、真実と事実の証拠が提出されたのに、真実を語る人がもの笑いにされ、事実は完全に無視されることにも見られる。

 最近の全国テレビ討論で「アメリカはアルカイダ・テロリストを支援している」とはっきり言ってトゥルシー・ギャバードは真実を語った。他の民主党候補者連中の不審そうな表情が、米軍は「テロと戦うため」シリアや他の場所にいるのだと主張するアメリカ公式プロパガンダの空想世界に包まれて暮らしていることを示している。

 退役軍人ギャバードは、こうした率直な真実を語ったことに対し、ニセ情報と嘘を広めたかどで、メディア報道と論評で猛烈に攻撃されている。「ロシア・スパイ」とレッテルを貼られたのに加え、彼女は「アサド擁護者」としても非難されている。

 だが今週、二つの進展が、シリアと中東における、いっそう広範なアメリカのテロ集団支援を結びつける上で、ギャバードが正しいことを実証している。

 まずドナルド・トランプ大統領は、シリアで活動しているいわゆる救援隊ホワイト・ヘルメットへの450万ドル支援承認を発表している。トランプは彼らを「重要で非常に貴重だ」と歓迎した。去年大統領はホワイト・ヘルメットへの680万ドル支援を承諾した。

 この集団は、そのプロパガンダ映画に対しアカデミー賞を獲得しているが、いくつかの調査報道で、ホワイト・ヘルメットは、アルカイダ関連ハヤット・タハリールアル・シャム(かつてヌスラ戦線のフロント組織)や他のイスラム国(ISIS)集団の広報部門だと報道された。エセ救援集団は、ジハード戦士テロ組織支配下にある縮小した地域で活動しているに過ぎない。ホワイト・ヘルメットは、大半のシリア民間人には知られていないか、彼らかかさ拒否されている。彼らは、シリア軍や同盟しているロシア軍のせいにした偽旗化学兵器攻撃をしかけたことが暴露されている。「これらは全くのでっちあげプロパガンダだ」と受賞したジャーナリスト、ジョン・ピルジャーは言う

 トランプやイギリスやフランスのような他の西洋政府が、ホワイト・ヘルメットに何百万ドルも公然と支援しているのは、シリア・テロ組織への西洋列強による公式支援の論破できない証明だ。もちろん、これは、これら政府がシリアでの政権転覆のため秘密の犯罪戦争をしているという分析と首尾一貫している。アメリカ政治家の中で、シリアにおけるこのワシントンの極悪非道な関与をはっきり語る人物はトゥルシー・ギャバードしかいない。ところが彼女は、あらゆる方面から、ウソつきの外国スパイだと非難されている。

 今週のテロ集団とのアメリカのつながりを示す二つ目の展開ながら、欧米メディアがしっかり無視しているのは、北東シリアから、アルカイダ系ジハード戦士を空輸した米軍に関する信用できる報告だ。

 今週、トルコによるクルド民兵攻撃の混乱の中、何百人ものジハード容疑者囚人が拘置所や収容所から逃亡したことをロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣が確認した

 「アメリカ占領軍が、シリアからイラクに、何百人ものダーイシュ[ISIS]テロリストを輸送し続けている」とシリア国営メディアが報じている

 多くの拘留中のテロ容疑者が、ハサカ市近くの巨大なアル・ハウル収容所でアメリカ軍輸送ヘリコプターにつり上げられ、西イラクまで移動させられている。進撃するシリア国軍に、これら非合法過激派戦士を引き渡すより、その代理部隊をしっかり掌握することに国防総省は懸命なように思われる。ワシントンが政権転覆作戦の対象に決めた、シリアでの新たな反乱や、他のどこかで戦うためなのかも知れない。

 別のマスコミ報道は、西イラクに基地を設置するため、米軍は東シリアから移転されていると報じている。これは米軍と、シリアで失敗した戦争遂行に使われたテロ集団間の本格的再編を示唆している。

 ワシントンの政治家連中が、非常識な偏見と妄想に基づく非難合戦に陥って、アメリカの犯罪的戦争の厳しい真実を完全に否定する時、実際、トゥルシー・ギャバードのような真実を語る人を悪者にするために、歪曲される時はいつでも、USAは、United States of [Mental] Asylum、つまり[精神]病院合州国を意味することを我々は知ることになる。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/28/us-has-officially-gone-insane/

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 続く閣僚失言。英語試験問題言い訳にならない言い訳。試験導入は本来延期でなく中止すべき。辞任も続く?

日刊IWJガイド「河井克行法務大臣とその妻、河井案里参院議員に公選法違反の疑い!! 菅原一秀元経済産業大臣に続き、菅義偉官房長官の側近のスキャンダル!! 安倍政権の閣僚は続々と迷走が続く!!」2019.10.31日号~No.2604号~

 

2019年10月30日 (水)

シリアでトルコをロシアと戦わせようとするアメリカの手口

2019年10月28日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 エルドアンとトランプの電話会話が、北シリアからの米軍撤退とそれ続くシリア内のクルド民兵に対するトルコ襲撃の道を開いたが、シリアにおけるトルコ作戦の余波が、トルコを「なだめる」アメリカの取り組みの核心は、単にこれまでのアメリカ政策の償いをするだけでなく、シリアにおけるトルコ-ロシア関係を困難にし、シリアや、より広範な中東での弱い地政学的立場を修正するためアメリカが利用したがっている利害の衝突を引き起こす出来事を招くことだったように見える。これこそまさにマイク・ペンスの最近のトルコ訪問と、シリアの領土保全を守り、尊重するという誓約に反し、トルコの長年の要求であるシリア内にトルコ軍が支配する「安全地帯」の設置に対するアメリカ誓約の目的だったのだ。

 こうして、シリア国境からイラク国境に至る440キロにわたる、ほぼギリシャの大きさの「安全地帯」拡張に対し全てを要求し妥協しようとしないトルコの食欲をそそり、シリアをできるだけ早くシリアの指揮統制下に再統合しようと望む当事者と「抵抗の軸」を壊すためシリア分割を目指す当事者との間に、アメリカが紛争の種をまいたのだ。

 従って、ペンス訪問後に発表された「両国は、トルコの国家安全保障問題に対処するための安全地帯の継続的な重要性と機能性について合意し」「安全地帯は、主としてトルコ軍によって実施され、両国はその実施の全ての次元で相互協力を強化するという」アメリカ・トルコ共同声明は、トルコ軍事駐留の共同管理で、アメリカ自身が、シリアに関与し続ける意図を示しているが、重要なロシア代表団との対談で、「不法にシリア領内に駐留するトルコやアメリカや他の全ての軍隊」をシリアから排除する必要性について、アサドははっきりしていた。全領土に対するシリア支配を再確立する彼らの取り組みを妨害する狙いで配備されるトルコのシリア無期限軍事駐留を、シリアとロシアの当局は明らかに認めそうにない。

 だがロシアからトルコを引き離すのに熱心なアメリカ当局者は「安全地帯」政治で、トルコとロシア間に亀裂を生じさせるのに懸命だ。それゆえ、アメリカは、広大な「安全地帯」に対するトルコの欲望を刺激しながら、このような地域の創設への同意をロシアとシリアに委ねている。言い換えれば、ペンス-エルドアン合意が示す通り、アメリカは、シリア内の巨大安全地帯創設に反対しないが、ロシアとシリアに、このような地帯の創設に同意するよう説得するのはトルコ次第なのだ。シリアは、もちろん全ての不法駐留する部隊をシリアから排除したいと望んでおり、ましてトルコに無期限、長期軍事駐留を認めるなどありえない。

 従って、エルドアンは、シリアに対するトルコの最大限要求の狙いを、ロシアのプーチンができるだけ早く具体化するよう期待しているように思われる。10月19日、エルドアンは声明で、トランプ大統領と会談した後、プーチン大統領との会談に焦点を合わせると述べた。彼の言葉を引用すれば「作戦地域[コバニを意味する]には、ロシアに守られた[シリアのバッシャール・アル・アサド大統領]政権部隊がいる。我々はプーチン大統領と問題に取り組むつもりで」さらに、特定のシリア地域に関し、ロシアの同意が得られない状況となれば「トルコは自身の計画を実行するつもりだ」と付け加えた。

 計画が何であれ、ここで明白なのは、シリアのみならず、中東全体に関し、それら計画を設計し実行する上で、アメリカは果たすべき重要な役割を持っていることだ。

 既にトルコはF-35プログラムへの復帰を期待しており、「安全地帯」のトルコ軍支配に関するアメリカの保証で、地域におけるトルコの野望、エルドアンの新オスマントルコの夢が成就するかもしれないと期待している。

 地域におけるアメリカの立場を考えると、トルコが「地域大国」として行動するのを多少の手助けをするのは、ロシアの地域における影響を制限し、シリアとイラク両方で、イランに対抗することを含め多くの目的にかなうはずだ。そもそもアメリカが、クルド人を見捨てると決め、単にクルド人民防衛隊を押し返すだけでなく、彼らを非武装化するためアンカラと合意したのは、まさにこれが理由だ。

 更に西のトルコが支配する飛び地と、トルコが先週占領した東部の、より小さな地域の間にある戦略上重要なコバニに、現在シリア軍がしっかり駐留しており、トルコ部隊をシリアから押し出すと固く決めているシリアの間で緊張は増す可能性が高い。これは、アメリカがシリアの終盤に関与し続け、地域を勢力「圏」にする事実上の領土再分配に影響を与える取り組みで、二番目に大きいNATO軍への「支援」を拡張し続けるのを可能にする、アメリカにとって最も好ましいシナリオだ。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/28/how-the-us-is-trying-to-play-turkey-against-russia-in-syria-2/

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 昨夜は、台風15、19号の直後に記録的豪雨!「八ッ場ダム無双」デマと国交省がお蔵入りにした堤防強化策! 岩上安身による関良基・拓殖大学教授インタビュー 続編を拝聴した。インタビュー画像の横にあるTweetのコラム?で、極めて低劣なネトウヨが愚劣な茶々を入れていたが、他の皆様による強烈な反論のおかげで退散した。

 見終わってから、たまたま某著名ブログを拝読したところ「八ッ場ダム無双」説を延々主張していた。現実を素直に評価しない!と「左翼」批判しているのにびっくり。

 ところが、貴重な報道、インタビューをするジャーナリズムは資金難という悲しい現実。年金生活者ゆえ、蟻の涙のカンパをさせていただこう。

日刊IWJガイド「10月も残り本日と明日のみ! ご寄付・カンパはいまだ月間目標額のわずか59%! IWJへのご支援をよろしくお願いいたします!」2019.10.30日号~No.2603号~(2019.10.30 8時00分)

 

2019年10月29日 (火)

説明責任ある政府の終焉は差し迫っている

2019年10月27日
Paul Craig Roberts

 約70年間、CIAは出版・報道の自由を傷つけている。それは対共産主義の冷戦作戦オペレーション・モッキングバードから始まった。CIAはプロパガンダ・ネットワークに、ジャーナリストをリクルートしている。CIAは、偽記事を書いたり、この諜報機関の狙いに役立つよう、言説を支配するため、CIAが書いた記事を掲載したりするようジャーナリストに金を払っている。学生団体や文化団体やEncounterのような知的雑誌が、CIAのプロパガンダ・ネットワークに買収された。ドイツ人ジャーナリスト、ウド・ウルフコッテのおかげで、あらゆる主要なヨーロッパ人ジャーナリストがCIAの手先なのを我々は知っている。1977年、ウォーターゲートで有名なカール・バーンスタインがローリング・ストーン誌で、CIAが「CIA要員に素晴らしい隠れ蓑を提供した英語、外国語両方の多数の外国報道機関、定期刊行物や新聞に密かに資金を出した」と書いた。他のほとんどの人々同様、欧米ジャーナリスト全員、品位を金と引き換えに進んで売り渡した。そうしない少数の人々は服従するよう脅された。

 残ったごく少数の正直なジャーナリストは、「主流」あるいは売女マスコミ媒体からインターネット・ウェブサイトへと追放された。ウィキリークスは現代、遥かに最良の報道機関だ。この組織をワシントンに屈伏させるため、属国のスウェーデン、イギリス、エクアドルを使って、何年もの間ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジを迫害してきた。ニューヨーク・タイムズやガーディアンを含むCIAに隷属するメディアは、いずれもウィキリークスに漏らされた資料を掲載したくせに、世界最良、最も正直なジャーナリストの迫害に全身全霊で参加して、アサンジを破滅させるため利用されている。

 現在アサンジは、濡れ衣で、アメリカへの犯人引き渡しを待って、最高警備のイギリス刑務所に独房監禁されて、明らかに死に至るような拷問をうけている。CIAが連邦判事全員に偽証させることが確実ではないので、もしアサンジがイギリス刑務所で死んでも、ワシントンは、現在のアメリカ法の下では、彼に対して有効な論拠がないので、十分満足なのだ。アメリカで、法による支配を見いだすのが非常に困難な中、有効な論拠の欠如は重要ではない。

 アサンジに対する有効な論拠の欠如が、アサンジ迫害を、スターリン主義者の見せしめ裁判だと著名なドキュメンタリー映画作者ジョン・ピルジャーが言っている理由だ。

  CIAによるジュリアン・アサンジ破壊で驚くべきことは、アメリカの法科大学院や弁護士会の沈黙、大学の沈黙、学生団体や労働組合による抗議の欠如、法廷に対するアサンジの権利のあらゆる保護の欠如、政府に、その犯罪の責任をとらせる気力も能力もあるはずの報道機関が、法科大学院、知識人、弁護士会、裁判所や、印刷・TVメディアに丸見えで公然と破壊されていることだ。

 言説に対するCIAの支配はジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』中でビッグ・ブラザーが持っている支配力と同じぐらい完全だ。しかも、これをアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、ヨーロッパ国民は苦にしない。ごく少数の人々だけがアサンジのために率直な意見を述べ、次に彼らが悪者にされる。

 今や専制政治の時代が欧米を襲っている。

 ジュリアン・アサンジの強制送還裁判は見せしめ裁判だ。

ジョン・ピルジャー

http://www.informationclearinghouse.info/52445.htm

初出はこちら。 https://consortiumnews.com/2019/10/25/john-pilger-did-this-happen-in-the-home-of-the-magna-carta/

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/27/the-end-of-accountable-government-is-close-at-hand/

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 「謝罪」で済む発言だろうか。

 萩生田文科相、受験「身の丈」発言を陳謝 「説明不足だった」

 与党幹部による大学教授ツイート「名誉毀損」スラップ訴訟。岩上安身氏に対するあのスラップ訴訟を連想する。岩上安身氏に対するスラップ訴訟や東京電力幹部に対する裁判の到底正気とは思われない判決を考えると、三権統一状態でこそ可能な言論弾圧だろう。スターリン・ソ連時代の異端派に対する見せしめ裁判そのものに思える。
 孫崎享氏、岩上氏のインタビューで、「今の体制で出世する方法は、正義の実践ではなく、トップへの忖度なのだから、裁判に公正などありえない。」という趣旨のことをいっておられる。さりとて放置するわけにもゆかないだろう。記憶は定かではないが「狂犬にかまれたようなものです」というようなことをおっしゃった。狂犬でなく「権力の座にある犯罪人」。説明責任ある傀儡政府は既に終焉している。

 IWJインタビューに登場されて、新幹線車両基地水没の背景についても語られたまさのあつこ氏、週刊金曜日にも書いておられる。多摩川の問題を解説される様子は「ぶらまさのあつこ」。大本営広報部テレビや新聞、どれだけこうした事実を報じているのだろう。昼の呆導バラエティは全く見ていないのでわからない。夜のニュース番組では、佐野の若いイチゴ農家を支援する農家の皆様の様子が写っていた。今夜は、全体的な治水策についての関良基・拓殖大学教授インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より『岩上安身による 関良基・拓殖大学教授 インタビュー』続編をフルオープン配信!」2019.10.29日号~No.2602号~(2019.10.29 8時00分)

 前回のインタビューは下記のもの。

「八ッ場ダム無双」「スーパー堤防礼賛」デマを一蹴する!! 台風19号であらわになった日本の治水事業の根本的な誤りと、真に国民の安全を守る方策の提言!! 岩上安身による関良基教授(拓殖大学政経学部)まさのあつこ氏(ジャーナリスト)インタビュー 2019.10.21

 原発訴訟についてのインタビューは下記。

「司法の歴史に汚点を残す判決だ!」福島原発刑事訴訟 東電元経営陣3名「全員無罪」?! 岩上安身による福島原発告訴団弁護士・海渡雄一氏インタビュー 2019.9.28

2019年10月28日 (月)

トランプとNYタイムズ、シリアでのアメリカ帝国主義戦争を認める

Finian Cunningham
2019年10月25日
Strategic Culture Foundation

 アメリカのドナルド・トランプ大統領とニューヨーク・タイムズ、それぞれが異例にも率直に認めた以上、米軍が本当は何のためシリアに派遣されているか錯覚などあり得ない。シリア政府に対する不法占拠であり、特にこのアラブの国からの石油資源奪取だ。

 それに続いて、今週、国防総省がデリゾール付近の油田にエイブラムス戦車や他の重機を配備予定だと報じられている。こうした新配備にまつわる部隊は、トランプ大統領が「帰国する」と言った1,000人程度の兵士を遥かに上回るはずだ。

 シリアの油田は、主にイラクと国境を接する東部の州にある。それらの地域は(国の約3分の1)最後に残ったダマスカス政府支配外の領域だ。シリアはほぼ8年の戦争後、国の再建資金のため、油田を取り戻す必要があるのだ。

 先週末、トランプはTweetで言った。「アメリカ軍兵士は戦闘地域や停戦地域にはいない。我々は石油を確保した[原文のまま]。兵士たちを国に戻す!」

 大統領は、彼が先週トルコと企て、アメリカが同盟者クルド人を見捨て、トルコが北東シリアに対する致命的攻撃を開始する結果となった疑わしい取り引きに言及した。彼のアメリカ部隊撤退に対する、共和党と民主党両方から、軍事専門家や評論家から多くの批判を受けた後、もっともなことだが、トランプは彼の動きを正当化しようとしている。

 それ故、彼はイスラム国家(ISあるいはISIS)ジハード・テロ・ネットワークに「100パーセント」勝って、「兵士を帰国させる」ことを自慢しているのだ。後者は「果てしない戦争を終わらせ」、外国への介入からアメリカ兵を帰国させるというトランプの2016年選挙公約の明白な実現だ。

 すると「石油を確保する」ことに関するトランプの謎めいた言及は一体何だろう? シリアの資源に関する彼の言及における戦略的なものを示している「石油」と書く際に、大文字Oを使っていることにも注目願いたい。テロと称されるものを打ち破り、兵隊を帰国させるのは、明らかに、話の全体ではない。行間から石油がしみ出ている。

 月曜、NYタイムズ報道が、その局面に、より多くの光をあてた。アメリカ諜報機関との深いつながりと、それが発表するほとんど全てで歪曲している痛烈な反トランプ志向を考えれば、タイムズは、明らかに、ほとんど信頼しがたい。それでも、この問題に関して、トランプとNYタイムズが一貫しているように見えるのであれば、彼らの承認が本物であることを示唆している。

 東シリアに留まるアメリカ特殊部隊の小分遣隊の約200人に、大統領が承認を与えていると匿名のトランプ政権幹部と国防総省情報筋が言っている言葉をタイムズは引用している。それは全てのアメリカ部隊をシリアから撤退させるというトランプのウソを暴露している。彼が大声でわめき続けているように「兵士を帰国させる」わけではないのだ。

 先週末、アフガニスタン訪問途上、マーク・エスパー国防長官も記者団に対し、アメリカ軍がシリアからイラクに移動し、シリア国境近くに止まることを確認した。エスパー国防長官は、米軍は「イラクを防衛し」、ISISの復活を防ぐため派兵されていると述べた。いずれにせよ、それは、ありきたりの公式根拠だ。

 だがシリアに残留するアメリカ特殊部隊の問題に関し、NYタイムズはこう報じている。「日曜、イスラム国家と戦い、シリア政府とロシアの軍隊が地域の皆が欲しがる石油を求めて前進するのを阻止するため、約200人のアメリカ軍の小分遣隊を東シリアに配備する新国防総省新計画の賛成にトランプ大統領は傾いていると政権当局幹部が述べた。」

 これは驚くべき自認だ。「テロリストとの戦い」など無関係で、アメリカ軍シリア配備の本当の目的は、主に東部の州にあるシリア石油資源を支配するため、アメリカはこれまで5年間、シリアのクルド民兵と協力していたのだ。この提携は建前上「ISISを打倒する」ということになっていた。

 アンカラがテロリストと見なしているシリアのクルド人を攻撃するというトルコの要求をトランプが黙認し、クルド人を無頓着に見捨てるのは、クルド人とのワシントンの狙いがISISと戦うこととは実際は全く関係で、シリア領土、特に石油が豊富な東部地域を分割するため、彼らを代理人として使ったことの明確な証明なのだ。

 「果てしない戦争を終わらせる」ことに関するトランプの自画自賛は、2020年再選可能性を高めることを狙った、肚黒い口先の決まり文句だ。

 大統領は、これまで一年間シリアからアメリカ軍を撤退させると言ってきたのに、戦闘機や推計1,000人がまだ残っている。国防総省は、イラク国境近くの東シリアと南シリアに基地と飛行場を建設した。シリアから撤退する軍隊は隣接するイラクに陣取り、暴動鎮圧作戦を行う体制にあり、望む時にシリア内に襲撃するつもりなのは確実だ。

 そのキャンプが、Maghawir al-Thawraとして知られる何千人というジハード過激派戦士の訓練拠点である南シリアのアル・タンフ米軍基地に兵士150人を維持することにトランプは同意した。Maghawir al-Thawraは、国防総省が主張するように、ISISと戦っているわけではない。より正確には、彼らは、ISISやクルド人などの極悪非道な分業にまつわる、アメリカ権益のもう一つの代理に過ぎない。

 NTタイムズが報じているように、アル・タンフの戦士は、200人のアメリカ特殊部隊と、おそらく「地域の誰もが欲しがる油田へのシリア政府とロシア軍の進撃を阻止する」べく割り当てられた残りのクルド人傭兵とも連帯することが予想される。

 トランプがシリアで「石油を確保する」とほのめかしたとき、これを意味していたのは疑いようがない。その意味で、シリアに駐留するアメリカ軍は、帝国の征服のためだという本当の目的をトランプ大統領とNYタイムズは認めているのだ。

 2011年の昔に、アメリカとNATO同盟諸国が密かに開始した戦争から国を再建するため、シリアが石油を支配する必要があるというのは残酷な皮肉だ。今、胸が悪くなるような復讐心で、東シリアの無期限非合法軍事占領を計画して、アメリカは、シリアが復興のため自身の重要な石油資源を利用するのを妨げることに懸命なようだ。

 8年間シリアを見つめてきた多くの鋭敏な観察者は、ワシントンの狙いが常に政権転覆であり、対テロという主張は詐欺的口実なのを知っていた。今アメリカ大統領とアメリカ主要新聞が、石油のためのシリア領土の犯罪占領と土地奪取を白状しているのだ。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/25/trump-and-ny-times-admit-us-imperialist-war-in-syria/

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 大本営広報部、事実を認めるまいが、こうした帝国主義戦争への参加の第一歩として、宗主国に命じられて、海軍を付近に出動させるのだろう。その一環としての「臭いものに蓋」作戦。LITERA記事がある。

しんゆり映画祭で慰安婦を扱う『主戦場』が上映中止になった理由! 極右論客の訴訟、川崎市が伝えた懸念、あいトリ事件の影響も

 北海道開拓、屯田兵と移住された農民の方々によるものと思っていた。そうではないと知ったのは、つい最近。「網走監獄」ウェブも、なかなか詳しい。たとえば、監獄秘話

74年に起きた佐賀の乱から77年の西南戦争まで、士族による反政府行動で逮捕された国事犯を収容する施設が不足したためだ。さらに内務卿伊藤博文は79年9月17日、太政大臣三条実美に宛て「徒刑・流刑の囚徒の労働力を活用して北海道開拓に当たらせ、出獄後は北海道に安住させ、自立更生せしめる」との伺書を提出。月形が道内を回って適地を定め、全国3番目となる樺戸集治監が建設されたのだった。

太政官大書記官の金子堅太郎が道内巡視の結果をまとめた復命書に添えられた「北海道巡視意見書」にこういう文章がある。(朝日新聞デジタル 集治監、過酷な受刑者労働決めた意見書

《彼等ハ固ヨリ暴戻ノ悪徒ナレハ、其苦役ニ堪ヘス斃死スルモ、尋常ノ工夫カ妻子ヲ遣シテ骨ヲ山野ニ埋ムルノ惨情ト異ナリ、又今日ノ如ク重罪犯人多クシテ徒ラニ国庫支出ノ監獄費ヲ増加スルノ際ナレハ、囚徒ヲシテ是等必要ノ工事ニ服従セシメ、若シ之ニ堪ヘス斃レ死シテ、其人員ヲ減少スルハ監獄費支出ノ困難ヲ告クル今日ニ於テ万已(ばんや)ム得サル政略ナリ》

     *

 要約すれば「囚人は悪党であるから、苦役させれば工事費が安く上がり、たとえ死んでも監獄費の節約になる」という乱暴な内容。だがこの復命書が内務省の方針となり、受刑者たちは上川道路(国道12号)建設や幌内炭鉱の採炭作業に使役され、多くの犠牲者を出すことになる。

現代人は90歳まで働くことになる」という珍説を見て、現代版金子堅太郎登場と納得。金子堅太郎は政府に逆らった政治犯を死ぬまで酷使したが、政商納言は従順な国民全員永久に酷使すると宣言したのだ。金子堅太郎も墓の中で驚いているだろう。

 囚人労働についての小説『赤い人』を読み終え、『鎖塚』を読んでいる。タコ部屋という言葉、囚人労働に由来するとは知らなかった。硫黄鉱山や炭坑での囚人労働が廃止された後、だまして採用して、低賃金労働者が酷使される。

2019年10月27日 (日)

中国の隠れた経済時限爆弾

2019年10月22日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 中国国家統計局が、中国にとって、ほぼ30年間で最低のGDP成長を示す経済データを発表した。問題は、米中貿易戦争の最近の影響や、中国の豚を大量に死なせたアフリカ豚コレラのような災厄の衝撃よりずっと根深い。根本的に遙かに重大な問題は、ほとんどの人々が公然と論じるのをいやがっている、新たに出現しつつある大惨事だ。

 2017年頃から、中国の人口は、40年前の1979年に共産党が導入した、まずい発想の一人っ子政策の本当の影響を示し始めた。次第に拡大するこの問題は、かつて恩恵と見なされた「中国経済の奇跡」の土台全体に悪影響を及ぼしている。問題は、北京が、社会的、経済的大混乱なしで、人口高齢化に移行できるかどうかだ。

 10月18日、中国国家統計局は、前四半期の6.2%と比較して、6.0%という第三四半期のGDPを発表した。報告がどれほど正直かは大いに疑念はあるが、成長率の低下を政府が発表しなければならない事実が実際の状況は遙かに悪い可能性があること示唆している。

 中国経済の本当のデータは不透明なままだ。2018年12月、上海財経大学は、31の地域レベルで、年次透明度調査を発表した。53%をやや越える平均点だった。研究は「[不幸にして]中国地方自治体の透明度の一般的レベルはひどいままだ」と結論した。

 経済の健康状態の、より直接的な目安は、実際の貿易データだ。ブルームバーグは、中国における自動車販売が、9月は、16カ月中15回目の前年割れと報じている。ブルームバーグによれば、「世代最悪のスランプ」だ。 同様に、北京、上海や他の大都市での新築住宅とアパートの販売が、劇的に2014年以来の最低に落ちた。

 より深刻な問題は、公式経済データの透明度ではない。より深刻な問題は、わずか30年以内に、第三世界レベルの後進性から注目に値する躍進した中国の奇跡が、その影響が、中国経済だけに止まらない構造的危機に入っているのかどうかだ。新車と新築住宅の購入に関する最近のデータは、中国ブームの時代が劇的に減速しつつあり、中国のみならず、世界にとって、極めて大きな影響を与えかねないという不吉な兆しかも知れない。

黄金時代のピーク

 近代史上、途方もない短期的人口ボーナスで促進された注目に値する中国経済発展のようなことは他のどの国の経済にもない。その恩恵が、のろいに変わり始めているのだ。

 1980年代、中国が経済を、欧米の工場と投資に公式に開放した際、中国には道路や新しい都市を建設し、ナイキやVWやアップルなどの世界に輸出する商品を工場で組み立てる地方の低賃金労働力の無限供給源に見えるものがあったのだ。中国経済奇跡初期の1987年、人口の64パーセントが労働年齢で、65歳以上は、わずか4パーセントだった。それは、中国の低コスト製造ブームに供給可能な労働者の莫大な余剰を意味していた。これが、1987年から2007年の間に見られた年平均10-11パーセントのGDPの成長を引き起こしたのだ。

 新たに作られた世界貿易機関のルールによるグローバリゼーションが、莫大な超低賃金労働力を持つ中国への製造移転を奨励する限り中国は未曾有のブームを享受していた。

 1950年から1978年まで、20パーセントの年間の自然人口増加率で増加する人口に恐れを感じて、1979年、共産党は過酷な一人っ子政策を課した。四つの近代化の一部で、同期間内に中国のGDPを四倍にする方策の一環として、鄧小平は、2000年までに人口を12億に保つ目標を設定した。

 この方針の、より長期的な経済的帰結は、ほぼ一世代後、約30年後まで、特に重要なことに、2008-9年世界経済危機の時期まで現れなかった。2007年-10年に始まった最初の人的資源の不足で引き起こされた中国製造業部門での賃金上昇が、当時のアメリカ不動産市場以上に、世界金融危機の深刻さの要因だったと主張することも可能だ。

 1979年以降の、鄧小平が「中国式社会主義」と呼んだものへの中国の転換は、欧米の企業と投資が、実際中国の一見無限の低コスト労働を活用するための国家管理による転換だった。その労働力は、一人っ子政策以前、主に1979年以前に生まれた人々だった。1980年に20代半ばだった労働者は、欧米での2008年-9年問題の時期には50代だった。人口構造の変化はゆっくりしたプロセスで、2008年以前のブーム時代には、見過ごすことができた。今、過去10年間、中国全土で製造業賃金が上昇しており、一人っ子政策時代に生まれた国民は特に少数で、最近の賃金上昇圧力に追い打ちをかけている。

 「中国製造」開発戦略の一環として、中国製造業が付加価値のチェーンで、より上方に移動するにつれ、賃金は際立って上昇した。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、2013年-2020年から平均製造労働コストが平均年12%上昇したと推定している。現在中国の平均工場賃金コストはインドの約3倍で、インドネシアやベトナムより遙かに高い。

 同時に、特に「中国製造2025」による世界一級のハイテク経済への転換という課題の下、急速に発展する中国の製造能力に、より高度な熟練労働者が必要となり、かつて、ほとんど無限と思われていた全体的な労働力の規模が減り始めた。中国の労働力は、2015年にピークに達し、最初ゆっくりとではあれ減り始めた。1979年以前の労働力が退職年齢に達するにつれ、減少が今後加速するようあらかじめプログラムされており、出生の劇的減少のせいで、1979年以降は、同等の人数で置き換えることができないのだ。ドイツ銀行の推計によれば、労働力は、2015年の9億1100万人から、2020年には、8億4900万人に、2030年には、7億8200万にまで減る。出生率の劇的変化がなければ、2025年頃から、中国の総人口は、ゆっくりながら、次第に加速して、減少し始めるだろう。

 2017年、中国は人口規模を維持するのに必要な2.1の人口置換水準を遙かに下回る出生率だ。2013年、おそまきながら長期的影響を理解して、共産党は、一部の家族で子供二人へとにわずかながら上限を上げ、2016年までには、全家庭で子供二人へと限界を引き上げた。たとえ結果が希望通りになったとしても、状態を変えるには少なくとも一世代必要だろう。だが、まだ様々な理由のため本格的な出生率増加策は打ち出されていない。

高齢化シフト

 中国の労働力が減少し、賃金が上昇しているだけでなく、急速な高度経済成長と子供人数制限の組み合わせのおかげで、中国の総人口は、これまで40年にわたり、どの国よりも急速に高齢化している。地方の生活水準改善で国民の寿命は際立って伸びた。中国の平均寿命は、1960年の43歳から、2013年の75歳に伸びた。

 新生児数が増えない一方、生まれた人々が遙かに長生きするようになっているため、中国は他のあらゆる国より速く高齢化しつつある。2016年の中国国家統計局データによれば、2016年まで、出生率は、1.05で、中国は世界最低だ。社会が変化し、若い女性たちに結婚を延期し、職業生活を極めるよう奨励しており、地方の慣習は、女児より男児の出生を好んでいることで、出生率は更に下がる。

 2016年には、14パーセントだった中国の高齢者人口(60歳以上)が、2030年までには人口の24パーセントに増大し、2050年までには、人口の39パーセントに達するだろう。その時点で、中国の依存人口比率、つまり、15歳未満の人々と65歳以上の人々の合計を労働人口で割った数値は、2015年の、37パーセントから、70パーセントに上がる。これは、劇的に少ない生産年齢人口が、若年者、高齢者の両方をへの責任を負担することを意味する。言い換えれば、減少する相対的に少ない働いている勤労世代の納税者が、益々多数の高齢退職者に直面するのだ。社会不安を避けるため、政府は、何らかの方法で、高齢者を養う莫大な経費を負担しなくてならない。

 伝統的に、若い中国人が年老いた親の世話をしてきたが、今や極めて少数の働く子供が高齢退職者の世話をする状況では、貿易黒字が下落し、国家債務が急激に増加する中、政府は、多少改善された形の社会保障や医療保険制度や所得補助を保証するよう強いられるだろう。同時に、若い家族は家計費が増える大家族にするよう圧力を受けている。現在中国では、高齢者の推定23パーセントが自立できず、2010年には、高齢男性のわずか43パーセント、高齢女性の13パーセントしか、何らかの年金を受け取っていない。国民が年を取る前に日本は金持ちになったが、中国はそうはゆくまい。中国の高齢化は、カチカチと時を刻む社会的時限爆弾だ。

 全てイタリアやドイツのような多くの国が直面した問題に似ているように聞こえるかもしれないが、世界経済における中国の役割と、出生と死亡率の減少に続く経済成長の加速で、わずか数年での「人口ボーナス」と呼ばれたものから、今の「人口大惨事」と呼ばれそうなものへの劇的な移行を考えれば、中国は独特だ。

 ほぼ不可能な経済的偉業を達成する試みとして、「中国製造2025」と「一帯一路構想」を習近平と党執行部が推進している緊急性は明らかだ。人口構成の変化は現実だが、「一帯一路構想」や「中国製造2025」で期待される配当は、現時点では遙か遠く見える。ここ数ヶ月の自動車と住宅の国内消費急落は、実際単なる周期的な沈滞以上に警鐘的なものである可能性がある。現在展開しつつある中国の人口構成変動は、世界経済に対する否定的影響の最初の兆候かも知れない。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/22/china-s-hidden-economic-time-bomb/

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 かなり前に拝読した藻谷浩介氏の著書『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』を思い出した。

 英語民間試験 文科相「身の丈で」発言。文科破壊相の面目躍如。新自由主義の世界では、入試で、金持ちが有利になって当然。文句を言う方がおかしいのだ。したがって、大臣辞任などということには決してならない。

 これほど、激しい雨の日が続いた記憶はない。

 日刊IWJガイド・日曜版「3時間でひと月分の雨量!! 千葉県と福島県を中心に記録的大雨が発生!! 千葉では15河川、福島では3河川が氾濫し、死者は10名に!! IWJでは、今回の大雨も含め、被災地への緊急支援と取材を継続していきます! 被災地では、今後も土砂災害や低い土地の浸水に警戒して下さい!」2019.10.27日号~No.2600号~

 

2019年10月26日 (土)

アメリカとロシア間のより良い関係はありそうにない

2019年10月23日
Paul Craig Roberts

 今頃ロシアは切望するアメリカとのより良い関係などあり得るのか疑問に思っているに違いない。最近の和平調停者、ハワイ選出民主党下院議員トゥルシー・ギャバードはヒラリーと民主党全国委員会と売女マスコミに「ロシアのスパイ」と非難されている。

 民主党や売女マスコミや彼らの傀儡師たる軍安保複合体は、ロシアを爆撃し、石器時代に戻したいと望まない限り、全員ロシア・スパイにでっちあげてしまう。

 そういう状況で、アメリカ指導者が、一体どうして、ロシアとの危険な緊張を終わらせようと主張できるだろう?

 「ロシアとの関係を正常化する」意図を宣言した時に、トランプに一体何が起きたかお考え願いたい。することを必要とするいっそう深刻な何もない、しかしそれは起きることができない。

 二つの動かせない山が進路を阻んでいる。

 一つは軍安保複合体が、軍安保複合体の年間1兆ドル予算と、それに伴う権力を正当化するために、敵を必要としていることだ。58年前に、アメリカ国民への退任演説で、ドワイト・アイゼンハワー大統領がそれを警告した「政府委員会等において、意図されたものであろうとなかろうと、軍産複合体による不当な影響力の獲得を我々は排除しなければなりません。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、また存在し続けるでしょう。誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、存在し続けるでしょう。この軍産複合体の影響力が、我々の自由や民主主義的プロセスを決して危険にさらすことがないようにしなければなりません。何ごとも当たり前のものとして受け止めてはなりません。注意怠りない見識ある市民だけが、安全と自由が共に発展するよう、巨大な国防軍産機構に、平和的手段と目的に合致するよう強いることができるのです。」

 アイクの警告は見過ごされ、半世紀以上たった今、軍安保複合体がアメリカを支配している。

 もう一つの動かせない山は、クリントン政権以来アメリカ外交政策を支配しているネオコンのアメリカ世界覇権イデオロギーだ。ネオコンはアメリカが世界の他の国々にその意志と方針を押しつける権利を持った「必要欠くべからざる例外的な」国だと宣言している。

 ソ連崩壊は、ワシントンの単独覇権主義に対する全ての制約を無くした。ワシントンの邪魔をする世界大国がなくなったのだ。この状態を維持するため、ネオコン国防次官ポール・ウォルフォウィッツが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを立案した。この教義は、アメリカの外交、軍事政策の「最大目的」は、アメリカの一方的行動を阻止することができる、ロシアや、いかなる国の台頭も防ぐことだと述べている。エリツィン下、アメリカ属国化したロシアの立場から、ロシア主権を復活させたウラジーミル・プーチンに不意をつかれて、ネオコンと、その売女欧米メディアは、マイダン革命でウクライナに起きたように、現在アメリカが中国に対し、香港で試みているように、悪者にし、孤立化させ、のけ者にし、おそらくアメリカが資金提供するNGOによって打倒するため、ロシアに対する大規模プロパガンダ攻撃を開始したのだ。

 ネオコンの覇権イデオロギーと、敵を必要とする軍安保複合体が、ロシアとの関係のどのような正常化も阻止している。

 私とスティーヴン・コーンが強調したように、二大核保有超大国間の現在の緊張は冷戦時代より遥か危険だ。冷戦時代には、全てのアメリカ大統領が、緊張を緩和するためソ連指導者と協力していた。ジョン・F・ケネディとフルシチョフは、キューバミサイル危機を沈静化させ、アメリカ・ミサイルをトルコから撤去した。JFKの報酬は、共産主義とアメリカ国家安全保障に対する脅威についてJFKは弱気だと結論したCIAと統合参謀本部に暗殺されることだった。

 リチャード・ニクソン大統領は中国と国交を回復し、レオニード・ブレジネフと第一次戦略兵器制限交渉SALT Iと弾道弾迎撃ミサイル制限条約をまとめた。ニクソンの報酬はウォーターゲート画策で政治的に暗殺され、辞任を強いられることだった。

 カーター大統領とブレジネフはSALT II条約に署名し、カーターは、軍安保複合体が、反共産主義者レーガンに資金を投入するという報酬を与えられた。

 レーガン大統領は軍安保複合体を出し抜いて勝利し、彼とゴルバチョフが冷戦を終わらせた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は、ソ連がドイツ再統一を認めれば、アメリカはNATOに旧ワルシャワ条約諸国を取りこんだり、NATOを一インチも東に移動したりしないとゴルバチョフに保証した。

 クリントン政権はアメリカ政府の約束を破り、NATOをロシア国境に拡張した。

 それ以降のアメリカ政権、ジョージ・W・ブッシュ、オバマ、トランプは残っている条約と協定から離脱して、核保有超大国間の緊張をケネディ以前の時代にまで高めた。

 この進展の危険は好ましいものではない。飛来する核ICBM警告システムは誤報で悪名が高い。冷戦時代には、双方とも、飛来する攻撃の誤報を受けたが、今まで、アメリカ、ソ連いずれも警告に応えてボタンを押すことはなかった。

 なぜだろう? 理由は両国が緊張を緩和し、信頼を築くために働いているのを理解していたことだ。双方とも、この雰囲気で、警報は誤報に違いないことを理解していた。

 現在、状況は非常に異なっている。ロシアと、その指導部は欧米政治家とメディアによって悪者にされ、糾弾されている。アメリカと、ヨーロッパ属国諸国は、ロシアを憎悪し、恐れることを教えられている。ロシア政府は、外交問題で、かつて一度も経験したことのない濡れ衣を経験している。いずれの側も相手を信頼できないのだ。これに加えて、反撃時間は、今や数分しかなく、誤警報以外の何ものでもないもののために、世界が破壊されるかねないことを理解しなければならない。

 イデオロギーで凝り固まったネオコンと、強欲に支配された腐敗したアメリカ軍安保複合体が、地球上の生命を、この種のリスク下に置いているのは、ネオコンも軍事産業も、生命そのものを、彼らの私利より優先できないことを示している。

 普通なら、アメリカの侮辱や挑発的行動に対するロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ラブロフ外務大臣の抑制された、けんか腰でない対応は称賛に値するはずだ。だがアメリカがいじめっ子役を演じる状態で、いじめに対するロシアの受け身の対応はいじめを更に促進する。私の世代の子供が学んだように、いじめっ子に直面した際は即座に立ち向かうことだ。さもないと、いじめっ子は相手は自尊と決心に欠けていると見て、いじめをひどくする。戦いを回避する唯一の方法は即座に相手に立ち向かうことだ。

 ワシントンのいじめに、ロシア政府が立ち向かい損ねていることが一層多くのいじめを招くのだ。遅かれ早かれ、いじめは一線を越え、ロシアは戦わなければなるまい。

 それほど受け身でないロシア政府の方が、平和のため、より多くをなし得るはずだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/23/better-relations-between-the-us-and-russia-are-not-in-the-cards/

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 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

二子玉川に見る台風認識、産経新聞「堤防整備に反対する声強い昨年、国の交渉の場でも、 住民側から「何百年に一度起こるかどうか分からない河川氾濫を心配しすぎるのはおかし い」の声。地球規模の気温上昇で海面温度上がり、ハリケーン・台風の規模、頻度拡大

 イクラで辞任する人物がいる一方、平然と居座り続ける人物も。

日刊IWJガイド・土曜版「籠池泰典氏が講演『当然安倍晋三首相から強いバックアップをいただいたつもりでやってきた』! 本日午後8時より10月12日に収録した『市民の力で 社会を変えよう!第8期連続市民講座 「森友問題を終わらせない」―講師:籠池泰典氏(学校法人森友学園元理事長)』を録画配信します!」2019.10.26日号~No.2599号~(2019.10.26 8時00分)

 ガイドには五代友厚がからんだ開拓使官有物払下げ事件を思い出す下記話題もある。スポーツの祭典というのは隠れ蓑、実態は壮大なグローバル・ローカル金儲けの構造。宗主国テレビの都合で、真夏に開催する事態その証明。

五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!を思い出した。
五輪選手村に都有地が9割引で売却されていた!? 本日午後2時より9月28に収録した、マスコミが決して報じない「第2回『2020オリンピック晴海選手村』問題を考える学習会」を録画配信します!

2019年10月25日 (金)

平和専門家ジョージ・W・ブッシュが「孤立主義」は平和にとって危険だと主張

2019年10月18日
ケイトリン・ジョンストン
CatlinJohnstone.com

 人類は、NIR School of the Heartの最近のイベントで、他ならぬエレン・デジェネレスの親友で世界的に有名な平和専門家ジョージ・W・ブッシュによる平和に関する重要な講義を拝聴する光栄に浴した。

 「平和な中東が彼らの国益だとイランが信じていると私は思わない」とブッシュ演説に関し、オンラインでは唯一のものと思えるワシントン・ポストのジョシュ・ロギンによる短いツイッターによれば、元大統領はこう述べた。

 「孤立主義アメリカが世界中を不安定化している」と講演の中で、ロギンによれば現職大統領に対する非難としてブッシュは言った。「我々は孤立主義になっており、それは平和にとって危険だ。」

 ネオコン用語にお馴染みではない方々にご説明すると、この「孤立主義」というのは、地球のあらゆる場所で、継続的な軍の拡張主義以外のどの方向にであれ、ささやかな動きをすることを意味し、「我々が孤立主義になっている」というのは「我々は世界中に、何百という軍事基地を維持しており、我々の年間軍事予算は1兆ドルに向かって着実に増加しており、我々は世界中で、無数の宣戦布告なしの戦争と政権転覆介入に従事している。」ことを意味している。

ジョージ・W・ブッシュはトランプを直接狙い撃ちしている。「孤立主義アメリカが世界中を不安定化している。我々は孤立主義になっており、それは平和にとって危険だ。」

- John Rogin (@joshrogin) 2019年10月16日、

 一期目だけでも、ブッシュは、その影響が現在に至るまで、中東を破壊し続けている、一つでなく、二つの全面的地上侵攻戦争を開始し、この二人の大統領が、特に対イランのような外交政策問題に関し、大いに同意見に見える中、ブッシュがなぜ、トランプより平和的な大統領だというイメージを打ち出そうと決めたのか不明だ。だがそれ現実だ。

 ある視点からすると、どちらがより奇妙か言うのは困難だ。(A)大量殺人、拷問と軍事拡張主義の血まみれの実績を持った戦争犯罪人が、トランプに、彼の「孤立主義」で、との平和危険にさらしていると言うこと、あるいは(B)トランプが「孤立主義」だという主張。我々がこれまで論じてきたように、トランプのいわゆる孤立主義は、これまでの所、地球上最も石油が富裕な国で政権転覆工作を推進し、政権交代を実現する取り組みで、何万人ものベネズエラ人を、飢餓制裁で殺し、飢餓制裁CIA機密活動や無謀な軍事エスカレーションで、イランにおける政権転覆工作を推進し、サウジアラビアに率いられたイエメンでの大虐殺を促進し、武器を売り続け、既に非常識に膨れ上がったアメリカ軍事予算を膨張させて、更なる世界中での軍事拡張を可能にし、一日に投下する爆弾の量を前政権より大いに増やし、彼が軍の説明責任を軽減したおかげの空襲で一般人殺害人数を記録的に増加し、核保有超大国ロシアに対する益々多く新冷戦エスカレーションだ。

 だが孤立主義という危険で、ありもしない脅威に関するこれらエセ警告は、ブッシュにとって何も新しいものでない。彼の退任演説で、ブッシュは次のことを言った。

「外国の脅威に直面すると、内向きになって快適さを求めたくなるものです。だが我々は、孤立主義とその仲間、保護貿易主義を拒絶しなくてはなりません。国境の背後に後退しても危険を招くだけです。21世紀、国の安全と繁栄は外国での自由の拡大に依存しています。アメリカが自由の大義を率先しなければ、誰も大義を率いません。」

 我々が最近論じたように、あらゆる方向への継続的な米軍拡張主義に対する、あらゆる反対勢力を覆す便利な単語として、戦争賛成を意味する業界用語「孤立主義」の利用が、ブッシュ後の冬眠から再出現したが、それは少なくとも三つの異なる意味で偽りだ。第一に、それは、終始首、二つの全く異なるものである孤立主義と非干渉主義を、一緒くたにしている。第二に、軽べつ的に「孤立主義」と汚名を着せられるどの主要政治家も、いくら想像力をたくましくしても、決して非介入主義者でさえない。彼ら全員、実際の非介入主義者が反対する多くの介入主義の立場を支持している。第三に、果てしない戦争挑発に反対する人を「孤立主義者」と呼ぶのは、レイプに反対する人を、男を憎悪する堅物と呼ぶのと同じぐらい無意味だ。本質的に悪の行為に反対するのは、世界から引きこもることと同じではない。

永久戦争は余りに正常化されていて、それに反対するのは「孤立主義」なのだ

「永久戦争が新しい正常である現在のオーウェル風二重言語パラダイム下で、戦争反対は、もはや平和ではなく孤立主義だ。」#war #peace #TulsiGabbardhttps://t.co/dLbW6O2bRV

- ケイトリン・ジョンストーン (@caitoz) 2019年6月29日、

 アメリカ外交政策が、孤立主義に似ても似つかない、いかなる脅威の下にあるなどと誰も実際に信じない。この専門用語の本当の狙いは、永久戦争を当たり前のものにして、「戦争」反対は、もはや「平和」ではなく、「孤立主義」とするまで、「オヴァートンの窓」を残忍なタカ派の方向に引きずることだ。この手際が良い小さいトリックで、政治/メディア支配階級の宣伝屋は、真実はまさに正反対なのに、果てしない戦争を、成功裏に、起こるべき正常のこととして、それを縮小しようとするいかなる小さな試みも、奇妙で異常なことに見えさせるのだ。戦争は奇妙で異常で、恐ろしく、平和がもちろん正常だ。これこそ、ものを見る唯一健康な方法だ。

 公開戦争裁判所の後、ジョージ・W・ブッシュを永久に、理想的には、錠がかかっている獄房に閉じ込めることができれば実際素晴らしいだろう。それがうまくいかないなら、少なくとも人々は、彼とスポーツ・アリーナの特別室や、あめ玉を共有しようとしたり、退役軍人に対する彼の処遇のかどで、メダルを掛けたりするのが楽しい愛嬌あるテディベアのように見なすのをやめるべきだ。ビル・クリストルやマックス・ブートやジョン・ボルトンのような戦争の豚連中がしているのと同様に、この大量殺人怪物は、時々穏やかなトランプへ批判をするおかげで、最近民主党員の中で益々人気が高まっているが、それは止める必要がある。百万人の亡くなったイラク人の名において、どうかこの男に平和の問題に関して相談しないで欲しい。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/10/18/peace-expert-george-w-bush-says-isolationism-is-dangerous-to-peace/

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 傀儡が、呼吸するようにウソをつくのは、いずこもおなじ。

 韓国では、大手マスコミではなく、代替メディアを信用する人々が多いとIWJインタビューで拝聴した。代替メディアへの募金も多く、資金的に活動にはこまらないという。実に対照的。年金暮らしでは、雀の涙しかカンパできないのが残念。

日刊IWJガイド「10月も残り1週間! 4分の3が過ぎたのに、23日までのご寄付・カンパは月間目標額のわずか37%と、3割台にとどまっています! ピンチです! このままでは今月を乗り切れません! どうか皆様、この窮状をご理解いただき、IWJへの緊急のご支援をよろしくお願いいたします!」2019.10.25日号~No.2598号~(2019.10.25 8時00分)

 重要な記事やインタビューに、皆様関心がないのだろうか?

<今後の岩上安身によるインタビュー>遺伝子組み換えトウモロコシでマウスが発がん! 日米貿易協定発効で遺伝子組み換え飼料で育った大量の米国産牛肉が日本に輸入される! 11月1日午後5時から、フランスのカーン大学の分子生物学者、ジル=エリック・セラリーニ教授のインタビューを行います!/森裕子議員の国会質問資料が政府から流出した可能性を内閣官房総務官室が認める! 森裕子参議院議員へのインタビューは日程が決まり次第お知らせいたします/「八ッ場ダム無双」「スーパー堤防礼賛」デマを一蹴する!! 拓殖大学政経学部教授・関良基氏インタビュー続編は日程が決まり次第お知らせいたします!

2019年10月24日 (木)

全国放送TVで、アメリカによる政権転覆戦争とずばり言ったトゥルシー・ギャバード

Finian Cunningham
2019年10月18日
Strategic Culture Foundation

 民主党のボス連中と主流メディアが、大統領候補トゥルシー・ギャバードを葬り去ろうとしているのは少しも不思議でない。彼女は、自分たちの政府と軍が、非合法の政権転覆戦争を行い、おまけに、その目的のためテロリストを支援して、本当は何を狙っているのか知るべきことを、アメリカ国民に語っているアメリカ唯一の候補者、多分唯一の政治家だからだ。

 今週、ギャバードが民主党テレビ討論を活発かさせた時ほど、明白、明白になったことはない。それは、これまでテレビで放送された最大の大統領選討論会と喧伝され、このハワイ出身の議員は、ゴールデンタイムに、国民に耳の痛い真実を語ったのだ。

 「ドナルド・トランプの手はクルド人の血で濡れていますが、2011年にシリアで始まって進行中の政権転覆戦争を擁護し、応援団になっている主流メディア内の多くの人々同様、この政権転覆戦争支援してきた両党の政治家の多くもそうなのです。」

 この38歳の退役軍人は、更に、ダマスカス政府を打倒する目的のため、アメリカがいかにして、アルカイダ・テロリストを支援したかを非難した。

 それはシリアや中東の他の場所におけるアメリカ政策を驚くほど痛烈に批判する評価だった。ワシントンのいわゆる「介入」の野蛮さや残虐さについて、ギャバードが、アメリカ人に本当のことを言ったのは、決してこれが初めてではない。

 ギャバードの衝撃的ながら穏やかに語られた発言の後、テレビ討論で、ステージ上にいた他の11人の民主党候補者は、驚いているように見えた。他の連中全員、アメリカ軍はシリアで「テロと戦っている」というエセ言説を語っていた。連中は、イスラム国(ISあるいはISIS)や他のアルカイダ関連集団に対する戦いに悪影響を及ぼすので、北東シリアからアメリカ兵を撤退させるという先週のトランプ発表を非難していた。彼らは、トランプが部分的軍事撤退で「クルド人同盟者を裏切った」ことも強く非難していた。

 ドナルド・トランプ大統領は「果てしない戦争を終わらせ」「我々の兵隊を帰国させる」ことについて語っている。だが彼は、アメリカが彼の監督下で「ISISを100パーセント破った」と軽々しく信じているのだ。その意味で、彼は本質的に、アメリカが、世のためになる勢力「白い帽子をかぶって馬に乗って日没に向かってゆく善人」だという民主党やマスコミと同じ陳腐な意見に同調しているのだ。

 一方、ギャバードはアメリカ国民に明白な酷い真実を話す上で孤立している。アメリカ政策が基本的問題なのだ。シリアや他の場所での政権転覆戦争を終わらせ、テロ集団との邪悪な共謀を終わらせることが、中東に平和をもたらし、うなぎ昇りの戦争負債という経済大惨事から普通のアメリカ人を救う方法なのだ。アメリカ国民は、自分たちの政府や軍やメディアや政治家が、中東諸国のみならず、けがやトラウマや自殺や薬物乱用などで破滅している何百万というベテランを含め、普通のアメリカ人の生命や生活に与えているこの犯罪的政策の恐ろしいブーメラン効果について真実を知る必要がある。

 今週のテレビ討論後、真実を語ったことで、ギャバードが一般投票で勝利したように思われる。ドラッジ・レポートによる主要オンライン投票で、彼女は他の全ての候補者を出し抜いて、投票者のほぼ40パーセントの支持を勝ち取った。トップ候補者のはずのエリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースやジョー・バイデンは、7パーセントかそれ以下で彼女の後に続いている。

 明らかにギャバードはアメリカの戦争を率直に描写し、アメリカ国民の琴線に触れたのだ。

 彼女の衝撃的暴露と、見た目の大衆の支持にもかかわらず、大半の主流メディアは、テレビ討論後、彼女を葬り去ろうとした。VoxやCNNのようなチャンネルは、話の要点が主に内政問題だったウォーレンが討論の勝利者だと宣言した。他の候補者同様、ウォーレンは「テロとの戦い」というアメリカ軍のプロパガンダ言説に精一杯取り組んでいた。Voxは討論でのギャバードを「敗者」とさえ酷評し、アメリカのシリアでの役割について彼女は「露骨な虚偽の」発言をしたと主張した。

 他の主流報道機関は、アメリカの戦争に関する公式プロパガンダをギャバードが破壊したことを報告するのを無視することに決めた。今週早く、CNNとニューヨーク・タイムズは、彼女を「ロシアの手先」と呼び、彼女が2017年に彼女がシリアを訪問し、アサド大統領と話をしたことに言及して「アサド擁護者」と中傷した。

 世論調査の上で、ギャバードは、11月の次回テレビ討論に登壇するに値する十分な支持がないと民主党全国委員会は主張している。

 だが国際的な出来事はハワイ選出下院議員が正しいことを証明している。アメリカ軍部隊は他のNATO軍隊同様、シリア領土を不法に占領しているのだ。彼らは国連安全保障理事会から負託を受けていない。トランプによるアメリカ部隊撤退で、アメリカに支援されたクルド人戦士が事実上これまで5年間占領していた北東シリアに力の空白ができ、シリア軍が迅速に領土を奪還した。いくつかの報道が現地の人々がシリア軍の到着を喜々として歓迎しているのを示している。この場面は、シリアとロシアの軍隊が、アレッポや以前テロ集団に包囲されていた他の都市を解放した時を思い出させる。

 アメリカの戦争機構は、戦争で荒廃した国で平和を回復するためシリアから撤退しなくてはならない。トランプがうぬぼれて主張するように「彼らが100パーセント、ISISを破った」ためではなく、大半の民主党やアメリカ・メディアが不合理に主張する「テロとの戦いの上で、クルド人を裏切っている」からでもなく。

 ワシントンが、その犯罪的な政権転覆戦争と代理テロリストに対する支援を最終的に終わらせる時、シリアと中東に平和が来るだろう。トゥルシー・ギャバードは、アメリカ人に真実を話す知性と高潔さを持った唯一の政治家であるように思われる。

 Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/18/tulsi-nails-national-tv-us-regime-change-wars/

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 従軍体験があればこその説得力ある主張。偉い人もいるものだ。小学校の運動会、徒競走は常にビリから二番目。運動会の前日は、てるてる坊主をさかさまにつるしていた軟弱な経験しかないので、軍隊体験も、下記の現実も、全く理解できない。わが抱く思想はすべて 運動神経なきに因するごとし 秋の風吹く

日刊IWJガイド「五輪での旭日旗の使用反対の署名がホワイトハウスの『We the People』で進行中! 期限の本日までに、署名は10万筆を超えホワイトハウスには公式回答の義務が! 五輪サッカーチームが迷彩服風のユニホームを着用することが決定! 片やラグビーW杯では姫野選手が百田尚樹氏の『日本国紀』の愛読を公言! 日本は万世一系の素晴らしい国!? 国内スポーツ界で世界に逆行して進むナショナリズム!」2019.10.24日号~No.2597号~(2019.10.24 8時00分)

 

2019年10月23日 (水)

ロシアと中国が団結している理由

2019年10月13日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 資本主義世界は退廃している。欧米は腐敗している。国民がお互い仲が良くなく、いらだっている帝国主義帝国から怒りと虚無主義が流れ出ている。

 新植民地主義者、歴史的帝国主義国家から流れ出る価値観のひどい劣化を、思想家や指導者たちが暴露しているので、帝国主義の北米やヨーロッパは、ベネズエラやキューバのような国に激怒している。

 だが、欧米諸国と彼らの宣伝屋による悪意の最前線に立っているのは中国とロシアだ。今それは全てグロテスクだ。ナチズムから世界を救い、多数の国を非植民地化するのを手助けしたロシアは、今ヨーロッパで「一番好きでない国」だ。何百万人ものユダヤ人やジプシーやスラブ人や他の人々を殺したドイツが最も好かれている。無防備な国から彼らの富を剥奪するために、産業や銀行の力を駆使して、ドイツがまだベネズエラのような国を略奪しているのを、欧米では誰も気にかけていないように思われる。

 力強い共産主義国家中国は(あるいは「中国的特徴を持った社会主義国」と呼ぼう)、欧米プロパガンダに馬鹿にされ、侮辱されている。ヨーロッパと北米の洗脳屋や、いわゆる中道から右翼の大部分の従順なエセ知識人はとどまるところを知らない。彼らの大部分が不治の優越感を患っている。彼らは自分たちに中国を判断する権利があると思っている。中国のために、それが「本当に」共産党なのかどうか、正しい進路上にあるのかどうかをか判断する権利を。

 中国は冷静で、臆病な国だとさえ言う向きもあろう。中国は、どれほど力強くなったかにかかわらず、中国は、自称敵たちとの全ての対立を平和的に解決しようとしている。中国は攻撃せず、挑発しない。歴史的に、中国はその周辺や遥か彼方の国々の福祉さえ気にかけている。千年にわたり、智恵はこういうものだった。「隣人が幸福になれば、中国自身も幸福になる」。

 中国の指導者と中国人は、世界全体が繁栄すれば、結果的に中国が利益を得られることを確信している。それがしばしば「新シルクロード」と定義されるBRI(一帯一路構想)の本質だ。

 もちろん、それはこれほど単純ではないが、本質的にはそうだ。新シルクロードは中国国際主義の最も重要なものだ。私はアフリカやオセアニアのような場所で「活動中の」中国を見た、私は大いに感銘を受けた。私は反帝国主義者で国際主義者なので、私は決定的に中国を支持する!

***

 私は益々私自身を「マルクス主義者」ではなく、共産党員と国際主義者だと思う。カール・マルクスは歴史的なヨーロッパ人で、古い初期資本主義体制の良き分析者で批判者だった。彼は植民地政策と帝国主義攻撃には多くのエネルギーを使わず、主にヨーロッパ体制に没頭していた。過去、数百年間、最も恐ろしい問題は、欧米による世界略奪だった。マルクスはそれには多くの注意を払わなかった。

 唯一の正当な比較は、ナチズム/ファシズムと、ヨーロッパと北米植民地政策、より正確には新植民地主義者と帝国主義なのに、無防備な人々を擁護してきたソ連や中華人民共和国のような国は、ロンドンやパリやベルリンやワシントンに、首尾一貫して、非常に専門的に悪者にされ、非常識にも「ファシストに等しい」と中傷される。

 自身の社会主義制度を完ぺきにしながら、中国はソ連がおかした間違いを大いに学んだ。中国はそれを繰り返すまい。中国社会科学院や中国の一流大学やマスコミに近い人々は、ソ連と、いわゆる東欧圏がおかした間違いを説明すべく最善を尽くしている。自身の過去や、他の社会主義国の分析に基づいて、中国は世界の存続と自国民の生活水準向上のために戦っている。

 私は中国のやり方が好きだ。私はその「過程」の一部であるのを誇りに思っている。もし中国が失敗すれば、もし中国が欧米帝国主義者に破壊されたら、我々人類に対する全ての希望の終わりなのを私は知っているので、私は全身全霊で中国を支援する。もし何十億という人間の人生に対して、無競争の支配を続けることが許されたら、欧米が世界に何をするかを既に明示している。

 団結し同盟して、中国とロシアは独立国家の強力なブロックを構成している。彼らは欧米に反感を買われ、残忍に取り扱われ、威嚇さえされながら、この良い両国を直接的にも間接的にも守っている。両国は一緒に働くことから利益を受けている。今、全大陸の多くの国も利益を得ている。

 私は見ているものが好きだ。希望が漂っている。それは美しい。それは楽観主義に満ちている。それが私が支持している理由だ。それが、私が中華人民共和国70周年記念日を祝っている理由だ!

***

 中国が、ほとんど全ての西側諸国と、彼らの属国に、脅迫され挑発されているのは言うまでもない。

 実際、中国を攻撃することは、世界中のマスメディアで働く凡庸なジャーナリストにとって、資金が窮乏している個人にとって、最も儲かる仕事へと変わりつつあるのだ。

 これらの攻撃の理由を理解するのは余りにも容易だ。中華人民共和国は、帝国主義と残忍な資本主義両方に関して、明らかに、全ての分野、部門で勝っている。イデオロギー的に、知的に、そして社会的に。

 一人当たりGDPのほんのわずかの額で(欧米と比較して)、中国は極端な貧困を根絶しつつある。現在、中国のインフラは、欧米のそれよりずっと良い。エコロジー分野の中国の進歩には、世界の他のいかなる地域もかなうことができない。文化と科学分野で中国の創造力は膨大だ。中国人の生活は劇的に良くなっている。中国と協力している国々でも、人々の生活が同様ずっと良くなっていることに気付かないのは非常に困難だ。

 この全てが、世界中の人々にとって一層明らかになるにつれ、伝統的な植民地主義や帝国主義の国々が、益々おびえているのだ。連中の経済と文化は、何世紀もの間、略奪に基づいているので、彼らは世界に何も提供できないのだ。彼らは止まって、改革すること、世界を救うため努力することができないのだ。それで彼らが現状が優勢であり続けることを保証するために出来るのは、ずっと良い世界のために執拗に働くと固く決めた両国、中国とロシアを中傷することなのだ。

 中国は何十年間も、欧米と妥協しよう、なだめようとしてきた。中国は、直接あるいは間接的な対立を避けるため、ありとあらゆることをしてきた。ようやく最近、欧米が受け入れる唯一の結果は、中国がひざまずき、降伏し、「中国の特徴を持った社会主義」体制を断念することだと悟ったのだ。

 そしてこれは北京政府にも、中国国民にも受け入れられない。

 それが、天安門広場、2019年10月1日のパレードの理由だ。それが欧米への明確なメッセージだった理由だ。中国体制が売り物ではない理由だ。中国は屈伏しないだろう。それが、中華人民共和国をあえて攻撃する連中は誰であれ撃退するよう設計された新兵器が紹介された理由だ。

 ロシアにはこういう諺がある。剣を持ってやって来る者は、剣で死ぬ。

 中国はこの自明の理の智恵を明らかに理解している。

 もちろん中国は両手を広げて友人を歓迎する。中国は困窮している人々を助ける。中国は、より良い世界を築こうとしている。

 だが中国は、攻撃や、脅しや、むき出しの人種差別を二度と許さない。過去、中国は占領され、残忍に取り扱われ、屈辱を受けた。今、共産党指導体制の下での、70年後の途方もなく大きな飛躍の後が、中国は自信を持ち、強く、誇り高い。

 私はこの自信が好きだ。中国が国内、国外でしていることを私は称賛する。

 それが私が中国人と共に彼らの社会主義の祖国70周年記念日を祝う理由だ。それが私が世界に地球上の最も人口ちゅう密な国の偉大な全ての業績を見せるため昼も夜も働いている理由だ。

 私は中国とロシアの連合は、我々人類に対する最後の希望だとも信じている。私は全大陸の人々の苦難を目撃している。欧米帝国主義の被害者を。「あらゆる国は同じで、彼らが十分に強ければ、ヨーロッパと北アメリカが何世紀もやってきたような野蛮さで、世界を略奪するはずだ」というプロパガンダを、私は一秒たりとも買わない。

 私は、中国に関する欧米人の果てしない分析を読んだり聞いたりするのに余り興味はない。私は中国人の自国についての言い分に興味がある!

 今、勝利から70年後、中国は今までに以上に団結した状態にある。欧米に全てを奪われた国々は、多くの世代で初めて、今あえて希望を持っている。

 それが、世界を変えつつあり、70周年でも、それほど若く親切で楽観に満ちているように見え、そう感じられる国を私が誉めたたえる理由だ!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼はVltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/13/why-russia-and-china-stand-together/

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 ロシアのことわざ?下記のものらしいが、マタイの福音書にも、そっくりな言葉がある。

 Кто с мечом к нам придет, от меча и погибнет!

 Who come to us with sword will die from sword.

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

鳩山由紀夫氏(元首相)の最近のツイート、反応の大きい順5?台風、老朽化した橋梁、道 路、河川の堤防などの総点検を、?香港の行政長官が緊急法を発動して覆面を禁止する法律 を制定、?今回の台風の際に台東区の避難所にホームレスが断られた

 今日は下記インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より『シリーズ「政治権力vsメディア」慰安婦は普遍的人権問題! 河野談話を露骨に否定!? 世界中で被害者を不当に黙らせようとする日本政府! 岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー(第3回「慰安婦」問題編)』を冒頭のみオープンで、その後は会員限定で配信します!」2019.10.23日号~No.2596号~(2019.10.23 8時00分)

 

 

2019年10月22日 (火)

ファーウェイはグーグルなしで行くのだろうか?

2019年10月17日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

 ファーウェイの最新機種スマートフォン、Mate 30とMate 30 Proは、中国企業に対する(そして特にファーウェイ自身に対する)アメリカによる規制のため、グーグル製品が利用可能でない状態のまま発表された。

 多くの人々の予想に反し、ファーウェイは同社の電話に「自社オペレーティング・システム」を開発せず、代わりにグーグルのAndroidのオープンソース版を使用している。これは、ファーウェイ・ユーザーがまだAndroidアプリケーションを入手可能なことを意味し、ユーザーは電話を普通に利用するが、Google Play経由ではなく、ファーウェイのAppGalleryを通して、アプリケーションを入手しなければならない。

 CNETによる「ファーウェイMate 30プロはグーグルアプリケーションを捨て、Android維持。それがなぜ問題か」という題の最近の記事はこう説明している。

電話は、4つの背面のカメラを含む最新技術のハードウェアだが、Androidを完全にサポートせずに出荷される。Mate 30電話は、Androidオープンソースに基づいており、まだAndroidのように機能することを意味している。だが、それらには、グーグルサービスやアプリケーションがない。Google MapsもGoogle Chromeも、最も重要なことに、Google Play Storeがないのだ。

その代わり、ユーザーはファーウェイブラウザでWebを巡り、ファーウェイAppGalleryからアプリケーションをダウンロードする。ファーウェイによれば、AppGalleryには、Google Playの推定270万と比較すると、約45,000のアプリケーションがある。グーグルは、電話メーカーの使用に向け、現在はAndroidの最新版、Android10のライセンスを与えている。Mate 30電話は、その代わりに、オープンソースAndroidで駆動され、グーグルのAndroid10に似せたファーウェイのユーザインタフェースEMUI10で動く。

 ファーウェイの最近の電話は中国国内市場では、良く売れると予想されるが、中国国境外での未来は疑問だ。

 ユーザーは、グーグルのおなじみのサービスを使うことができない電話を買うだろうか? 欧米世界の技術刊行物は、アメリカによる制約と、迫っている貿易戦争を考慮して、ファーウェイの将来の見通しと、この質問を熟考している。

 より広範な文脈で、ファーウェイにとって、この一見重要な転機は、世界シェアや中国での事業にどのように影響するだろう?

 グーグルを振り切る

 ファーウェイのビジネスグループ専務・CEO、リチャード・ユーは、ファーウェイとグーグルの提携を強力だが、現在ファーウェイが直面し、増大している複雑な問題は、アメリカ政府による行動の直接の結果だと述べた。フォーブスはこう報じている。

 ファーウェイにとって、同社の電話でグーグルのAndroidオペレーティング・システムを使い続けることと、グーグルとの協力が可能なことは、同社にとって、少なくとも短期的には最も有益なのは明白だ。長期的に、ファーウェイは、最終的に、直接グーグルと競争するか、人気が高いグーグル製品を自社機種で最終的に追い越す用意ができているのかもしれない。

 多くのアナリストは、そもそもこれが、アメリカの制限を促進させている刺激だと信じているように思われる。アメリカ企業は、中国の競合企業と真っ向から戦うことができず、アメリカは、その経済的優位を、できるだけ長い間、中国経済の上昇(そして特定中国企業のそれ)を阻止するために使っているのだ。

 ファーウェイ経営者がグーグルについて本当に何を考えているか、あるいはグーグルが彼らをどう考えているかにかかわらず、ファーウェイが、現在世界中の大衆がグーグルに頼っているAndroidや電子メールやマップ・アプリケーションや他の機能に対するグーグルの支配に、少なくとも近い将来挑戦することになるのは避けられないように見える。

 アメリカは、グーグルサービスへのファーウェイのアクセスを制限し、中国巨大ハイテク企業に急速に、代替案に投資し、開発し、促進するよう強いて、その日の到来を早めているようにしか思われない。短期的に同社版Androidがどんな欠点に直面しようとも、ファーウェイは、近い将来、自身のセキュリティー・アップデートやハードウェアサポートをするために必要なとデベロッパーを雇う資源を確実に持っている。

 またファーウェイの5G技術は、中国企業、特にファーウェイに対してボイコットしろというをアメリカの圧力を無視した世界中の国々に既に広く採用されている。ファーウェイのスマートフォンも、既に世界中の市場に深く浸透しており、一夜にして消滅することのない人気を得ている。

 アメリカ政府が課している現在の妨害は避けられないものを遅らせているに過ぎず、もしかするとグーグルのようなアメリカ・ハイテク企業の終焉に自ら課した致命的打撃になるのかもしれない。

 中国 = アメリカ + 10億

 アメリカによる制限は、中国内で売られるファーウェイハンドセットには影響を与えない。中国国内の企業が、オンライン検索エンジンや電子メールや、ソーシャル・メディアネットワークやメディア共有サイトの全てを供給する状態で、中国消費者はグーグルサービスを広範に採用することはなかった。

 海外で同社製品に対するアメリカの規制を相殺し、最終的に克服するまで、ファーウェイは生き残れる可能性が高い。

 ご存じない方々のために申し上げるが、中国人口はアメリカ人口プラス10億人だ。

 習近平中国国家主席はかつてこう言った。「中国経済は池ではなく海だ。嵐は池は破壊できるが、海は決して破壊できない。」

 この考え方はファーウェイの現在の挑戦にもあてはまる。世界規模でファーウェイ販売に損害を与えようとするアメリカの取り組みは、限定された短期的影響を与えるだけだろう。ファーウェイは中国自身の巨大国内市場の「海」の中で生き残り、繁栄するだろう。アメリカによる規制を回避し、直接グーグルと競争する多数の代替案を持って世界的規模で再登場するまで、ファーウェイは順応し、進化するだろう。

 アメリカの規制を回避する能力は、いつの日か自分もファーウェイと同じ立場になりかねないと想像できる、ほとんど全てのアメリカ以外の主要スマートフォン・メーカー(他産業の潜在的企業も同様)にとって魅力的選択肢だ。アメリカの巨大ハイテク企業から自立したオペレーティング・システムとアプリケーションストアとサービスを採用すれば、これら事業が将来アメリカ取り引き慣行に攻撃されるのを阻止するだけでなく、グーグルや他の巨大アメリカ・ハイテク企業が長年囲い込んでいた富を共有するのを助けるだろう。

 中国との貿易戦争で、アメリカは手に余ることを企てたのかも知れない。ライバルを潰すために、必要とあればどんな手段もいとわないという本能が、その優位性が、もはや論理的でも持続可能でもなくなった変化する世界経済に潔く適応する必要性を、アメリカに見えなくにしたのかもしれない。

 ファーウェイに課された制限は、ファーウェイが参入している国際市場で、アメリカに本拠をおく企業に優位と幅をきかせる機会を与えるよう意図されている。実際は、これらの制限は、ファーウェイや他の企業が、アメリカ企業を必然的に上回るのを遅らせているに過ぎない。

 ファーウェイや他の企業は、アメリカ企業を追い越すだけではなく、アメリカの取り引き慣行ゆえに、これら企業は、いかなる本格的な形でも再びアメリカ企業と協力するのをためらうだろう。

 だから、アメリカは世界経済の未来の姿に影響を与える機会を失い、逆に、Androidオペレーティング・システムと、その上で動く多くの人気が高いアプリケーションを含めたアメリカ独占を根絶し、交替させる必要性を実証したのだ。

 ファーウェイに対するアメリカの攻撃は、究極的にアメリカ権力の証明ではない。逆に、それは、現在世界の舞台に直接勃興しつつある外国ライバルとの競争におけるアメリカ企業の能力欠如の実証だ。それは、いずれ他企業に標的を定めかねないアメリカ取り引き慣行による脅威の実証なのだ。

 ファーウェイが、同社スマートフォン用のオンラインアプリケーション店(Google Playに代わる選択肢)やプロセッサを含めたハードウェアに大いに投資するにつれ、アメリカの規制がファーウェイに影響を与える能力は弱まるだろう。

 ファーウェイを倒産させる以外の何であれ、ファーウェイが、現在のアメリカによる規制に対して猛烈に復活するのを阻止できまい。

 この最も残念な点は、グーグルとファーウェイに取り込まれた有能な人々の大集団の間に、意地悪く、不和がもたらされたことだ。両社にとって、儲かる協力になりえたはずのものが、そうではなく、両社を後退させる威圧的で醜悪な争いになったのだ。アメリカ-中国貿易戦争において進行中のこの出来事は、グーグルだけでなく、アメリカと、アメリカ企業と事業をしようとしている外国企業間の信頼を損なうだろう。

 この紛争は、どれほど酷く破壊的であろうとも、長い目で見れば、究極的には肯定的な結果をもたらすかもしれない。自社が依存している重要なサービスや要素技術を独占できないと悟った企業は、個別の国家経済だけでなく、我々が今目にしているような破壊的貿易戦争に影響されかねない個人や企業のためにも、経済的安定に寄与する国別の自足に一層注力するはずだ。

 Ulson Gunnarはニューヨークを本拠とする地政学専門家、ライター。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/17/huawei-moving-on-without-google/

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 「防災より国防」という見出しを見た。「防災より戦災」の印刷ミスでは?

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

9月韓国向け輸出額15%超減、対中向けは6.7%減。徴用工問題は個人の請求権を担保する国連人権規約無視が安倍政権の間違い。対中国に関してもファーウェイ5G導入を拒否しているがドイツは導入の方向。外交の間違いが輸出という日本の基幹部分に悪影響。

 今日のIWJインタビューは拝聴したいが、外出予定で、生配信は拝見できない。

日刊IWJガイド「本日午後4時から、元外務省情報局長・孫崎享氏にインタビュー(続編)を冒頭のみオープンで、その後は会員限定で生配信します!」2019.10.22日号~No.2595号~(2019.10.22 8時00分)

2019年10月21日 (月)

シリアにおけるロシアの妙技:全員ウイン

Federico Pieraccini
2019年10月16日
Strategic Culture Foundation

 「モスクワとダマスカスは、常に、いかなる形の分割にも、シリアにおける違法な外国軍駐留にも反対だと主張している。」

 分割と違法な外国軍駐留に反対する姿勢にもかかわらず、モスクワは紛争の全当事者との接触を維持するのに成功している。モスクワの強い要請で、イランとトルコとロシア間の三者会議がアスタナで開催された。プーチンは、シリアの未来を議論するためシリア政府と反対派をソチに集めるのに成功した。ジュネーブで、シリアを、アメリカや他の敵によるインチキ外交から守り、モスクワはダマスカスと国際社会の間を調停した。

 シリアでの敗北の結果、トルコは、今モスクワとテヘランと積極的対話をしている。アンカラが、ワシントンや他のヨーロッパ首都との関係を悪化させる中、モスクワはトルコを、ダマスカスとより緊密にさせる機会を見出した。

 ロシアの作戦は複雑で、多くの忍耐力が必要だった。だがロシアが監督する交渉と、シリア兵士の勇敢さと勇気のおかげで、シリアに散在するテロリスト拠点のほぼ全てが着実に制覇されつつある。

 イドリブ州以外の、ダマスカスにとっての主要問題は「ダーイシュとの戦い」と「アサド政権」からクルド人(SDF)を守るという口実でのアメリカによるシリア北東部の占領だ。

 崩壊しつつある経済に圧迫され、同盟諸国(ロシアのS-400システムの購入はワシントンとNATO加盟諸国の多くをいらだたせた)に脅迫され、エルドアンは身動きできずにいる。彼は是が非でも何らかの勝利を支持基盤に示す必要がある。

 これが、シリア・トルコ国境に緩衝地帯を作って、「任務は達成された」と宣言して、支持率を押し上げるため、クルド人民防衛隊がPKKとつながったテロ組織だという口実で、シリアに侵入するエルドアンの決定の背後にある主な理由かもしれない。

 トランプの場合は、(エセ)弾劾手続きから注意を逸らすのに必死で、彼も同様に支持基盤に何らかの勝利を見せる必要がある。耳にたこができるほどダーイシュに対する勝利を語り、シリアからアメリカ部隊をミニ撤退させ、クルド人を運命に任せる(SDFは政敵民主党により関係が深いので、トランプは彼ら全く関心がない)よりうまい方法があるだろうか?

 トランプは、国防総省の「常軌を逸した出費」とアメリカの過去の戦争に対する、ひと握りのTweetをして、「アメリカ・ファースト」教義への彼の誓約に関して、彼と彼の支持者たちは、お互いにハイタッチして成功を喜び合っている。

 (ホワイトハウスからの高圧的発言にもかかわらず)エルドアンとトランプは、個人的な関係を再確立して、NATO内でのトルコとアメリカ間の厄介な抗争を解決したのだ。

 クルド人(SDF)とダマスカス間の合意は、モスクワが大いに画策している出来事の当然の結果に過ぎない。トルコ国境へのシリアとロシア軍の配備は、クレムリンがこの外交的名人芸の初めに望んでいた結果であるシリア全領土奪回の前兆だ。

 ワシントンにもアンカラにも、ダマスカスがシリアを再統合するのを阻止する機会は一度もをなかった。シリアでの敗北に直面して、ワシントンとアンカラは、それぞれの支持基盤には勝利を宣言しながら、遅かれ早かれ正しい出口戦略を求めるだろうとモスクワは想定していたのだ。これこそ、まさに、プーチンとラブロフが、これまでの数週間に生み出して、トランプとエルドアンにシリア問題の解決策を提示したものなのだ。

 トランプは、アメリカから11,200キロも離れた国にはほとんど興味がないと言うだろう。エルドアンは(多少渋々ながら)トルコとシリアの間の国境が、シリア軍に確保されれば、クルド人の安全を保障するだろう。

 プーチンが、アサドとクルド人に、シリア共通の利益のため対話を始めるように助言したのは確実だ。彼は、エルドアンとトランプも、この計画を受け入れる必要性を説得したに違いない。

 ダマスカスとモスクワが報われる合意は、クルド人を救い、国内・世界の聴衆に説明するのが困難な状況にあるエルドアンとトランプにうわべの威厳を維持するのを可能にする。

 アンカラとダマスカス間のいかなる軍事衝突も防ぐことを目的として、トルコとの国境で、モスクワはシリア軍と共同パトロールを始めた。アンカラが今後数日中に軍事行動を止めれば、ダマスカスは油田の支配を取り戻すだろう。

 7年におよぶシリア紛争の終焉を一層早めるのに貢献する、これまで考えられたものの中で最も素晴らしい外交的妙技の一つを世界は目にしているのだ。

 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略が専門の独立フリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/16/the-russian-masterpiece-in-syria-everyone-wins/

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 幸いなことに、ほとんどテレビをみていない。大本営広報は下記二つの話題、一体どう報じているのだろう。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

転載、沖縄タイムス社説[政令恩赦決定]合理性も説得力もない。「政令恩赦」。恩赦は慶弔 時の慣例とはいえ、三権分立の原則を揺るがしかねない、合理性のない制度。共同通信社世 論調査で、恩赦への反対が60・2%、賛成24・8%。公職選挙法違反者も430名。

 そして『八ッ場ダム』。八ッ場称賛のびっくりコメント、公開せずいる。

日刊IWJガイド「『八ッ場ダム無双』『スーパー堤防礼賛』デマ宣伝を一蹴する!! 本日午後8時より岩上安身によるジャーナリスト・まさのあつこ氏、拓殖大学政経学部教授・関良基氏インタビューを公共性に鑑みフルオープンで、生配信します!」2019.10.21日号~No.2594号~(2019.10.21 8時00分)

2019年10月20日 (日)

世界がひっくり返った

マーティン・シーフ
2019年10月13日
Strategic Culture Foundation

 1781年、ヨークタウンで、まだ当惑している伯爵チャールズ・コーンウォリス大将が、彼の軍をジョージ・ワシントンとドゥ・ロシャンボー侯爵に降伏させた時、伝説によれば、イギリス軍楽隊が「世界がひっくり返った」と呼ばれるバラードを演奏して屈辱を高めた。後に作曲家リン・マニュエル・ミランダが彼の称賛される現代ミュージカル「ハミルトン」のヒット曲として、この歌を再生した。

 光速通信や電信線やラジオやインターネットがなかった時代に、アメリカにおける大英帝国の敗北は、世界全体を揺り動かした。それは祝われて、クウェートの首長から、サンペテルブルグのロシヤ皇帝エカチェリーナ2世にまで歓迎された。

 だがイエメンの多くを支配するフーシ派反抗運動が、9月末、サウジアラビアの三旅団を壊滅し、最少2,500人の犠牲者をもたらした時、欧米メディアはそれを無視した。

 このウェブサイトの、あの出来事に関する比類ない評価を提供する上で、Frederico Pierraciniの顕著な分析は、事実上、傑出している。

 安全な過去ではなく、どこでも起き得て、アメリカが勝利したのではない限り、「決定的な戦い」を認めるのは、欧米解説者の間では流行ではない。だがナチス、ドイツ国防軍が1940年に、6週間の作戦で、伝説的なフランス軍を打倒した時、1942年秋、スターリングラードで、赤軍がナチ・エリート戦闘部隊を殲滅した時、それらの戦闘は本当に決定的だった、時計は決してそこから戻れなかった。

 フーシ派が、サウジアラビアに与えた屈辱的敗北は、それらと同等の画期的重要性を持っている。それは、これまでの四年にわたる、少なくとも100,000人の一般人を殺したイエメンの不必要に長期の内戦におけるフーシ派の勝利確認以上に、遥かに意義深い。フーシ派は今やサウジアラビア王国自身を轟音ともに壊滅させる態勢にあるのだ。

 この展開には暗い因果応報がある。サウド家は、それが登場した時と同様、若い、厳しいが、献身的な革命運動が、時の帝国主義大国に支援された価値のない古い反動主義政権に挑戦し、それを破壊する武力衝突で崩壊するだろう。

 サウジアラビア創始者アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王は、それまでの、最有力ながら、生気を失った、ちゃちで腐敗したハーシム王朝からアラブを征服した、今日不気味にフーシ派の勃興を予想させる、活発なカリスマ的な若い部族指導者だった。

 ハーシム家は、イスラムの神聖な都市メッカとメディナの宗教的支配を享受していた。彼らは以前は、オスマントルコ帝国に仕えていたが、第一次世界大戦の間に、ハーシム家は、勃興して、確実に中東最有力帝国としてトルコに代わるだろうと正確に判断した大英帝国を熱心に奉じたのだ。

 ハーシム家の、この世界戦略の読みは正しかった。だが一つ克服できない問題があった。メッカのシャリーフ、フセインは一様に非常に嫌われており、不公平で思いやりがないとんでもない人物だったので、誰も指揮することができなかったが、彼の家族の大部分ももっと酷かったのだ。

 ウィンストン・チャーチル植民地大臣率いるイギリスは、1920年代にハーシム家を受け入れ、イラクの王座にシャリーフ・フセインの息子の一人、ファイサル王一世を据えた。イギリス軍の支援にもかかわらず、一家はそこでも嫌われた。1958年、イラクのハーシム家王室全員がバグダッドで大虐殺で機関銃で撃たれ、世界に衝撃を与えた。

 1920年代の半ばに、シャリーフ・フセイン自身、既にアブドゥルアズィーズとサウド家によってアラビアから追い出されていた。大英帝国の全ての力も、ウィンストン・チャーチルのあらゆる取り組みも、彼を救うことができなかった。

 そこで、アラビアの石油資源を探求する時期が到来した際、アブドゥルアズィーズはイギリスをはねつけ、代わりにアメリカ石油会社に重要な採掘特権を与えた。1933年5月、サウジアラビア政府は、ライバルのイギリス支配下にあるイラク石油の入札より、SoCal、スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニアを好んで、採掘特権を与えた。それは現在巨大サウジ・アラムコ石油会社の前身だった。

 だが、過去80年の全ての伝説的なサウジアラビアの石油の富は、彼らによる、それまでのアラビア半島征服に基づいていた。中核となる軍事的教訓は明確だった。常に、ダイナミックで精力的なリーダーがいる勇敢で情熱的な軍隊が、疲れて、腐敗し、見下げはてた支配者が率いる、より裕福で、より大きく、より良い装備の軍隊を打ち負かすのだ。

 今歴史は、今回、サウジアラビア人が勝者ではなく、敗者であろうとしていることを除けば、同じことを繰り返しているのだ。

 フーシ派の勝利は、サウジアラビア人に、歯が立たない敵に会ったことを気付かせた。傲慢で無謀な若いサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマーンには、イエメンの人々に対する、これまで数年前にわたる獰猛で残酷で血まみれの空爆作戦を中止する時間が十分あったのだ。彼はそうはしなかったが、今や遅すぎる。

 つけがまわったのだ。そしてそれはサウジアラビアとイエメン国境では止まるまい。

 世界は再びひっくり返ろうとしている。 マーティン・シーフは、24年間、上級海外特派員としてワシントン・タイムズとUPI通信社で70以上の国から報道し、12の戦争を担当した。彼はアメリカとグローバル経済問題が専門。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/13/the-world-turned-upside-down/

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 宗主国の命令で、日本軍中東派遣が実現する。結果は素人でも想像できそう。偽旗友軍攻撃作戦?

 中東における宗主国の盟友イスラエルは、その狙い実現するためには、どんなことでもする実績がある。『アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃』不思議にも、というか、当然にも、検索エンジン、この記事を隠蔽している。

 そして宗主国は偽旗合州国だ。

 21日のインタビュー、すごいタイミング。台風による被害について、お二人の意見を是非伺いたいと思っていたところだった。

日刊IWJガイド・日曜版「明日21日から4連続インタビューが決定!! 21日はジャーナリスト・まさのあつこ氏と拓殖大学政経学部教授・関良基氏、22日は元外務省情報局長・孫崎享氏(続編)、23日(または24日)は国民民主党・森裕子参院議員、25日は立憲民主党・有田芳生参院議員と神原元弁護士にインタビューを行います!!」2019.10.20日号~No.2593号~

 

2019年10月19日 (土)

管理された言説が欧米を支配している

2019年10月15日
Paul Craig Roberts

 アメリカと西欧のメディアが構成するウソつき装置は、ロシアゲート・プロパガンダに失敗した今、チャイナゲートに切り換えた。https://www.mcclatchydc.com/news/politics-government/white-house/article235990528.html?

 CIA以外で最も信頼できないアメリカ組織はFBIだ。FBIが「中国、イランと朝鮮民主主義人民共和国による諜報活動を含む2020年の選挙戦より先のロシアの取り組みを調査することを越え、選挙安全管理に関する特別委員会を拡大した」とマクラッチー・ニュースが報じている。

 「北京がその権益に合うよう選挙に影響を与えるつもりだという6月に公表した評価を国家安全保障会議は支持しているとホワイトハウス当局者がマクラッチーに語った。」

 言い換えれば、もしトランプが再選で勝利すれば、彼が中国とイランと朝鮮民主主義人民共和国に選出されたからだとするよう国家安全保障会議が準備しているのだ。

 アメリカ選挙に対するイスラエルの巨大な影響力の調査はないのにご留意願いたい。

 徹底的に悪者にされている中国やイランや朝鮮民主主義人民共和国に、アメリカ人が投票で影響されるなどと、一体どんな「諜報」阿呆が思うだろう? もしこれが諜報情報なら、この機関は全く金の無駄だ。役に立たない機関を閉鎖し、国民医療に使おう。

 FBIの機能は、ひと握りの支配層エリートを守ること、冤罪に関して、あえて真実を語るあらゆるアメリカ人を迫害することだ。FBIによる起訴は全く信じられない。FBIは支配階級の使用人以外の何ものでもない。アメリカ最大の敵は、FBI、CIA、司法省、イスラエル圧力団体、民主党全国委員会、淫売メディアと軍安保複合体だ。これら自分の利益のみ追求する組織がアメリカを破壊しているのだ。

 好色なビル・クリントン大統領は、CIA/モサド工作員の可能性が高いエプスタインに、多数の未成年女性との性行為というわなにはめられ、ことを公にしないこと、あるいは金の引き換えに、6つの巨大企業に、アメリカ・メディアの90%の支配を引き渡した。これはアメリカ独占禁止法や、分散した様々なメディアという、アメリカの伝統に対する侵害だった。それはあらゆるメディアの独立の終わりだった。以来、彼ら全てが、同じ歌を歌い、同じウソをついている。

 これが、アメリカ人が、信頼できる情報を得られない理由だ。

 アメリカ人は、彼ら中産階級の仕事を中国に移転している企業から恩恵が得られると言われた。

 アメリカ人は、5Gもワクチン接種も無害だと言われている。

 彼らは、少数の狂信的イスラム教徒が、アメリカの国家安全保障体制をくじいて、世界唯一の超大国に屈辱を与えたのだと言われている。

 オサマ・ビンラディンとアフガニスタンが非難された。次に非難は、サダム・フセイン向けられ、そこでイラクが侵略された。次にパキスタンの部族が爆撃され、そして次にリビアが破壊された。次はシリアとイランのはずだったが、今、ロシアがワシントンの攻撃を阻止している。ソマリアが爆撃され、何十万人もの「難民」が、ミネソタやメインや、確実に他の所に捨てられた。

 そこで、ロシアと和平を結んで、医療に支払う余裕がない人々の金で軍安保複合体の予算を維持するための、でっちあげた脅威を減らすと脅したトランプを追い出すため、ロシアゲートが登場したのだ。

 今度は、もし失敗したら、予備にチャイナゲートを用意してある弾劾ゲートだ。

 この一連の嘘を信じるほど愚かな人々に、一体どんな未来があり得るだろう?

 欧米は、立ち上がって、自分たちの歴史的伝統や民族の独自性を守ることができない弱い無力な男性で構成されている。「差別用語」と「アイデンティティ政治」を死ぬほど恐れている欧米の半男性連中はもう長くは続かない終わった人種で、誰でも連中の終焉には気付くだろう。既にスウェーデンの女性は、スウェーデン人嫌いの親移民侵略者政府がスウェーデンに呼び込んだ移民侵略者に強姦される恐れなしには家から出られない。https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/09/the-joys-of-immigration/

 欧米いたるところ、バベルの塔になりつつある。ホロコーストはおきるのだろうか? 血の川を予言したイーノック・パウエルは正しかったのだろうか?

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/15/controlled-explanations-rule-the-western-world/

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首都水没』を読んだ。東京の危険性指摘には納得するが。スーパー堤防やダムによる対策、本当に有効だろうか。

敵意から友好へ: ブラジル大統領はなぜ彼の攻撃的な反中国行動を変えたのか?

2019年10月8日火曜日
Multipolarity research centres所長 Paul Antonopoulos
Infobrics

 DW Brasilとのインタビューで、マルコス・カラムル前駐中国ブラジル大使は、中国がブラジルでのインフラ事業の可能性に大いに関心を持っていることを明らかにした。ブラジルのヤイル・ボルソナーロ大統領は、2018年の選挙運動中、中国に対し、当初敵意を示していたが、両国関係に関わる莫大な金額や、苦闘する中南米大国の経済に、このアジアの国が提供できる支援の可能性を考えれば、彼の意見は変化したように思われる。

 ボルソナーロは、アメリカ大統領をおおやけに称賛し、考え方や信念を共有していることで「熱帯のトランプ」として良く知られている。だから選挙運動で、彼が「中国はブラジルで買い付けをしているのではなく、ブラジルを買っている」と言ったのは驚くには当たらなかった。

 環球時報は「ボルソナーロ新政権が中国市場に見切りをつけるとは考えがたい」と推測した。中国に対し、もう一つ重大な敵対心を示したブラジル大統領に警告メモも残した。「大統領選挙運動中の彼の台湾訪問は、北京を怒らせた。もし就任後、彼が台湾に対して基本原則を無視し続ければ、その代償は相当大きなものとなろう。この中国の島は、ブラジルにとって何の利益ももたらさず、これにボルソナーロと彼のチームが気付かなければならない」。

 中国、北京外交学院のマルカス・ヴィニシスス・フレータス客員教授はこう説明する。「中国がブラジルを見るとき、彼らは実際これから全て整備する必要がある遊園地として見ています。」 彼の評価は、ブラジルが、より広範な中南米地域に対して持っている支配的な地位にもかかわらず、多くの部門が低開発のままのブラジルの巨大な開発、インフラ機会に言及しているのだ。「中国が、ブラジルにとっての選択肢メニューを持っているのは疑いようがありません」と、ブラジルにとって興味がある、道路、地下鉄、鉄道、高架橋、空港建設での中国技術を彼は引き合いに出した。

 アグリビジネスから産物にいたるまで、更なる機会があるが、中国資本にとって最も魅力的な部門は、インフラと大規模事業、特にガス、石油とブラジル経済にとって、持続可能な成長と重要な基盤を保証する再生可能エネルギーだ。

 だが、両国間の重要な経済的関係や、中国がブラジルに提供できる機会にもかかわらず、ボルソナーロが北京をいらだたせるのを止めることはなかった。だから、アメリカ大統領の中国との貿易戦争のさなか、ボルソナーロは、トランプのあらゆる要求を受け入れるはずだだと想定されよう。だが6月、ブラジルのアミルトン・モウロン副大統領は、ブラジルは、ファーウェイが、ブラジルで遠距離通信に5G装置を提供するのを禁止する計画はないと述べ、ボルソナーロが選挙運動中に言った、あることが、大統領となった後は違うのを示唆した。

 これはボルソナーロ政権が、当初予想されていたものと異なった道を進んでおり、ブラジル大統領が、彼を批判する人々が良く言っているような、アメリカの完全な傀儡ではないことを示唆するだろう。今年早々、トランプがホワイトハウスへのボルソナーロ訪問の際、彼にファーウェイは安全保障上の脅威だと言ったが、ブラジル副大統領は、ブラジルにはファーウェイを信用しない理由はなく、ブラジルはその継続的発展を進めるために中国の技術を必要とすることを強調した。

 トランプが始めた貿易戦争に対する解決を北京が要求する中、杨万明駐ブラジル中国大使は、取り引き相手をいじめ、圧力をかけて、世界経済全体に影響を与えたと言って、アメリカを非難した。彼はアメリカが、市場の信頼を損ない、世界景気後退のリスクを増し、ブラジルのような新興経済を危険にさらしたと主張している。

 このシナリオで、ブラジリアと北京が国際協力と多国主義を擁護するのは重要だ。中国GDPは、2019年第二四半期‘わずか’6.2%で、1992年からの記録上最低の経済成長だ。このいわゆる経済「減速」は欧米メディアを元気づける良い餌となった。

 結果的に、トランプは中国との関税戦争がうまくいっていると宣言し、彼の保護貿易政策が、アジア大国からの企業の大脱出をもたらしたと言った。だが、もし措置がそれほど成功していたら、トランプは、パートナーが中国と取り引きするのを脅迫し続けないはずだ。ボルソナーロ政権は、この状況において、アメリカを支持するのはブラジルの利益にならないと見たのだ。

 中南米問題、特にキューバとベネズエラに対して、ボルソナーロは、大いにトランプ擁護の姿勢を続けるだろうが、彼はこの国における、強力な福音主義キリスト教圧力団体の権益のために、イスラエルに関連するものや、他の国際問題にブラジルを巻き込むのをいやがっていることを行動で示している。

 実際、ブラジルは、二大国間で進行中の貿易戦争から利益を得ていると主張することが可能だ。中国はアメリカからの購入を止めた後、供給不足を満たすため、この南米の国を選び、ブラジル大豆を絶えず大量注文している。中国バイヤーは益々ブラジル大豆を求めている。

 北京とワシントン間の緊張が増大すると、中国はアメリカ大豆輸入を止め、ブラジルに変えた。今のところ、ブラジルは、中国の要求に対応することが可能だったが、その供給は不足しつつあり、北京はその需要を満たし損ねる危険がある。貿易戦争が、どんな終わり方をしようとも、中国が逆戻りして、アメリカを大豆の最大供給国にすることはありそうもなく、ブラジルがその立場を強固にする好機だ。

 突然のひらめきのせいか、それともブラジル国内の強力な農業や他の重要な顧問の圧力の結果なのかにかかわらず、ボルソナーロは彼の中国言説を確実に180度方向転換した。中国に対するボルソナーロの当初の敵意と、トランプに対する彼の鮮明な支持のおかげで、去年専門家たちに疑問視されていたBRICSにおけるブラジルの役割の点で、エルネスト・アラウージョ外務大臣は、この組織でのブラジル議長職を完全に受け入れた。動機の理由が何であれ、このアジアの国が、ブラジルの経済状態を劇的に改善することができるので、ボルソナーロが、彼の中国政策敵意から開放性と歓迎へと確実に変えたことを示している。

記事原文のurl:http://infobrics.org/post/29453/

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 台風による雨で引き起こされる深層崩壊をテーマにした『ハリケーン』を読んだ。ネット書店の書評、納得できない。

 植草一秀の『知られざる真実』 イージスアショアより堤防強化優先順位はるかに高い

 国民の疲弊などなんのその。結局、属国は宗主国のいいなり。民生より戦争。イランが配慮を感じるだろうか?オマーンはイギリス軍基地を擁している。関連記事を翻訳したことがある。他の湾岸諸国とは一味違うオマーン

ペルシャ湾外に自衛隊検討 政府、米とイラン双方に配慮か

 原発マフィアと軍産複合体マフィア、ダム・マフィア、ほとんど同類のようだ。

日刊IWJガイド・土曜版「<新記事紹介>【特別寄稿】台風19号で続出した堤防決壊の原因は!? 国交省が省益のためにダムを優先し、堤防強化を後回しにしたためという驚くべき真相!?」2019.10.18日号~No.2591号~(2019.10.18 8時00分)

 

2019年10月18日 (金)

フェイク・ニュース、フェイク世論調査、そして、フェイク歴史

Wayne Madsen
2019年10月14日
Strategic Culture Foundation

 本当のすべてが偽りで、偽りのすべてが本当であると信じるドナルド・トランプは(そのために)彼が高名な専門家だと信じるもう1つの学科を探求した。彼自身のフェイク天気予報、フェイク世論調査とフェイクニュースを広めた後、トランプは今フェイク歴史を宣言した。シリアで、カリフ・イスラム国ジハード戦士と、アメリカ特殊部隊が戦う中、連合軍だったシリアのクルド人民防衛隊(YPG)部隊を、侵略するトルコ軍に、引き渡した後、トランプは「彼ら[クルド人]は第二次世界大戦で、我々に手を貸さなかった、彼らは、たとえば、ノルマンディーで、我々の手助けをしなかった。」と述べた。

 連合軍のノルマンディー上陸作戦開始を含め、第二次世界大戦で、アメリカを支援し助け損ねた一人は、トランプの父親、第一世代のドイツ系アメリカ人フレッド・トランプ・シニアだった。1940年9月6日から、18歳から36歳までの男性の徴兵は義務だった。徴兵制が有効になった時、フレッド・トランプは34歳だった。それでも親ナチ派クー・クラックス・クランの元メンバーは召集を避けるのに成功した。これは一家の特徴で、ベトナム戦争で召集されるのを避けられるよう、でっちあげの偽健康診断書で、足に骨棘があると主張した彼の息子ドナルドに及んでいる。

 第二次世界大戦史とノルマンディー上陸作戦開始のトランプの再発明では、彼は大戦における連合軍でのクルド人服務に、完全に妄想をいだいている。トランプは、タウンホールと言う名の極右ウェブサイトに載った記事から間違った情報を手に入れたように思われる。記事にはこうある。「クルド人はノルマンディーや仁川やケサンやカンダハルで我々に参加しなかった。」

 この主張は、トランプのフェイク・ハリケーン天気図やフェイク世論調査表やフェイク失業率と一緒に、ずたずたにできる。イラク軍は、当初「アラブ、クルド軍」として知られたイギリス人に指揮された市民軍として、戦闘で傑出していた。1922年、イギリス委任統治下のイラクで、アラブ、クルド軍のアラブ人メンバーは、イラク軍に同化していた。クルド軍は「同じくイラクに駐留していイギリス軍のメンバー」とみなされていた。

 軍隊の半分はアッシリア人で、クルド人部隊もいた。大隊は、シーア派マーシュアラブ人、トルコマン人、マンデアン人、アルメニア人、ヤズディとカルデア人で構成されていた。

 1941年、イラク民族主義者のラシード・アリー・アッ=ガイラーニーが、イラクの摂政を追放し、イラクはナチスドイツや他の枢軸国と同盟したと発表した。ラシード・アリの軍隊は、「ゴールデン・スクエア」というあだ名の四人のイラク陸軍士官に支援されて、ハバニヤのイギリス空軍基地を包囲した。ハバニヤ基地の包囲攻撃に対処すべく、軍は追加のアッシリア人、クルド人とヤズディを召集した。ラシード・アリ勢力が破れ、枢軸派首相がイランに逃げた後、パラシュート部隊を含め、軍隊はイギリス軍に編入され、パレスチナとキプロスで服務した。軍隊は166人のイギリス士官、22人のアッシリア人、10人のクルド人、5人のヤズディ、4人の湾岸アラブ人/ トルーシアルと、3つのバルチ部隊で構成されていた。

 1943年、主にアッシリア人/クルド人で構成される軍隊はイギリス空軍部隊と改名された。彼らは連合軍のギリシャ、アルバニアとイタリア攻撃に参加した。イギリス空軍部隊兵士の一部はシリア出身だった。トランプ政権に裏切られ、現在トルコによって激しく攻撃されているのは彼らの子孫だ。

 アッシリア/クルド軍のひと握りの落下傘部隊員はノルマンディー上陸作戦を目にしたかもしれないが、この軍隊がイラク、クウェート、バーレーン、カタール、トルーシャル・オマーン、パレスチナ、キプロスとオマーンで地域の安全保障活動をしたことで、イギリスとインドの軍が、ノルマンディーで自由に活動可能だった事実だけで、「タウンホール」から引用したトランプの主張は全くの「エセ歴史」になる。

 数人のクルド人がソ連軍と共に、ナチスドイツに対する東部攻勢で戦った事実も、トランプのおかしな歴史授業からは消えている。ナチに対するこうしたソ連の行動で最も有名なクルド人退役軍人は、第二次世界大戦における赤軍での軍務に対し、ソ連邦英雄勲章を与えられたサマンド・アリエヴィッチ・シアベンドフだった。シアベンドフは二冊のクルド語詩の著者で、アルメニア語-クルド語辞書を書いた。

 1941年6月8日、イギリス、オーストラリア、インドと自由フランス軍部隊は、ビシー政権フランスが支配するシリアとレバノンに対して、エクスポーター作戦という連合軍攻撃を開始した。シャルル・ドゴール将軍の自由フランス軍隊には、自由フランス攻撃部隊に加入するため、ビシーに支配されるレバント軍を離脱した人々や、一部レバノンに住んでいて、ナチを支持するビシー政権に反対するシリア・クルド人も参加した。1941年6月23日、ドゴールがダマスカスに入った時、報復として、ドイツ航空機が、この都市のキリスト教地域に爆弾を投下して、多くのアッシリア人、カルデア人、アルメニア人、チェルケス人やクルドの文民に苦痛を与えた。

 1943年までに、100,000人以上の自由フランス軍兵士が連合軍のイタリア攻撃に参加した。イギリス空軍部隊に服務するクルド人の他に、シリアのクルド人を含む自由フランス人勢力が作戦に参加した。ノルマンディー上陸作戦開始までに、シリア-レバノンの他地域や、チャド、フランス領コンゴ、セネガル、オートヴォルタ、ギニア、トーゴ、ダオメー、モーリタニア、フレンチスーダン、ニジェール、ガボン、カメルーン、ウバンギ・シャリ、インドシナ、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、マルチニーク、グアドロープ、仏領ギニア、カーライッカール、ポンディシェリ、マダガスカル、コモロ諸島やフランス領ソマリランドの自由フランス軍とともに、シリア・クルド人が兵卒として服務する自由フランス軍は、総員300,000人を超えていた。

 第二次世界大戦で連合軍のために、クルド人は犠牲を払わなかったというフェイク概念をトランプが推進する際、彼は歴史の無知だけでなく、クルド人に対する軽蔑も示している。トランプは、クルド人を裏切った最初のアメリカ大統領ではない。ウッドロー・ウィルソンは、第一次世界大戦後、ベルサイユ和平協議の際に、彼らを裏切った。クルド人はオスマン帝国の敗北の後、独立を約束されていた。イギリス外交官マーク・サイクスとフランスのフランソワ・ジョルジュ=ピコが、両植民地帝国間で、中東の旧オスマントルコ領を分割した際、ウィルソンはその約束を破ったのだ。

 1970年代初期、リチャード・ニクソンの国家安全保障担当補佐官ヘンリー・キッシンジャーが、イラクのバース党政権に対し、イラク・クルド人を武装させる計画を考え出した。イランのシャーが計画を支持した。キッシンジャーとシャーは、イラクの事実上の代表サダム・フセインと秘密協定を結んだ。イランとアメリカはクルド人への武器輸送を切断した。クルド人に対するこの裏切り行為は、サダムの軍隊が北イラクを占領するのを可能にし、そこで何万人ものクルド人が虐殺された。

 1991年、砂漠の嵐作戦の際、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、クルド人とマーシュアラブ人に、サダム・フセインに反抗するよう促した。この民族集団に約束されたアメリカ軍事援助は決して来ず、サダムは南でクルド人とシャットゥルアラブ川のシーア派アラブ人を大虐殺した。

 そして今、トランプは、サウジアラビアとトルコに支援されたイスラム・カリフ国が彼らに残虐行為を加えた後、北と東シリアで、ロジャバ自治政権という機能する発生期の現地政府設立に成功したシリア・クルド人を裏切ったのだ。アメリカの同盟者を守ることより、イスタンブールのトランプタワーについての懸念が大きいトランプは、北イラクのクルド自治政府に厳しい警告を発したのだ。東トルコ、シリア、イラクのどこであるかにかかわらず、彼らは常にクルド統治や文化のあらゆる痕跡を排除しようとしているのだから、トルコは、シリア・クルド人の大量虐殺をためらうまい。

 Wayne Madsenは、調査ジャーナリスト、著者、シンジケート・コラムニスト。Society of Professional Journalists(SPJ)とナショナル・プレスクラブ会員。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/14/fake-news-fake-polls-and-now-fake-history/

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 北方領土でマラソンをすればという自分ファーストには驚かない。こういう人物に投票する知人に驚いている。

 日刊ゲンダイ DIGITALの孫崎享氏記事 国が崩壊に向かう時、そこには必ず愚かな指導者がいる

 『日本水没』に「徳川幕府が力を失い、明治維新政府が到来した直接の原因となったのが、安政の複合災害である。」とある。(214ページ)

 安政の巨大複合災害と日本沈没のシミュレーション(215ページ)の表の左側には下記記述がある。(右側は日本沈没のシミュレーション)

1854年12月23日24日 安政東海(M8.4)安政南海地震(M8.4)が32時間差で発生 死者3万人
1855年11月11日 安政東海(M6.9)で発生 死者約1万人 全壊・焼失約1.4万棟
1856年9月23日 安政江戸暴風(台風)で東京湾で巨大高潮発生(潰家約15万棟以上、死者10万人)

安政の巨大複合災害の発生により民衆の不満がうっせきし、内圧と外圧が相乗して明治維新政府が実現した。

 現代の民衆は不満をうっせきしないのだろうか。

日刊IWJガイド「多摩川の支流・北浅川が氾濫し膝まで浸水した上に土砂崩れで民家が埋まった! 役所の助けもなく泥をかきだす住民!〜10.17東京都奥多摩町・八王子市下恩方 台風19号の影響・IWJスタッフレポート7」2019.10.18日号~No.2591号~(2019.10.18 8時00分)

 

2019年10月17日 (木)

情報戦争:香港を標的に定めたTwitter

2019年10月13日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 Twitter Safetyが、香港に向けられた「情報作戦」に対して行動をとっていたと発表した時、情報に通じた観察者は、即座に、Twitterが、そのようなものを止めることに、本当に真剣ではなかったのを想定できたはずだ。むしろTwitter自身が、その一環である情報作戦を守り、それに対して行動をとろうと試みる人々が、彼らのプラットホームから追放するためのものなのだと。

 そしてもちろん、そうした情報に通じた観察者が正しいはずだ。

 Twitter公式ブログで公表された「香港に向けられた情報作戦」という題名の声明は、こう主張する。

香港、特に抗議運動と、その政治的変化への呼びかけに焦点を合わせた国家に支援された相当な情報作戦を、我々は公表する。

 声明は、こうも主張している。

この公表は、中華人民共和国(PRC)国内に源を発する936のアカウントを含む。全体的に、これらのアカウントは、特に現地の抗議運動の正当性と政治姿勢を傷つけることを含め、香港に政治的な不一致の種を、意図的に蒔こうと試みている。我々の集中的な調査に基づき、我々は、これが国家に支援された組織的作戦であることを裏付ける信頼できる証拠を持っている。特に、我々は、香港抗議行動に関係するメッセージを展開するため、組織的な形で、振る舞うアカウントの大きなクラスターを特定した。

 皮肉にも、まさに香港抗議行動自身が「国家に支援された組織的作戦」だ。

 (私自身のTwitter・アカウントを含めTwitterに粛清されたアカウントによって、その多くが暴露され、共有されていた)しっかり裏付けられた証拠が、香港抗議行動参加者が、疑う余地なく、アメリカ政府から資金を供給され、抗議行動リーダーのほとんど全員、文字通り、アメリカ政治家や、外国で政治秩序を不安定化し転覆するために使われることが公然と認められている全米民主主義基金(NED)のような組織と共謀するためワシントンD.C.に行き、アメリカに指示されていることが証明されている。

 香港と中国本土を不安定にするための、外国に支援されるこの公然の取り組みにもかかわらず、Twitterは逆に、このアメリカに支援され、香港で展開している社会不安を暴露し、それに対決しようとしている中国国内のアカウントを標的にすると決めたのだ。

 Twitter、テロリズムをほう助する欧米メディア

 より最近、アメリカに支援された扇動者連中は、警察攻撃と放火を含む暴力から、大量輸送システムを含め、香港の民間インフラを攻撃することに転換している。抗議行動参加者が意図的に列車を脱線させようとしているのが見られ、そして実際、一両の列車が脱線し、数人の乗客に怪我をさせた。

 「香港の道路の下で、地下鉄は抗議行動参加者と警察の戦場と化す」という記事でワシントン・ポストはこう報じている(強調は筆者):

当局と共謀して、抗議行動を妨害したというデモ参加者の認識から、鉄道会社MTRも、抗議の標的になった。ここ数週間、頻繁に襲撃されたため、駅は修理に必要な部品が欠乏していると鉄道組合が述べた。

移動の約90パーセントが公共輸送機関に依存している都市で、衝突は香港の750万人住民の一部は、外出する際には、もはや安全なスペースがない状態だと感じるようになっており、逮捕や、警察の取り締まりにあう可能性がある。一部の人々はMTRをボイコットしており、他方電車に乗る時に、過去のいやな出来事を思い出して苦しんでいる人々もいる。

 「AFP事実チェック」は、五人の通勤者に怪我をさせた脱線をもたらした鉄道を破壊しているところを捕らえられた抗議行動参加者を免責しようと試みて、テレビカメラの前で線路を破壊しているのを捕らえられた抗議行動参加者が、問題の列車ではなく、違う列車を脱線させようとして別の場所にいたと指摘している。

 AFPは、抗議行動参加者が、実際それほど鉄道線路を破壊して、その過程で何百人もの生活を危険にさらしていたことは全く否定しようとしていない。

 明らかに抗議行動参加者が民間の大量輸送インフラを破壊していて、それで何百という無辜の人々の生活を危険にさらしてるのを見せて、大衆に証拠を提出しているにもかかわらず、それが脱線が起きた特定の場所ではなかったので、AFPは大胆にも、彼らの「事実チェック」の一番始めに、それは「偽だった」と宣言しているのだ。

 ワシントン・ポストが、麻痺する「恐れ」と説明しながら、適切なレッテルを貼るの意図的に避け、AFPが歪曲して、弁護しようと試みている鉄道線路の意図的な妨害は「テロ」と呼ばれるものだ。

 メリアム・ウェブスター辞書は、「テロリズム」を、特に威圧手段としての「恐怖の組織的使用」と定義している。「テロ」は、脅迫あるいは強要の手段として使用される「暴力」あるいは「暴力の脅威」と定義されている。

 だから、Twitterがその「正当性」を維持するのに専念している香港抗議は、テロに関与しているのだ。だから、Twitterは熱心な共犯者だ。

 ソーシャル・メディアを装った情報戦争

 これは少しも驚くべきでではない。2011年のいわゆる「アラブの春」は、FacebookやGoogleを含む他の巨大ソーシャル・メディアと協調して、アメリカ政府が何年も前から計画していた、不安定化すべく、扇動者を訓練し、装備させ、もし可能であれば、彼らのそれぞれの政府を打倒する地域規模の作戦だった。

 これは現在も続いており、多くの国は今、外国のソーシャル・メディアを制限したり、活動を禁止したりして、自身の国内版を作って、対応している。ロシアと中国の二国は、これで大成功し、それで「言論の自由を侵害する」という虚偽の口実で、あらゆる欧米メディアから、絶えることのない批判を受けている。

 中国でTwitterが禁止されたのも、ほとんど驚くべきことではない。

 言論の自由は、Twitterにとって全く異質な概念なのだから、中国が言論の自由を妨げる方法を探しているという問題ではない。GoogleやyoutubeやFacebookなどの他のソーシャル・メディアと同様、Twitterによっても、大規模粛正が頻繁に行われている。これら巨大ソーシャル・メディアネットワークが代表する既得権益団体が標的に定めている政治的内容を削除するために。

 中国の特別行政区、香港を含め中国自身を狙って、特に大衆の認識を操作して、アメリカによって行われる、まさに本物の「情報作戦」の手段として設計され武器化されているプラットホームゆえに、Twitterは、特に中国で禁止されているのだ。

 もし「ロシアの影響力」という単なる嫌疑だけで、ある国の内政に対する外国の干渉とされていることを食い止めるため、FacebookやyoutubeやTwitterのようなプラットホーム上で、ネットワーク規模の大規模粛正をすることが可能なら、文字通り、ワシントンに出かけ、アメリカ政府から資金と政治的支援を得ているジョシュア・ウォンや、マーティン・リーや、ジョンソン・イェン・チン- インや、ジミー・レイのような香港抗議行動の指導者たちは、確実に、そうした外国による干渉の公然の例で、Twitterの粛清リストの一番上に置かれるべきだ。

 Twitterが、香港に対するアメリカの干渉を暴露し、止めるための行動をとらないだけでなく、積極的にそれを支援し、ほう助している事実は、Twitterが実際は一体何者なのかに関する、あらゆる疑念を消し去り、許すことのできない紛れもない偽善を例証している。ソーシャル・メディアなどではなく、政治手段がソーシャル・メディアのふりをしているのに過ぎない。

 この暴露は、何度も何度も、そして最近香港に関し議論の余地なく証明されたが、世界中の国に、自国製代替物を作って、彼らの情報スペースから、TwitterやFacebookやGoogleを規制する上で、ロシアと中国の先例に従うよう奨励するべきなのだ。

 Twitterと、香港抗議行動参加者の「正当性」を支持するための最近の粛正は、最終結果として、アメリカ・ソーシャル・メディアは、彼らが中国がそうだと主張するのと同じぐらい、実際はユーザーを粛清し、内容検閲を熱心に望んでいることを証明している。

 Tony Cartalucciは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/13/information-warfare-twitter-targets-hong-kong/

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 『東京大洪水』を読了。 読み始めたら、止まらなかった。次は『首都水没』と『日本水没』。昨日の東京新聞朝刊、斎藤美奈子氏の『本音のコラム』「防衛と防災」一部をコピーさせていただこう。

19年度の防衛予算は過去最高の5兆2600億円。防災・減災・国土強靱化対策を含む防災関係予算は1兆3500億円、前年度の補正予算をあわせても2兆4000億円だ。防衛予算のたった半分。これ、逆じゅありません?

 この記事のすぐ横には 災害時も猛威「自己責任論」。 そもそも、宗主国から無理やり、というか喜んで購入させていただいている兵器、どれほど有効かは、サウジアラビアで今回証明済み。傀儡、自国ではなく、宗主国に奉仕する。

 国会中継、大門実紀史議員の質問、音を出して拝聴。答弁は、いつも通りすっからかん。

日刊IWJガイド「台風19号に伴うホームレスへの対応について、台東区の服部征夫区長が謝罪コメント! IWJの取材で区は『全ての住民を避難させるあり方』の検討開始を表明! 一方で、渋谷区でもホームレス排除の動きが!?」2019.10.17日号~No.2590号~

2019年10月16日 (水)

マイク・ペンス大統領で、ブッシュ風外交政策への復帰を待ち焦がれるネオコンと共和党幹部

ご注意!副大統領の外交政策姿勢はブッシュ政権以来未曾有のメシア信仰を引き起こす

バーバラ・ボランド
2019年10月7日月曜日

 内閣レベルの召喚令状を完備した弾劾に、議会が向かうにつれ、マイク・ペンスが大統領となる恐怖が益々大きくなりつつある。

 だがそれに直面しよう。2024年か、それより早いかにかかわらず、ペンスが大統領となることは、支配体制派共和党議員にとっても、タカ派ネオコンにとっても、夢の実現だ。トランプ式「アメリカ・ファースト」愛国心は、グローバリズムのゾンビ化した死体が到来次第、即座に死ぬだろう。

 2016年の選挙準備段階に、トランプがペンスを選んだのは偽善だとしてメディアは批判した。トランプは、イラク戦争を「大失敗」と呼んで、共和党の正説と決別したのは有名だ。2003年のイラク侵略を彼女が支持したかどで、ヒラリー・クリントンをあざ笑う機会を彼は決して見逃さなかった。だがトランプは、彼が副大統領として選んだ人物も、戦争に賛成投票していたのを気にするようには思われなかった。はぁ?

 それはトランプが、大統領職を、ワンマンバンド(複数楽器を一人で演奏する芸)と見ており、側近連中の過去の政治姿勢には束縛されず、トランプが経営する会社と同じスタイルで率いたいと思っているからだ。ペンスは、トランプが副大統領について聞かされていたそのままの人物を「大手俳優派遣業者」から採用したかのようだ。トランプにとって、補佐官はほとんどお飾りで、ペンスはハリウッドの監督が二流映画に選びそうな副大統領だ。

 トランプと異なり、ペンスは政府の新参者ではない。彼はアメリカ下院議員とインディアナ知事として長い実績があり、「タカ派のタカ派」と言われるゆえんはあきらかだ。ペンスはイラク戦争に賛成投票しただけではない。彼は、防衛費増強も、世界中への「アメリカの価値観」風例外主義の輸出も、イラクからの軍撤退所定日を、国造り段階が完了するまで延期す決議も、全て支持していたのだ。

 シリアへのアメリカ軍事介入や、ロシアとの一層冷えた関係や、より強力なNATO支援をペンスは支持している。ペンスは彼の下院での実績は、アメリカで最も保守的な議員の一人として自慢し、自身の立場は「キリスト教徒で、保守主義者で、共和党員という順番」だと説明している。

 副大統領として、ペンスは彼のネオコンの真正性を磨きあげている。彼はトランプ大統領任期中、NATOを称賛しており、彼は大統領と同じ考えではないと同盟諸国が感じる中、国際舞台でNATOの重要性を強調し続けている。

 ペンスの長年の政府における実績と、副大統領としての実績から、彼が大統領になったら、一体どんなふうになるか我々は想像可能だ。彼はおそらく、ジョージ・W・ブッシュの政策を思い出させる、民主主義の発展と人権を強調する「価値観政策」を採用するだろう。ブッシュのように、ペンスはグローバル健康プログラムや、他の国際開発プログラムへの予算を増やすかもしれない。彼は、少なくとも、価値観を共有する西欧諸国との強い国際同盟を信じている。もし彼の過去が最も良い判断材料となるなら、ペンスは、世界中、広範囲に軍を配備するのをためらうまい。

 今年早々の、ウエスト・ポイント新卒業生へのペンスの訓示は、彼が世界をどのように見ているかについて、我々に厳しい現実を見ることができる。

諸君の生涯のある時点で、諸君がアメリカのため、戦場で戦うことは、ほぼ確実だ。諸君は戦闘で兵士を指揮するだろう。それは起きるだろう。諸君の一部は、アフガニスタンやイラクで、過激イスラム・テロリストに対する戦いに参戦するだろう。諸君の一部は、北朝鮮が平和を脅かし続けており、益々多くの軍を配備する中国が、地域における我々のプレゼンスに対抗している、朝鮮半島やインド-太平洋で参戦するだろう。諸君の一部は、攻撃的なロシアが無理矢理に国境を引き直そうと努めているヨーロッパで戦いに参加するだろう。諸君の一部はこの半球で軍務に服すよう要求さえされるかもしれない。

その日がくれば、諸君は銃声がする現場に行き、任務を果たし、諸君は戦い、諸君は勝つことを私は知っている。アメリカ国民は、まさにそれを期待している。だから、諸君がどこに派兵されようとも、諸君がここで学んだことを活用し実行に移すようお勧めする。もしもではない、その日が来たら、諸君は、その立場を堅持できるよう、諸君の全ての武具を身につけよ。」

 ペンスにとって、米軍はまもなく「戦場で戦わな」ければならないのだ。これはもしもではなく、いつかの問題だ。彼のアメリカ防衛の考えは戦力投影、地球の取り締まりだ。

 2017年5月、宗教道徳をペンスがアメリカの外交政策に明示的に埋め込む「確率は高い」とオバマの元外交政策当局者ハディ・アムルとスティーブ・フェルドスタインが書いた。

 二つの点が、ペンスの外交政策を特徴づけるだろう。共和党支配体制の再来と、社会問題についての、キリスト教保守派思想の攻撃的な考え方。ペンスは「ユダヤ教・キリスト教の性格」を共有する国との同盟を好み、「文明の衝突」戦略を好むかもしれない。

 この二人の論説は予知的だった。

 最近のシンガポール・サミットの際「宗教に基づく外交政策へ回帰」の先触れとして、彼がミャンマー国家顧問アウン・サン・スー・チーの横に座り、イスラム教徒ロヒンギャに対する暴力的迫害のかどでミャンマー軍を非難した際、ニュースサイト、ディフェンス・ワンは、ペンスの「感動的な振る舞い」に称賛を惜しまなかった。

 ペンスはトランプが好む醜い実利主義の「国益」の厳守より、「一見、時代後れで、より普遍的な、アメリカ的価値観の言葉を使った」。ペンスと前国連大使ニッキー・ヘイリーは「少なくとも、部分的には、ペンスの福音主義キリスト教信仰から生じているように思われる、価値観に基づく外交政策手法」の実例だ。

 それは実際に先祖返りだ。ブッシュ・ジュニアが大統領執務室を占めていた時以来、これほどの信仰厳守が、アメリカの優位性に対する、ほとんどまれに見る信念と組み合わさったものを我々は目にしていない。イランに対する脅しを強化する、あからさまな宗教的演説で、マイク・ポンペオ国務長官は、キリスト教と侵略の奇妙な錬金術を実証している。ポンペオ同様、ペンスも、聖書の数節を外交政策と組み合わせるのを好んでいる。ペンスが陸軍士官学校訓示で、卒業生は「諸君の武具を身につける」べきだと言った時、彼は使徒パウロのエペソ人への手紙を参照しているのだ。悪魔の策略に対して立ち向かうことができるように、あなたは「神の全ての武具を身につけ」なさい。

 アメリカ干渉主義のために疑似宗教風枠組みを使い、個別の戦闘員たちにとって、その言説がいかに不似合いであれ、陳腐な黒と白、善対悪で全ての戦いを描き出すブッシュ時代の世界観をペンスはよみがえらせている。ブッシュとマケインは、イラク戦争を善対悪の葛藤と呼んだ。そして、それがどのような結末になったか我々は見ている。それでも外交政策のこのモデルの発露は共和党支配体制の中では健在なままだ。

 沼地の中の軍産複合体推進者連中は、政治的利益のために、この救世主的探求を喜んで利用する。民主主義と人権の世界的擁護運動だと言うペンスとポンペオは、彼らの世界観の旗手なのだ。

 民主主義の勝利に対する強固な信念と組み合わさった国際干渉主義が再浮上したことを、誰も驚くべきではない。実際、それは決して本当に消え去ってはいなかったのだ。第一次世界大戦で戦うため、ウッドロー・ウィルソン大統領が歩兵を派兵して「民主主義のため、世界は安全にされなくてはならない」と言った時以来ずっと、兵士を戦争に送ることで、アメリカは「民主主義を広める」ことができるという考えには一種の誘惑があるのだ。トランプの「取り引き」外交政策に対しては、多くの正当な批評があるが、ブッシュ時代のグローバリズム・モデルを復活させる前に、アメリカは、じっくり考えるべきだ。もし民主党議員が弾劾を思いどおりにできれば、我々は考えているより早く外交政策の報いに直面するかもしれない。

記事原文のurl:https://www.theamericanconservative.com/articles/onward-christian-soldier-imagining-a-pence-presidency/
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 陸軍士官学校でのペンス副大統領訓示に関する下記翻訳記事も、検索エンジンに隠蔽されている。戦争が大義のためでなく、資本家のために行われるという事実がまずいのだろうか。

 洗脳進行中:「特定の戦争」の価値を称賛するペンス副大統領

 「セクシー」の意味、閣議決定 小泉氏発言で政府答弁書 という、なさけなさ。

 北陸新幹線車両基地水没、素人には不思議でならない。日本の土木技術、治水技術、こういう事態、本当に想定出来なかったのだろうか。宗主国ご自慢の対空防衛システムが、サウジアラビア石油施設への攻撃を阻止できなかったのを連想した。

 軍産複合体の利益、権力の維持・極大化が目的か、ゼネコンの利益、権力の維持・極大化が目的かの違い?

 衆院予算委国会中継、岩淵友議員の質問が終わったので、音声を消した。

 植草一秀の『知られざる真実』 適切な避難行動実現に浸水リスク明示不可欠

日刊IWJガイド「刻々と被害の拡大が判明する台風19号の爪痕! 死者72人、堤防決壊47河川、住宅浸水1万3000棟、停電約4万戸近く(最多時52万戸)、断水13万戸! 急がれる「激甚災害」指定。IWJは昨日多摩川周辺を取材、本日は11時頃より埼玉県川越市、東松山市周辺を取材します! 」2019.10.16日号~No.2589号~(2019.10.16 8時00分)

2019年10月15日 (火)

米ドルの世界準備通貨という地位を潰す上で、イランは中国の秘密兵器

Federico Pieraccini
2019年10月3日

 国際政治に影響を与えている強い変化の流れがある。それは単極から多極世界秩序への移行によって引き起こされる革命の始まりだ。実際、我々は、中国の輸出に対するアメリカ関税適用、イランに対するワシントンの制裁、アメリカのエネルギー自足、サウジアラビア産業施設の脆弱性、中国へのガスと石油の大量輸出と同様、アメリカの攻撃に抵抗するイランの能力を含め、いくつかの要因の組み合わせに直面している。全てが一つの要因、つまり世界準備通貨としての米ドルの衰退に収束する。

 最近我々は、ほとんど毎日単位で、中東でかなり重要な出来事を目撃している。ワシントンとテヘラン間の緊張は、何より、ワッハーブ派サウジアラビアとイスラエルのトランプへの融資家と完全な同一歩調で行進するネオコンと深く結びついたアメリカの連中をなだめるトランプ政権の必要性に拍車をかけられている。

 挑発と偽旗で構成される対テヘラン攻撃政策は、何年もの間起こるだろうと私が予想していた通り、最近、アメリカ軍産複合体にとっての広報大惨事をもたらした。

 イエメンのフーシ派による攻撃は、非常に高価なアメリカのパトリオット航空防衛システムの欠点を暴露して、サウジアラビア王国の二つの主要な石油施設を攻撃した。

 この攻撃は、わずか数千ドルの支出、低経費の非対称戦争手段が、あらゆる予想を超え、どのように何十億ドルにも相当する損害を与えることが可能か、どれほど効率的であり得るかを実証して世界中の政策当局に衝撃を与えた。フーシ派攻撃で起こされた損害の実際の程度は、アラムコが公式情報提供に苦闘する状態で未知のままだ。

 イラクからリヤドが、かなりの量の石油を輸入する必要があるかもしれないことを未確認情報が示唆しているが、攻撃により石油生産の50%以上が中断させられている。

 サウジアラビアの生き残り計画を複雑にするのに、このシナリオが十分ではないかのように、イスラエルとネオコンは、サウジアラビアが経費の大部分を負担することになるはずの対テヘラン武装攻撃を要求している。イランの軍事力に気付いたサウド家は、イランに対する彼らの闘争的な調子を軟化させたように思われる。

 制御不能な戦争のリスクがある、この極めて激しやすい中東で、サウジアラビアの危険は非常に明確で、おそらく彼らも良く知っているのだ。国民に提供している福祉のおかげで維持されているサウジアラビア王国は不安定な状態にある。もし戦争が死と破壊と貧困をもたらせば、ワシントンが指導するアラブの春型反乱で打倒されるまで、サウド家は、どれほど長い間持続できるだろう? サウジアラビアの重要性は、誰が国を支配しているかではなく、OPECを支配し、米ドルでの石油販売を押しつける能力により、世界準備通貨という概念のおかげで、世界経済におけるワシントンの重要性を保証していることであるのを理解しなくてはならない。

 イラン・イスラム共和国に280億から4000億米ドルの与信枠を与える北京の最近の決定は、近い将来のみならず、遠い将来にも目を配る広域スペクトル戦略の一環だ。

 イランは、アメリカの二次制裁による石油販売収益の欠如を埋め合わせるこの経済援助で確実に恩恵を得るだろう。北京は、経済と人口の目ざましい成長を経験している中国のため、未来の石油供給を保証する、油田、プラント、流通、港湾とエネルギー・ハブをイラン国有企業が発展させるのを支援して、イランのガスと石油市場に入るつもりだ。

 もし我々が中国の意図の背後に対する推論を拡張し、中東やアメリカの権益にそれを関連づければ、慎重に評価する必要がある興味深い構図が現れる。

 水圧破砕とシェールガスによりエネルギー自足を実現し、石油純輸出国に変わったのをワシントンが自慢しているのを我々は知っている。問題になっている油井の永続性には疑念があるが、現状は、アメリカが内需を満たすため、サウジアラビアと中東の石油への依存を大幅に減らしているのを確認するように思われる。

 したがって、外交問題評議会CFRの最近インタビューで説明したダンフォードやマティスなどの将官を含め、多くの政策当局者が、列強外交の復活を認識して、国防戦略変更で、よく知られている4+1の枠組み(中国、ロシア、イラン、朝鮮民主主義人民共和国 + イスラム・テロ)から、よりバランスのとれた2+3(中国、ロシア + 朝鮮民主主義人民共和国、イランとテロ)へと、焦点が、どのように変わったかを確認している。

 地理学用語で、これはペルシャ湾や中東や北アフリカから離れ、将来、極東への軍隊移動を暗示している。これは(軍事的、経済的、技術的に)ワシントンの主要競争、すなわち中国を封じ込め、包囲することを目的としている

 この包囲に対し、北京には取っておきの切り札がある。中国はその一帯一路構想(BRI)にとって極めて重要なイランを支援するだけでなく、より後の段階で、米ドルだけで石油を売るのをやめるようサウジアラビア(とOPEC)を説得に努めることで、米ドルの準備通貨という立場を置き換えることが狙えるのだ。モスクワは、OPECプラスを開発して、米ドル以外の通貨で表示された価格のLNG市場を形成し、同盟者中国を支援できる。現在、北京とモスクワは、SWIFT制度も米ドルも完全に迂回して炭化水素貿易をしている。

 中国は世界全体の経済展望を変えることが可能な十分練られた作戦を持っている。中国は、まずイランが輸出を開発するのを助け、同時に自国への未来の供給を保証し、両国がアメリカ経済テロから身を守ることを可能にする。当然、中国へのイラン石油販売は、SWIFTシステム外で行われ、それゆえ、アメリカのオイルダラー・カルテルの範囲外で行われる。

 この動きによって、北京は、既に北アフリカ(鉱物と原材料)と東のロシア(農業)でした投資を補完して、自国の継続発展を保証すべく、途方もなく増大する経済のために炭化水素の未来の販売を確保しようと努めているのだ。

 アメリカの経済覇権にとって、中国による本当の危険はサウジアラビアにある。もしワシントンが、石油輸入の上で、サウジアラビアへの依存が益々減少し、東南アジアに焦点を移せば、地域覇権国家として、イランが上昇するの、アメリカが阻止する理由は益々少なくなるだろう。そこで、リヤドは周囲に目を配り、地域地図上の自分の場所を再考するよう強いられるだろう。

 リヤドの悪夢は、中国を主要貿易相手国とし、ロシアが軍事パートナーのシーア派の弧が、地中海からペルシャ湾まで広がることだ。この全て、地域でバランスをとる拮抗力となるアメリカ同盟国皆無だ!

 イランに関する中国の戦略は、サウジアラビアに米ドル以外の通貨での石油販売を考えるよう圧力をかけることだ。現状では、北京はサウジアラビアから大量の原油を輸入している。これは中国が、石油輸入を、ドル以外の通貨あるいは人民元そのもので、石油に支払うイランに移行すれば、変えられるのだ。

 もしこの影響が(南パース/北ドーム・ガス田開発で根本的に重要なイランの経済パートナー)カタールや他の湾岸諸国に広がれば、サウジアラビアは、見返りという点では、ほとんど何もないサウジアラビアのビジョン2030年のような希望にあふれた計画を持つ、ガスと石油を輸出する経済大国としての地位が脅かされることになる。

 北京は、ドル以外の通貨、おそらく我々が住んでいる多極世界を、よりよく表す通貨バスケットを通してガスや石油を含む第1次産品を輸入するのを好んでいる。それは、海外市場や個別の国々の民間資金に対する連邦準備制度理事会の影響を制限できる、IMFのものを手本にしながら、米ドルの比率がより小さい(あるいは皆無の)バスケットであり得る。

 北京の戦略は、攻撃的であれ、穏やかであれ、アメリカの対応に合わせて変化させ、段階的に進めるよう意図されているように思われる。たとえ可能でも、決して実際には相手を打撃しないブラジルの格闘技ダンス、カポエイラのようなものだ。だが、このカポエイラの長期的狙いは、アメリカの収入と権力の主要源を傷つけることだ。つまり世界準備通貨としての米ドルに。

 この戦略の第一段階は、イランと、主にアメリカ制裁の結果、不安定なイランの経済状態に焦点を当てる。第一段階では、イランがアメリカの経済テロリズムをかわすなか、北京の与信枠は、イランを破産させずにおくのに役立つだろう。第二段階は、石油とガス田で中国国有企業がイラン企業と働くのを可能にするため、おそらく何らかのイラン法の変化を伴うだろう。第三段階では、おそらくドーハとテヘランが共有する世界最大のガス田開発に、カタールが関与するだろう。一方、一帯一路は拡大しつづけ、ペルシャの国の周辺に近づき、途中で多くの東南アジアの国々を巻き込み、それにより異なる地域間の貿易を拡大するだろう。

 この戦略が既に機能しているのを確認して、中国は、いかなる戦争の場合でも、海路のと通信線を守ろうと努めている。北京は強い海軍力を持つことがどれほど喫緊か悟り、この目標に向かって、しかるべく大いに投資している。

 このような地政学の文脈で、見返りに、十分な軍事的保護や、経済的利益を受けること無しに、もっぱら米ドルで石油を売って、サウジアラビアが、それほど無条件で、アメリカ権益に迎合し続けると想像するのは困難だ。中国-イラン-ロシアという代替案が誰にでも見える形で上昇しているにもかかわらず、経済的に世界を不安定にし続けながら、地域の同盟諸国の軍事的保護を無視しながら、米ドルを、世界的準備金として生き続けさせられると信じていたのであれば、ワシントンは大変な誤算をしていたのだ。

 オバマからトランプまでの間には、アラブの春、警告され、実行された戦争、経済の不安定化、財政テロ、同盟国への脅迫、時代遅れの兵器販売や単極から多極秩序への移行によって引き起こされた戦略変更(「アジア基軸」)があった。そのような変化する世界では、米ドルは、必然的に通貨バスケットで置き換えられ、ワシントンが、今そうである超大国になるのを可能にした無限の購買力を消滅させるはずだ。

 北京は何年も前にこのメカニズムを理解し、今イランを、画期的変化をもたらす触媒として見ている。イランは、BRIがその領土を通過するだけでなく、アメリカというオイルダラー覇権国を、経済的王手詰めするため、サウジアラビアに接近し、この王国を多極派集団に引き入れる上で、自身当て馬ともなるので有用なのだ。

 リヤドに対する北京の経済的、道義的提案は問題に遭遇するだろうし、オイルダラー覇権を維持する上でのサウジアラビアの重要性をアメリカは認識し、当然これに抵抗するだろう。ロシアは王国に防衛兵器を売ると申し出て、この地政学的変化に寄与している。

 あらゆる手を使って、北京の勃興を傷つけようとするオバマとトランプの取り組みは、この特権的で、不自然な取り決めの終局の幕を開けて、世界準備通貨として米ドルを維持するワシントンの能力に悪影響を及ぼしただけだ。


 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略を専門とする独立したフリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

 記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/03/iran-is-chinas-secret-weapon-for-killing-off-the-us-dollars-global-reserve-status/

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 最近たまたま治水・利水関係の本を数冊読んだ。『江戸を造った男』もその一冊。カスリーン台風による利根川堤防決壊現場にもいったことはあるが、歴史上の逸話と思い込んでいて、似たような実際に起きるとは想像していなかった。何度か降りた駅前が冠水している映像を見て驚いた。

 Kekkaikou

 「まずまず」発言、正気だろうか? フランス料理の堪能も国民の代表の仕事。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名 教師イジメは報じるが、国民イジメは放置する大本営広報部、ほとんど種子法廃止にふれない。

山田正彦元農相の警鐘「私達の生る糧である米を安心、安全、安価で提供は、法律?種子法 で定めてた。安倍政権はこれを廃止。かつて野菜の種一粒2円程、今では40円、これを米等にするのが種子法廃止、誰の為か。多国籍アグリ企業が利益を得る為。これが安倍政権

 IWJも今日の見出しは「まずまず」

日刊IWJガイド「予想されていた過去最強クラスの台風19号! 遅すぎる『非常災害対策本部』の設置! 自民・二階氏は台風被害『まずまずで収まった』と発言!? 」2019.10.15日号~No.2588号~(2019.10.15 8時00分)

2019年10月14日 (月)

サウジアラビアは門戸を開きつつある。行ったら何が見られるだろう?

2019年10月7日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 サウジアラビア王国は世界に門戸を開きつつある。宗教巡礼者(つまり正式なイスラム教徒)か、NATO軍人か、現地企業かサウジアラビア政府に招かれた実業家男性か女性でなければ入国ビザを受けとることは絶対不可能だった。たとえビザを承認されたとしても、ビザには数百ドルもかかり、とんでもなく高価だった。唯一の逃げ道は、オマーンあるいはバーレーンからヨルダンまでドライブする人々向けの「通過ビザ」だった。

 観光は、サウジアラビア王国訪問の理由として認められていなかった。観光ビザは決して発行されなかった。以上、終わり。

 それが突然、全て、まさに2019年9月末に変化したのだ。サウジアラビア政府は、ロシア連邦と中華人民共和国(香港とマカオを含め)と、アメリカ、カナダ、欧州連合の全ての国民を含め、49国籍の人々向けに、e-ビザを導入したのだ。

 全てが簡素化された。リヤド(首都)やジッダやダンマームの、かつて粗雑だった国際空港は信じ難いほど改装された。今は愛想の良い女性(まだヘジャブをまとっている)が完ぺきな英語で、初めての訪問者を審査し、指紋を採取し、写真を撮り、サウジアラビアに歓迎している。審査ブースの壁には評価ボタンがある。「我々の対応はいかがでしょう?」素晴らしいから酷いまで。今リヤド空港は清潔で、明るく、快適だ。

 今首都中いたる所で、外国人女性は髪を完全に出して歩いている。空港、リヤドの全ての主要ホテル、オフィスビル、贅沢なショッピング・センターの中でさえ。

 王室は世界に明確なメッセージを送っている。事態は急速に変化している。サウジアラビアは数年前のものではない。今、女性は運転でき、外国人(少なくとも豊かな国の人々)は入国でき、女性の服装規定は益々緩和されている。

 何十年間もほとんど絶滅していた後、「芸術」や「文化」などの言葉が、現地の言葉に再び表れた。

 サウジアラビアには様々な問題がある。汚職や、中産階級の増大する不満や、貧しい人たちの大きな絶望や、石油価格や、イエメンのフーシ派による越境報復攻撃や、シリア内にいるサウジアラビア過激派同盟者の差し迫る敗北や、カタールとの長期対立や、石油輸出に基づいた、まだ多角化されていない経済の弱さなどがある。

 ちょうど一年前、ジャーナリストのジャマル・カショギを切り刻んだ後、サウジアラビア王国は突然世界のあらゆる場所から強い批判を受けた。

 何万人もの無辜のイエメン人の絶え間ない殺戮は世界中の進歩派の激怒を引き起こした。

 リヤドの支配者は多くの事を再考しなければならなかった。彼らは計算し、最善の行動は、国を開放して、基本的に、王国は多くの人々がそう思っているほど「酷く」ないことを実証するだという結論に至ったのだ。

 危険は大きい。この戦略は本当に機能するだろうか? それとも裏目に出るだろうか?

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 政治は別として、サウジアラビアは「特異な場所」で、確かに万人向けではない。

 当然の功績を認めれば、サウジアラビアはナツメヤシの実や美味しい果物を生産し、いくつかの衝撃的な眺望や果てしない砂漠や砂丘とオアシスがある。サウジアラビアは城と要塞が沢山あり、もちろんイスラムの発祥地として、いくつか信じ難い史跡もある。

 数年前、中国、北京の国立博物館はサウジアラビア王国の何千という歴史的遺物や画像を展示した。見学した人々にとっては、途方もなく大きな発見だった。

 不幸にも、中国で見ることができたものが、リヤドやジッダやメッカやメディナで常に見ることが許されるというわけではない。

 サウジアラビアの過激なワッハーブ主義は、何十年間も、神聖と認められない全てのものと戦ってきた。音楽、映画、非宗教本、動物の画さえも。

 この宗教的過激主義は、世界のあらゆる場所に輸出された。逆説的で、奇怪なことに、それは欧米、特に北アメリカ「文化」と絡み合っている。極端な資本主義が王国中いたる所で繁栄している。更なる石油、更なるキッチュ。

 豪勢なショッピング・センターや、ひどい設計の高過ぎるホテルや、自動車文化や、マクドナルドやダンキン・ドーナッツやピザハットのような安いアメリカ・レストランに比べれば、巨大なイスラム教記念碑も小さく見える。

 隣接するドバイやドーハやマスカットと比べてさえ、ダンマームやジッダやリヤドのような大都市には、ほとんど何らの都市計画も接続性もない。

 インディペンデント紙によれば、

「初期イスラムと結び付いた場所の破壊は、特に聖都メッカとメディナの周辺、主に西サウジアラビアのヒジャーズ地方で進行中の現象だ。破壊は、イスラム預言者ムハンマドや、多くの初期イスラム創設者たちと結び付いたモスクや墓地や家に集中している。」

 大金持ち巡礼者向けの俗悪なショッピング・センターと5つ星ホテルが、今やメッカの最も神聖な場所を、文字通り包囲している。

 だが破壊されているのは、宗教的な場所だけではない。

 この最近の訪問の間に、私はリヤドから約20キロ、ユネスコに指定された、かつては衝撃的な世界遺産だったディルイーヤのトライフ地区にドライブした。この初代サウジアラビア王朝の場所は「改修中」だった。つまり伝統的な家や古の通りや広場や中庭の区域全体が「区画整理されていた」。破壊されていたのだ。近代的ショッピング・センターが建てられていた。間もなく、より多くの地域で、偽の建物が取って代わるだろうと言われた。既にトライフ地区は「サウジアラビアのビバリーヒルズ」とあだ名がついている。

 今後どうなるか誰も知らない。だが一つ確実なことがある。もしサウジアラビア支配者が、経済多角化のために、欧米やロシアや中国や日本からの観光客を引き付けようと望むなら、渋滞した道路やショッピング・センターや壊れた歩道や安っぽいホテルやレストラン以上のものを提示しなければなるまい。

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 サウジアラビアは少なくとも理論上は(カタールほど金持ちではないが)極めて金持ちだ。だがサウジアラビアは、スラムから、彼らを食い物にするマフィアのために、より良い収入を生み出すよう、マイカー運転者の哀れみを呼び起こすために、若い時に腕を切断された乞食に至るまで、絶対の苦難に満ちている。

 多くの贅沢なショッピング・センターには、上流階級の夫人用のセクシーな、ほとんどポルノ的な下着店がある一方、主に亜大陸やアフリカやフィリピンからの何百万人という肉体労働者が、母国の状態と、さほど違わない貧困で暮らしている。

 政治的に、サウジアラビアは、イスラエルとともに、アメリカの友好国だ。

 そしてそれは目に見える。カタールの二倍の高いリヤドの有名な5つ星ホテルで、彼らは、ステレオタイプ的な西洋の「開発型」傲慢に、どんな恥ずかしさもなしで、公然と、支部に講義をしている。

 ビザ制限は緩和されたが、サウジアラビア王国での大規模観光事業は、まだ想像するのは困難だ。国は平均の予算に関して、歴史鑑識家のために、あるいは人々のために、文化志向のタイプのために準備ができていない。

 ここでは歩きようがない。語るべき公共輸送手段は、まだない。全てマイカーのために設計されているので、タクシーをつかまえることさえ困難だ。

 価格は驚異的で、サービス品質は非常に非常に低い。犯罪率は最高だ。

 外国人に来るよう説得するには、しばらく時間がかかるだろう。

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 だが世界をサウジアラビア王国に呼び込む試みが行われている。変化の雰囲気が漂っている。

 リヤドの国立博物館はその扉を開いた。展示品は控え目に言っても、極めて貧弱だが、建物は立派だ。本の選択は非常に限定されているとは言え、新しい国立図書館は見事だ。様々な研究所は、主に王室の活動を強調している。新しい大量高速輸送システムが建設されているが、それがいつ使用可能になるかは誰も正確に知らない。

 私はこの複雑な国に関心がある。私は再訪し、更に多く理解したいと願っている。何年もの間、私はワッハーブ主義と、イギリスやアメリカとの破壊的な同盟について書いている。また正直に言って、私は砂漠と、そこに暮らす人々にずっと魅せられている。

 イランのPress TVへの頻繁な出演を含め、サウジアラビア王国の外交政策に対する私の厳しい批判を考え、この訪問を多少心配していたが、私は「e」ビザでなく「正式」ビザを得て、結局悪いことは何も起きなかった。会った人々は親切で率直だった。今私はコロンボ行きのスリランカ・トランス・パシフイック機内で元気でこの記事を書いている。

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 多角化はサウジアラビアの人々にとって、極めて好ましいものになり得る。ロシア・中国両国が今本格的に参入しており、観光事業や他の部門と同様、間もなく、両国からサウジアラビア石油産業に大規模投資がなされるだろう。中国とロシアの人々は好奇心旺盛で大胆だ。彼らはやって来る。多くの人がやって来る。サウジアラビア人はそれを知っている。

 リヤドの国立博物館で、受付係が、英語で、どこからきたのか尋ねた。「私はロシア人です」と答えた。彼は数秒ためらい、微笑みながら言った。「プリヴィエト! カク・ジェラ?」 (「こんにちは、お元気ですか?」)多分彼は、世界のあらゆる言語で挨拶するため、こうした数語を学ばなければならなかったのだ。あるいは多分そうではない。彼はロシア語を勉強していたのかも知れない。

 サウジアラビア王国の支配者は非常に隠し立てする人々だ。今後数年で、この国がどの方向に向かおうとしているのか誰も本当に知らない。サウジアラビア王国はいつか「中立」になれるのだろうか? 私にはわからない。

 だが一つ確実なことがある。何かが動いており、醸成しており、進展しているのだ。サウジアラビア王国は、五年前と同じ国ではない。将来、おそらく今から五年先には、サウジアラビアは、今とは似ても似つかないものになるかもしれない。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/07/saudi-arabia-is-opening-its-doors-but-what-will-you-see-once-there/

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 コンビニではなく、いつも行くスーパーに、牛乳を買いに行ったが、棚はからだった。

 大昔に熱心に拝読した新聞連載記事『アラビア遊牧民』『アメリカ合州国』『パプアニューギニア』を思い出した。

 この差別。

日刊IWJガイド「警戒レベル5の大雨特別警報が発令される中、避難所を訪れたホームレスを台東区が排除! 命の選別を区が決定!? 」2019.10.14日号~No.2587号~(2019.10.14 8時00分)

2019年10月13日 (日)

くすぶるウクライナ。強欲な「実業家」父と息子チーム!

くすぶるウクライナ。強欲な「実業家」父と息子チーム!
2019年10月11日
Henry Kamens
New Eastern Outlook

 最近、興味が刺激されるためではなく、アメリカ大統領選挙との関係のため、ウクライナで一体何が起きているのか、支援という見せかけの下、アメリカによって、いかに事が進められているかについて、多くの人々が短期集中講座を受けている。

 ジョー・バイデン前合衆国副大統領、特に息子ハンターの後ろ暗い取り引きを調査するようウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に圧力をかけたと言って、民主党は今トランプを非難している。

 ずばり要点を言って、トランプは、この主張は、全て彼の二期目の立候補を阻止するため、投票箱では得ることができない優位を民主党が得ようと意図する「魔女狩りのたわごと」ときっぱり切り捨て、どんな非行も否定した。

 これは全て本当かも知れない。だが、これまでの10年にわたりウクライナでは、余りに多くのことが起きた。例えば、オバマ政権やCIAや他の連中は、実際、政府を乗っ取るため、大勢の反ロシア分離主義者ナチに資金を供給したのだ。それからクリミアは不安と反撃で、ロシア加入を票決し、飛行機が墜落し、誰も今まで真実を語らなかった。

 皆様がウクライナについて、これまで読んだものの大半が間違っており、それも、ブラウン大学スラブ研究のウラジミール・ゴルステイン教授が言う通り、控えめな表現だ。彼はモスクワで生まれ、1979年、アメリカに移住した。だが主流マスコミは、アメリカとそのパートナーによる失策や災難を洗脳、正当化するため報道を多く報じている。

一体どういうことなのか

 少なくともアメリカ人のため、複雑な問題を単純にすれば、ウクライナで起きた全てが、2016年の民主党全国委員会電子メールのハッキングと大統領に選ばれたコメディアンと関係があるのだ。

 民主党は、彼らの政治資金団体の一部から、彼ら自身の失敗から注意をそらし、資金集めをするために、ウクライナ・カードを使いたいと思ったのだ。共和党も、民主党と平均的なウクライナ人に対して同じカードを使いたいと望んで、「我ら人民」は彼ら両方が立ち去ることを願いながら、双方の間で、身動きできずにいる。

切り札

 話は、2014年早々の、当時の「EUくそくらえ」ヨーロッパ・ユーラシア担当国務次官補ビクトリア・ヌーランドと、駐ウクライナ・アメリカ大使ジェフリー・パイアットの電話会話にさかのぼる。当時、会話のすぐ後、バイデン副大統領はウクライナの選挙で選ばれた政府をアメリカの支援を得ての打倒「実現に一役買う」上で役割を演じていた。

 それはこの話題で最大の犯罪だが、代替メディアは、しっかり文書化しているものの、独立政府の違法な打倒を、全ての当事者が見落としていることは語られていない。

 だが突然「ドナルド・トランプが、もしウクライナ政府が、彼の再選での勝利を支援するのを拒否したら、ウクライナへの軍事援助を保留すると脅したことを我々が知った今、下院民主党議員の4分の3以上が弾劾調査支持で登場したのだ」。この情報がばれたタイミングは大いに疑わしく、この情報がどう漏れたのか、誰が漏らしたのかという点では、ホワイトハウス内の関係筋だったのは明らかだ。

 このような声明は信頼できないが、より大きな構図を考えると、議論の余地がある問題だ。誰が弾劾されるか、されないか決めるのは上院だ。「When Democrats Turn Out」は、民主党が選挙で歴史を作り続けるのを可能にすべく、全国の有権者を活性化させる運動だが、弾劾を決定することはできない。

 トランプが、様々な罪で大統領の座から追いだされるのに値するのは言うまでもないが一番薄弱な罪は、彼の大言壮語、ふるいのように情報を漏らさない信頼できるスタッフを選んでいないことだ。

 トランプに「取り引きの手管」を教えることができるジョー・バイデンと彼の「実業家」息子ハンターに対する最近の非難合戦は別として、ウクライナは他の連中の権益用プレイステーションに過ぎない。薬物検査で失格し、海軍から追い出された後、ハンター・バイデンが彼の名を、外見上明白ないかなる公表もせずに、ウクライナのガス企業ブリスマ・ホールディングスに雇われたのを公然と認めるのを大半の人々は望んでいない。

 アメリカに公認され支援されたクーデターにより、ウクライナの親ロシア派前大統領が打倒された二カ月後、2014年4月に彼の新しい仕事が始まった。ウクライナの正統大統領の排除前と、その間と、その後、新たに据えたアメリカ傀儡政権を支援するアメリカの取り組みに、ハンター・バイデンの父親は大いに関与していた。

 収賄や、ロシアによるオランダ旅客機撃墜と主張されるものへの対処や、東部地域での一般人に対する砲撃などのため、ウクライナは信頼性を大きく損なった。

 飛行機撃墜の調査に従事したオランダ関係筋はこう語っている。

「我々の調査はウクライナとの共同調査だった。多くの不確実な問題がある。彼らによれば撃墜したのはロシアだ。だが私はそれがロシアではなかったと確信している。彼らは決してそれほど愚かに行動しないだろう。[メディア]はロシアを非難するが、実際の証拠は見せず、根拠がない主張だけだ。彼らは嘘をついている。知っていると主張する全員が、ウクライナ自身が、ウクライナ戦闘機で撃墜したのだ。」

 『燃えるウクライナ』

 ウクライナで起きたことの多くは、きちんと文書化されているが、それらはアメリカやウクライナを肯定的な視点で描いていないため、間もなく欧米の多くによって、ロシアの宣伝にすぎないと切り捨てられた。世界的に有名な映画・ドキュメンタリー制作者オリバー・ストーンが示している通り、それは現実からほど遠い。

 ストーンの『燃えるウクライナ』は、2004年のオレンジ革命や、2014年の蜂起と民主的に選出されたヤヌコーヴィチの暴力的な追放をもたらした、この地域における深い分裂を歴史的な視点でみている。欧米メディアは「大革命」として報道したが、実際には、超国家主義集団とアメリカ国務省によって書かれ演出されたクーデターだった。

 それ以来起きていることが東西間の不和の種であることが証明され、内部問題は一層激化した。これらは更に、ロシア語に対する全面的攻撃と、超インフレによって悪化し、既に社会から取り残された人々を一層の貧困に追い込み、最も優れた人々にも、そこそこの人々にも、EUで彼らの運を試してみるよう強いたのだ。

 この結果は肯定的ではなく、続く頭脳労働者と熟練労働者の流出は長期的な悪影響をもたらすはずだ。即座のとばっちりは地域の大衆だけでなく地域全体が受けるのだ。

 個々の要因は余りにうまく合っている。当初オバマとジョー・バイデンは、ヨーロッパ諸国に、彼らと団結して、ロシアに対抗し、アメリカがウクライナでしている全てを支持するよう圧力をかけた。そこでバイデンとそのチームは報酬を与えられなければならず、彼らは冷戦後のもう一つの戦利品を分けるという考えで、パブロフの犬のように気持ちが高ぶったのだ。

 どういうわけか無能で不祥事を起こした息子が、ウクライナの主要ガス企業重役になった。もちろん、ジョー・バイデンが、ハンター・バイデンの怪しい活動を調査し始めたウクライナ検事総長を、10億ドルのアメリカ援助を彼の辞任に関連づけて追い出したのを自慢した後でさえ、これは利益相反ではあり得なかった。

 子供が学問や他の功績が勝ち取れなかった場合、政治家が息子や娘の職を大企業で見つけるのは珍しいことではない。それは子供を片づける一つの方法だ。

 1991年、ウィリアム・ケネディ・スミスが強姦罪で告発された時、彼の家族は「辺ぴな場所」のアルバカーキで、彼に医療インターンの新しい仕事を見つけた。スミスは役職に適任だったが、他の女性たちが彼に対して申し立てた類似の告訴から、無罪になった強姦犯人としてさえ、彼が患者の近くに行くのを不適格にすべきだった。にもかかわらず、彼の親類と政治的な支持者たちが世界の至るところに埋めて売る地雷の被害者を更生させる彼自身のキャリアを積むことが可能だったのだ。

 これらの任命が、支援と結び付けられて、政権を形成したり、打倒したりするために使われる時に問題が起きるのだ。彼が父親を困らせ、大統領選出馬に損害を与える可能性が低いウクライナでのハンター任命は、支援受け入れの一つの条件だった。実際そうしたように、ウクライナが他に、この支援を求めれば、ハンターは帰国し、彼の問題も持ち帰らなければなるまい。そこの貧しい人々は将来のアメリカ大統領の息子ではなく、ウクライナ人に過ぎないのだから、ヤヌコーヴィチ排除ということになる。

 白い太陽、黒い夜

 ウクライナの現在の苦い体験と、そこで演じられているゼロ・サムゲームは、古いソ連映画『砂漠の白い太陽』のある場面を強く思い起こさせる。

「すぐ殺されたいのか、それとも最初少し拷問されるのを望むか。俺は最初、拷問されるほうが良い。」

 映画全体は、現在のウクライナ、特に気候や政治や科学についての議論に、関連している。強欲やな政治家や戦争屋を選出し、連中の師弟を権力の座に任命し続けるのは、我々の生き残りにとって非常に良くない。このような連中はロシアや他の世界を瀬戸際に押しやることの危険を見ず、自身の儲けしか心配しない。

 映画の赤軍軍人は(映画の21:30で)、彼を捕らえた民族主義者と白軍ギャングから、どうやって逃れるか考えるため、時間を適切に使い、拷問を選んだ。だが文明世界と単純な人々は、ウクライナや他の不安定地域で、彼らのリーダーがそこにいることになった混乱から一体どうやって逃れられるだろう?

 文脈を無視して解釈されているとは言え、一回の電話会話に関して起きたことは、我々が悩まされる中、少なくとも、最終的脱出を計画する多少の猶予を我々に与えてくれる。トランプは我々に苦悩と逃げるべきディストピア不毛地帯の両方を与えたのかもしれないが、彼の介入がなければ、我々はそれらすら持てなかったかもしれないのだ。

 アメリカと、そのヨーロッパ・パートナーが約束したり、行ったりした支援と民主主義構築は、ウクライナでは決して効果的ではなかった。彼らは、ウクライナ政府に、行動に責任をとったり、国民の実際のニーズに対応したりするよう奨励しなかった。

 結果は、国内での更なる分裂だ。元々、政治的、経済的に混迷していた国が、益々不安定にされ、より広範な地域をその泥沼に引き込むのだ。たとえそれが問題を作っても、そうしたこと全てを、いつもの通り、何らかの現地人に固有の欠点のせいにできるので、アメリカは満足なのだ。

 それは全て問題の根源、アメリカと同盟国が代理を使ってしているあらゆること、つまり侵入と干渉を、ロシアなどの他者を、いけにえとして問題を負わせる道具としてのウクライナや他の国々の役割に帰結する。

 問題は、バイデンやオルブライトやクリントン夫妻やブレアなどの連中が、それをどのように実行するかを知っていることだ。彼らは欧米の技能を持っている。彼らは手段を選ばず、彼らの国で彼らの専門職のトップに就いたのだ。つまり既にジョージアのような国で実行したように、ウクライナやアルバニアやイラクのような新たに解放された国で、連中がノウハウを実践しようと望むのは決して驚くべきことではない。

 ウクライナはそのために存在するのだろうか? これが主権国家の役割だろうか? 我々が現地の人の欠陥について語るなら、そうした欠陥は実際一体どの国にあるのだろう?

Henry Kamensはコラムニストで中央アジアとコーカサス専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/11/ukraine-smolders-greedy-businessman-father-and-son-team/

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 『砂漠の白い太陽』、一度見たような気がする。ネットでは英語字幕つきのものはみられないようだ。

 雨の音で眠れず、睡眠不足。『利根川治水の変遷と水害』という本を読んだばかりで、利根川氾濫の可能性を想像していた。千曲川、阿武隈川、川越の越辺川氾濫。下記IWJインタビュー再配信も拝聴した。お二人こそ正論。

※問題だらけの治水事業! 豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 2018.7.21
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/427924


日刊IWJガイド・日曜版「12日午後7時前・台風19号静岡県に上陸『数十年に一度のこれまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った状況』として1都11県に『大雨特別警報』!! 『荒川』『入間川』『多摩川』『浅川』『相模川の中流』『千曲川の上流』『菊川』はいつ氾濫が起こってもおかしくない状況!! 命を守るための最善の行動を!」2019.10.13日号~No.2586号~(2019.10.13 8時00分)

 

2019年10月12日 (土)

クルド人に対する裏切りはアメリカ流

2019年10月9日 21:31
Finian Cunningham
スプートニク

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、シリアのクルド人に対する「裏切り」という超党派意見で、ワシントンでは徹底的に非難されている。だがクルド人を裏切ってきたアメリカの長い歴史を考慮すると、アメリカの名誉がトランプに汚されたと公言する芝居がかった態度は、様々な意味で、ばかげている。

 今週、北東シリアで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が対クルド民兵軍事行動を開始することへのトランプによる明らかな正式承認が、アメリカで政治的嵐を引き起こした。

 同盟者のクルド人をトルコ軍攻撃のなすがままにしたかどで大統領を非難すべく、共和党と民主党の議員が結集した。リンゼー・グラムやマルコ・ルビオ上院議員などのトランプ支持者さえ、クルド人を見捨てる彼のあきらかな信条の欠如を非難した。

 トルコのシリア侵略の進路からアメリカ軍を撤退させるという大統領の決定が、いかに「クルド人を死なせる」ことになったかを、元アメリカ国連大使で、かつてトランプ信奉者だったニッキー・ヘイリーは遺憾に思っている。彼女や他の政治家や評論家は、クルド部隊を、シリアのジハード・テロ集団に対する戦いにおける、アメリカの重要な同盟者として称賛してきた。

 トランプの声明は、極悪非道な裏切り行為で、アメリカの高潔なイメージへの汚点だったので、ワシントンで一致している意見を我々は信じたくなる。


2019年9月8日、シリア、タル・アブヤド付近をパトロール時に、シリア-トルコの国境でみられたトルコ軍と米軍の車両。© ロイター / トルコ国防省

 ワシントンの殊勝ぶった騒ぎで、ばからしいのは、アメリカ帝国主義者の利益のために、クルド民族の人々が、何十年にもわたり、どれほど、たえず虐待され、ひどい仕打ちを受けてきたかに関する、アメリカ政治家やメディアによるびっくり仰天の否認や明らかな認識の欠如だ。

 エルドアンとトランプの下劣な取り引きが、何らかの形で、アメリカの名誉の未曾有の法外な過失だという、今週アメリカ・メディアが報道している概念は全く史実と合わない。

 クルド人の人口は約4000万人で、シリア、トルコ、イラクとイランをまたいで共同体があり、領土権を主張している。

 歴史的に、ワシントンは時に、ワシントンが承認しない現行政府を不安定にするため、クルド人を代理として徴用し、アメリカの権益にとって有用性がなくなったと感じるや否や、すぐさまクルド人を無情に無視してきた。

 1970年代、シャー支配下のイランがアメリカ同盟国だった時、ワシントンはイランの利益のため、バグダッドを不安定にすべく、イラク国内でクルド人を動員した。だがイラクとイランが1975年に一時的に和解した時、クルド人はイラク政権のなすがままにされ復讐された。


イラク、キルクーク州のイラク・クルディスタン兵士 ©スプートニク/ ドミトリー・ビノグラードフ

 1990年代初期、第一次湾岸戦争で、アメリカが、イラクで、かつての傀儡サダム・フセインを攻撃し、イラクに爆弾を投下し、灰燼に帰した際、当時のジョージ・ブッシュ大統領(父親)はクルド人にイラクに反抗するよう求めた。蜂起は、その後サダムに打倒され、クルド人は放置され、彼らの多くは雪に閉じ込められた難民キャンプで、死ぬにまかされた。ワシントンは、またしても、彼らの苦境から手を引いていた。

 だがアメリカ最悪の裏切りは、1988年、北イラク、ハラブジャ市のクルド人に対し、悪名高い化学兵器大虐殺を実行するのを承知の上で、米軍情報部が衛星情報と兵站を、サダムに提供したものだ。これは、アメリカが支援するイラクの対イラン戦争(1980-88)中のことだった。ワシントンは、サダムが、イランの前進を阻止するため化学兵器を使おうとしていたのを知りながら、最大5000人のクルド人民間人がサリンとマスタードガスで虐殺されたハラブジャ大虐殺を実行するのに律儀に決定的に支援したのだ。

 だから、アメリカがクルド人との何らかの高尚な関係を持っているという今週売り込まれた考え方は、アメリカ帝国主義に道義的な正義の外見を与えるため、政治家とメディアが耽っている巧みに作られた空想だ。トランプを傷つけるもう一つの方法でもある。

 秘密の政権転覆侵略として、ワシントンが違法に支援した戦争である最近のシリア戦争において、シリアのクルド部隊が、アメリカの汚れ仕事をするため代理人として協力したのは残念な事実だ。その汚れ仕事は、主に「ジハード・テロ集団と戦う」こととは関係がなかった。ほかの場所で、アメリカが、密かにこれらジハード戦士に武器や他の機器を与えていたのに、どうして、そのようなことがあり得るだろう?

 
ダーイシュの子供訓練キャンプ スプートニク/

 シリアのクルド人は、ワシントンによってダマスカスの主権政府を不安定にするため、シリア領土の一部を切りとるべく使われたのだ。クルド人がシリアに自身の自治地域を設立するのを手伝うという見せかけの下、アメリカは、実際は、彼ら自身の国を分断させるため、クルド人を代理人として使うことに関心があったのだ。

 トランプ大統領の明らかな裏切りで、シリアのクルド人が慙愧の念と嫌悪を感じたのは理解できる。トランプは裏切っていないと主張する。だが他の一体何に見えるだろう?

 だがクルド人に対するアメリカの裏切りの長い卑劣な歴史を考えると、善意を装ったワシントンの抗議は茶番だ。率直に言おう。アメリカ軍は、シリア領土を違法占領している。彼らは、ワシントンの政治指導者連中と同様、戦争犯罪のかどで有罪だ。アメリカ軍は犯罪的侵略者という不名誉なレッテルのもと、即座にシリアから撤退する必要がある。

 クルド指導部も責任も問われなくてはなならない。彼らも、クルドの人々が、またもやアメリカ帝国主義者の利益のために利用され、冒とくされるのを許したことを非難されるべきなのだ。

 シリアのクルド人は、するべきだったことを、今するべきなのだ。シリア軍と協力し、いわゆる彼らのアメリカ支援者を含め、あらゆる外国の敵から彼らの国を守るのだ。

 記事の見解や意見は、必ずしもSputnikのものを反映しない。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201910091077000415-betraying-kurds-is-the-american-way/

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 国会中継、野党のまともな質問に、ぬらりくらり詭弁を弄する閣僚。教師間のいじめを連想。中途で食料買い出しにスーパーに出かけたが野菜の棚はガラガラ。ぶどうやリンゴでは食事になるまいと、やむなく冷凍食品を購入。停電になったらお手上げ。

 裁判所が、まっとうな判決を出すこともあるのに驚いた。

「大川小訴訟 最高裁、石巻市と宮城県の上告棄却 児童遺族の勝訴確定」

 利水・治水・環境という観点から河川を考える『社会的共通資本としての水

日刊IWJガイド・土曜版「大型で猛烈な台風19号が本日いよいよ上陸か! 東京・千葉では続々と自主避難所を開設! 万全の備えが必要も、過信は禁物! 本日午後8時から『問題だらけの治水事業! 豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 第3弾』を全編フルオープンで再配信します!」2019.10.12日号~No.2585号~(2019.10.12 8時00分)

2019年10月11日 (金)

一体いつになったらロシア人は気がつくのだろう?

2019年10月7日
Paul Craig Roberts

 次から次と続く侮辱にもかかわらず、哀れなロシア外務省は、いまだに問うている。「アメリカ当局は対話を正常化したいとは思っていないのだろうか?」https://www.rt.com/russia/470312-fbi-questioning-russian-mp/

 もちろんアメリカ当局はそう思っていない。ロシア外務省は一体どれだけ証拠を必要とするのだろう? アメリカは、アメリカの法的管轄を遥かに超える外国で、ロシア国会議員の息子を逮捕し、いんちき裁判のために、ワシントンに拉致した。アメリカは、アメリカ国内で、ロシア人女性マリア・ブチナを逮捕し、スパイ行為のかどで、偽って告発し、懲役刑に処した。このリストは延々続く。最近アメリカは、アメリカ人とロシア人が直接お互いに話ができる年中行事のフォートロス対話フォーラムに参加するため、アメリカに招かれたロシア下院議員インガ・ユマシェワを尋問のため拘留した。

 ロシア政府のメンバーでさえ、彼らがワシントンの凶悪犯によって誘拐されかねない、アメリカやロシア国外のどこかに、ロシア人が出かけるのが危険なのをロシア政府は理解できるのだろうか?

 ワシントンが外交特権に違反して、ニューヨークとワシントンとサンフランシスコのロシア領事館と貿易代表部の支配を掌握した後、ロシア人は、アメリカが暴力団国家なのをどうして理解できないのだろう? ロシアは一体どうやって、アメリカ暴力団国家と正常な関係を持てるのだろう? ロシア政府には明白な事実を認識する能力がないのだろうか?

 ロシア政府が、とんでもない侮辱を進んで受け入れれば、一層多くの侮辱を促進するだけだ。侮辱は悪化するだろう。プーチン自身がアメリカに入国して拘留され尋問された場合、ロシア人は再び、いくじなく文句を言うのだろうか? 実際、彼はアメリカ大統領選挙への干渉容疑で逮捕され得るのだ。ロシア政府は再びワシントンの前にひれ伏すのだろうか? 一体いつ、ひれ伏すのを止めるのだろう? ロシア政府が本質的に反撃するまで、侮辱は5から10倍に増大し、悪化するだろう。ロシアがワシントンの歯をへし折るまで、ロシアに対する侮辱と虐待は止まるまい。時間は最も重要だ。

 女性や子供を殺すことしかできない臆病なイスラエル軍が、小さなヒズボラ民兵に、二度もレバノンから追い出されたのと全く同様、20年たっても、アフガニスタンで数千人の軽武装タリバンを打ち破れないことが分かった、破綻して、社会的に劣化しつつあるアメリカを、ロシアがそれほど恐れる理由などない。

 ロシア政府は、モスクワ選挙で、与党の実績に悪影響を及ぼした最近の抗議行動や混乱をもたらすため、CIAが運営しているロシア国内の破壊的組織NGOに、アメリカとヨーロッパのアメリカ属国諸国が資金供給するのをなぜ許して、世界中の至る所で痛烈な悪評を招いているのだろう? ワシントンとの和解より、ロシアの独立を支持する票の急落は、アメリカ宣伝の成功のせいではなかった。それは、ロシア選挙で、彼らの政府が、ロシアをアメリカの介入から守らないという愛国的ロシア人の嫌悪に起因するのだ。

 アメリカから融資を得ているNGOの活動に対する中国政府の無頓着さの結果である香港の紛争に、ロシア政府は気づかないのだろうか? なぜロシア政府は同じ経験をしようとするのだろう? 中国当局者と同様、多くのロシア当局者がワシントンに買収されたのだろうか? ロシアや中国では、反逆罪は、どれぐらい、はびこっているのだろう?

 ワシントンは、覇権を行使するつもりの危険な敵国だという事実に、ロシアと中国とイランは直面できないように思われる。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/07/will-the-russians-ever-learn/

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 衆院予算委国会中継、野党質疑だけ、音を出している。通告がないといって答えないタレント議員の「謙虚で」「丁寧な」回答など全く期待していない。

 巨大台風の東京直撃、大丈夫かと、外国の知人からメールをいただいた。友人との久しぶりの飲み会も延期になった。

 『江戸の川・東京の川』という本を最近読んだばかり。かつて、川は高速道路、新幹線のような運送の大動脈だったが、明治以降、鉄道と自動車の出現により、川は次々埋め立てられた。洪水、高潮による出水常襲地帯は、住宅地としては敬遠された。しかし、広大な平地と工業用水が地下水のくみ上げによって安く容易にえられる利点は、工場経営にとっては、ひんぱんにおこる出水という欠点をおぎなってあまりあるものがあった。その結果、そこは工業地帯になった。そして起きたのは、実質百分の一以下の価格の地下水を汲み出し続ける典型的な外部不経済による地盤沈下だった。

江東区東陽四丁目の水準点九八三二号の場合、大正七年から昭和四八年の五五年間に四五五・八センチの沈下を記録している。

 そして

「工業国の論理」は、こうして東京の水路をたんなる水たまり化、いや危険きわまりないものに変質させ、江東地区全体は取り返しのつかない荒廃においやられた。

 天災ではなく人災?お二人のインタビューを再度拝見しよう。

日刊IWJガイド「大型で猛烈な台風19号が明日午後にも上陸のおそれ! 立憲民主党は一昨日から『情報連絡室』を設置し、情報収集と防災対応へ!/本日午後7時より、「問題だらけの治水事業! 西日本豪雨被害は天災ではなく人災!? 大都市圏を豪雨が襲うリスクに迫る! 岩上安身による拓殖大関良基教授+ジャーナリストまさのあつこ氏インタビュー 第2弾」を、公共性に鑑み、全編フルオープンで再配信します」2019.10.11日号~No.2584号~(2019.10.11 8時00分)

 

トランプに対する民主党の反逆罪的クーデターは成功するだろうか?

2019年10月7日
Paul Craig Roberts

 トランプ打倒のために画策された全くのウソに基づくクーデターは、すっかりばれているにもかかわらず進んでいるが、このクーデターを組織しているオバマ時代の当局者に対するトランプ政権による告発はありそうもない。トランプ政権そのものを含め、ワシントン丸ごと、その特権体制を転覆しようとする部外者に対して団結しているように見える。

 トランプ大統領追放を狙ったマスコミ・ニセ・ニュースと対照的に、大半のアメリカ人は一体どこで本当のニュースを探すべきか分からない。二つの新たな報道が印刷やTVやソーシャル・メディアがCIAとイギリス政府のプロパガンダ部隊の手中にあることを示している。

https://consortiumnews.com/2019/10/02/twitter-employs-propagandist-as-high-level-executive/

https://www.zerohedge.com/political/spooks-turned-spox-us-media-filled-former-intelligence-officials

 ケイトリン・ジョンストンは、ツイッターのヨーロッパ、中東とアフリカ担当編集幹部は、イギリス軍のプロパガンダ部隊で働いている人物だと報じている。ツイッターは、帝国の言説に従わないアカウントを停止することで有名だ。それでも、欧米の無頓着な青年はツイッターなしでは済まない。彼らには自分たちが、エリート支配者のマトリックスにしっかり閉じ込めているのを自覚する能力がないのだ。

 ケイトリンが書いているように、「これは、これらの巨大な非常に影響力を持ったソーシャル・メディア企業が、このデジタル時代に、我々全員を公式プロパガンダに追い込んでいるという益々増大しつつある山のような証拠の一つに過ぎない」。

 帝国と、それを支配する巨大な政治力を持ったひと握りの集団の本当の権力は、目に見えない彼らの存在にあるとケイトリンは説明している。「公式には、我々は全て、民主的に選ばれた当局に運営される別個の独立国に暮らしていることになっている。非公式には、ソーシャル・メディア独占企業によって公共の言説を操作するため、軍の宣伝担当者が、雇われている、金権政治家と不透明な行政機関の、緩やかな同盟に支配されている、国境を越えた巨大な帝国に、我々は暮らしているのだ。公式の仮面は、話の上でしか存在せず、一方、非公式の現実は、現実に起きているのだ。」

 宣伝省たるメディアは、巨大な政治力を持ったひと握りの支配集団を支援して、スパイ活動や殺人計画や令状なしの盗聴や心理作戦や、政府打倒や「内戦」を促進する狙いの機密活動の監督が仕事だったCIA工作員を雇っているとゼロヘッジは報じている。

 ジョージ・オーウェルの著書『1984年』では「ビッグ・ブラザー」は、欺瞞を隠し続けなければならなかった。だが無頓着なアメリカでは、闇の国家は統制活動を公然と行うことができるのだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/07/will-the-democrats-treasonous-coup-against-trump-succeed/

 

2019年10月10日 (木)

アメリカは本当にイランとの戦争準備をしているのだろうか?

2019年10月5日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 アメリカ大統領が危機を緩和するために望んでいたに違いない、アメリカ大統領との秘密会談をイランのロウハニ大統領が拒否したのを主流欧米メディアは大々的に報道する一方、アメリカ国防総省が最近行った極めて重要な軍事行動、アメリカとイラン間の重要な、全面的戦争ではないにせよ、直接の戦争行為に向かう可能性がある措置を示す動きについては、本格的、あるいは、わずかな報道さえなかった。主に核問題で、イランを屈伏させる能力が、アメリカにないために、イランとの緊張が高まるにつれ、アメリカは、中東指揮統制センターを、カタールからサウスカロライナのショー空軍基地へと、遥々11,200キロ、移転した。センターは、湾岸戦争時、1991年にサウジアラビアに設置され、これまで13年間カタールで活動していた。だが時代は変わった。イランがアメリカを攻撃する能力を持っているという事実は、このセンターは、軍事的対決が起きた際、容易に標的に定められて、アメリカの能力に障害を与えかねないことを意味している。

 「いざとなって全面紛争になった場合、それ[指揮統制センター]が優先目標の一つになると考えるのに、山のような想像力は不要で」防衛は不可能なのだと、ワシントン・ポストが報じた。司令センター全体を移動するというような大きな判断は、国が戦争を予想しているか、あるいは始めることを目指している時にしか行われない。アメリカ-イラン関係の緊張という文脈で、この移転が意味するのは、核問題が転換点に近づきつつあるということだ。

 アメリカが制裁を撤廃する兆しはなく、EUがその誓約を遵守する中、11月にイランが、2015年合意下の誓約からさらに離れる、もう一つの措置をとる、あらゆる可能性がある。EUにとって、11月7日にイランが行う予定の「次の措置」は、核合意の終わりを意味するかもしれず、EUは合意から離脱を強いられるかもしれない。

 だが、アメリカにとって、EUの離脱は、アメリカ大統領自身が、合意から離脱する決定をして以来、ずっと期待していたことを達成することになる。実際、アメリカによれば、サウジアラビアの石油施設に対する攻撃で示されたような中東で増大するイランの活動が、ヨーロッパを「目覚め」させて、政策を変える強い理由になるべきなのだ。

 イランを攻撃するアメリカの「秘密計画」が最近ようやく漏洩されたのは単なる偶然の一致ではない。Theatre Iran Near Term(差し迫るイラン戦場)(TIRANNT)という暗号名を付けられた戦争計画は、大規模な空軍力(飛行機とミサイル)で、地上侵略を避け、イランに対し、壊滅的、破壊攻撃を行う国防総省戦略だと言われている。もしこのような計画を実行する場合、アメリカは、アメリカを傷つけるための適当な目標をイランが決して見つけられないようにしたいと望むはずで、それ故、司令センターをカタールから移動動する決定となったのだ。

 だが、最悪の場合、アメリカはこのような攻撃をするかもしれないが、戦争によって最も影響を受ける国は、十分イラン弾道ミサイル射程の範囲内にある中東、特にサウジアラビアと、その同盟諸国だ。それが、これら攻撃を阻止する上で全く無能なサウジアラビア王国が、最近のイエメンによる空爆と地上攻撃後、なぜ戦争に、さほど熱狂的でないかを説明する。アメリカとイランが関与する大規模戦争は、究極的にサウジアラビアも巻き込み、王国は状況を制御することはできず、王国の崩壊をもたらしかねない。サウジアラビアは、今そうであるほど脆弱だったことが一度もないのだから。

 それが、最近のインタビューで、彼の国はイランとの戦争を求めていないと言った際、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が「道理をわきまえているように」聞こえた理由だ。イランとの戦争は壊滅的で、世界経済を崩壊させるだろう。同時に、サウジアラビアは、アメリカにイランに対し、更に厳しい立場を強要し続けている。MbSはインタビューで言った。「もし世界がイランを阻止するための強い、断固とした行動をとらなければ、我々は世界の利益を脅かす、それ以上のエスカレーションを見ることになるだろう。石油供給は混乱させられ、石油価格は想像も及ばないほど未曾有の高値に急上昇するだろう。」

 だが戦争は望ましくはなく、「政治的、平和解決の方が、軍事的解決より遥かに良いとMbSは結論を出した。もしサウジアラビアが戦争に気乗りがしないのであれば、アメリカもさほど熱狂的ではない。

 上記のアメリカの動きは、サウジアラビアへの、より多くの兵士とF-35戦闘機配備をともなっており、アメリカは彼らの安全保障源でありつづけると言って、同盟国を安心させることを意図している。イエメン攻撃を阻止しそこねたアメリカ防衛システム失敗のおかげで、頼れる安全保障パートナーとしてのアメリカの信頼性は深刻な疑問を投げかけられている。

 これは戦争が決して予想されないことを示唆するものではない。アメリカとサウジアラビアの戦争に気が進まない立場に関する、より妥当な説明は、大規模戦争は、サウジアラビアが、政治的にも、軍事的にも耐えることができない、遥かに大きな規模の破壊をもたらすという認識が増したことだ。一方、国防総省は、不測の場合のために、このような事前計画を続けている。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/05/is-the-us-really-preparing-for-war-with-iran/

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 岩波書店『世界』11月号 「メディア批評」第143回 (1)テレビよ、怒りをこめて振り返り、残された可能性に向かえ (2)内閣改造、警察国家と大政翼賛 いずれも、おっしゃる通り。
 一方、「〈逃亡犯〉たちの街 香港の今を歩く─私の取材記」、ヴルチェク氏の記事とは、かなり違う雰囲気。
 数日前、「証言ドキュメント辺野古」という番組を見た。政治ニュースとしょうする垂れ流し専門と思いきや、かなりまともなので驚いた。「共犯者たち」ではない方々も確実におられるのだろう。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は

米国大統領候補、世論調査のトップにバイデン元副大統領に代わりエリザベス・ウォーレン。バイデン、サンダース、ハリスの支持率は各々過去最低レベル、ウォーレンは学生債務救済、富裕税、大企業への課税、環境保護政策等を提唱。大企業側に危機感→どう展開

 2014年5月、下記記事を翻訳した。ウクライナ・スキャンダルが話題の今、ウォーレン女史が優位になって当然と思える。

 参院埼玉選挙、対立候補は論外にせよ、本命が「憲法改正には前向き」とは悩ましい。

日刊IWJガイド「参院埼玉選挙区の補欠選挙はきょう告示! 議員辞職して鞍替え候補となるN国党・立花氏と一騎打ちする前埼玉県知事の上田清司氏は野党候補としてではなく『完全無所属』での立候補を表明!! 憲法改正には前向きで、新たな改憲勢力の一人となるのか!? IWJが上田氏の選挙事務所に電話取材!!」2019.10.10日号~No.2583号~(2019.10.10 8時00分)

2019年10月 9日 (水)

オスマントルコの金づちとイスラエルの金床にはさまれたシリア

エリアス・サモ
2019年10月6日
Strategic Culture Foundation

 シリアは、北のオスマントルコというハンマーと南のイスラエルという金床にはさまれて、居心地悪く、傷つきやすい。両方の強国が敵対的で、拡張主義で、シリアの領域を占拠している。シリア側でシリア-トルコ国境に沿った「安全地帯」について考える際、アメリカ-メキシコ国境を思い出させられる。両方の国境は、よく似た治安情勢に直面している。ある国が、隣接する国から生じる保安上の脅威に直面しているのだ。

 アメリカ-メキシコ国境は、長い間、軽蔑的に「ウェットバック=濡れた背中」として知られている中南米からの不法入国者流入のおかげで、ワシントンにとって安全保障上の関心事の原因だった。合衆国に向かってリオグランデ川を渡る際に濡れるための呼び方だ。そのような地帯に、国境警備のために、国際法とメキシコの独立と領土保全を侵害して、アメリカ軍が占拠し、支配しなければならないので、トランプは国境のメキシコ側に「安全地帯」を確立することは考えなかった。その代わり、トランプは保安上の脅威を軽減するため、国境のアメリカ側に壁を作ることに決めた。

 同様に、エルドアンはシリア-トルコ国境のシリア側に、彼がテロリストだと見なす、トルコの国家安全保障に対する脅威の反トルコの武装クルド人が集中しているのを知っている。だが彼は、クルドの脅威に対処するのに壁が十分だとは思わない。彼は、皮肉にもトランプの祝福とパートナーシップを得て、ユーフラテスの東、イラク国境まで、国境のシリア側で、国際法とシリアの主権と領土保全に違反する、長さ400キロで、今のところ幅は未定の「安全地帯」を設立することに決めた。シリアの地帯にトルコ軍隊を置くというエルドアンの固執は軍事占領だ。シリア-トルコ国境の残りの部分をカバーするユーフラテスの西における類似のプロセスは、エルドアンによれば、最終的に長さ800キロの「オスマントルコのベルト」を完成することになるはずだ。

 エルドアンは地帯を確立して、トルコ軍を現地に配備すると固く決めて、待ちきれないのだ。最近イスタンブールでの演説で、彼は数週間のうちに言う「我々は我々の完全な国境、ユーフラテスの東に沿って確立する安全地帯に関し、多くの時間も、忍耐力もない。もし我々の兵士がその地帯の実際の支配を開始しなければ、我々は計画を実行する以外の選択肢はないだろう。」 壁より地帯を選択するエルドアンは、エルドアンの本当の究極の意図と、計画に関する重大な疑問を引き起こす。もしそれが壁でないなら、それは安全保障ではない。もしそれが地帯なら、それは北キプロスの前例に似た占領だ。

 エルドアンは安全地帯の設立に、三つの目的がある。二つは、宣言された短期的なもので、三つ目は、宣言されていない長期的なものだ。一つ目の目的は安全保障だ。地域からの武装クルド人集団の撤退で、始まっているように思われるプロセスだ。二番目の目的は、トルコに本拠をおくシリア難民を、この地域に再定住させることだ。三番目の陰険な目的は、第一次世界大戦の終わりまで、オスマントルコが400年間占拠していたシリア領を取り戻すことだ。800キロのシリア-トルコ国境は、サイクス- ピコ合意に基づいており、第一次世界大戦とオスマン帝国崩壊の後に描かれたものであることを指摘するべきだ。それは歴史的なものでも、自然な国境でもない。国境のかなりの部分は、二つの対立するイスラム国家間の国境となるよう、ドイツのキリスト教徒が築いたオリエント急行鉄道で、いずれの国が好んだものでもないのだ。

 エルドアンは三つの目的を実施するため、諸大国に対処するのに、二重の戦略を使っている。ヨーロッパに対しては恫喝だ。彼はヨーロッパの支持を得るか、さもなくばヨーロッパに何十万という難民の送付を促進するだろう。ワシントンとモスクワに対しては、「愛人」だ。私は1990年代初期の、イスラエル-パレスチナ和平交渉と、イスラエル-シリア和平交渉を思い出す。イスラエルが一方で思いどおりにできない場合は常に、彼らはもう一つの方に立ち戻るのをほのめかすのだ。ワシントンとモスクワに対するエルドアンにとっても、あてはまるのだ。

 南シリアについては、ネタニヤフとエルドアンは明らかに敵対者のように見えるが、彼らは実際は、強要して、シリア領を占拠する目的を共有しているのだ。彼らは目的を追求する上で、両国とも、疑わしい歴史的な主張と、シリアとトルコとイスラエル間の武力の差異に頼っている。疑わしい歴史的主張とトランプの許可を元にした、ネタニヤフによる占領中のゴラン高原併合は、彼の仰々しい公開抗議にもかかわらず、エルドアンにとって、好ましくないわけではないのだ。オスマントルコは400年間シリアを占拠していたし、ネタニヤフはゴラン高原は歴史的にイスラエルに属すると主張している。トルコ、イスラエル両国とも、自分たちのものだったと信じる地域の一部を「取り戻した」。トルコは1939年にシリアのアレクサンドレッタ地区を「取り戻し」、イスラエルは1967年戦争で、シリアのゴラン高原の3分の2を「取り戻した」のだから、両国は、もっと「取り戻」そうと望むはずだと考えたくもなる。

 古いアラブの格言がある。「ラクダがテントに鼻を突っ込んだら、すかさず鞭で打て」。トルコの戦車と兵士が北シリアにいる。イスラエル軍と入植地がゴランにある。究極の運命のいたずらは、永遠の文明のゆりかごで、三つの一神教発祥の地シリアが、オスマントルコとイスラエル帝国の獲物になっているのだ。なんという戯画。裏切り行為。だが留意されたい。シリアはいいなりになるカモではなく、ひとりぼっちでもない。


 エリアス・サモは博士で、アメリカとシリアの大学の国際関係教授

個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/10/06/syria-between-ottoman-hammer-and-judaic-anvil/

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 トランプ大統領、トルコによるクルド攻撃を黙認という報道があり、訪米し、詳細を会談するというエルドアン大統領発言もある。

 「Adobeがベネズエラの全アカウント停止を決定、大統領令に基づくもので返金はなし」というニュースを見た。画像には無関係なので、無縁だが、ソフトは、クラウド・サービスではなく、購入、インストールが最善と確信した。

 昨日のアクセス数、通常の倍。滅多にないこと。誰か、何かの組織がブログ全データをダウンロードすれば、そうした膨大なアクセスになる。何を狙っているのだろう。

 改憲にこだわる理由は 祖父の遺志継ぐもの のような言い方があるが、単に宗主国から、早くお前の国民の血を差し出せと、せっつかれているからにすぎまい。「宗主国に、国民の血を差し出せと、せっつかれているため」という本当の理由では余りに聞こえが悪いので、聞こえが多少とも良いような口実を言い立てているにすぎまい。「国民から自民党を守る会」の奇妙な動きも、道化師の滑稽な動きではなく、醜悪な日本の憲法をつくる売国奴、宗主国・傀儡連中による改憲策謀の一環だろう。

日刊IWJガイド「N国・立花孝志党首が参議院議員を辞職して参院埼玉補選に立候補を表明! 参院での2議席目を狙い、改憲勢力のキャスティングボートを狙う!?」2019.10.9日号~No.2582号~(2019.10.9 8時00分)

2019年10月 8日 (火)

崩壊の一目撃者

2019年10月4日
Paul Craig Roberts

 大変な恐怖が私を襲った。崩壊の速さを見ていると、欧米文明、あるいは、そのわずかな残り物より、私の方が長生きする可能性が高い。

 イギリス労働党ジェレミー・コービン党首は、希望者全員にイギリス国境を開放し、住宅やオフィスビルを没収して、彼らを収容すると公約することで、首相に選ばれる可能性があると考えている。これはもちろん、イギリスが、(ラスパイユが書いた)『聖人のキャンプ』と化することを意味する。これまで非常に多くのイギリス人が去っているので、コービンは、これが勝利の綱領だと考えているのだ。

 現在のフランス大統領もドイツ首相も欧州連合幹部も同じ考えだ。ヨーロッパはなくなる。ハンガリーとイタリアとポーランドだけが反対して、ハンガリー人、ポーランド人、イタリア人のままでいると強く主張している。

 悲しいかな、アメリカの民主党もコービンと同じ意見なのだ。彼らがトランプを弾劾したがっている理由の一つは、彼が行政府の長として、民主党の反対にもかかわらず、アメリカ移民法を施行しようとしていることだ。

 今の民主党の連中は、今のCEOや取締役会の連中とそっくりだ。連中は短期的にしか考えない。彼らには、今手に入れることができるものが、重要な全てなのだ。アメリカの雇用をもっと海外に移転し、労働ビザで外国人を雇い、国境を開放して、安価な労働力で、民主党員に投票する移民を入れるのだ。こんにちは、業績連動賞与、さようなら、アメリカ。

 だが短期的傾向を、長期的なものに延長すれば、第三世界からの移民が国を所有することになる。民主党と、アメリカのリベラル派/革新主義者/左翼のイデオロギーであるアイデンティティ政治が教え込む白人憎悪と、過激フェミニストが教えこむ男性憎悪は、は大量虐殺と完全な社会崩壊を暗示している。それは余りに急速に起きているので、それが実際に起きるのを見ることになるだろうと私は信じている。

 例えば、9月30日の私の記事「Feminism Has Ruined Women and Damaged Men(フェミニズムは、女性を破滅させ、男性を傷つけた)」は「あなたの言う通り!」と同意される多くの男女から手紙を頂いた。かつて、女性に対し、結婚と母性の代替案を与える運動だったフェミニズムが、夫婦間の同意性交さえ強姦だと、男性をイデオロギー攻撃するものになったと多くの人が言っておられる。

 子供に親を支配する権力を、政府に家族を支配する権力を与える、児童虐待法があるのと同様、今やアメリカには妻に夫を支配する権力を与える「夫婦間レイプ」法がある。

 フェミニズムが本質的に男性と女性の関係を破壊したのだ。フェミニズムは女性を利己的にした。男性に対する感情的や他の影響と無関係に、彼女たちは、したいことをする。もし男性が不平を言えば、女性は、彼は性的差別的で、協力的ではない証明だと考える。女性は自分の腟のおかげで、したいと望むことは、何でもできると思っている。女性は彼女らの力で、セックスのために男性に何でもさせることができると教えられる。それは事実ではない。イギリス人が「放蕩者」と呼ぶ少数の女たらし以外の男性は、相互に支え合う愛情関係を望んでいるのだ。

 私の現役時代、同性愛者は実在しないものだった。それは一角獣のような神話だと我々は思っていた。今日、同性愛は激増している。同性愛の異例の増加は、女性をあきらめた男性たちのためでないと、一体どうすればわかるのだろう?

 近頃、女性は実に信用できないので、自社の男性幹部を女性従業員による虚偽のセクハラ告訴から守るため、企業は保険を支払わなければならない。社員が団体で出張する際、男性と女性の従業員は別のホテルに宿泊しなくてはならず、男性従業員は、女性従業員と夕食には行かない企業規則が制定されている。男性従業員は、どのように自身を性的ハラスメント告訴から守るべきかのセミナーに参加しなければならない。女性が「ガラスの天井」を突破するのを支援して、結果的に組織のエネルギーの流れを逸らせてしまう果てしない#Me/Too問題を生んだのは実に愚かだったと、CEOや役員から聞かされた。

 もちろん、女性に色情を催して不適切な振る舞いをする男性も一部いる。私の現役時代、それは平手打で処理された。男を抑制しておけないのは、現代のフェミニスト女性だけに過ぎないように見える。

 民主党下院議員は、自分たちに、いかなる犯罪の証拠もなく、上院が有罪にする可能性がない事実を知りながら「弾劾調査」を行っている。そのうち何かかがトランプを閉口させ、再選可能性を減らすのを願って、自分たちが、彼をけなしているのにすぎないのを民主党下院議員は知っている。

 ウクライナ大統領が、代償と引き換えに、便宜を図るように言われたという容疑について言えば、ウクライナ大統領に、言われた通りにするのに、6時間の猶予を与え、さもないと、アメリカ税金10億ドルを没収すると言ったのがバイデンだった記録は極めて明確だ。バイデンは外交問題評議会CFRで自慢した。自慢をビデオ撮影したものが残っている。私はそれを投稿した。それはインターネット中いたる所にある。ウクライナ検事総長本人が、バイデンの命令で解雇されたと宣誓して証言している。腐敗した会社を彼の父親が保護するのと引き換えに、バイデンの息子が、そこから莫大な金額を得ていた企業を検事総長は調査していた。証拠は明確だ。

 だが、メディア、特にCNNとNPRから、我々は一体何を聞かされているだろう? バイデンの容疑は政治問題に過ぎないが、証拠が立証されていないトランプの容疑では、トランプ弾劾が必要だと我々は聞かされるのだ。

 ここで民主党丸ごと、メディア丸ごと、真実を否定し、民主党大統領候補に投票する十分な無頓着な人々を説得するための果てしないウソの繰り返しに頼っている。当選すれば、民主党はコービン綱領を採用し、アメリカ人は『聖人のキャンプ』味わうことになるだろう。

 かつてアメリカとイギリスは、市民的自由、個々の良心、言論の自由、キリスト教の倫理的価値観と法による統治が根付いた「自由な国」だった。もはやそうではない。

 あるイギリス裁判所が、身長182センチのあごひげを生やした男性を「マダム」と呼ぶのを拒否したのを、「トランスジェンダーに対する配慮の欠如」は「人間の尊厳と相いれず、他の人々の根本的権利に反する」と非難して、このイギリス人医師を解雇した。https://www.rt.com/uk/470190-transgender-bible-doctor-fired-uk/

 言い換えれば、より尊重されている他の人々の考え方が、彼の考え方より優先されるので、医者には自分の考え方や意見を持つ権利がないのだ。

 欧米全体は、ますますそうなりつつある。

 もし、イギリスにおける調査ジャーナリズムの完全消滅と、アメリカにおける消滅寸前状態を不思議に思われるなら、調査ジャーナリストは、イギリスの国家安全保障に対する脅威だとして挙げているイギリス国防省のこの文書をお読み頂くだけで十分だ。https://russia-insider.com/en/society/uk-ministry-war-says-investigative-journalists-among-top-threats-right-there-spies-and

 今や報道の自由は、国家安全保障とは両立しないと考えられているのだ。

 だからジュリアン・アサンジとマニングの運命は決められている。最近カレン・クヴャトコフスキーが言った通り、今や"逃げるべき!"時期なのだ。https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/03/the-treatment-of-julian-assange-proves-that-there-is-no-law-moral-conscience-or-civilization-left-in-the-west/

 だが一体どこに? 欧米いたる所、同じ状態だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/04/a-witness-to-the-collapse/

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 伏魔殿追求中継、外出のため見損ねた。今日の代表質問は見る予定。野党質問はまともでも呼吸するような放埒な怪答しかないのはわかっている。

植草一秀の『知られざる真実』 臨時国会徹底追及対象の関電・かんぽ・FTA

 夜は『岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー』を拝見予定。

日刊IWJガイド「本日午後8時より、『岩上安身による滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)インタビュー』の『第2回 「元徴用工」問題編』を、冒頭のみオープンで、その後は会員限定で録画配信いたします! 日韓関係悪化の『起点』となった問題の真意は何か!? 明らかにします!」2019.10.8日号~No.2581号~(2019.10.8 8時00分)

2019年10月 7日 (月)

彼らの都市が中国本土に負けているため、一部の香港人はいらだっている

2019年10月3日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 香港は中国本土に負けている。貧困率は高く、汚職と残忍な資本主義で苦しんでいる。香港は今地球上で最も高価な都市だ。人々はいらだっているが、逆説的に、彼らは自分たちの問題を、イギリス植民地政策の名残にではなく、社会主義北京のせいにしている。「国境の反対側」、深セン、上海、北京、Xiangや他の都市は、ほとんど全ての分野で香港を後に残している。

 私の親しい友人で、北京の偉大なコンサートピアニスト盛原がニューヨークで暮らして、録音し、コンサートをし、高名なマンハッタン音楽学校で教授をしていた頃は、夜に泣いたものだったと私に言った。「アメリカでは彼らは中国を中傷します。私は傷つき、無防備に感じていました」。

 彼は北京に戻り、グリーンカードを返却し、中央音楽学院で教え始めた。彼は決して決断を後悔しなかった。「北京は最近ニューヨークよりずっと面白いです」と彼は私に言った。

 北京がブームになっているのは明白だ。知性的、芸術的に。実際、生活のあらゆる分野で。

ロンドンから戻り、象徴的な「ビッグ・エッグ=国家大劇院」(世界最大のオペラ劇場)の学芸員になった盛原の友人も私と考えを共有した。

「私は、ロンドンで、世界中の、あらゆる偉大な音楽家を夢見て、いらいらしていました。今彼らは私のところにやって来ます。彼ら全員北京で能力を発揮したいと望んでいます。この都市は、人の成功・失敗を決めるのです。大げさではなく、ここは地球上で今最も重要な場所の一つです。一つ屋根の下、同じ晩、大ホールでは、ロシアのオペラ劇団が演じ、もう一つのホールでは中国の京劇を演じ、リサイタルホールではボリビアの民俗芸能アンサンブルが演じています。しかも、ここは北京の劇場の一つに過ぎません。」

 中国の芸術家や思想家が、欧米の競争相手と最高を目指して戦う場合、それは通常、ロンドンやパリやニューヨーク「対」北京や上海や深センだ。香港は「その他大勢」で、突然、遅れたへき地になっている。

 かつては香港大学と香港城市大学が中国最高だったが、北京大学や清華大学を含め多くの大陸最高学府が、今やずっと多くの最先端の創造的な思想家を産み出している。私はこれら全ての学校で講演したので、北京と上海の若者は極めて勤勉で好奇心が際限なく強いが、香港では常にややゆるやかな例外主義の雰囲気と規律の欠如を実感している。

 いわゆる「海ガメ」(外国や香港に行き、中国本土に戻った学生たち)は名士のように扱われたものだったが、今は中国本土の卒業証書で仕事を得る方がずっと容易だ。

 最近香港で暴動を撮影している間に、主要ショッピングプラザの一つの受付係から私はこういう話を聞いた。

「我々は中国本土の訪問者を大切にしていません。彼らは香港に対する興味を失いました。以前、彼らはここに来て、我々の富を称賛したものでした。今彼らの大部分がここを避けています。我々が持っているものより、彼らが持っているものの方が良いことが多いのです。彼らは旅行するなら、むしろバンコクかパリに行きます。」

 最近、西安や上海や北京と香港との対照は衝撃的だ。大陸インフラは比較にならないほど良い。公共の場は広く、文化生活は旧イギリス植民地よりずっと進んでいる。

 本土の中国の都市には、ほとんど極端な貧困がない。(2020年末にはゼロになるだろう)香港では、少なくとも20%が貧しく、多くが自身の都市に住む余裕がないのだ。香港は地球上、最も高価な場所だ。勤務時間だけ、自動車を駐車するのに、簡単に1カ月700米ドル以上の費用がかかる。ごく狭いアパートが100万ドル以上する。だが香港の給料はロンドン、パリや東京の給料より高くはないのだ。

 この都市は極端な資本主義制度で運営されて、不正な大物/デベロッパーに「設計されている」。時代遅れのイギリス法律制度は、ここでは、明らかに大多数ではなく、金持ちを保護するのを目的としている。それが本質的に「犯人引き渡し法案」が提案された理由だった。とどまる所を知らない、批判ができない、選挙で選出されていない事実上の支配者から香港住民を守るために。

 だが香港が本来属するところ、中国に返還される前に交渉された「合意」がある。「一国二制度」だ。それはターボ資本主義の大物にとって、親欧米派「活動家」にとって素晴らしい合意だ。それは香港の平均的な人々にとっては極めて良くないものだ。そのため欧米が支援した何カ月もの暴動後、香港特別行政区政府が法案を急遽提出したのだ。

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 若い暴徒は自分たちの都市について、ほとんど何も知らない。2014年の彼ら最初の反北京暴動(いわゆる「雨傘革命」)の際、私は広範囲に彼らと話をした。

 当時も今も、下落する生活水準に、給与の良い仕事についたり、手頃な家賃の住宅を見つけたりする困難さに、もっともなことだが、彼らはいらだっている。彼らは「自分たちには未来がない」「自分たちの生活は行き詰まっている」と私に言った。

 だが彼らの論理は、すぐに崩壊するはずなのだ。共産党指導体制下、中華人民共和国には途方もなく大きな進歩や楽天主義や熱意がどれほどあるのかを知りながら、彼らは実際、自分たちの領土を破壊する資本主義を更に求めているのだ。2014年も、今も、彼らは共産党を、ためらうことなく中傷する。

 自分本位と身勝手さという浅薄な価値観で育った彼らは、今自国を裏切り、アメリカやイギリスを含め、海外大国に「彼らを解放する」ようしきりに促して、反逆罪キャンペーンを始めたのだ。全て、ほんの一瞬の名声、「自撮り反乱」のために。

 一体誰から解放するのだろう? 中国は(香港にとって不幸なことに)香港の経済、社会問題には干渉しない。それどころか、中国は香港を中国本土のいくつかの市と結び、今香港をマカオ(旧ポルトガル植民地)と結ぶ巨大な橋や高速列車システムなどの新しいインフラを建設している。

 北京が自制すればするほど、暴徒と欧米メディアに、「野蛮」のかどで益々非難される。益々多くの地下鉄駅と公共財産が暴徒に破壊され、彼らに対する益々多くの支持が、ドイツ、アメリカ、イギリスの右翼政治家から流れ出る。

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 イギリス植民地主義者は香港の人々に何十年も屈辱を与えながら、同時に、彼らの都市を、残忍な、アジアの標準からして冷酷で完全にビジネス志向の巨大都市に変えてきた。今人々は困惑し、いらだっている。多くの人々が問うている、自分たちは一体誰か?

 香港にとって、困難な自己分析の瞬間だ。

 「イギリスに戻る」ことを望んでいる人々さえ、ほとんど英語を話せない。「なぜ暴動を起こすのか」尋ねられると、彼らは欧米の「民主主義」と「自由」と、加えて「北京の悪」について何かブツブツ言う。あやしげで過激な日本カルトのパンフレットが配られている。これは一つの大きな知的混乱だ。欧米に破壊されている国々のシリアやアフガニスタンやベネズエラについて暴徒は何も知らない。

 ジョシュア・ウォンのようなリーダーは欧米大使館と得意げに共謀している。今、公的に中国社会主義を称賛するのは危険だ。このような「犯罪」のかどで、人々は「民主化運動」暴徒に袋叩きにされる。

 大いに教養を身につけ、過度に礼儀正しいシンガポールが、香港から何百という外国企業を文字通り吸い出している。シンガポール人は英語と標準中国語の両方を話す。香港で、圧倒的多数は、広東語しか話さない。多くの外国人も上海に転居している。巨大企業だけではない。上海は今ヨーロッパ人ウエーターでいっぱいだ。

 最近のデータによれば、香港の観光さえ、40%も減った。

 実に不条理だ。暴徒は、まさに中国共産党が提供しているものを望んでいるのだ。彼らは汚職に対する本当の闘いを望んでおり、住宅危機を解決しようと強く決意しており、新しい雇用を生み出し、より多くの公共事業を提供したいのだ。彼らは、より良い教育と、広く、より良い生活を望んでいる。彼らは「上海あるいは北京」になりたいのに、彼らはイギリス植民地、あるいはアメリカ合州国の属国になりたいと言うのだ。

 彼らは共産主義の目標を漫然と定義しておいて、共産主義反対と叫ぶ。

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 中国は今中華人民共和国創立70周年記念日を祝う準備ができている。

 欧米は明らかに、この素晴らしい瞬間を駄目にするため香港を利用しているのだ。

 香港を去った後、上海の象徴的な巨大な中国美術館で、素晴らしい社会主義の写実主義展示会を訪れた。習主席指導体制下の国は、これまで同様、自身に満ち、革命的で、一層社会主義だ。衰退する欧米にとって脅威だ。中国は、人々のために、人々に建設された大きな優雅な都市と着実に環境に優しくなっている地方がある誇り高い国だ。中国の科学的、知的、社会的業績は言葉より雄弁だ。

 香港と上海の対照は強烈で、しかも広がりつつある。

 だが私を誤解しないで頂きたい。私は香港が好きだ。私は、この、いにしえの、神経質な、甘やかされた国と20年以上の過ごしてきた。私は香港の鼓動を感じることができる。私は古い市街電車やフェリーや辺ぴな島が好きだ。

 だが香港の魅力は、その腐朽にある。

 中国本土の美しさは新鮮だ。中国は地球上最古の文明の一つ、最も深遠なものの一つだ。だがそれは歯切れが良く、希望と前向きなエネルギーに満ちているように思われる。友好国ロシアと共に、世界全体のために戦っている。中国は利己的ではない。

 香港は、漠然と定義された独自性のためだけに戦っている。実際大部分の人々は、自分たちが本当に属している場所、彼らの最愛の国、中国になりたいと望んでいるのだから、戦っているのは香港ではない。戦っているのはマスクをつけた子供の集団だ。要は指導者が、自分の名声を人々の利益より優先すると見なしている親欧米過激派の比較的大きな集団だ。

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 香港に「ビッグ・エッグ」はない。最も偉大な音楽家が世界を驚かす有名な劇場はない。唯一の美術館は再建のため、何年も閉まっており、2019年末に、ようやく再開予定だ。文化的生活は、それ自身に「アジアの世界都市」というレッテルを貼っている場所にしては、薄っぺらで、ばからしくさえある。ここでは、いかなる素晴らしい発見もない。あるのはビジネスだけだ。巨大な巨大なビジネス。そして忍び寄る腐朽。

 北京は容易に香港を「解放」できるはずだ。目的と誇りと将来性を与えることで。

 だが暴れる若者たちは、そうではなく、ワシントンによって解放されるのを望んでいる。彼らはロンドンに再度植民地化されるのを望んでいる。そして彼らは同胞市民には相談しない。それが彼らの「民主主義」についての考えを明らかに反映している。「人々による支配」ではなく「欧米による支配」だ。

 彼らは彼らの国を恨んでいるだけでなく、中国の価値観に基づいて意味ある生活をしたいと望む同胞市民を、彼らは軽べつし、脅迫しているのだ。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/10/03/some-in-hong-kong-feel-frustrated-as-their-city-is-losing-to-mainland-china/

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 悪夢の文部科学破壊省。

日刊IWJガイド「『幸福の科学大学』設置申請に萩生田光一自民党・衆議院議員が『仲介・調整』役で奔走!! ~詳細を記した『弁明請求書』は文科大臣就任後、萩生田氏の名前とともになぜか全削除!」2019.10.7日号~No.2580号~(2019.10.7 8時00分)

2019年10月 6日 (日)

イスラエルがなくなったら、中東は生き残れるのだろうか?

2019年9月29日
ゴードン・ダフ
New Eastern Outlook

 イスラエルは虫の息だ。ミサイルの雨がイスラエルを破壊するわけではないので、ハマスやヒズボラは全く関係がない。イスラエルは、1990年代、リクード党の出現とともに始まった自壊サイクルにあるのだ。イスラエル住民が増加し、若い理想主義者ではなく、経済難民のユダヤ人が増えるにつれ過激化して、賽は投げられたのだ。Veterans Todayの編集者の一人、イアン・グリーンハルジはこう語る。

「90代半ばから、リクード党は、ロシア・マフィアのフロント組織以上の何ものでもありませんでした。ゴルバチョフが強制収容所を開放した1985年から、大量の最悪の、最も邪悪な、くず犯罪人連中が、どっと溢れ出たのですが、医者や教授等き教育水準の非常に高い人々や、複数の高級な学位を持った男性や、高位の職歴を持った男性が、生き残ろうと苦闘する崩壊するソ連邦になっているのに連中は気づいたのです。こうした失業学者連中は、すぐさまマフィアにリクルートされ(一例が、数学と経済学で非常に高い資格を持っていたボリス・ベレゾフスキーだ)、それまで見たこともない最も危険な暴力団を組織したのです。

これら犯罪者の多くは十分ユダヤ血統なので、イスラエル移住資格を持っており、イスラエルへと向かいました。彼らが、そこでリクード党を乗っ取り、和平策定プロセスを終わらせるためイザク・ラビンを殺害して、権力を掌握するのに、わずか数年しかかかりませんでした。連中はネタニヤフを表看板として選び、1995年、彼は首相に据えられました。ネタニヤフとリクード党は、今日に至るまで政権に留まっており、それがイスラエルが、このような交渉不可能な、血に飢えた制御できないならず者国家になっている理由です。トランプをホワイトハウス(この取り組みで、アデルソンは彼らの最大財政支援者だ)に送り込んだのは、まさに、このイスラエル-ロシア・マフィアで、連中は他の多くの国々の首脳にも支配力を及ぼしています。」

 イスラエルが一度も法的権利がない、多くの国連決議に違反して占拠している土地、パレスチナの祖国の多くである、西岸を「ユダヤ人だけ」の国家に取り込むというネタニヤフの公約を見ると、イスラエルに対するグリーンハルジの悲観的な見方は、現実に展開しているのだ。

 我々は、犯罪組織に支配されるリクードのイスラエルと、グリーンハルジが支持するような、過激主義がない政治過程から生まれ出たかも知れない国を明確に区別しなければならない。

 現在明確なのは、今「ネタニヤフ」という名前を巡って作られた、この「個人崇拝」犯罪組織が終止符を打ちつつあることだ。

 イスラエルには巨大な空軍があり、何百という核兵器と巨大な陸軍があるとされるとことを人は指摘するかもしれない。2006年以来、イスラエル国防軍が、二世代前の占領成功にあぐらをかいており、それさえアメリカが密かに1973年の戦争に参戦していたことを人々は指摘するかもしれない。

 もし本当の歴史を研究すれば、歴史は長い間検閲され、抹消されており、アメリカ合州国がアラブの石油通商停止で味わった経済崩壊は、現実には、アラブ世界に対する、ニクソンとキッシンジャーによる宣戦布告なしの戦争に対する反撃だったのだ。

 現在、このアラブ世界は、これまでと同様、宗教によって、ばらばらになり、分裂し、政府が「衝撃と畏怖」や、エセ「カラー革命」に打倒されて、いまだに欧米の影響の支配下にある。

 10年前は、イスラエルに対する恐れ、あるいは憎悪が地域を支配していた。現在、トルコ、イラン、サウジアラビアが、軍事大国として成長しており、シリア、リビア、アフガニスタンとイラクなどの他の国は、イスラエルの存続や、欧米の理想を推進するためではなく、商売のために、戦争のための戦争を擁護するイスラエルの影響によって促進されている欧米政策に耐えている。

 その商売、大規模石油盗難、人身売買、アフガニスタン麻薬帝国やペルシャ湾岸の軍国化は、もはや、イスラエルは関与していない。

 時折イスラエル国民は、たまのロケットから防空壕に隠れるよう要求されるが、実はイスラエルはもはや重要ではない。歴史がイスラエルを置き去りにしたのだ。その歴史の一部、重要な部分には、グリーンハルジが言及したアデルソン家の人々がからんでいる。

 我々が話題にするのは、「ジェフ・ベゾス」ほど、あるいは「ビル・ゲイツ」ほど裕福ではないが、彼らに近く裕福なイスラエル系アメリカ人夫婦だ。これは、マカオとラスベガスのカジノを所有し、シチズンズ・ユナイテッド対FEC裁判で、アメリカ最高裁判所が裕福で強力な人々に有利な裁定をして以来、最も影響力を持っているアメリカ人、シェルドン・アデルソンとミリアム・アデルソンだ。

 アデルソン夫妻は、州と全国レベルの両方で、共和党を支配している。候補者は彼らの金銭的援助なしで勝てない。もし誰かが彼らの願望に逆行すれば、マカオ・カジノ事業からの無限の現金で、アデルソン夫妻は、対抗者を溺死させる。

 アデルソン夫妻は「保守派」のままだが、裕福な腐敗した二人は益々全体主義化するアメリカへの支配力を増した。アデルソン夫妻は、アメリカの方針がイスラエルに有利にはたらくこと、不正な最高裁判所がアメリカを二人に引き渡すことだけを気にかけた。

 政治インサイダーは、これは民主政治の宿命と見たが、ある程度、彼らは正しかったのだろうか?

 結構。夫妻、お望みなら「ギャンブルのボス」と呼ぶことができるイスラエル人億万長者が、アメリカを乗っ取ったのだ。アメリカの武器と現金をイスラエルに注ぎこむという二人の約束に基づいて、夫妻は大統領官邸にばか者を送り込み、全くの不適格者と詐欺師を権力の座に押しこんだのだ。

 何年も後に、それが起きた。ある日、シェリーとミリアムは気がついたのだ。驚くなかれ、イスラエルは、二人が選んだ指導者、家族ぐるみの友人、ベニーとサラ・ネタニヤフ夫妻に運営されているのだ。

 だがネタニヤフ夫妻とは一体何者だろう? サラは児童心理学者だが、最近、彼女の健全さは繰り返し疑問視されている。ベニーは? カナダ人作家バリー・チャミッシュによれば、イスラエルを運営すべく、ギャングによって選び出される前、ネタニヤフは、テルアビブのリム家具会社で、年間15,000ドル、家具を販売していた。

 イスラエルは自らを破壊している悪い兆しがある。外国の敵ではなかったのだ、アラブの軍がユダヤ人を海の中に行進させているわけではないのだ。ベニーとサラ・ネタニヤフがイスラエルを殺したのだ。旗はまだ下りていないが、その時は非常に近づいており、最近他の変化と同様、世界は用意ができていない。最も金持ちのイスラエル女性で、アメリカでも最も力がある女性ミリアム・アデルソンが、ハーレツでこう語っている。

ミリアム・アデルソン医師は、サラが首相と働く人々を選んでいると警察に言った。「彼女は労働者、彼の周囲の人々、スタッフ、秘書を選ぶ。そして、彼女はそれ以降のことを全て知っている」と彼女が言った。サラ・ネタニヤフが閣僚任命に影響を与えるかどうか尋ねられると、アデルソンは言った。「それも、そうだと思います。」

証言で、ミリアム・アデルソンは「我々の家での晩餐で、彼女が余りにやかましく金切り声を上げ、ビビが彼女に帰ろうと言うほどでした。」と大統領夫人の怒りの爆発について語った。

何についてサラ・ネタニヤフが金切り声を上げたか尋ねられると、アデルソン医師は答えた。「私が彼女の血を吸っているというのです。恐ろしかったです。彼女は正気を失っていました。私は彼女を抱きしめて言いました。「サラレ、大丈夫よ。」」

アデルソン医師は、首相夫人は「健康ではなかった」と補足した。「私は医者として健康でない人々に同情を感じます。私は中毒者を治療しています。彼女は健康ではありません。」

 皆様がお読みになっているものの背後には色々あるのだ。アメリカのユダヤ人住民は一般に、良い教育を受けていて、政治的に抜け目がない。悲しいことに、年月とともに、ネタニヤフ夫妻の過激政策は、「ベニーとサラ」が二人でイスラエルを運営しているように思われるが、アデルソンの果てしない現金に支援されて、アメリカで勝利を収めたのだ。

 アデルソン夫妻は、アメリカ政治に、二位の最大政治寄贈者ジョージ・ソロスの金額の十倍寄付している。夫妻が自分たちは、イスラエルのための安全を買っていると思っているが、そうではなく、別のもの、イスラエルを守るものではなく、むしろネタニヤフの本当の支持者である兵器業者や石油業者や金融業の利益を生みだす、イスラエルを不断の戦争に縛りつけるコーシャ・ノストラ・シンジケートと強力なつながり確立しているご機嫌取りの腐敗した議会指導部を生み出しているのだ。ハーレツにはこうある。

 「彼女は完全に頭がおかしい」と日刊紙イスラエル・ハヨム発行人シェルドン・アデルソンが言った。「彼女自身の写真や、自分がどう見えるかについて彼女はゆずりません。彼女は「私は大統領夫人だ、私は心理学者だ、私は心理学を子供たちに教える。」と言うのです。彼女は私の妻に、もしイランが攻撃したら、それは妻のせいだ、我々が彼女の良い写真を出版しなかったからだと言うのですと「イスラエルにも、ユダヤの大義にも、共和党にも、主要な寄贈者であるアデルソンが」語ったとある。

結論

 現実は単純なのかも知れない。1400万人のユダヤ人がアメリカに住んでいる。大半が何らかの形でイスラエルを支持しているが、過半数はアデルソン夫妻が選ぶ連中以外の候補者を好んでいる。アメリカのユダヤ人は、ある程度イスラエルに関する問題を評価して投票するが、アメリカの国内問題が重要で、アデルソン夫妻が目覚めた現実、堕落した不安定な夫婦に支配されるイスラエルがアメリカ国内にも反映されることが多いのだ。

 イスラエル・ファーストにすべく、賭け事の利益で買収されたアメリカは、地球温暖化否定論者や「きれいな石炭」や、数年ごとにアメリカ経済を破壊する不正なウォール街ギャングから、巨大石油企業から、軍需産業からも金を得ているのだ。

 そこで我々の疑問は、二人の近視眼的な長年の政策が起こした破壊に目覚めたように見えるアメリカの本当の皇帝、アデルソン夫妻と、我々はここからどこに向かうのかだ。

 トルコとイランとサウジアラビアは、イスラエルの想像力を越える軍事大国だ。「ベニーとサラ」は、まさにイスラエルを破壊する理由を提供する以外はほとんど何もしないので、もしそうする理由があれば、このどれか、あるいは全てが、容易にイスラエルを消滅させられるだろう。

 本当の疑問、パレスチナ人のための公正と、ユダヤ人の安全保障は、20年間、論じられていたいのだ。唯一提案されている「計画」は、ドナルド・トランプの超軽量級の女婿ジャレッド・クシュナーによるものだ。

 そして、おそらく前代未聞の、何をするか分からない人物ドナルド・トランプという困難がある。アメリカのユダヤ人に憎まれながらも、アデルソン夫妻は、トランプは、イランから「ユダヤ人を救う」ため、地球につかわされた転生した聖書の人物だという無謀な、おそらく正気でない考えを支持して、依然トランプを支持している。

 だがイスラエルは「ユダヤ人」だろうか?

 明確なのは、何年ものアメリカの軍事的プレゼンスで、次から次の国にイスラエル政策を押しつけた後、中東におけるアメリカ軍への信頼は存在していないことだ。イラン、ベネズエラ、朝鮮民主主義人民共和国、おそらくアンドラさえも、アメリカに異議を唱える国がますます増えるだろう。

 シリアで、トルコとサウジアラビアが、イスラエルとアメリカに協力して、ジハード集団を密かに支援し、イスラエルのプロパガンダをオウム返した日々は過ぎた。

 イラクはイラン側につくよう思われる。トルコとロシアもそうするだろう。5年間「忘れていた」後、サウジアラビアは、パレスチナ人の苦難を覚えている。

 シリアは内戦で勝利し、ほとんど匹敵できる国がない歴戦の軍を持った国家内国家としてヒズボラは存在している。

 危機に瀕しているのは、リクード党が乗っ取った日に、国際社会のあらゆる党税の役割も放り出した、リーダー不在の、生来不公平なイスラエル国家だ。

 ゴードン・ダフは、ベトナム戦争の海兵隊退役軍人で、何十年も退役軍人と戦争捕虜問題に取り組み、安全保障問題で政府に助言もしているベテランズ・トゥデイ編集長、取締役会長。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/29/can-the-middle-east-survive-with-israel-gone/

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 「大富豪同心」再放送、小判がぎっしりの箱を渡す場面をみて、関西電力を連想した。

 日刊ゲンダイ DIGITAL 記事 

 関電だけじゃない 原発あるところに“第2の森山”必ずあり

 覆面禁止法制定。

日刊IWJガイド・日曜版「香港政府への抗議デモで参加者にマスクなどで顔を覆うことを禁じる『覆面禁止法』が制定!! この法律の制定が可能になったのは香港政府が発動した『緊急状況規則条例(緊急法)』!! 日本も他人事ではない!?」2019.10.6日号~No.2579号~(2019.10.6 8時00分)

2019年10月 5日 (土)

イエメンは今やサウジアラビアの「ベトナム戦争」

2019年10月1日火曜日
BRICS
Multipolarity research centres所長 Paul Antonopoulos

 サウジアラビアは何かがおかしいように見える。ワッハーブ派王国は、イエメンに対し、技術的、人口的、経済的に優位なのに、フーシ派が率いるアンサール・アッラー運動のイエメン人レジスタンスを完全に打ち破りそこねている。サウジアラビア王国が海も空も支配しているにもかかわらず、アンサール・アッラー運動は、サウジアラビアの前進に対し、守勢に立っだけでなく、サウジアラビア国内でも直接戦争している。

 9月14日、イエメン人レジスタンスが、サウジ・アラムコ石油施設を攻撃し、何十億ドルも損害を与えた、その完全修復には数カ月を要する。だが高官や傭兵を含む何千人ものサウジアラビア兵士が捕虜となって、サウジアラビアは彼らの「ベトナム戦争」を経験しているという考えは確固たるものになった。

 サウジアラビアは、ロシアやフランスやイギリスを上回る、世界で五番目に大きい軍事予算を持っているが、アンサール・アッラー運動を、権力の座から排除できずにいる。サウジアラビアが、モスクや市場、学校、病院、結婚式参列者や葬列を含め、イエメンで無差別に爆弾投下する中、イエメンは世界最大の人道的危機となった。1000万人以上のイエメン人が餓死するか飢餓の間際にある中、アンサール・アッラー指導者のアブドルマリク・アル・フーシさえ、この戦争で、かなり痩せている。

 サウジアラビア国家予算は石油を源にしており、アラムコ社は、ほぼデンマークのGDP、歳入約3500億ドルで、世界最大の6社の一つだ。イエメンは、あらゆる開発指数の上で、サウジアラビアからはほど遠いのに、サウジアラビアは、イエメンの首都サヌアからアンサール・アッラー運動を排除できずにいる。

 反抗してリヤドの要求に服従しないイエメンとそのインフラを攻撃するのに、サウジアラビアは、兵士約150,000人と、大半がスーダン人である傭兵を動員し、アメリカ兵器を装備した何百機というジェット戦闘機を使っている。サウジアラビア当局は、イエメンに対する戦争で、モロッコ、アラブ首長国連邦(UAE)とスーダンとも外交上連合している。これは、アンサール・アッラー運動もテヘランもそうでないと否定しているのに、リヤドがイラン代理人と考えている彼らを国境から排除しようという企てだ。

 サウジアラビア率いる連合が攻撃を始めて以来、アンサール・アッラーは受動的なままではおらず、王国がアメリカ製パトリオット・ミサイル防衛体制を所有しているにもかかわらず、サウジアラビア南部の直接攻撃に、ロケットと無人飛行機を利用した。サウジアラビアは空軍、海軍が優位にあるが、この支配力を地上での成功に転換することができず、アンサール・アッラー運動に対する戦争で傭兵に頼っている。

 人は金のために無用に死ぬつもりなどないが、死ぬ危険をおかすのをいとわないという人々もあり、大きな違いがある。土曜日、この理由ゆえに、アンサール・アッラー運動が、包囲し、待ち伏せで襲って、サウジアラビア連合の主として下級兵士とスーダン人傭兵と若干の高官も含め、1000人以上の兵士を捕虜にできたのだ。傭兵は金のためには戦うが、無駄死にするつもりはなく、それがアンサール・アッラー戦士に両側を挟撃されて、一団となって降伏した理由だ。

 今や、確実にベトナム戦争との比較が可能になっている。ゴリアテがダビに対するよりも、リヤドにとって、ずっと有利なはずなのだから、ダビデとゴリアテのたとえより、遥かに深い。

 サウジアラビアは、アラブ連盟と湾岸協力会議で、あらゆる政治的影響力を駆使し、介入する理由などない高価な戦争に何十億も投入し、劇的敗北を経験しているのだ。資源が限られ飢餓の間際のアンサール・アッラー運動は一体どのようにこれをすることができたのだろう? リヤドは、この当惑に対するの唯一の説明は、イランがアラムコに対する攻撃を画策し、何千という兵士たちを捕らえたのだと結論した。ベトナム人が彼らを打ち負かした際、アメリカがそれを否定し、ベトナムの勝利を、ベトナム人ではなく、ソ連と中国の功績にしたのに似ている。

 リヤドがアンサール・アッラー運動から注目を逸らすことで、彼らは、その勝利をライバルの反アメリカ、反イスラエルの地域大国イランの功績と認めることができ、自分の面目を立てるのに役に立つ。そのため、地政学的、神政主義的、経済的理由から、サウジアラビア-イラン関係が伝統的にまずいので、これはイエメンへのアメリカ介入を合法化する助けにもなる。

 もっと重要なのは、サウジアラビアが、対イラン軍事攻撃を正当化するよう、ワシントンを誘い込むことができるのだ。だがアメリカとイスラエルにとっては、彼らの介入を限定する上で、サウジアラビアとイラン間の「代理対立」をしかける可能性が望ましいだろう。サウジアラビアは世界的規模で原油の約15%を生産しており、世界経済に際立った影響を与え得るので、これは危険な冒険だ。

 アメリカがベトナム侵略で見舞われたような資源と人的資源を消耗させる果てしない戦争で動きがとれなくなるのを避けることがサウジアラビアのためになるはずなのだが、サウジアラビアが、アラブ世界の最貧国から撤退する兆候はほとんどない。

 サウジアラビアが続く挫折で身をもって学んでいる中、サウジアラビア、そして/あるいは、アメリカ軍事予算を、イエメンやイランの予算と比較するだけでは、この対立の最終結果を予測するのに十分ではない。捕虜になった1000人以上の兵士と傭兵が、リヤドの戦闘部隊には動機も、やる気もないことを示している。これは反帝国主義闘争に携わるのを確信しているアンサール・アッラー運動とは正反対だ。

 もしサウジアラビアが、これ以上の経済的リスクと軍事的な恥を避けたいなら、イエメンから撤退し、より広範なサウジアラビア-イランという地政学ライバル関係において、この戦線での敗北を受け入れるのがサウジアラビアの基本的利益だ。約60,000人のアメリカ兵士の死を招いた18年もの関与後、アメリカが最終的に正気を取り戻し、ベトナム撤退を決めたのと全く同様、今リヤドは、ベトナムに対するワシントン政策よりずっと早く正気を取り戻し、イエメンの状況は維持困難で、勝てないことを認めなければならない。

記事原文のurl:http://infobrics.org/post/29415/

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 サウジアラビアはともあれ、真っ赤なウソが堂々とまかり通るこの国、政治も大本営広報部も、すっかりおかしいように見える。

「日米の貿易協定が合意に至りました。昨年9月の日米共同声明に沿って、日米双方にウィンウィンとなる結論を得ることができました」

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事は、郵政幹部による大本営広報部恫喝の話題。真実は報道するな!

不正日本郵政側に立ちNHK制作現場叩くお門違い

 ウクライナでのスキャンダルで、候補者への支持が変わっているのだろうか。孫崎享氏の今日のメルマガ題名は

米国大統領選での民主党候補はエリザベス・ウォーレンの可能性が一段と増大。サンダースは動脈閉塞の手術を受け選挙活動当面休止。→ウォーレンの立場を強化。トランプは自己への弾劾の動きと関連しバイデンのウクライナ・中国関与を激しく攻撃、バイデンに?

 とうとう実弾使用。60年代末に、大本営広報部が称賛した「運動」、70年代に暴走したのを思い出す。

日刊IWJガイド・土曜版「 香港デモ、実弾で初の負傷者!18歳高校生が重体も、暴動罪などで起訴!この高校生があらかじめ武器を用意し警官を集団で攻撃していた動画も!? 香港デモはさらなる混迷へ!」2019.10.5日号~No.2578号~(2019.10.5 8時00分)

2019年10月 4日 (金)

ジョシュア・ウォン、フアン・グアイド 新世代の親欧米「聖人」

2019年9月29日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 「親欧米派の英雄」と「聖人」の新世代は、明らかに世界を感動させ損ねている。フアン・グアイドとジョシュア・ウォンは、確実に、マザー・テレサがそうだったと同じぐらい右翼だが、それほど「本当らしくは見えない」。

 大昔、私はインド、カルカッタのマザー・テレサが活動していた場所に行った。カトリック教会と欧米宣伝機構によれば、彼女は貧しい人たちを助けていた。

 彼女を直接知っていた人々に尋ねると、彼女は短気で、意地悪で、執念深い人だったと言った。彼女を公然と批判すれば世界中で激しく激怒されるのだから、もちろん内密の発言だ。

 マザー・テレサ最大の批判者の一人は、率直に、公然と彼女について書いたイギリス系アメリカ人評論家クリストファー・エリック・ヒッチンスだった。

「これは、金持ちには贖宥状を売りながら、貧しい人たちには業火の苦しみと自制を説き聞かせた、中世教会の堕落を思い出させる。[マザー・テレサ]は貧しい人々の友人ではなかった。彼女は貧困の友人だった。彼女は苦しみは神からの贈り物だと言った。彼女は貧困に対する唯一の既知の治療法、女性の社会的地位の向上と、家畜のように強制的に子供生まされることからの解放に反対して人生を過ごした。」

 反共産主義で、強烈なセルビア嫌いのマザー・テレサは、この情報は魔法のように記録から消えているが、ベオグラードに爆弾を投下するようビル・クリントンに頼んだと言われている。

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 欧米の宣伝機構は、常に「悪者」を産み出す。ソ連共産党、中国共産党、中南米の反帝国主義者、アフリカやアジアの独立志向の指導者や中東の愛国者。

 それは同時に「英雄」を作り出す。宗教的準聖人、「自由を愛する反体制派指導者」「国民に大切にされている慈悲深い君主」、親欧米派(それゆえ「民主的な」)大統領。

 全く驚異的なことに、これらの輝かしい人々全員、まさにロンドンやパリやワシントンが彼らに期待することを行い、言っている。彼らは欧米マスメディアや国民を感動させそこなうことは決してない。彼らはほとんどどんな大失敗もしない。まるで何か見えざる手が脚本を書いているかのようだ。

 何百人もそういう連中がいるが、最も目立つ連中は世界中で知られている。ごく一例を挙げよう。ダライ・ラマ、マザー・テレサ、ヴァーツラフ・ハヴェル、ヨハネ・パウロ2世、タイのプミポン国王。リストは延々続く。

 主要「聖人」のほとんど全員、欧米政権に作り出された冷戦戦士だった。全員が欧米帝国主義と新植民地主義に密接に結びついていた。全て簡単に暴露して、信用失墜させられるはずなのだが、またしても「驚異的に」なのだ。それは、現地の従僕や、欧米の主要宣伝屋との直接対決を意味するので、ほとんど誰もあえて、そうしない。

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 今、新たなアイドルが登場しつつある。

 連中は前任者と同じぐらいうまく作られていない。過去の「聖人」は宣伝屋の傑作だった。彼らはイデオロギー的に、ほとんど「無敵」だった。

 新アイドルは、透けて見える安物の複製であることが多い。

 最新製品の二つが香港のジョシュア・ウォンとベネズエラのフアン・グアイドだ。二人とも若く、自己中心的で、攻撃的で、全く臆面もない。二人とも、最近は、一体何が「政権交代」と定義されるかという技術を、帝国に仕込まれている。

 一人は、欧米で「民主化運動の指導者」と描写され、もう一人は自称大統領だ。

 二人とも、大衆が信用できると思う場合に限って、信用できるのだ。もし大衆がそう思わなければ、連中の「論理」と狙いの誤りを見つけるのは容易だ。連中のプログラムと「プログラマー」を笑い飛ばすのは、実際簡単だ。

 香港「民主化運動指導者」ジョシュア・ウォンは、グローバル政治を何も理解しておらず、いかなる深遠な哲学的目標もない、明らかに欧米が植えつけた「自撮り世代」なのだ。九龍の私立キリスト教学校で教育を受けた福音主義狂信者の彼は「教会グループでの活動を通して、組織化と演説の技能を身につけた」。2014年、最初の「抗議行動」(雨傘運動)時、わずか17歳だった。だがこの若い混乱した子供はアメリカの反中国戦士レーダーに素早く拾い上げられ、2018年「政治改革をもたらし、中国・イギリス共同声明で香港に保証された自治と自由を守る平和的努力」に対しノーベル平和賞にノミネートされた。

 その時以来、もし実行されれば(まさに「一国二制度」の取り決めの下、いまだ適用されている古いイギリス法のおかげで、彼ら蹴落とすことができない)腐敗したターボ資本主義エリートによる支配の下、既に遥かに中国本土から遅れている都市香港の人々に、更に損害を与えるはずの奇異な政治概念を促進しながら、彼は中華人民共和国を中傷し、欧米の首都から首都へと渡り歩いている。

 「カラー革命家」ウォン(かつての彼の象徴は、実際は傘だった)は、2019年9月、ドイツの首都ベルリンで、信用を失った「ホワイト・ヘルメット」と一緒に写真に写っていた。欧米が(シリア内に)植えつけたもう一つのもの、ホワイト・ヘルメットの一団は、欧米の資金援助で、中東で活動しているジハード部隊と密接に協力している傭兵の一群とされている。ホワイト・ヘルメットも、ある時点で、ノーベル平和賞にノミネートされたことも触れる価値がある。

 それに加えて、ジョシュア・ウォンは、アメリカの香港領事館職員たちと一緒の写真も撮られていた。それは「抗議行動参加者」が、アメリカが彼らの都市を中国から「解放する」よう要求するデモを、このアメリカ在外公館にした後、暴れ回ったわずか数週間前のことだ。言うまでもなくこの行動によって、彼らは、事実上反逆罪を犯したのだ。

 ジョシュア・ウォンと、彼を奉じる黒マスク暴徒に、欧米マスコミが、どれほど支援し、称賛さえするかにかかわらず、大多数の香港の人々は、明らかに北京を支持しており、実際、公共財を破壊し、中国本土や、その国旗への敬意を表する人々を無差別に打ちすえる暴徒を恐れている。

 洗脳され、ひどく条件付けされたウォンは、独善と宗教的熱狂に近いものに酔いしれ、ベルリンで、こう宣言した。

「もし世界が新冷戦なのであれば、香港は新しいベルリンだ。」

 ドイツ滞在中、更に進んで、彼は「主席ではなく皇帝」だと言い、「自由世界」に「我々とともに、中国独裁政権に対抗する立場に立つ」よう促し、中国の習近平主席を侮辱した。しかも、中国が、破壊的で、反逆罪的な抗議行動参加者に対して、大きな抑制を、フランスや欧米の属国インドネシアよりずっと大きい抑制を示している中でだ。

 ウォンが率いる香港抗議行動参加者は、公共財を破壊し、中国人愛国者を打擲し、時折香港飲料水スプレーをかけられ、欧米メディアに殉教聖人として扱われているのだ!

***

 ベネズエラのフアン・グアイドは、自分が大統領だと宣言して初めて、ベネズエラ国民に知られるようになった。彼は誰にも選出されていない。彼は匿名の少数右翼エリート以外の、いかなる本格的な団体にも支持されていない。

 だが彼は、少なくとも、社会主義のニコラス・マドゥロ大統領を追い出し、誰か退行的で、大企業擁護派で、反逆罪的な独裁者を王座に据える決意が固い、アメリカやヨーロッパ幹部政治家の間では、欧米の新しい「聖人」となったのだ。

 大多数のベネズエラ国民にとって、グアイドが、どれほど滑稽に、大馬鹿のようにさえ見えようとも、状況が、いかに怪物のように、あらゆる国際法に違反しようとも、欧米(と、多くの中南米諸国の親欧米エリート)はグアイドを世界に強引に押しつけている。首都のカラカスでも、地方でも彼の子供じみた従順な微笑みが出没している。

 彼がコロンビア麻薬カルテルのボスと一緒に写真を撮っていたのを誰が気にかけよう。左翼政府に対する戦争を行う際には、常に中南米麻酔マフィアが欧米に利用されてきた。ニカラグアとコントラを想起願いたい。

 誰が、何億すでに承認された資金の他に、最近、グアイドが、政権転覆のため、新たに5200万ドル受け取ったことを誰が気にかけよう。最近の資金は「開発援助」の名目の下で、堂々と米国国際開発庁USAIDから来た。

 彼が社会主義と国際主義を憎む限り、彼は欧米の英雄で聖人なのだ!

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 インターネット時代、追跡は容易ではないが、不可能とはほど遠い。

 今、欧米に作り出される「聖人」は、昔より遥かに高い精度で精査が可能だ。そうならない場合は、欧米大衆(と属国大衆)が関係したいと望まないからに過ぎない。

 ジョシュア・ウォンやフアン・グアイドを支持しているベルリンやパリやニューヨークの人々は、無知ゆえに支持しているわけではない。一部の人はそうかも知れないが、大部分は確実にそうではない。彼らは中国に対する民族的優越感から、愛国的な中南米の社会主義に対する悪意から支持しているのだ。以上、終わりだ。議論では彼らの心を変えるよう説得できまい。彼らは彼らに合わない議論には耳をふさぐ。彼らは知りたいと望んでいない。彼らは現状を欲しているのだ。

 中国がどのように進歩しているのか、国民生活をどれだけ改善しているのか連中は気にしない。連中は「民主主義」が、いくつかの欧米の複数政党政治茶番ではなく、国民による支配を意味するものであるのを気にしない。連中は異なる文化に敬意を持たない。

 大陸中いたる所で勝利しているベネズエラ風社会主義は、連中の利益にはならない。

 北京に救われる腐敗しつつある香港は、彼らの最悪のイデオロギー的悪夢だ。

 だから、ある意味、逆説的に、ジョシュア・ウォンは正しい。香港は新冷戦のベルリンになりつつある。だが北京やモスクワのおかげでではなく、彼の様な反逆罪幹部のおかげで。

 世界のあらゆる場所で欧米に作り出された「聖人」は、その国々と人類に大きな損害を与えている。

 今日に至るまで、彼らは依然そうしている。

 だが彼らがどこにいようとも、我々は彼らを暴露する。

 ウォンよ、あなたは、自分の国がアメリカに攻撃され、爆弾を投下されるのを望んでいる。あなたは、自分の都市が、イギリスに再び支配されるのを望んでいる。あなたは外国の敵対的権力から命令を受けている。あなたは中国と欧米を対立に向かって押しやっている。あなたの手は血にまみれており、あなたは阻止されるべきなのだ。活動中のあなた方の連中を私は見た! 私は、視覚的にも、文章でも、あなたの破壊行為を記録した。

 フアン・グアイドよ、あなたは自分の美しい国を、数十年も数世紀も植民地化し、略奪してきた政権に売っているのだ。あなたには羞恥心が全く残っていないだけではない。あなたは自分の国の人々と南米大陸の両方を裏切っているのだ!

 私は、聖人には常にうさんくさいものを見いだす。

 だが、新しい、オーダーメードの偽聖人は、並外れて最悪だ!

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書いている作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/29/juan-guaido-joshua-wong-new-generation-of-pro-western-saints/

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 覆面法が話題。ベネズエラ、香港、偽聖人は、「反体制側」で、体制を乗っ取ろうと活動している。が、足元をみれば、偽聖人連中が、ずらり権力の座にならんでいる恐ろしさ。「私の国では、長く続いた経済の不調が国民の関心を内に向かせた時期は、過去のものとなりました」これがこの夢の国のトップ。いつものごとく正気とは思われない。

 〇〇よ、あなたは、自分の国が大国に攻撃され、爆弾を投下されるのを望んでいる。あなたは、自分の都市が、宗主国に再び支配されるのを望んでいる。あなたは外国の敵対的権力から命令を受けている。あなたは中国と欧米を対立に向かって押しやっている。あなたの手は血にまみれており、あなたは阻止されるべきなのだ。活動中のあなた方の連中を私は見た! 私は、視覚的にも、文章でも、あなたの破壊行為を記録した。

 〇〇よ、あなたは自分の美しい国を、数十年も数世紀も植民地化し、略奪してきた政権に売っているのだ。あなたには羞恥心が全く残っていないだけではない。あなたは自分の国の人々とアジア諸国の両方を裏切っているのだ!

 大本営広報部は、自由自在に隣国政権を批判できる。元大使なる人物の破廉恥さ。見ている方が恥ずかしくなる。もちろん最近、昼の痴呆番組、一切見ていないので、最近の言動は全くしらない。

 『新聞記者』は素晴らしい映画だが、韓国のドキュメンタリー『共犯者たち』は必見。元大使の言説とは逆に、日本は韓国より周回遅れであることが良くわかる。

 時代劇の「お主も悪よのう。」のお代官様と越後屋、現代も実話。死人にくちなしの深い闇。

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名は

転載:原発マネー還流発覚で関電崩壊、原発消滅カウントダウン始まる(ダイヤモンド編集部 堀内 亮:記者)関電再稼働にまい進、4基で再稼働。関電から原発関連工事会社、原発関連工事会社→森山氏→関電へと、いわゆる“原発マネー”が還流していた可能性

 宗主国の中距離弾道ミサイルを進んで受け入れて、醜の御楯と出で立つポーランドなどの国々、驚いてみていたが、ひとごとではない。ロシアや中国を宗主国の標的にしながらそれで、領土交渉ができるはずなどないのは、××でもわかるだろうに。本音は、領土など口実、自爆が目的だろうとしか思えない。

日刊IWJガイド「 米国が日本に新型中距離弾道ミサイルを大量配備!? 日本列島は米中露の核の戦場にされる!? 岩上安身は2010年から元外務省国際情報局長・孫崎享氏と共に『オフショア・バランシング』の問題点を指摘!! ついに現実に!?」2019.10.4日号~No.2577号~(2019.10.4 8時00分)

2019年10月 3日 (木)

サウジアラビア国内でのフーシ派による破壊的攻撃でサウジアラビア三旅団壊滅

Federico Pieraccini
2019年9月30日
Strategic Culture Foundation

 今まで多くの人々が、フーシ派は洗練されない寄せ集め勢力だと信じるよう仕向けられてきたのかもしれない。サウジアラビア石油プラントに対する無人飛行機とミサイル攻撃を見て、多くの人々は、アラムコの市場価格をつり上げるため、リヤドが仕組んだ偽旗攻撃だと断言したかもしれない。そうであったのか、あるいは、イランや、イスラエルに実行された事業だったのか。9月28日土曜、私自身や多くの人々が何カ月も書いてきたことを裏付けて、フーシ派は、こうした憶測を粉砕した。つまり、イエメン軍の従来の能力とあいまったフーシ派の非対称戦術が、ムハンマド・ビン・サルマーンのサウジアラビア王国を屈服させられるということなのだ。

 イエメン軍のミサイル部隊が極めて複雑な攻撃ができるのは、サウド家独裁に反対する王国内のシーア派住民に提供される偵察情報のおかげなのは確実だ。サウジアラビア内のフーシ派支持者は、目標識別を支援し、プラント内部を偵察し、最も脆弱で影響力が大きな場所を見つけ出し、この諜報情報をフーシ派とイエメン軍に伝えたのだ。イエメン軍は、自前の兵器を使って、サウジアラビアの原油採掘、加工プラントを大幅に損ねたのだ。壊滅的攻撃は石油生産を半減させ、サウジアラビアがイエメンで行っている大量虐殺を止めなければ、更に他の標的を攻撃すると脅したのだ。

 29日土曜日、フーシ派とイエメン軍は、イエメン国境内から始めた三日間に及ぶ信じ難い攻撃を行った。この作戦には、何カ月もの諜報活動と作戦計画があったに違いない。それは彼らがアラムコ石油施設に行ったものより遥かに複雑な攻撃だった。最初の報道では、サウジアラビア率いる連合の部隊が脆弱な場所に誘い込まれ、それからサウジアラビア領内での素早い挟み撃ち作戦で、フーシ派がナジュラーン市と周辺を包囲し、無数の戦闘車両と、多数の高官を含め、人数で何千人も上回るサウジアラビアの三旅団を出し抜いたことを示している。この出来事は全てイランから遥か離れた場所で起きたので、アメリカもマイク・ポンペオもイスラエルもサウジアラビアも、イランのせいにすることができない逆転の切り札だ。

 この大規模作戦は、まずジーザーン空港を標的にしたイエメンのロケット砲撃で始まり、10機のミサイルが、包囲された部隊への航空掩護を含め、空港に/からの、あらゆる動きを麻痺させた。フーシ派は、アパッチ・ヘリコプターに標的を定めた主要作戦で、リヤドのキング・ハーリド国際空港も攻撃し、ヘリコプターをその地域から去るよう強いた。近くの軍事基地も標的にされ、あらゆる増援が阻止され、指揮系統が混乱させられた。これで、サウジアラビア部隊に混乱の中での撤退を強いた。フーシ派が示した画像は、ナジラン市近い谷の真ん中の道路で、多数のサウジアラビア装甲車両が、フーシ派の重火器と軽火器と携行式ロケット弾で両側から攻撃され、逃げようとする状態が写っている。この映像による総くずれの確認で、捕虜や犠牲者の数も見ることができる。画像は、イエメン兵の監視のもと、捕虜収容所に向かって歩くサウジアラビア捕虜の行列を映している。これは驚くべき画像だ。世界三番目に大きな兵器購入国サウジアラビアの軍が、世界でも圧倒的最貧国の一つに打ちのめされているのだ。数が全てを物語る。フーシ派が、サウジアラビア領土の350キロ以上を支配することができたのだ。サウジアラビアの軍事予算が、年間ほぼ900億ドルであること考えれば、この功績は一層驚くべきものだ。

 フーシ派は、サウジアラビアが彼らの包囲された兵士を支援すべく、航空や他の手段で彼らの兵隊を掩護するのを阻止するため、ドローンやミサイルや防空システムや電子戦を駆使した。サウジアラビア兵士の証言が、彼らを救助する取り組みは及び腰で、ほとんど効果がなかったことを示唆している。サウジアラビア人戦争捕虜は、自分たちを敵の餌食にしたと言って、自軍指導部を非難している。

 イエメン軍とフーシ派は、わずか10日間以内に、アメリカ防衛システムの信頼性と、サウジアラビア軍の両方に衝撃的打撃を与えることができたのだ。彼らは当面の目的に相応しい創造的な方法を使うことで、これを実現したのだ。

 彼らは、潜入者や地元協力者の支援により、最大の影響と損害のためには石油設備のどこに打撃を与えるべきかを正確に知るための国内偵察を行うことが可能なほどのサウジアラビアへの潜入によって、サウジアラビア内部の脆弱さを、まず明らかにした。

 その後、彼らはアメリカのパトリオット・システムのレーダーの目をくらませ、その過程で、まだアラムコが特定できない期間、サウジアラビア石油生産を半減させた様々な種類のドローンや電子戦を駆使する非対称作戦を通し、技術とサイバー能力を実証した。

 最終的に、この最近の出来事で最も驚くべき、仰天すべきものは、敵領土で実行し、何千という兵士や装置から構成される三旅団の包囲に成功したイエメン地上作戦だ。ドローンや、対地攻撃機や、防空部隊に支援されたこの成功した作戦には、アンサール・アッラー(フーシ派)に忠実な何千人ものイエメン人兵士が参加した。通常、このような能力は、第三世界の軍隊ではなく、良く訓練された、装備が整った軍のものなのだ。

 彼らが石油設備に打撃を与えたとき、フーシ派はリヤドに明確なメッセージを示したのだ。彼らは、サウジアラビア王家に取り返しがつかないほどの損害を与え、究極的にサウド家を打倒する手段と能力を持っていることを効果的に知らしめたのだ。

 サウジアラビアの石油施設に打撃を与えた後、イエメン軍報道官は、彼らは無人飛行機とミサイルを駆使したあらゆる攻撃を停止しするが、そこでことを終わりにして、紛争を終わらせるため交渉の席につくのか、あるいはサウジアラビアは更に同じような目に会いたいのかは、リヤド次第だと発表した。

 ムハンマド・ビン・サルマーンは、アメリカから、パトリオット・システム不具合の言い逃れや、更に多くのアメリカ支援が予定されていると保証する、多種多様の再確認をアメリカから受けたのは確実だ。特に彼らが(既にウソであることがばれている)イランの代理人であること考えれば、フーシ派と合意するのは不可能なこと。もちろん、そのような降伏が実現するようなことがあれば、サウジアラビアや、イスラエルやアメリカの威信に対するの莫大な損失は言うまでもない。

 既に、リヤドでは、(フーシ派の非対称戦争に対し、やはり役に立たない)高高度防衛ミサイル・システムや他の非常に高価なアメリカ防空システムの新たな供給を受けるという話がかたられている。アメリカには、パトリオットや高高度防衛ミサイルTHAADのようなシステムで迎撃することが難しい、小型の低空飛行無人飛行機やミサイルから守るのに理想的な多層航空防衛が可能なロシアのパーンツィリやBUKシステムのようなものがないのは、サウジアラビアには、お気の毒だ。

 イエメンで進行中の大量虐殺を止め、反撃でフーシ派に再度攻撃されないようにする和平会談を始める代わりに、ムハンマド・ビン・サルマーンと彼の顧問は、イエメンで更なる戦争犯罪を行うのが適切だと考えているように思われる。

 このような強硬姿勢に直面して、フーシ派は、サウジアラビアの士気にとって一層破壊的で、欧米政策当局を困惑させる新たな攻撃を進めたのだ。何千人もの兵士と兵器が、2015年、ウクライナでキエフ軍が同様に包囲され、破壊されたドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の行動を思い出させる挟み撃ち作戦によって、殺されるか、傷つけられるか、捕虜にされた。

 通常このような挟み撃ち作戦は、敵をどこで包囲するのが最善か決定するための徹底的な偵察が必要だ。更に、アメリカとサウジアラビアの反撃を防ぐため、航空援護と防空体制が必要だ。この全ての他に、調整が必要なこのような攻撃には、命令を短時間で効果的に実行するための訓練と同様、兵隊と装備が必要だ。イエメン軍とフーシ派による素晴らしい準備と、地形に関する知識の結果、これら全ての必要条件が満たされたのだ。

 サウジアラビア石油施設に対する攻撃が大きな衝撃だったのであれば、この前の土曜日の更に一層劇的な攻撃は、ムハンマド・ビン・サルマーンと彼の同盟者アメリカに非常に厳しい現実に直面することを強いているはずだ。今や認識されるべきなのだが、サウジアラビアは、イエメンから国境を守る能力を持っておらず、サウジアラビア人やアメリカ人の感情には、ほとんど関心を示さない一方、フーシ派とイエメン軍が思うままにサウジアラビア領に入れるままにしているのだ。

 これはフーシ派にとっては、リヤドに対する三重の王手だ。第一に、彼らは、サウジアラビア内に、イランやイエメンと総力戦の場合、国内で破壊活動を行うのに十分な現地の支持を得ていることを示したのだ。そして、彼らはサウジアラビア石油生産を損なう能力を持っていることを示している。究極的には、イエメン正規軍は、サウジアラビア軍が、イエメンの主権に違反して、これまで五年間、一般人を手当たり次第に大虐殺していたことを考えれば、もしイエメンの指導者が緩衝地帯を安全に保つため、サウジアラビア領の帯状地帯を侵略し、占拠すると決めれば、彼らの思うままに、サウジアラビアとイエメンの間に国境を引き直すことができるのだ。

 これらの出来事の重要性は熟考に値する。世界で三番目に大きな武器浪費国家には世界最貧のアラブの国を打ち破ることができないのだ。しかも、サウジアラビアは、国益と国境を、この貧困にあえぐアラブの国から守ることができないのだ。フーシ派は、貧しいながらも、まとまった、やる気満々の軍隊が、非対称の方法を使って、装備が世界最高に整った軍の一つを屈服させるために何ができるかを世界に示しているのだ。技術や、サイバー能力が民主化され、フーシ派がドローンの使用と電子戦で見せたように、どのように適切にそれを使うべきか知っている利用可能になった場合、戦争の新しい手段が可能かの例として、この紛争は全世界で検討されるはずだ。

 ミサイル能力や、多くの捕虜や、サウジアラビア中に広がる破壊活動家を擁する組み合わせによって(おりしも日曜、ジッダのアル・ハラマイン高速鉄道駅で奇妙な火事が起きた)フーシ派が、高レベルの影響力を享受する状態では、リヤドは、この無用な戦争の悲劇的な結果を受け入れ、アンサール・アッラーと交渉の席につく頃合いかもしれない。

 ワシントンとテルアビブはあらゆる方法でこのような交渉を阻止しようとするだろう。だがもし、ムハンマド・ビン・サルマーンと家族が彼らの王国を救いたいと望むなら、すぐにフーシ派と話を始めるほうが良い。さもなければ、アンサール・アッラーによる更なる攻撃が、サウド家とサウジアラビア王国の完全な崩壊と荒廃に導くのは時間の問題に過ぎない。

 Federico Pieracciniは国際問題、紛争、政治と戦略を専門とする独立したフリーライター

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/09/30/three-saudi-brigades-annihilated-in-devastating-houthi-offensive-in-saudi-arabia/

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 貧しくとも団結した人々が、傭兵を代理にして、戦争をしかけている成り金連中に反撃中。世界最大の属国で吸い取られる消費税、大企業や金持ち減税の補填や、宗主国による侵略にも使われるはずだ。

 櫻井ジャーナルも報じている。サウジ南西部でフーシ派の攻撃によりサウジ軍の3旅団が壊滅との発表

 昨日、英雄たちの選択「めざせ!徳川近代国家 小栗上野介の夢と挫折」再放送を見た。幕府を打倒した長州支配下の今の政界、財界、言論界の売国腐敗ぶり、彼はどう思っているだろう。菅原道真のように、神社が必要?

 孫崎享氏の今日のメルマガ題名

関電受領額:八木会長=受領額859万円、岩根社長=150万円、豊松元副社長=1億1057万円、森中副社長=4060万円、鈴木常務執行役員=1億2367万円等など。 関電→企業→助役→関電幹部。そして原資は電気料金。これで有罪ナシなら日本社会アウト

 植草一秀の『知られざる真実』 アベノミクスで庶民の暮らしは真っ暗闇だ

 売女マスコミによる「嫌韓」一辺倒呆導は何を隠蔽し、実行しようとしているのか。

日刊IWJガイド「IWJファンドレイジング・トーク・イベント『政府・メディア「共犯」の異常な嫌韓煽動のもとで考える~政治権力とメディア 』終了! 地政学的にも友好関係を続けていかなければならない韓国に対して喧嘩を売る! 馬鹿の上に馬鹿を重ねて緊急事態条項という話! 」2019.10.3日号~No.2576号~(2019.10.3 8時00分)

 

2019年10月 2日 (水)

ジョン・ボルトン解任は朝鮮民主主義人民共和国に対するアメリカ政策に影響を与えるだろうか?

2019年9月28日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook

 2019年9月10日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官を解任した。彼のツイッターで、ボルトンの「貢献がせはやホワイトハウスでは必要でなくなった。」と大統領は述べた。「私は他の閣僚たちと同様、彼の提案の多くと非常に意見が違ったので、ジョンに辞職を求め、今朝受け入れられた」と大統領が書いた。更に彼はボルトンの貢献に感謝した。

 ジョン・ボルトンは2018年3月22日からこの地位についていた。国家安全保障担当補佐官在職中、アフガニスタンやイランやベネズエラや北朝鮮に対する彼のアメリカ政策に関し、時間とともに、ドナルド・トランプとの意見の相違が大きくなったため、彼の解任の可能性について時折話が出ていた。ジョン・ボルトンは、朝鮮民主主義人民共和国に対する好戦的姿勢を選び、平壌の短距離弾道ミサイル発射を一度ならず公式に非難した。2019年9月5日、この前国家安全保障担当補佐官は日本公式訪問中に、この状況に対して、発射に意味を置かず、「小兵器の実験」だと言ったドナルド・トランプの発言と全く異なる意見を表明し、平壌の行動は国連安全保障理事会制裁に違反していると述べた。それより前に、ジョン・ボルトンは、北朝鮮に対する先制攻撃について語っており、それが平壌で彼が「国家安全保障を傷つけた補佐官」とあだ名をつけられた理由だ。2000年代、彼は失敗した6者間交渉で重要な役割を果たしていた。

 ロイターによれば、ドナルド・トランプは、彼の解任についてコメントした際、ジョン・ボルトンがした多くの失敗を列挙した。例えば、彼は前国家安全保障担当補佐官が、金正恩に「「リビア・モデル」に倣って、全ての核兵器を渡す」よう要求して、金正恩の感情を害したと言ったが、2011年の出来事とムアマル・カダフィの殺害を考えれば、控えめに言っても奇妙なことだった。9月11日、ドナルド・トランプは記者に語った。「ジョン・ボルトンがリビア・モデルについて話をした際、我々は非常に酷く後退させられた。なんという大惨事」。彼はこうも付け加えた。「私は彼がその後に言ったことについて、金正恩を非難しない、彼はジョン・ボルトンには一切関係しようとしてしなかった。」

 だが、二国間協議が破綻の危機になったのを示唆する、北朝鮮に関する前国家安全保障担当補佐官発言が、彼を解任する決定で重要な役割を果たしたかどうかは不明確だ。この対話を維持するために、アメリカは手法を変えるのをいとわないことを示さなければならない。例えば、ブルームバーグは、その記事で、9月10日に大統領執務室で開催したイランに対する制裁に関する会議後、ジョン・ボルトンを解任する決断がされたと述べる三人の匿名情報提供者の言葉を引用した。手始めに、イランのハッサン・ロウハニ大統領とドナルド・トランプとの間で予定される交渉の準備で、スティーブン・ムニューシン財務長官は北朝鮮に対する制裁を柔らげる可能性を論じたが、ジョン・ボルトンはこのような動きに断固反対していた。

 更に、パックス・アメリカーナの威力を示し、「カラー革命」を組織化するための武力(先制攻撃を含め)の必要性に関する前国家安全保障担当補佐官による発言は、軍人の間で非常に不人気で、この言葉は、それが向けられた人々よりも、トランプ周辺の人々を恐れさせた。

 ジョン・ボルトンが去った今、次は何だろう? 既に反トランプの冗談好き連中は、解任は朝鮮民主主義人民共和国による推奨の結果起きたことを示唆している。他の連中は最近、朝鮮民主主義人民共和国外務次官、崔善姫が、アメリカと北朝鮮が、9月後半、機能する交渉を行うよう提案し、ワシントンが平壌への新たな取り組みするよう強く主張したことを指摘している。ジョン・ボルトン解任は、ワシントン・平壌間で対話を奨励するはずの、北朝鮮に対し、より抑制されたアメリカ政策が必要な斬新な手法を試みたいドナルド・トランプの意志を示唆している。

 韓国の保守派を含めて、全員が、この手法に満足しているわけではない。Park Wan Gon教授によれば、平壌との交渉再開の上では、ジョン・ボルトン追放はアメリカにとって戦術的利点になるが、それはおそらく、ワシントンの長期目標、つまり北朝鮮の完全非核化に影響を与えるまい。

 結局、再選の可能性を増すために、大きな外交的勝利を必要としており、ジョン・ボルトン解任は、大統領選挙戦立候補の上で、ドナルド・トランプの懸念が増大していることを示していると考える筆者もいる。だが、これまでのところ「大きな勝利」や、顕著な結果さえない。それにもかかわらず、ドナルド・トランプは、アフガニスタンであれ、イランであれ、北朝鮮であれ、少なくとも彼が成功裏に重要な外交政策問題を解決しているかのように見せる必要があるのだ。

 それ故、現在の状況では、ジョン・ボルトン退任後、ホワイトハウス・スタッフの専門知識レベルが下がっており、北朝鮮問題に関し、ドナルド・トランプが性急な解決に訴えるかもしれない中、トランプ政権の安全保障政策の不安定な性格への懸念が増大している。

 それでもジョン・ボルトンに代わるロバート・オブライエンの任命で明らかなように、これら政策の全体方向は変わらずにいる。新国家安全保障担当補佐官は、国際的調停交渉の上で目ざましい実績がある。彼は「力による平和」を提唱していることが知られている。彼の任命に好意的だったマイク・ポンペオ国務長官と、過去に働いたことがある。ロバート・オブライエンは、アメリカ国務省で、人質問題大統領特使だった、彼は中東とアフガニスタンで拘束された人質の解放に尽力した。本記事筆者としては、このような役割には、しっかりした交渉術が必要であることを強調したい。

 この文脈で、2016年に出版されたロバート・オブライエンの著書「While Ameria Slept アメリカが眠っていた間に」は特に興味深い。それは国家安全保障と外交政策に関する論文集で、懐柔と譲歩の手法だと著者がいうバラク・オバマの外交政策手法に批判的だ。彼の意見では、アメリカは、同盟者が信頼を持つことができ、敵があえて試そうとしない強い国になる必要があるのだ。それ故、韓国マスコミの記者たちは、北朝鮮との対話で、アメリカは、マイク・ポンペオがとっている強硬姿勢をとるだろうと考えている。

 一方、9月18日、ジョン・ボルトンは、現在の対朝鮮民主主義人民共和国政策が失敗する運命にあったと述べた。ドナルド・トランプは、問題を解決するためには「新たな手法」が必要だったと言って即座に反論し、彼の対北朝鮮政策がどれほど不首尾だったか、ジョン・ボルトンに再認識させた。

 結論として、アメリカ指導体制はある程度、分裂しており、実務家と、そのイデオロギー的な目隠しのため、現実を見ようとしない、かつてのソ連の指導者連中を思い起こさせる観念論者がいるのだ。著者の考えでは、ドナルド・トランプは前者の陣営で、他方、ジョン・ボルトンは後者の陣営だ。

 この見地から、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国間の関係を見よう。10年前、ジョン・ボルトンは、北朝鮮は、まだ悪で、この国とのいかなる交渉も、降伏の条件を論じる場合しか実行可能ではないと見ていた)。ハノイでの彼の発言が、サミットがなぜ失敗したかの理由の一つになり、両側が何も得ずに、交渉から去るよう強いられたのは偶然ではなかった。交渉の失敗に寄与した他の要因もあったが、ジョン・ボルトンの性格は決定的な役割を果たしていた。

 もし著者の仮定が実際に正しければ、二人の実務家、金正恩とドナルド・トランプは、北朝鮮核問題には、妥協解決はないという認識に到達して、事実上、交渉を休止すると決めたのだ。問題は解決できないかも知れないが、解決できるかも知れない。このような姿勢が、ジョン・ボルトンをいらだたせ、彼からすれば、これは茶番、あるいは、北朝鮮の核の現状を密かに承認するもののように見えたのだ。

 だがジョン・ボルトンが去った今、ドナルド・トランプが南北朝鮮間対話の進展を実現する保証ができるのだろうか? 前国家安全保障担当補佐官が行く手を阻む唯一の障害ではなかったのだから、答えは否だ。当事者たちの交渉する意志がたかまるにつれ、プロセスは勢いを増すことが期待できる。年末までに、金とトランプのサミットが再度行われ、その中で、北朝鮮提案が部分的に受け入れられるのが理想的だ。

 コンスタンチン・アスモロフは歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/28/will-john-bolton-s-ousting-affect-u-s-policy-towards-dprk/

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 人間も、組織も、生まれついた性格は変えられないもののようだ。

植草一秀の『知られざる真実』 立憲非民主党は分裂してその存在を終える

 興味深いイベントの知らせを見た。

日刊IWJガイド「本日です! ファンドレイジング・トーク・イベント『政府・メディア「共犯」の異常な嫌韓煽動のもとで考える~政治権力とメディア 』! ゲストは東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏、新聞労連委員長で朝日新聞記者の南彰氏、元朝日新聞記者で立憲民主党の公認で参院選に立候補した山岸一生氏! そして『権力はないがモノ言う権利はある市民』代表であり、落語家の立川談四楼さんの登壇も急遽決定! 一般の高座で聞けない政治的風刺のきいた落語の披露も! 司会進行は岩上安身! 残席わずかです! ペイパービュー(有料配信)でのご視聴申込も受け付け中! ペイパービューでのご視聴は10月31日までできます!」2019.10.2日号~No.2575号~(2019.10.2 8時00分)

2019年10月 1日 (火)

中国アメリカ貿易戦争は、イランにこう影響している

2019年9月18日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook

 8月最後の週、中国製品に新たな関税を課す決定をしたアメリカへの報復として、中国は、アメリカからの原油輸入を、初めて関税リストに追加した。中国は石油の約6パーセントをアメリカから輸入している。益々原油輸入に頼っている経済にとって、この決定には様々な重みがある。中国はアメリカ自動車輸入にも高関税を課す準備をしており、貿易戦争は今後も続く可能性が高いが、極めて重要な疑問はこうだ。中国は、なぜその経済の命綱、石油輸入に関税を課すのだろう? 一部の最新の数値によれば、中国の輸入原油への依存は、既に70パーセントに急増し、ガスの場合は、50パーセントへと動いている。指導部が最初に代わりの石油供給源を確保していなければ、中国が決してこのような決定をしなかったのは間違いな。ここでイランと、その安い/関税なしのイラン石油が登場し、中国がアメリカに対して、三つのレベルで対抗することを可能にする広大な地政学チェス盤が活性化するのだ。

 最初に、貿易戦争という点で、アメリカからの石油輸入に対する中国関税は、世界における「新チャンピオン産油国」としてのアメリカの立場を傷つけるだろう。第二に、地域の地政学という点で、イランからの石油輸入は、アメリカ制裁に直面しているイラン経済を後押しし、イラン経済が破綻させずに維持するのに役立つだろう。言うまでもなく、イランは中国の一帯一路構想が、アジアを越えて広がるための重要な領土リンクだ。第三に、もしアメリカと中国が貿易紛争で妥協に達し損ね、両国の経済的、政治的な関係が冷たいままとなれば、中国がアメリカ石油への依存を継続するのは大きな不利になるだろう。それゆえ、アメリカ石油から自由になることで、中国は、アメリカとの長期戦に準備しているか、少なくとも現在の紛争がすぐには解決しないと見ており、それ故、公然と抵抗することで、多様化に向かっての動いているのだ。

 中国は最近、四川省での国産ガス生産を、現在の需要の約20パーセントから、約33パーセントまで増加することに決めたが、これは中国のような巨大経済には十分ではない。それ故、イランの巨大な制裁されているエネルギー部門に対し、中国投資を増やすのだ。

 報道によれば、中国はイランの石油、ガスと石油化学製品部門に約2800億ドル投資する予定だ。この投資は、やがて中国が、イランのエネルギー製品を、アメリカ石油より確実に遥かに安い割引価格で購入するのを可能にするだろう。イラン石油購入に関与する中国企業をアメリカが制裁するリスクはあるが、中国はこれに対処する用意ができている。イランとの取り引きを始めるに当たり、イランとの経済的つながりがある企業や国に対して、アメリカが恫喝している「二次制裁」に、中国はおじけづかないと発表した。

 中国の決定には、地政学上の大規模な波及効果がある。イランから石油とガスを輸入するため、中国はトルクメニスタン-中国ガスパイプラインを拡大して、利用することが可能で、新パイプライン構築さえ可能で、そうすれば好都合にも、エネルギー需要を満たすのみならず、多くのアメリカに友好的な中東の石油とガス供給元、すなわちUAEとサウジアラビアへの依存を大幅に減らすことが可能になる。

 そこで中国は、イランの輸送・製造インフラにも約1200億ドル投資している。十分際立って、いくつかの経路で、中国が建設する、高速鉄道を含むこのイラン・インフラで、中国は、イランとトルコを経由するヨーロッパへの/からの陸路貿易と、イランの港を通した、中東、アフリカ、そして更に先との海路貿易のための追加経路を得られるのは重要だ。極めて興味深いことに、中国が注目している港町の一つはインドが築いたチャーバハール港だ。イランからの石油輸入をゼロにしろというアメリカの命令を、インドが完全に遵守しているため、インド・イラン関係がかなり悪化して、中国が入りこみ、場を占めることが可能になったのだ。

 中国の投資には、中国軍隊のイラン現地駐留が伴っている。アメリカに対する明確なメッセージとなるが、ライバル諸国が支援する非国家主体や、直接、ライバル諸国による妨害工作の企みから守るため、約5,000人の中国治安要員がイランに配備される予定だ。イランにおけるこの治安部隊が、現在アメリカがイラクに、あるいは2020年に、国防総省がアフガニスタンに残そうと目指しているものと同じぐらい大きいことは重要だ。同様に、アメリカ軍によるイランに対する、いかなる大規模攻撃や行動も、中国人軍事要員に命中して、軍事的にも、経済的にもアメリカを攻撃する能力を持った核保有国との緊張を急増させるリスクがあるため、(イラクとアフガニスタンで見られるような)いかなるアメリカ冒険主義も阻止する狙いがあるのだ。それ故、イランと中国間での本当の戦略的パートナーシップ実現が益々重要になる。これを結束させる力は、もちろん中国とイランに対するアメリカによる制裁と貿易戦争だ。

 同じ点を強調して、イラン外務大臣は環球時報の論説でこう書いた。「中国はイランの不可欠な経済パートナーになっており、両国は多くの活動領域で戦略的パートナーだ」、中国とイラン両国は「世界的な問題では多国主義を支持しているが、それは、これまで以上に攻撃されている」と述べた。アメリカを直接非難し、ザリーフは「中国とイランは、世界の公正なバランスがとれた通商関係を支持しているが、我々両国は、ポピュリストの単独行動主義の頑迷さによる海外の[アメリカ]敵意に直面している。」と指摘した。

 中国のイランにおける本格的駐留とアメリカへの反抗をいとわない姿勢は、中国の一帯一路構想や他の地域結合計画、すなわちユーラシア経済連合や上海協力機構を巡って「アジアの秩序」を構築しようとしているロシアやトルコやシリアやパキスタンを含めた国々にとって強力な後押しだ。格言が言うように、新秩序が出現するには古い物は解体されなくてはならない。中国の大胆な抵抗は、新秩序に向かう大きな一歩を意味する。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの対外、国内問題の専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/09/18/here-is-how-china-us-trade-war-impacts-iran/

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 東電無罪判決で指定弁護士が控訴

 植草一秀の『知られざる真実』の最新記事は 消費懲罰税が招くみぞうゆうの消費凍結大不況 冒頭の言葉 不気味なほどの静寂が日本経済を覆っている。

 再開は嬉しいが、東京からでかけるには、交通費が。

日刊IWJガイド「『表現の不自由展・その後』10月6日から8日に再開の方針で企画展実行委員会とトリエンナーレ実行委員会が和解! 河村たかし・名古屋市長は『会長代行なのに何も聞いていない』!?」2019.10.1日号~No.2574号~(2019.10.1 8時00分)

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