一体いつになったらロシア人は気がつくのだろう?
2019年10月7日
Paul Craig Roberts
次から次と続く侮辱にもかかわらず、哀れなロシア外務省は、いまだに問うている。「アメリカ当局は対話を正常化したいとは思っていないのだろうか?」https://www.rt.com/russia/470312-fbi-questioning-russian-mp/
もちろんアメリカ当局はそう思っていない。ロシア外務省は一体どれだけ証拠を必要とするのだろう? アメリカは、アメリカの法的管轄を遥かに超える外国で、ロシア国会議員の息子を逮捕し、いんちき裁判のために、ワシントンに拉致した。アメリカは、アメリカ国内で、ロシア人女性マリア・ブチナを逮捕し、スパイ行為のかどで、偽って告発し、懲役刑に処した。このリストは延々続く。最近アメリカは、アメリカ人とロシア人が直接お互いに話ができる年中行事のフォートロス対話フォーラムに参加するため、アメリカに招かれたロシア下院議員インガ・ユマシェワを尋問のため拘留した。
ロシア政府のメンバーでさえ、彼らがワシントンの凶悪犯によって誘拐されかねない、アメリカやロシア国外のどこかに、ロシア人が出かけるのが危険なのをロシア政府は理解できるのだろうか?
ワシントンが外交特権に違反して、ニューヨークとワシントンとサンフランシスコのロシア領事館と貿易代表部の支配を掌握した後、ロシア人は、アメリカが暴力団国家なのをどうして理解できないのだろう? ロシアは一体どうやって、アメリカ暴力団国家と正常な関係を持てるのだろう? ロシア政府には明白な事実を認識する能力がないのだろうか?
ロシア政府が、とんでもない侮辱を進んで受け入れれば、一層多くの侮辱を促進するだけだ。侮辱は悪化するだろう。プーチン自身がアメリカに入国して拘留され尋問された場合、ロシア人は再び、いくじなく文句を言うのだろうか? 実際、彼はアメリカ大統領選挙への干渉容疑で逮捕され得るのだ。ロシア政府は再びワシントンの前にひれ伏すのだろうか? 一体いつ、ひれ伏すのを止めるのだろう? ロシア政府が本質的に反撃するまで、侮辱は5から10倍に増大し、悪化するだろう。ロシアがワシントンの歯をへし折るまで、ロシアに対する侮辱と虐待は止まるまい。時間は最も重要だ。
女性や子供を殺すことしかできない臆病なイスラエル軍が、小さなヒズボラ民兵に、二度もレバノンから追い出されたのと全く同様、20年たっても、アフガニスタンで数千人の軽武装タリバンを打ち破れないことが分かった、破綻して、社会的に劣化しつつあるアメリカを、ロシアがそれほど恐れる理由などない。
ロシア政府は、モスクワ選挙で、与党の実績に悪影響を及ぼした最近の抗議行動や混乱をもたらすため、CIAが運営しているロシア国内の破壊的組織NGOに、アメリカとヨーロッパのアメリカ属国諸国が資金供給するのをなぜ許して、世界中の至る所で痛烈な悪評を招いているのだろう? ワシントンとの和解より、ロシアの独立を支持する票の急落は、アメリカ宣伝の成功のせいではなかった。それは、ロシア選挙で、彼らの政府が、ロシアをアメリカの介入から守らないという愛国的ロシア人の嫌悪に起因するのだ。
アメリカから融資を得ているNGOの活動に対する中国政府の無頓着さの結果である香港の紛争に、ロシア政府は気づかないのだろうか? なぜロシア政府は同じ経験をしようとするのだろう? 中国当局者と同様、多くのロシア当局者がワシントンに買収されたのだろうか? ロシアや中国では、反逆罪は、どれぐらい、はびこっているのだろう?
ワシントンは、覇権を行使するつもりの危険な敵国だという事実に、ロシアと中国とイランは直面できないように思われる。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/10/07/will-the-russians-ever-learn/
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衆院予算委国会中継、野党質疑だけ、音を出している。通告がないといって答えないタレント議員の「謙虚で」「丁寧な」回答など全く期待していない。
巨大台風の東京直撃、大丈夫かと、外国の知人からメールをいただいた。友人との久しぶりの飲み会も延期になった。
『江戸の川・東京の川』という本を最近読んだばかり。かつて、川は高速道路、新幹線のような運送の大動脈だったが、明治以降、鉄道と自動車の出現により、川は次々埋め立てられた。洪水、高潮による出水常襲地帯は、住宅地としては敬遠された。しかし、広大な平地と工業用水が地下水のくみ上げによって安く容易にえられる利点は、工場経営にとっては、ひんぱんにおこる出水という欠点をおぎなってあまりあるものがあった。その結果、そこは工業地帯になった。そして起きたのは、実質百分の一以下の価格の地下水を汲み出し続ける典型的な外部不経済による地盤沈下だった。
江東区東陽四丁目の水準点九八三二号の場合、大正七年から昭和四八年の五五年間に四五五・八センチの沈下を記録している。
そして
「工業国の論理」は、こうして東京の水路をたんなる水たまり化、いや危険きわまりないものに変質させ、江東地区全体は取り返しのつかない荒廃においやられた。
天災ではなく人災?お二人のインタビューを再度拝見しよう。
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