日本-アメリカ関係: 議会にとっての諸問題 議会調査局 2014年2月20日
アジア状況分析
2014年2月20日
安倍と歴史的諸問題
安倍首相は、同盟の強力な支持者であり、日本軍の能力と柔軟性を強化する野心的計画も抱いている。しかしながら、防衛協力を大幅に増強する為には、憲法上、法的、財政的、および政治的な障壁が存在している。最も顕著な論議は、日本軍の集団的自衛に、自ら課した参加禁止の、緩和、あるいは廃止に関するものだ。そのような施策は、国民と諸政党の反対に直面する。更に中国と韓国の指導部は、第二次世界大戦時の日本の行為に関する彼のこれまでの発言ゆえに、安倍を信用していない。北京とソウルの疑念も、安全保障の役割を拡大しようという日本の取り組みを複雑にしている。
2013年末、日本は、北朝鮮の安全保障上の脅威と、東シナ海の一連の島嶼を巡る中国との領土紛争に関する懸念を反映した二つの新たな文書を発表した。“防衛大綱”(NDPG)は、継続する中国の侵害による、領土に対する脅威に対処する能力を、様々な新しい軍用装備品購入と、諜報・監視・偵察(ISR) 能力強化によって日本が強化することを強調している。防衛大綱は、国際作戦において、他の国々と協力し、日本がより大きな役割を引き受ける“積極的平和主義”と呼ばれる新たな防衛アプローチをも呼びかけている。防衛大綱は、日本の“平和に対する積極的な貢献”を呼びかけ、“複雑かつ深刻な国家安全保障上の課題”に対処する為、国防費支出の更なる増大の概略を記した、日本として初めての“国家安全保障戦略”の発表によって補強されている。
憲法上の制限
アメリカ合州国と、より強固に協力する日本の能力を、幾つかの要素が制限している。
最も重要かつ基本的な制限は、戦後占領中、アメリカ当局者が草案を書いた、日本は“国権の発動たる”戦争を放棄し、“交戦権”を認めないとする日本国憲法第9条だ。憲法は“陸海空軍その他の戦力は、これを保持してはならない。”と規定している。しかしながら、日本はこの条項を、国家防衛の目的の為には軍隊を保持できると意味すると解釈し、1991年以来、様々な国連の平和維持任務や、イラクにおけるアメリカが率いる連合等で、海外での非戦闘的役割への自衛隊参加を認めてきた。
“集団的自衛”の原則も、密接な防衛協力に対する障害と見なされている。この言葉は、加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではないと規定する、国連憲章51条に由来する。日本政府は、日本は集団的自衛をおこなう主権を有していると主張しているが、1960年の内閣法制局による憲法解釈で、日本自身を防衛する為に必要な最小限の武力行使を越える可能性がある為、集団的行動を禁じると決定されている。とはいえ、非戦闘の兵站作戦や、他国の後方支援への参加は、集団的防衛の枠外とみなされている。安倍首相は、この制限は再検討すべきだと再三提案しており、この動きは、過去、アメリカ当局によって歓迎されてきた。
日本軍のイラク配備中、この解釈の為、自衛隊は、他国の軍隊を防衛することができなかった。日本のイージス駆逐艦は、そうした艦船に対する攻撃に反撃することは認められないのだから、アメリカ戦艦の近くではレーダーを使用してはならないと主張した日本人批判者達もいた。アメリカ合州国と日本の、ミサイル防衛作戦における統合が進むにつれ、集団的自衛禁止は、日本の司令官達は、一体どのようにして、アメリカ軍、あるいは日本軍自身、どちらが標的になっているのか判断するのかという疑問をも生み出している。現在の解釈の下では、日本軍は、もしアメリカ合州国が攻撃された場合に反撃できない。
海上防衛協力
日本国憲法は、公海において、海上自衛隊が、連合軍艦船を防衛することを禁じてはいるが、海軍は、主要海上交通路 (SLOC)も護る。日本が提供した最も大きな支援は、アメリカの作戦に対する支援は海上自衛隊によるものだった。インド洋で、不朽の自由作戦で活動する多国籍軍艦船への燃料補給や、時には、イージス駆逐艦護衛、2004年12月インド洋津波後の災害救助支援用に数隻の艦船、ヘリコプターや輸送機派遣、大量破壊兵器の拡散防止イニシアチブ(PSI) 多国籍軍演習への参加、ソマリア沿岸での対海賊任務用の海上自衛隊艦船配備がある。
安倍の優先事項
自民党内部でのこうした傾向にもかかわらず、安倍は、第9条等の憲法の安全保障に関わる条項を改訂する遠大な提案を優先させるつもりはないと述べている。この決定は、多数の政治的計算に基づいたものである可能性が高い。第一に、2013年7月の選挙で、自民党が、安倍が日本国憲法改訂するのに必要な三分の二という過半数をえられなかったことがある。第二に、公明党指導部が、国家安全保障問題で、公明党の平和主義の原則を守るより、自民党との連立維持により大きな優先順序をおいていることが多いとは言え、自民党の連立相手、公明党が、日本の集団的自衛禁止を弱めたり、なくしたりする取り組みに反対していることもある。そこで、もし安倍が、日本の軍事力運用に対する、ある種の法的、政治的制限を緩和、あるいは廃止するという彼の計画を推進しても、自民党与党連合が危険にさらされる可能性は低い。とはいえ、公明党の姿勢は、安倍がその安全保障計画を推進するためには、他の党の保守派による支持に頼らねばならないことを意味しよう。結論としては、憲法の安全保障条項の改訂に対する国民の支持が近年増加しているとは言え、日本の有権者を分裂させる、極めて論争を呼ぶ話題であり続けている。
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ビニール?カバーがかかっている本を買うのはしさひぶり。胸をかかえた美女の表紙に、女性名がずらり並ぶ本、レジのいつもの女性に差し出すのは、いささかためらわれた。家人に文句を言われまいか?しかし、どうしても見たい、我慢できない。えい、ままよ、と羞恥心を押さえ、購入した。
この記事の話題、憲法破壊に反対する方々の記事を読みたくて、街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋で紹介された週刊誌を買ったにすぎない。
2014年7月9日 ご存じですか「国民安保法制懇」週刊プレイボーイを買おう
集団的自衛権で日本の〝平和ブランド〟が崩壊する
ISD記事でも、やはりブログのご紹介を拝読、購入にでかけたものだった。
息をするようにウソをつく属国傀儡クチパク人形?やら、売女マスコミ洗脳記事を読むより、宗主国が書いている大元シナリオを読むうほうが、遥かに効率が良い。全て筋書き通り。
2014年2月20日、5ヶ月前に公表されたアメリカ議会図書館文書のpdf、憲法9条、集団的自衛権にかかわる部分のみ翻訳したもの。翻訳は例によりいい加減であり、またこの40ページを越える文書が扱う範囲、実に広い。
暑い夏の夜、お化け屋敷に行かずとも、ただで寒けを感じられはず。TPPや並行協議も詳しくかいてある。下記原文pdfにあたって、ご確認願いたい。
Japan-U.S. Relations: Issues for Congress
Analyst in Asian Affairs
February 20, 2014
Congressional Research Service
イラクで、自衛隊輸送機が、武装多国籍軍兵士を多数輸送していた不都合な具体的事実にはこの文書は触れていない。
とはいえ、非戦闘の兵站作戦や、他国の後方支援への参加は、集団的防衛の枠外とみなされている。
と、曖昧にかわしている。
集団的自衛権行使はまずいという判断だった時期のイラク派兵で、属国、武装した多国籍軍兵士を多数輸送したのだ。まして「おおっぴらに集団的自衛権行使」という売国発言をした後、法律なる代物を整えて、ドレイモンのドコデモ「砲弾の餌食」ドア全面開放となるだろう。その結果は前回記事通り。
大本営広報部が決して報じない話題、下記IWJの再掲載記事も必見。
「同じ思いをする自衛隊員を増やしたくない」 米軍と自衛隊が意図的に隠蔽? クウェートで米軍車両にはねられた元自衛官・池田頼将氏が告発
岩上安身よりみなさまへ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107798
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