“GMOの魔神を瓶に戻すロシア”
F. ウィリアム・イングドール
公開日時: 2014年5月19日 14:46
ロイター / Eduardo Munoz
ロシアには地球上で最も貴重な汚染されていない表土の一部があり、それを厳格に管理して、ずっとGMOフリーのまま、農薬無しのまま維持できれば、生産性は増し、一方ヨーロッパの生産性は低下すると、地政学専門家のウィリアム・イングドールがRTに語った。
ロシア首相は、GMOを禁止する草案を熟考した。ロシア議会に提出された草案は、GMOの製造と流通を、テロになぞらえている。世界貿易機関加盟後、ロシアは、国内市場でのGM食品生産と流通を認めるものと期待されていた。ところが、3月にロシアのプーチン大統領がロシアは、WTOの義務に違反することなく、GMフリーに留まるつもりだと発言した。
RT: 規則を愚弄するGM生産者をテロリストになぞらえるロシア議会の最新法案についてはどうお考えですか。いささかやりすぎでしょうか?
ウィリアム・イングドール: ロシアのメディア・ブログでの表現は、そうと知りつつ、GMO作物をロシアに違法に持ち込むことに対する懲罰は、そうと知りつつ、人々を傷つけるテロリストに対して課される懲罰に匹敵するべきだというものです。植物や生物の遺伝子操作と呼ばれている魔神を止め、瓶の中に戻すというこの方向は、人類の未来の為に良いことです。GMOによっては収穫が20パーセント増加するというような発言は、全くのたわ言です。GMO作物は収量を増すために組み換えられているわけではありませんから、世界中のどこにも、GMO作物で長期的な収穫増加が証明されたことはありません。ですから、モンサント、シンジェンタやGMO巨大企業が、人々に何か良いものであるかのように思わせようとして発表しているものは、はかない見かけ倒しにすぎません。
RT: この施策は、採用された場合、市場のGM製品の数を減らすことになるでしょうか?
WE: そうなるよう望んでいます。私は法律の文章を見ていませんが、WTO加盟後、ゴーサインの様に見えていた、GMOに対するこのUターンという意味で、メドベージェフ首相が、二、三ヶ月前、方向示したように思います。一年前には、ロシアでは、GMOがありふれたものとなりそうに見えており、そうなっていたら悲惨なことでした。ロシアには、地球上で最も貴重な、破壊されていない表土があり、この表土が豊饒だということで、もしそれが、GMOフリーとなるよう厳しく管理されれば、ラウンドアップや、シンジェンタお得意の毒アトラジンの様な化学薬品が無い状態にしておければ、有機認証を受けたものとして、世界市場向けに販売されれば。欧州連合や他ではそういうものが非常に不足していますから、ドイツや、西ヨーロッパは、ロシアの巨大輸出市場になるということが重要だと思います。ロシアGMOを阻止する為、EUは、いかなるGMOの商業栽培も、長年承認していないことを肝に銘じるべきです。ブリュッセルの腐敗した欧州委員会が、何としても推進したがっているにもかかわらず、EU内には、モンサントに対しては、非常に大規模な大衆の、あるいはドイツ政府内部でさえ反対があるのです。国民はこの点、全く頑固で、食べ物の中にこうしたものが入るのを嫌がっています。
RT: うっかり遺伝子組み換え食品を購入してしまうことを、一体どうすれば消費者は防げるでしょう?
WE: 実に簡単なことでしょう。そもそもカリフォルニア州がやろうとしたことを真似する事が可能で、モンサントは何百万ドルも費やして妨害しましたから、またそうしようとするでしょう。ワシントン州もそれを試み、同様にモンサントが何百万ドルも費やして、インチキなロビー活動を始めました。バーモント州はそれを試みて、0.9パーセント以上のGMOを含んでいる製品に品質表示させることに成功しましたが、これはEUと同様です。棚で表示されるのです。ケロッグ・コーンフレークの箱を買う際には、子供が食べようとしているコーンフレークに、GMOコーンが入っていないかどうか、あるいは、このGMOゴミが、ケロッグが大いに処分したがっているものかどうか、必ず確認することです。それが一つのステップです。もう一つは、人々が自分達が食べるものについて、しっかり勉強することです。現地農家を支援することです。それは技術に反対するものではありません。ドイツでも、ヨーロッパの他の地域でも、適切に行われた有機農業が工業化された農業より収穫高が多いのを、私は実際に見ています。生産性はより優れていて、品質もより上質です。放し飼いで育てられた家畜、草で育てられた牛鶏は、本当の牛や鶏で、我々がヨーロッパやアメリカで、巨大チェーン店スーパーマーケットの棚で買うような人工的疑似肉ではありません。ですから、これはロシアが出来る非常に前向きな貢献です。
ウィリアム・イングドールは、受賞した地政学専門家で、戦略的リスク・コンサルタントで、世界的ベストセラーの著書は13言語に翻訳されている。
記事原文のurl:rt.com/op-edge/159948-gmo-food-russia-law/
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日々大本営広報部の記事を読んでいてさえ、売国与党、日本を「ドレイもん」にして、「どこでも派兵ドア」を作れるよう、憲法破壊容認を推進するつもりであることはわかる。
見聞きするのに耐えないので、ご尊顔が現われるやいなや、音を消し、切り換えている。見ている国民の皆様、ご自分の肉親は絶対に大丈夫という確信をお持ちなのだろうか?何か神社のお守りがあるのだろうか?
ウィリアム・イングドール氏の著書翻訳、いずれも品切れか絶版の様で残念。
陰謀論の類とは思えないが、入手困難なのは不思議。
「アラジンと魔法のランプ」と「漁師と魔神」の話をごちゃまぜにして覚えている。
瓶・壺から魔神が出てくるのは、千夜一夜物語、漁師と鬼神との物語(第3夜 - 第9夜)
毎晩、王様に話を語り、毎晩若い女性と一夜を過ごしては、殺す習慣を止めさせたのが、シェヘラザード。伝説上のイラン王妃。
魔神と訳した、Genie、もとはアラビア語のジンをそのまま転写したjinnから。意味は同じ。
素人、千夜一夜物語より、リムスキー=コルサコフの美しい交響組曲を思いだす。
ロシアでは、GMO魔神、瓶に閉じ込められる可能性大だが、この島国では大々的に解放される。子泣き爺のような方による奮闘努力のおかげだろうか。食料安全保障のことは、全くふれず、TPP推進を説く、大本営広報部の理不尽さ。
GMOだけではない。放射能も出し放題。漏れ放題。事実を書くと弾圧される。幸徳秋水の大逆罪でっちあげ、小林多喜二虐殺、遠い昔の歴史ではなくなりそうだ。直訴状を幸徳秋水に書いてもらった田中正造、反戦・非戦論者でもあった。外に出て戦争するまえに、国内の鉱害を何とかしろ。という正論、受け入れられなかった。
この国では、「集団的自衛権」容認解釈という魔神を、壺から出そうとしている。一度出したら一貫のおわり。暴れまわって、手がつけられなくなる。おとぎ話のように、まんまと壺の中に戻すわけには決して行かない。その時になれば、皆様も気がつくだろうが手遅れ。
宗主国が救出した在外日本人がのっている宗主国艦船を守らないでどうしますか?と呼吸するのと同じ位、平然とトンデモ発言をするトップ氏が語っても、国内におられる膨大な避難民の方々を放置しているくせに、という全うな御意見が多い。正造もそう言っていた。戦争より、谷中被害民救援が先だと。
明治37年11月26日 三宅雄二郎宛書簡 田中正造文集(二)33-34ページの一部をご紹介しよう。
○戦争ノ罪悪ハ論を要せず。然れども真面目の志士ガ学文上の見解よりして、戦争ハ必用なりとする事ありとするも、我国の内政の如き、公盗横行の政府こして妄りニ忠直の人民を殺す事を敢てするものゝ戦争を奨励するに至りて言語道断なり。
現在の形勢、戦争の勝敗よりハ寧ろ戦争ニ死するものよりハ寧ろ内地ニ虐政ニ死するもの多からん。虐政に死するものも即ち名誉の戦死なりと云はざるを怪めり。○彼の人為の大加害者あり。鉱毒地の惨状を代表せる谷中村問題の如き同国同胞人ニ捨てらる、そもそも何んの故なるをしらず。今ニして政府ハ詐術の報告をなして国民を欺きて憚らず。
且この窮民を虐待し、甚しきハ出兵者の父母妻子をも政府の毒手を以て殺すものなり。
長次男ハ戦争場ニ敵ニ殺され、その父母ハ我崇敬する政府の毒手ニ殺さるゝとせバ、これ一戸中内外二様こ死者を生ずるなり。○但し一般出兵軍人中窮困者あり。然れども未だ政府が手を下して軍人の父母妻子ハ殺さゞるなり。殺さるゝもの独り鉱毒地方の貧者のみなるか。
政府中官吏多シ。中ニハこれを怒る義憤の官吏もあるべきに今ハ陽ニこれを見ず。議員中ニこの義憤者あるべきニこれを見る事甚だ稀れなり。学士中この義憤者あるべきに御存知の如くこれまた甚だ稀れなり。
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