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2013年4月27日 (土)

大虐殺と二重思考のオーウェル風戦争国家

ノーマン・ソロモン

Global Research

2013年4月17日

ボストン・マラソンで、あれほど酷く人々を殺害し、障害を負わせた爆発の後、アメリカの政治とマスコミは心からの思いやりと、ジョージ・オーウェルが“不都合になったあらゆる事実を進んで忘れようとすること”と表現した反射的“二重思考”に溢れている。

全米のマスコミに同調して、ニューヨーク・タイムズは水曜一面に恐ろしい見出しを載せた。“ボストンの爆弾は人に重傷を負わせるよう爆薬が詰め込まれていたと当局者は述べている。”記事は報じている。釘やボールベアリングが圧力釜に詰め込まれており、“金属の鋭い破片を爆発の威力が及ぶ範囲内の誰にでも打ち込むよう仕掛けられていた。”

粗野な重量450キロのCBU-87/B弾頭は“複合効果爆弾”に分類され、14年前、アンクル・サムという名の爆撃機によって実用に供された。アメリカ・マスコミの報道は簡潔で、つかの間のものだった。

ある金曜の昼、ニス市の野菜市場の近くに、アメリカが率いるNATO軍がクラスター爆弾を投下した。“爆弾は総合病院の隣、市場近くに命中し、死者や破壊を生み出し、セルビアで三番目の大都市の街路に金属片をばらまいた”サンフランシスコ・クロニクルの特派員が、1999年5月8日に報じている。

そして: “市場に向かう通りには、血の海の中のニンジンや他の野菜の間に、バラバラになった遺骸が散乱していた。ある亡くなった女性は遺体をシートで覆われていたが、ニンジンで一杯の買い物袋をしっかりと握っていた。”

クラスター爆弾は“空中で爆発し、広範な範囲に金属片を飛ばす”ことを指摘して、BBC特派員ジョン・シンプソンはサンデー・テレグラフに書いている。“人間に対して用いられた場合、クラスター爆弾は、現代の戦争で、最も野蛮な兵器の一種だ。”

粗野な連中は、その使用を排除しなかった。実際問題、最高司令官ビル・クリントンや、アメリカ政府内で優勢な軍国主義者達、粗野な連中は、クラスター爆弾の長所に夢中だった。それぞれの爆弾が、兵器メーカーが“ソフト・ターゲット”と呼ぶ標的の体内に、最大60,000個のギザギザの鋼鉄片を送り込めるのだ。

ロサンゼルス・タイムズの並外れて熱心な記者ポール・ワトソンは、ユーゴスラビアのプリシュティナからこう報じている。“現地の目撃者はこう言っている。5週間の空襲の間、NATO戦闘機が、より小さな爆弾を広範な地域にまきちらすクラスター爆弾を投下した。軍事用語で、より小さな弾薬は、小型爆弾、ボムリットと呼ばれる。外科医でプリシュティナ中央病院の院長のラデ・グルビッチ医師は、ほとんど穏やかな小型爆弾という表現が隠している悲劇的な影響の証拠を、毎日目にしている。グルビッチ医師は、他の男の子達が土曜日に見つけたクラスター爆弾で遊んでいた際に負傷した二人のアルバニア人の男の子の命を救ったが、これほど多数の切断術をしたことはなかったと語っている。”

ロサンゼルス・タイムズ記事はグルビッチ医師の言葉を引用している。“負傷者が多い危険な地域で働いて15年になりますが、私も同僚も、クラスター爆弾によるものほど恐ろしい傷は見たことがありません。”彼は言い足した。“こうした傷は、かなり重い障害をもたらします。四肢はひどく粉砕されてしまう為、残された唯一の選択肢は切断です。実にひどいものです。”

新聞記事は続く。“NATOの空爆が3月24日に始まって以来、プリシュティナの病院だけで300人から400人のクラスター弾で負傷した犠牲者を治療しましたとグルビッチ医師は言う。これら犠牲者のほぼ半数は一般市民だと彼は言う。数値はクラスター爆弾で死亡した人々の人数を含んでおらず、ユーゴスラビアの他の地域での負傷者を数に入れていないので、死傷者数はおそらくずっと多いでしょうと彼は言う。‘大半の人々は、投下されてからしばらく後に爆発する時限クラスター爆弾の犠牲者です’と彼は語っている。”

後に、侵略時と占領初期、アメリカ軍は、アフガニスタンにクラスター爆弾を投下し、イラクで、クラスター爆弾を発射した。

現在アメリカ国務省は、こうした兵器を法的に禁止することに反対し続けており、公式ウェブ・サイトでこう宣言している。“クラスター爆弾は軍事的な有用性を実証している。これをアメリカの武器備蓄から無くすことは、兵士や同盟軍の兵士の生命を危機にさらすことになる。”

国務省意見書は更にこう書いている。“しかも、クラスター爆弾は、同じ作戦に使用された場合、より大型の爆弾や、大型大砲の砲弾等の単一爆弾がもたらすより、巻き添え被害がずっと少ないことが多い。” おそらく、ボストンで使うため、釘やボールベアリングを圧力釜に詰め込んだ爆破犯(複数)にも、同様の倒錯した論拠があるのだろう。

しかし、アメリカの日刊紙や商業放送、あるいはNPRの“モーニング・エディション”や“オール・シングズ・コンシダード(総合的に考える)”やPBSの“ニューズアワー”の類による、そうした事の吟味を期待してはいけない。話題が殺害や負傷に及ぶと、こうしたメディアは、当たり前のように、アメリカ政府は道徳的に高尚だという立場をとる。

小説『1984年』で、オーウェルは、“あたかも本能的に、あらゆる危険な思考の発端で、寸前に考えを止め...異端の方向に進みかねない、どのような思考の脈絡にも、飽きてしまったり、嫌悪感を抱いたりする”条件反射について書いている。

二重思考は、マスメディアによって継続的に強化され続けており、皮肉が通じない地帯の中で依然残っていて、知的道徳的一貫性に対しては、さほど有害ではないにせよ、ただの自虐も同然だ。

ボストンのゴールで殺されたり負傷したりした子供達についてのあらゆるニュース報道とゾッとするような四肢の喪失についての記事で、グルジュンマという名の幼い女の子を思い出した。2009年夏のある日、アフガニスタン人難民キャンプで出会った時、彼女は7歳だった。

当時私はこう書いた。“グルジュンマは、昨年のある朝、南部アフガニスタン、ヘルマンド渓谷の家で寝ていた時に起きたこと話してくれた。朝5時頃に爆弾が爆破した。家族の何人かが亡くなった。彼女は片腕を失った。”

カーブル郊外の難民キャンプでは数百家族が惨めな状況で暮らしていたが、アメリカ政府は何の支援もしていなかった。アメリカが彼等を爆撃した時が、グルジュンマと父親が、アメリカ政府と意味のある接触をした最後の機会だ。

戦争は抽象化を糧にして栄えるが、グルジュンマは抽象どころではない。彼女は、ボストンのゴール付近での爆破で、命が永久に失われてしまった子供同様、抽象ではない。

だが、ボストンでこれほどひどく傷つけられた子供達の尊さを伝える、まさにその同じアメリカのマスコミは、グルジュンマのような子供達にはほとんど関心がない。

4月7日、東部アフガニスタンで、11人の子供が、彼女より更に不幸な目にあって間もなくのニュース報道と恐ろしい写真を目にした際に、再び彼女を思い浮かべた。あの子供達は、アメリカ/NATO空爆で殺された。主流派アメリカ人ジャーナリストにとっては、それは大した話題ではない。アメリカ高官にとっては、大騒ぎするほどのことではない。

“サーカスの犬は調教師が鞭を鳴らすとジャンプする”とオーウェルは書いている。“しかし本当に良く訓練された犬は鞭がなくともとんぼがえりする。”

ノーマン・ソロモンは、RootsAction.orgの共同創設者で、Institute for Public Accuracyの創設者、理事長。著書に“War Made Easy: How Presidents and Pundits Keep Spinning Us to Death”等がある。彼はPolitical Culture 2013コラムを執筆している。

記事原文のurl:www.globalresearch.ca/the-orwellian-warfare-state-of-carnage-and-doublethink/5331837

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副総理がCSISで、実に楽しそうに、とんでも発言をしているビデオを見ながら、先日浅草観音境内でみた猿まわしを連想した、と前の記事にかいた。

宗主国御用達、自民、公明、みんな、維新、民主等の政治家諸氏、ノーマン・ソロモンがオーウェルを引用して言う“本当に良く訓練された政治家で、鞭がなくともとんぼがえりする”見本なのだと納得。

売国行為をしている等と全く考えず、彼等が自然に発想する考えが、全て自然に売国行為なのだ。それ以外ありえない、と、4/28売国記念日を前に思う。
自分が売国行為をしていると認識して、ニコニコ微笑みながら、自信を持って、売国行為などできるはずがない。

もちろん、ノーマン・ソロモンなり、引用元のオーウェルなり、「良く訓練された犬」に例えたのは、「マスコミ」なのだが。(上記表現、まっとうな日本語翻訳は、オーウェルの『気の向くままに 同時代批評 19430-1947』「新聞の自主規制」、241ページをご覧願いたい。)
政治家、マスコミ、御用学者、組合、そして国民も、皆訓練が行き届いているこの国。メーデーに社民党を呼ばず、TPPを問題にしない巨大組合、という第二人事部。

訓練を受け付けず、宗主国大企業による支配を制度化するTPPの本質を追求するジャーナリズムも、まれにある。

IWJの岩月弁護士インタビュー、見ていて血圧があがりそうに感じる。実際は、正常血圧で影響はないが。もちろん岩月弁護士や岩上安身氏が理不尽なことを言っておられるわけではない。TPPが絶望的に売国的条約であること、それを売国政治家、売国官僚や売国企業幹部が平然と推進していることに、怒り心頭というわけ。

我々は宗主国に、食肉として売り飛ばされる太らされた豚同然。
日本の支配者階層は巨大な豚・牛農場経営者のようなものだろう。庶民を牛・豚と一緒に思っていなければ、自国民を宗主国の侵略戦争の鉄砲玉に捧げる気にはなれるまい。

岩上安身氏と岩月弁護士の姿、小選挙区導入時に、孤軍奮闘された石川真澄記者を思い出す。

もし~だったら?での本の引用を、明日に向けて再度くりかえさせていただく。

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書)前泊 博盛 (編著)

首都圏にある「横田ラプコン」という米軍の支配空域。福生にある横田基地が管理している。属国状態を放置して、宗主国ネオコンの本拠で「尖閣」を叫んだ売国政治家のインチキさ。良く訓練された大本営広報部、首都東京が宗主国に制圧された状態にある事実には一切触れない。

首都の主権侵害から目をそらし、尖閣を叫ぶ老害政治家、福島第一原発から出た・出ている大量放射能に全く触れず、中国大気汚染を云々して人心攪乱するマスコミと一心同体。安保村・原発村住民のお手本。

71ページ

日本の首都である東京は、こうした巨大な外国軍の支配空域によって上空を制圧されています。

72ページ (太字加工は当方によるもの)

こうした世界的に見てきわめて異常な状態にある首都東京の知事が、その
ことも解決できないうちに、なぜかはるか遠くの東京都とはなんの関係もないような小さな無人島(尖閣島)の件で「愛国心」をあおって自分の政治的立場を強
化する。私たちはそうしたことのおかしさに、すぐに気づくことができるようになる必要があります。本当の愛国者なら、すでに自国が現実に支配(実効支配)している無人島について問題を提起するよりも、まず首都圏全域の上空に広がる外国軍の支配空域について返還交渉を片づけることのほうが、もちろん優先順位が高いはずだからです。
これからは首相であれ、東京都や沖縄であれ、そうした異常な状況の解消に努力する人でなければ当選しない。そのような投票行動が日本人の常識になって欲しいと思います。

いよいよ明日は属国記念日。

公平の為書いておこう。素晴らしい朝刊インタビューもある。2013年4月27日(政治を話そう)主権と回復 片山杜秀慶応大学教授 支配層インチキの的確な批判。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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