汚染されたアメリカ
Paul Craig Roberts
2013年2月24日
アメリカ合州国では、あらゆるものが汚染されている。
民主主義は、既得権益連中や腐敗した政治家で汚染されている。
責任は、法律や憲法から免除される行政府や、大企業がアメリカの選挙を金で買う権利を最高裁判所によって認められている類の、大企業に対する特別な法的特権によって、汚染されている。
憲法は、憲法の禁止事項を行政府の権利へと転換した腐敗した法律解釈と、法律を国民を保護する楯から、政府手中の武器へと転換した、ブッシュとオバマ政権によって汚染されている。
水は、有毒廃棄物流出、油流出、化学肥料流出で汚染され、赤潮や酸欠海域を生み出し、鉱山から放出される酸のおかげで、プリムネシウム藻等の有害な藻が生まれ、フラッキングで使用される有害化学物質や、フラッキングによって井戸や帯水層に放出されるメタンのせいで、フラッキング作業場近隣の家庭には、シャワーを浴びる際、窓を開けるよう警告する結果になっている。
土壌の肥沃さは損なわれ、作物には大量の化学肥料が必要だ。土壌は、果てしない種類の毒物で汚染されており、今やGMO作物に噴霧する、モンサントのラウンドアップ除草剤の主成分グリホセートもある。グリホセートは今や井戸、川や雨にも出現している。
空気は、様々な物質で汚染されており、幼児、老人や、喘息を患っている人々は家の中に留まるよう警告される日がある多くの大都市が存在する。
こうした費用を考慮に入れないことで得られる利益を積み上げている大企業によって、こうした費用の全てが、社会や一般市民に押しつけられている。規制されない資本主義はそういう形で機能する。
我々の食べ物そのものが、抗生物質、成長ホルモン、殺虫剤やグリホセートで汚染されている。
グリホセートは、これまで開発されたものの中で最も危険なものかも知れない。科学者の中には、グリホセートは主要穀物を絶滅させる可能性があると考える人々がいるが、今やオバマの農務長官トーマス・ヴィルサックが、遺伝子組み換えラウンドアップ・レディー・アルファルファを承認してしまったので、持続可能な乳と肉用の家畜の群れを維持することが不可能になりかねない。
アルファルファは、乳製品用、肉用家畜のための主要飼料作物だ。遺伝子組み換えアルファルファは、動物用の餌として安全ではない可能性があり、牛乳や肉などの畜産物が、人が食べるのに安全ではなくなる可能性がある。
2011年1月17日、ドン・ヒューバー博士は、ヴィルサック農務長官宛の書簡で、ラウンドアップ・レディー・アルファルファを承認する危険性の概要を述べている。ヒューバーは、承認を独立した研究でリスクを評価できるまで延期するよう要求していた。ヴィルサックは、ヒューバーの書簡を無視し、ラウンドアップ・レディー・アルファルファ承認による、アメリカと世界の農業への種子供給を支配しようという同社の意欲から来る、モンサントの独占利益への欲望に合わせて、十日後の1月27日に、ラウンドアップ・レディー・アルファルファを許可した。
ドン・ヒューバーとは一体誰で、なぜ彼の書簡が重要なのだろう?
ヒューバーはパーデュー大学.名誉教授だ。彼は半世紀、植物病理学者、土壌微生物学者だ。彼には権威者として国際的な評判がある。アメリカ軍で、細菌戦や病気の大発生等、自然と人工の生物学的脅威を研究し、大佐の地位で退役した。アメリカ合衆国農務省の為に、新興感染症・病原菌委員会の取りまとめ役をしている。言い換えれば、彼は科学者という専門職のお偉方だ。
ヒューバーが農務長官に伝えた内容はオンラインで読むことができる。手短に言えば、長年のラウンドアップ・レディー・GMOコーンと大豆の結果、栄養価が低下し、新たな植物の病気の大発生により、大規模な作物の不作や、家畜の深刻な生殖問題を引き起しており、群れの中には、利益があがる事業を維持するには自然流産率が高すぎるものがある、ということだ。
グリホセートは強力な殺微生物剤だ。それが、有益な土壌生物を損ない、土壌中の自然のバランスを変え、作物の病気耐性を弱め、コーン、大豆、小麦の収穫に大きな打撃を与える病気を解き放ち、動物の早すぎる老化と不妊に関係する新たな病原体を生み出した。ヒューバーは農務長官に、こうした展開は“作物農家、畜産農家、双方の経済的生存能力を脅かす”と述べている。遺伝子組み換え作物が、かつては決して脅威ではなかった病気に対する遺伝的抵抗力を失ったという証拠は本当のようにに思える。
新しい病原体が、人の不妊症の増加に関係しているという証拠もあり、我々にはまだ分かっていない、人の健康に対する悪影響がある可能性もある。フッ化物同様、グリホセートも、様々な形で我々の食事に入り込む可能性がある。例えば、ビタミンD錠剤のビンのラベルにはこうある。“その他の原料: 大豆油、コーン油”
モンサントは、ヒューバーの主張に異議を唱えており、イオワ州大学と、オハイオ州大学の農業エクステンション・サービスから、その立場の支持を得ている、その。だが、こうしたものが、独立の資金援助によるサービスなのか、企業が支援したものかという問題があり、特に、主にアグリビジネスからの資金提供では、常に専門的なライバル関係の要素があるのだ。
パーデュー大学エクステンション・サービスは、より慎重だ。一方、それはヒューバーの主張を支持する証拠があることを認めている。“グリホセート等の除草剤が、植物を病気にかかりやすくする可能性があるという主張は、全く取りえがないわけではない。 研究は、グリホセートや他の除草剤の噴霧を受けた植物が、より多くの生物学的、生理的障害をもちやすいことを示している(Babiker他、2011; Descalzo他、1996; JohalとRahe、1984; Larson他、2006; MeansとKremer、2007; Sanogo他、2000; Smiley他、1992). . . . 研究の中で グリホセートがある場合に、植物の病気のひどさが増しても、必ずしも収穫に影響があるのを意味するわけではないことが示されてはいるが。”
一方、パーデュー・エクステンション・サービスは“雑草管理用の慎重なグリホセート使用”勧告を主張している。ところが、ヒューバーの主張の一つは、雑草がラウンドアップ耐性をもち始めていることだ。使用量は“慎重な”レベルを越えており、グリホセートが土壌中に蓄積すると、その悪影響は増大する。
26人の大学の昆虫学者による、アメリカ合衆国環境保護庁への提案は、独立した科学者が客観的研究を行う能力に対し、アグリビジネスが押しつけている制限について述べている。資金提供を止められる脅威がある為、科学者達がそこに名前をだすことを恐れている提案には、書誌参照の一項目として、下記が書かれている。声明は以下の通りだ。
“事実上、我々全員が研究を行う為には、ある程度業界の協力が必要なので、明細書に科学者の名を載せることは控えた。声明: 遺伝子組み換え種子の購入に必要とされるテクノロジー/責任契約は、あからさまに、研究を妨げている。こうした契約は、研究が業界によって承認されない限り、公的な科学者が、課された役割を公益の為に追求することを禁じている。アクセスが限定されている結果、テクノロジー、その性能や、経営上の意味、IRM、そのテクノロジーと昆虫生物学との相互作用等々に関する多くの重要な疑問に関し、本当に独立した研究を合法的に行うことは不可能だ。結果的に、公的部門から、アメリカ合衆国環境保護庁科学諮問委員会へ入るデータの流れは不当に制限されている。”
モンサントは資金を提供して購入する研究以外のあらゆる研究を防ぐに十分強力なだけでなく、モンサントは、昨年、資金とプロパガンダによって、カリフォルニアでのGMO表記法案成立阻止に成功した。病気や不妊にしてしまいかねないので、食べ物には気をつけるようにと申し上げたいが、何を食べているか調べることさえできないのだ。
“自由と民主主義”と“責任ある”政府と”責任ある”大企業があるアメリカに皆様は暮らしておられる。心配には及ばない。政府と責任ある大企業が、十分国民の面倒を見てくれる。特にオバマ、ヴィルサックと、モンサントが。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/02/24/polluted-america-paul-craig-roberts/
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「マスコミも汚染されている」と書いてないのは不思議な気がする。大本営広報部、別名マスコミ、放射能を浴びた残骸・石綿が混じった瓦礫以上に危険な、存在してはならない洗脳機関に思える。
2013年03月03日本澤二郎の「北京の空」(友好の旅)4回目も、日本の大本営発表報道を批判しておられる。
ただし、100%洗脳記事のみではなく、もちろん、たまに素晴らしい番組がある。例えば、国営放送のEテレ、深夜の再放送「アンコール大震災発掘・埋もれた警告」は必見の番組。危険を予見する人々は存在するが、体制側が排除し続けていることがわかる。驚いた。
国名を入れ換えるだけで、そのまま。「汚染された日本」。
残念なことに、日本の場合、更に原発村・自民とお仲間政党・政府・大企業が進めた結果の原発事故による放射能汚染が加わる。安保村・米軍基地が加わる。
更に、汚染された宗主国の企業によるTPP国家改造・搾取が加わる。
経団連会長氏の出身企業はモンサントと提携している。TPP推進は重要な業務。
フラッキング、日本語で「水圧破砕」、これから宗主国から輸入させていただくシェール・ガス採取の技術。
「シェール・ガス」が大賛美される理由、素人には良くわからない。
岩波書店の『世界』2013年3月号に、下記記事がある。
食糧供給システムを脅かすフラッキング
──シェールガス・ブームの影で──
エリザベス・ロイト、訳=宮前ゆかり・荒井雅子
安価なシェールオイル・ガスは、米国内のエネルギー自給率を高め、中東・アフリカ外交政策を改善するために必須であるという振れこみである。2010年におけるシェールガス生産量は米国天然ガス生産量の23%、2035年には46%にまで上昇するだろうと予測されている。しかし、地元経済や自治体そのものを容赦なく破壊し、地震を起こし、大気・水源・土壌汚染などの環境問題を拡大し、深刻な健康被害が報告されている掘削方法 (フラッキング) をとるシェールガスは本当に米国の国益を高めるのだろうか。
大都市ニューヨークの水源地帯であり、農業・畜産の盛んなマーセラス・シェール地域で、フラッキングによって何が起きているのかを伝える渾身のルポ。訳は宮前ゆかり・荒井雅子 (TUP)、解説は宮前ゆかり。本稿は、アメリカの雑誌The Nation (2012年11月28日号) に掲載された“Fracking Our Food Supply”?の翻訳である。
2万年だか、10万年、滞留しないだけ、原発の放射能より良しとすべきなのだろうか。
最近新聞を読むのが非常に早くなった。速読力向上ではない。記事がない為だ。
企業広告か大本営広告どちらかしかない。人生に洗脳広告を楽しむ時間は無い。
テレビ、北朝鮮よりチャンネルが多いのは確実だが、情報統制は同水準。
出演者が美男・美女で、解像度が良いという違いは確かにある。
家人の好む相撲と歌謡曲はみるがニュースになると消している。あるいは画面に向かって怒鳴っている。
大本営広報の連日の強烈下劣なプロパガンダで、昔読んだ本を思い出した。
ギュスターブ・ル・ボン『群衆心理』講談社学術文庫
群衆の精神に思想や信念を沁みこませる場合、指導者たちの用いる方法は、種々様々である。指導者たちは、主として次の三つの手段にたよる。すなわち、断言と反覆と感染である。これらの作用は、かなり緩慢ではあるが、その効果には、永続性がある。
与党二党、みんな・維新・民主の政治家連中・広告代理店、本書を肌身離さず、実践中。
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マスコミに載らない海外記事の「汚染されたアメリカ」
の一部を引用する。
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