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2010年8月25日 (水)

人々が知らされないイラクの現状

Adil E. Shamoo

2010年8月23日

"FPIF"

イラクでは、失業率が25から50パーセントで、議会は機能不全で、疫病がはびこり、精神障害がまん延し、スラムが無秩序に広がっている。無辜の民間人の殺害は日常茶飯事だ。アメリカ合州国は、イラクで一体何という大惨事をひき起こしてしまったのだろう。

国連の機関の一つ、国連人間居住計画が、最近「世界の都市の状況、2010-2011」と題する218ページの報告書を発行した。報告書には世界中の諸都市の現状に関する統計と、都市の人口動態が満載されている。報告書は、スラム住民というものを、以下の一つが欠けたまま、都心で暮らしている人々として定義している。寒暖から保護してくれる丈夫な建物、十分な生活空間、水道が十分に利用できること、下水設備が利用できること、そして、追い立てられる心配がないこと。

こうした統計で、ほとんど意図的に隠蔽されているのが、都会のイラク人に関する衝撃的な一つの事実だ。過去数十年間、アメリカが2003年にイラクを侵略する前、イラクでスラムに暮らす都会の人口比率は、ずっと20パーセント以下のあたりにあった。現在、この比率は、53パーセントにまで増大した。全国民1900万人のうち、1100万人が都市住民なのだ。過去十年間、多くの国々はスラム住人の数を減らす上で進歩した。だがイラクは、急速かつ危険なまでに、反対方向に進んでしまった。

2000年のアメリカ国勢調査によれば、アメリカ合州国の国民、2億8500万人の80パーセントが都会の住人だ。スラムで生活している人々の数は、5パーセントを遥かに下回る。イラクの統計をアメリカに置き換えれば、アメリカ合州国の国民のうち、1億2100万人がスラムで暮らしていることになる。

もしもアメリカ合州国の失業率が25-50パーセントで、1億2100万人の国民がスラムで暮らしていたとすれば、暴動が起き、軍隊が権力を掌握し、民主主義など消滅するだろう。それではなぜ、アメリカ合州国の国民は、イラクの現状を懸念せず、悲しもうとしないのだろう? それは、アメリカ合州国の国民大半が、イラクで何が起きたのか、そして今何がおきつつあるのかを知らないためだ。現行政権を含め、アメリカ政権は、見て見ないふりをし、侵略後のイラクでは生活が向上したという神話を永続させている。アメリカの大手マスコミが、こうした政府のメッセージを強化している。

新政権は、アメリカは何故イラクを侵略したのか、そして今アメリカはイラクで何をしているのかについて、アメリカ国民に真実を語ってくれくだろうと、私は強く期待していた。オバマ大統領は、過去に目を向けるのではなく、前進すると約束した。とはいえ、過去の検証をこうして否定することは、特に歴史学者にとっては問題であり、大統領は少なくとも、イラクの現状をアメリカ国民に知らせるべきだろう。それなくして、アメリカ政府が適切な政策を策定してくれると、我々がどうして期待ができよう?

イラクに関するより本格的な議会聴聞会があれば、侵略前に宣伝されていたイラクに関する神話や、アメリカ侵略がイラクにもたらした損害と破壊の大きさを、我々が学ぶことが可能だっただろう。都市における貧困の激増や都市スラムの拡大について、我々は知ることができていたろう。イラクの現状に関するそうした事実は、アメリカの迅速な撤退の影響や、イラクにおける、アメリカの道義的責任がどうあるべきかについて、アメリカ国民がもっと良く理解する助けになっていただろう。

Adil E. Shamooは、Foreign Policy In Focusの上席アナリストで、University of Maryland School of Medicineの教授。倫理と公共政策について書いている。[email protected]で連絡がとれる。

記事原文のurl:www.fpif.org/articles/what_you_will_not_hear_about_iraq

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素人は、コップの中の嵐、代表選挙に大政治家が立候補するか、しないかという、大手(大本営広報)新聞の大見出し記事より、地方の「新聞」琉球新報の小さな記事の方が気になる。

飛行経路の説明誤り 辺野古・普天間代替施設案

宗主国の勝手な要求、黙って服従していると、いつまでも無限にむしりとられる。

とはいえ:

いつでも、黙って服従し、無限に献上する政党でないと与党になれない。

いつでも、黙って服従し、無限に献上する政治家でないと首相になれない。

属国の悲しさ。代表選挙の候補に関心がないのは、そのせいだと思っている。宗主国にとって、本質的に不都合な政治家、始めから、完全に排除される。万一、偶然、権力を掌握しても、宗主国が把握している不利な情報を暴露されて、失脚させられる。あの宗主国の属国の傀儡首相の行く末、判をおしたように共通なものに思える。

黙々むしりとられるか、理不尽に爆弾を雨あられと落とされるか、しか選択肢はない

のだろうか?

65年間選択肢はないのだと名門?血統家系や暗記優秀な方々決めつけておられる。

繰り返すが、皆様が大政治家に熱を上げておられる理由、本気で本当にわからない。

そこで、ギュスターブ・ル・ボン著『群衆心理』を思い出してしまう。

群衆心理操縦の恐ろしさを描いた、暑い夏に最高のスリラー。

群衆は正しい論理で説得されるわけではない。

群衆を動かすのは、ひたすら、断言・反覆・感染。

現代日本の描写。とうていフランスの古典とは思えない。

つまらなかったら、お代はお返ししたいくらいだ。

二国間にぴったりなことわざも、思い出した。

抱けばおんぶ

Give him an inch and he'll take a mile.が近いのだろうか?

しかし、もっとふさわしい、素晴らしいことわざがあるようだ。

おまえのものはおれのもの、おれのものはおれのもの

What's yours is mine, and what's mine is my own

これを世界に対して実行しているのが、宗主国。

それを「けなげに」支援しているのが、この属国。

下記の翻訳記事、この記事に関心をお持ちであれば、お読み頂きたいものの一つだ。

イラク: 高等教育における、大規模な不正行為と腐敗

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コメント

やなぎ様

違法で野蛮で残虐極まりない行為に真っ先に強力に賛同したのが日本であることには決してふれず、比例議席削減を主張する二人の対決?だけを報じる翼賛報道機関。「報道」ではなく、「プロパガンダ」というのが正確でしょう。

『ネット・バカ』全く知りませんでした。大変面白そうなので、早速買いに行きました。これは興味深い本です。

日本も都市のスラム化への道まっしぐら・・。

最近の世論調査で過半数のイラク人は、今は米軍撤退の適切な時期ではないと回答しています。
http://www.france24.com/en/20100824-iraqis-say-wrong-time-us-withdrawal-poll

世論調査を過信するつもりはありませんが、重い結果だと思います。本来なら、国を破壊・汚染し尽くし、家族を虐殺し、石油を略奪し、我が物顔で闊歩する米軍・傭兵なんか蹴り飛ばして追い出して、国家再建をしたいでしょうに。米軍やCIAの画策によって激化した内戦の影響で、自分たちでは手がつけられないほどなのでしょう。この違法で野蛮で残虐極まりない行為に真っ先に強力に賛同したのが日本であることを自覚している人はどれくらいいるのでしょう。


『ネット・バカ』(ニコラス・C・カー)を読んでいます。

ウェブに慣れた脳はマルチタスクができるようになる一方で、情報過多のせいで注意散漫になり、拾い読みが当たり前になり、熟読・熟考する能力は衰えるそうです(ただし脳神経は可塑性なのでその環境を離れれば元に戻せる)。また、欧米の調査では、ネットやテレビ視聴時間は増加傾向で、印刷物(新聞・雑誌・書籍)を読む時間だけが減っているそうです。

さらに、「骨の折れる思考作業をソフトウェアに譲り渡すにつれて、われわれは自らの脳の力を微細だが大きな意味を持つかたちで減じているようなのだ...検索エンジンなどの自動情報フィルタリング・ツールは人気増幅器として機能するのであって、どの情報が重要であり、どの情報がそうでないかについてのコンセンサスをただちに確定したあと、それを補強し続ける傾向にある...オンラインのわれわれもまた、他人の書いた脚本に従っている--アルゴリズムによる指示に。」と。

ネットの検索結果の恣意性には注意していたのですが、書籍を精読するのが困難になり(自覚有り)、深く考えることができなくなり、目に見えないアルゴリズムによって思考も硬直化されているとなると・・・。壮大なる集団思考を引き起こすには最高の環境ですね。

TB有難うございました。
都市生活者の半数以上がスラム居住者にされたとか!
何百万人の人が殺された挙句にこの始末・・・・・

>黙々むしりとられるか、理不尽に爆弾を雨あられと落とされるか、しか選択肢はないのだろうか?
本当に他の選択肢はないのでしょうか?あまりに理不尽ですよね。

先日からTBをお送りしようと何度も試みているのですが、
どうしたことか全然届かなくなっているようです。

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