■ アウェイで価値ある勝ち点「3」を獲得今年のACLのGLは2月13日(火)に開幕した。初日に登場した川崎Fと柏はともに敗戦。嫌なスタートになったが鹿島はホームで上海申花と1対1のドローで、C大阪はアウェイでKリーグ2位の済州Uに1対0で勝利した。後半48分にMF水沼が価値ある決勝ゴールを決めたが相手キーパーのミスを見逃さなかった。「C大阪の入ったG組が東地区の中では一番大変な組」と言われているがC大阪は最高のスタートを切った。
C大阪は2月10日(土)に行われたゼロックスの川崎F戦も3対2で勝利しているので公式戦は2連勝となった。天皇杯の決勝に進んだのでオフ期間は2週間ほど。日程的には大変な状況だったがブレイク期間が短かったことが幸いしたのか、昨シーズンの終盤に見せた勢いが失われていない。僅差の勝負をことごとくものにする勝負強さを身に付けつつある。勝負所で結果を残すMF水沼が新生・C大阪の象徴になりつつある。
済州Uとの試合は難しい展開になった。G組は中国の広州恒大が本命で、2位の椅子をC大阪と済州UとブリーラムUの3チームで争う可能性が高いと見られていた。C大阪にとって「最大のライバルは済州U」と言えたのでとてつもなく大きな勝利になった。アウェイということを考えると「引き分けでも十分な結果」と言えたが粘り強く戦ったことが勝利につながった。結局、日本勢は1勝2敗1分けというスタートになった。
■ 済州ユナイテッド寄りの笛に悩まされる。C大阪にとっては会心の勝利と言えるがフラストレーションの溜まる試合だった。序盤はC大阪は優勢。前半15分あたりまではC大阪が圧倒的にボールを保持して攻め込んだが済州Uの激しいプレーがことごとく見逃されてノーファールの判定。逆にC大阪の選手の激しいプレーはことごとくファールになった。クラブOBである尹晶煥監督は判定に対して執拗にクレームをつけていたが「文句を言うのは当然」と言えた。
「激しく行っても少々のことでは(自分たちは)ファールは取られない。」と感じたのだろう。済州Uの選手の激しいプレーは時計が進むに連れてエスカレートしていった。一方、判定に対するストレスが溜まったことでC大阪の選手のプレーの質は落ちていった。前半15分以降は済州UのペースになったがFKやCKで済州Uがチャンスを迎えるシーンが多くなった。C大阪にとっては極めて難しい展開になった。
ホーム側に有利な笛が吹かれるのはサッカーに限らずどのスポーツでも半ば常識になっているがここまで偏るのは大問題と言わざる得ない。バーレーンの主審が試合を担当したが「普通に笛を吹いてここまで偏るのは逆に凄い。」と言えるほどである。韓国人にとっては自国となる平昌五輪の真っただ中ということもあって観客は非常に少なかったが難しいアウェイの環境の中、勝利を手にしたC大阪は見事だった。
■ 看過できないラフプレー対戦相手の済州Uというと2017年のACLのラウンド16の2ndレグの浦和戦(H)の試合中ならびに試合後の大乱闘劇の印象が強い。「控え選手がピッチを横断して浦和の選手にエルボーを食らわせる。」という前代未聞の出来事もあったが、やはり、昨シーズンのACLであれだけの大きな騒動を起こした済州Uが普通に今年のACLにも出場できている点に関しては「いかがなものか?」と言わざる得ない。
幸いにしてこの日はあそこまでのトラブルは発生しなかったが試合中に両チームの選手が詰め寄って険悪な雰囲気になるシーンが何度もあった。根本的な話になるが済州Uの選手の多くは「激しいプレー」と「ラフプレー」の区別がついていない。当然のことながら、激しいプレーはOKである。むしろ、そういうプレーをするのが当たり前な時代になっているが、ラフプレーはいかなる場合でも認められていない。
普通であればラフプレーに走る選手を審判団がなだめて試合を落ち着かせようとするがこの日のバーレーンの審判団はそうではなかった。むしろ、(済州Uに対する)数々の甘い判定が済州Uの選手を増長させた。前半の半ばには済州Uの40番の選手の危険なプレーに対してMF清武が激怒するシーンがあったがなぜかMF清武のファールがとられて済州UのFKで試合が再開。このシーンは象徴的なシーンと言える。
■ 済州Uにとってはスタンダード 「何としてでも試合に勝ちたい。」と思う気持ちはプロである以上は誰しもが持っているが「お互いにベストを尽くした上で勝利すること」が素晴らしいのであって、「相手にケガをさせることも厭わずに勝利を目指す。」という姿勢や態度は決して認められるべきではない。そういう選手やそういうチームを「勝利への執念が強い。」と称える人もいるが「執念や執着心の意味をはき違えている人たち」と言うしかない。
こういう風になったのが「ACLだから。」あるいは「相手が日本のチームだから」というわけではないという。「済州UはKリーグでもこういうサッカーをしている。」と言われているが済州Uのサッカーを見ているとKリーグから代表クラスの選手が続々と流出している理由ならびに高卒や大卒の韓国人選手が(Kリーグではなくて)Jリーグを進路先として選択するケースが増えている理由がよく分かる。
済州UにとってACLの舞台は例の浦和戦(A)以来である。何人かの選手は出場停止等の処分を受けており、済州Uというチーム自体にマイナスのイメージが付き始めた中で迎えた最初のアジアの舞台でこれだけラフプレーを繰り返してしまうのだから「根本的な部分でサッカーならびにラフプレーに対する考え方が違っている。」と結論付けるしかない。「出場停止や罰金等の罰もいい薬にはならなかった。」と言うしかない。
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