① 「カミカゼアタック」の意味とその意図について試合後に、オシム監督が発した「カミカゼアタック」というフレーズに関しては、いろいろな見方ができるが、どういう意図でオシム監督がこのフレーズを使ったのかは、やや不明な部分がある。玉砕覚悟の積極的な戦法を意味するのかもしれないが、その一方で、中盤の人数を多くすることで、コロンビアの優れた中盤に対抗するための現実的な戦法だったとも考えられる。
ただ、機能はしなかった。スタメン発表の段階では、90年のイタリアW杯の西ドイツとの試合で、ユーゴスラビアを率いたオシム監督が、ファンタジスタと呼ばれる選手をスタメンに並べて1対4と大敗した試合を思い起こしたが、それでも、当時とは、かなり事情が異なるので、このメンバーとこのシステムが失敗することで、自身の「走るサッカー」という考えを正当化させるためだという小さな考えではなかったことは間違いないだろう。
むしろ、試合後に、上機嫌だったことを考えると、テクニックのある選手を中盤に並べる、オシム版「黄金の中盤」を形成しようとしているのではないかという疑念を抱く。事実、4月と5月の代表合宿のときには、アンカーに中村憲剛を置く、超攻撃的なシステムを執拗にトレーニングしている。中村憲剛にアンカー起用の目処が立てば、コロンビア戦の中村俊輔・稲本潤一・中村憲剛・遠藤保仁・鈴木啓太というMF陣以上のメンバー構成も可能となるだろう。
ジーコ版「黄金の中盤」は、一年余りで頓挫したが、オシム監督には、前任者とは比べ物にならないくらいの引き出しがある。もちろん、単なるテクニシャンだけを並べるようなことはしないだろう。そして、その実現のためには、現状の中村俊輔や中村憲剛や遠藤保仁では不十分ではあることも、オシム監督は理解しているだろう。
② 欧州組のもつプラスとマイナス最近では、FW森本やMF梅崎といった例外も出てきているが、基本的には、海外に移籍する選手は、Jリーグでトップクラスまで登りつめた選手に限られる。したがって、相対的に見ると、海外組のポテンシャルは国内組のポテンシャルよりも優れているのは間違いない。
ただ、高い実力をもつ海外組を集めただけでは、世界とは戦えないということを、昨年の夏に体感した。
欧州組の実力は素直に評価すべきだが、かといって、過大評価するのも禁物である。フランクフルトでの11ゴールは、サンフレッチェ広島での18ゴールよりも優っているのか?ガラタサライのレギュラーは、浦和レッズのレギュラーよりも価値があるのか?トリノやメッシーナでベンチ暮らしをすることは、Jリーグで中心クラスとなって活躍することと比較すると、どの程度なのか。これらを、しっかりと、見極めていかなければならない。
さて、今回、召集された海外組の4人の中で、もっとも低調なパフォーマンスに終わった稲本潤一について。今回の試合は、彼にとって、ターニングポイントとなる試合になるかもしれない。もちろん、ポジティブな意味である。
彼のボランチとしての資質は、間違いなく、日本最高のものである。その眠ったまま才能を、呼び起こすには、これ以上ない、刺激になったのではないだろうか?
③ 五輪代表メンバーの起用方法について本田圭祐や水野、青山や水本ら、五輪世代からもフル代表に選出される選手が増えてきている。彼らは、Jリーグでも、主役をはる選手たちなので、選考されることに、全く、疑問は抱かない。
だが、これまでの試合を見ていると、彼らを試合で起用するケースは少なく、練習に参加するだけということが多い。
これは、海外組への扱いからも感じる部分だが、五輪組に対しては、オシム監督は、北京五輪本戦が終わるまでは、計算に入れていないのではないだろうかと推測する。事実、フル代表の合宿と五輪代表の合宿はバッティングすることが多く、起用したくとも、召集できない可能性もある。
④ アジアカップの位置付けとそのノルマトルシエ監督もジーコ監督もアジアカップを制している。したがって、オシム監督にも、アジアカップ制覇が期待されるのは、間違いない。
だが、アジア制覇は簡単ではない。ボクは、グループリーグ突破がノルマであると考える。
⑤ アジアカップメンバー23人の予想 川口能活(ジュビロ磐田)
川島永嗣(川崎フロンターレ)
西川周作(大分トリニータ)
田中マルクス闘莉王(浦和レッズ)
中澤佑二(横浜Fマリノス)
坪井慶介(浦和レッズ)
水本裕貴(ジェフ千葉)
鈴木啓太(浦和レッズ)
阿部勇樹(浦和レッズ)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
今野泰幸(FC東京)
中村俊輔(セルティック)
遠藤保仁(ガンバ大阪)
羽生直剛(ジェフ千葉)
駒野友一(サンフレッチェ広島)
三都主アレサンドロ(ザルツブルグ)
中田浩二(バーゼル)
水野晃樹(ジェフ千葉)
高原直泰(フランクフルト)
巻誠一郎(ジェフ千葉)
矢野貴章(アルビレックス新潟)
佐藤寿人(サンフレッチェ広島)
播戸竜二(ガンバ大阪)
◆ アジアカップメンバー23人の予想アジアカップの登録メンバー23人を予想してください。
こちらのフォームから、書き込んで、送信してくださいね。
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カミカゼアタックについては私はテスト的な意味を多く感じました。オシム監督の中にあった海外組はテストとしてスタメンで使わなければならないという制約から生まれた布陣かなと思います。試合前にメンバーを見た時には、フェレイラか誰かにマンツーマンでもつけるのかとちょっと期待してしまいましたが、そういう訳ではなかったようです…遠藤と中村俊にはこれも応用力のテストで、もっとウインガーっぽい動きを期待していたのではないかと思いますが、機能しませんでした。稲本については、コンディションを重要視するこれまでのオシム監督の方針からすると、召集した事が驚きです。私はそれは期待の現われだと思うので、アジアカップにも呼ぶのではないかと思います。
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