■ ゴールラッシュJリーグ第3節の川崎Fと横浜FCの試合は、6対0という大差で川崎が勝利した。FWジュニーニョが前半14分にドリブルからミドルシュートを決めると、その後はゴールラッシュ。前半23分に、MF村上が追加点のゴールを挙げると、そのあとも4得点を追加した。
横浜FCは、完全に力の差を見せ付けられて完敗。後半16分に、川崎のMF森が退場になって数的優位になったにもかかわらず、反撃することもできなかった。
■ ファンタスティックな90分結果的に点差が開いた試合であっても、実は試合内容は拮抗していて、どちらに転ぶのか分からなかったという展開もあるのだが、この試合に限って言えば、それは当てはまらない。両チームの間には、明確な実力差があった。
この試合の川崎Fの内容は、素晴らしかった。これまで見た川崎Fの試合の中では、文句無くベストマッチ。ファンタスティックな試合に、完全に魅了された。
川崎の一番のよさは、無駄なプレーがひとつもないことだろうか。チーム全員がどう攻撃して、どう崩していくのかを明確にイメージしていて、チーム内のばらつきがほとんど見られない。
■ 進化し続ける中村憲剛チームを司るMF中村憲剛。この試合では、MF谷口が出場停止のため河村とダブルボランチを組んだが、全く影響はなかった。
来週の土曜日に、日産スタジアムで日本代表がペルーと対戦するが、オシム監督が、中村憲剛と遠藤保仁と中村俊輔という3人のコンダクターの中から、1人だけしかスターティングメンバーに起用しない意向ならば、せっかく、スコットランドから中村俊輔がやってきたとしても、スタメンが約束されているわけではないし、中村憲剛を押しのけてスタメン入りすることは、相当に困難な仕事である。
とにかく、この試合の中村憲剛の組み立ては、すさまじかった。昨シーズンのプレーもハイレベルだったが、今シーズンのプレーはさらにその上を行っている。
中村憲剛は、難しいパスを難なく通すプレーが持ち味で、「そこに通すか。」「そこを狙っているか。」というパスが、試合中に何度もあるのだが、そのパスのレベルが、また一段上がっていて、よりきわどいところ、よりチャンスにつながりそうなところを通過するようになっている。
■ 充実したプレーを見せた森とその愚行中村憲剛以外では、森の充実振りが目に付いた。右ウイングバックとして、そのスピードと運動量は驚異的で、川崎の攻撃が、中央もしくはサイドのどちらか片方に偏らずに、バランスよく仕掛けられる要因となっている。
加地が開幕からいまひとつ調子が上がっていないので、代表入りがあるかも・・・という感触をもっていたが、そんな矢先の後半16分の愚行。国際試合で起用するには、ちょっとこわい。代表入りの可能性も十分という状況になっているのだから、チームにデメリットを与えて、自らの可能性を狭める行為は、慎まなければならない。
■ 立て直せるのかに注目横浜FCは、自信を持っていたはずの組織的な守備が、破綻してしまった。いずれも、個の力にねじ伏せられたものであり、能力差はいかんともしがたいが、仕方がないと割り切る態度も必要。
大切な事は、自分たちのサッカーを見失わないこと。シーズン前から、圧倒的な個の力を前にしたときは、劣勢になることは想定の範囲内である。高木監督は、おそらく、いくつかの対策を前もって考えていることだろう。次節にどんな試合を見せるかどうかは、今シーズンの横浜FCの戦いを占う大切なものになる。
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