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【J1】 2013年のベストプレーヤーを考える。 (GK編) →
【J1】 2013年のベストプレーヤーを考える。 (右SB/右WB編) →
【J1】 2013年のベストプレーヤーを考える。 (左SB/左WB編) →
【J1】 2013年のベストプレーヤーを考える。 (CB編)ゴールキーパー → 今シーズンのJ1の特徴の1つに挙げられるのは、「キーパーを固定することができなかった(or しなかった)チームが多かった。」という点である。甲府はGK荻とGK河田、湘南はGK阿部とGKアレックス・サンターナとGK安藤、大分はGK丹野とGK清水、浦和はGK加藤とGK山岸、川崎FはGK西部とGK杉山、磐田はGK川口とGK八田らの間でポジション争いが行われて、清水や鳥栖や大宮も同様だった。
そのため、シーズンを通してレギュラーを守り通したキーパーは意外と少ない。34試合全てに出場したのは、GK曽ヶ端(鹿島)、GK楢崎(名古屋)、GK林(仙台)、GKキム・ジンヒョン(C大阪)の4人だけ、GK西川(広島)、GK権田(FC東京)、GK榎本哲(横浜FM)、GK菅野(柏)の4人が33試合に出場していて、その次となる9番目に試合数が多かったのは、GK北野(大宮)の27試合なので、ガクッと下がる。
よって、33試合以上に出場している8人がとりあえずの候補となる。例によって、ここから「1位から5位まで」を選んでいきたいと思うが、やはり、1位はGK西川(広島)になるだろう。日本代表ではGK川島とポジション争いをしているが、2年連続でJ1優勝を経験して、貫禄も出てきた。フィードに関しては、おそらく、日本サッカー史上でも屈指のレベルで、キャッチングも安定している。
2位は、GK榎本哲(横浜FM)だろう。J1の18クラブの失点数は、広島が29失点でリーグ最少で、横浜FMが31失点でリーグ2位、C大阪が32失点でリーグ3位だった。4位の仙台は38失点で、5位の甲府が41失点なので、今シーズンは、広島と横浜FMとC大阪の3チームの失点数が極端に少なくなっており、キーパーの上位候補はGK西川とGK榎本哲とGKキム・ジンヒョンの3人と言えるが、GK榎本哲を2位とする。
若いイメージもあるが、GK榎本哲も30歳を超えてベテランといえる年齢となった。クラブ生え抜きで2003年と2004年の連覇を知る数少ない選手の1人となったが、2010年と2011年は出場ゼロ。2012年も7試合の出場にとどまった。GK飯倉の台頭もあって、近年はなかなか出番に恵まれなかったが、久々に充実したシーズンを送ることができた。高さは無いが、反応の鋭さはリーグ屈指である。
3位はGKキム・ジンヒョン(C大阪)となる。ポカミスもあるが、それを補って余りあるほどの回数、ビッグセーブで失点を防いでいるので、±はどう考えてもプラスである。192センチの高さに加えて、瞬発力もリーグ有数で、スケール感はJ1のキーパーの中では桁外れと言える。フィードでもチームに貢献しており、ロングスローイングが武器になっているが、楽々とハーフウェーラインを越えていく。
4位以下は大混戦である。試合数と失点数を考慮すると、GK林(仙台)、GK権田(FC東京)、GK楢崎(名古屋)の3人が候補に挙がってくるが、どの選手も決め手には欠ける。よって、ここでは、GK東口(新潟)を4位に推したい。前半戦は怪我のため棒に振って、14節の柏戦(H)で今シーズン初出場を飾ったので、21試合の出場にとどまったが、「試合数の少なさ」というマイナス要素を補って余りあるプレーを見せた。
代役を任されたベテランのGK黒河も頑張ったが、GK東口が戻ってきたことで生まれたプラス効果は数字にも顕著に表れている。新潟は前半戦(13節まで)を終えた段階で4勝7敗2分けで12位だったが、GK東口がゴールを守った後半戦(14節以降)は13勝6敗2分け。不在時の1試合あたりの勝ち点は「1.08」だったが、GK東口が出場した試合では「1.95」。平均失点も「1.46」から「1.10」にダウンしている。
最後の5位にはGK権田(FC東京)をチョイスしたい。チームとしての失点数はリーグ7位(=47失点)だったが、FC東京は攻撃的なチームである。得点数(=61失点)はリーグ3位で、得失点差は「+14」。失点数は気になるほどの多さではない。今シーズンのGK権田は「これは決まっただろう。」というシュートをビッグセーブで防ぐ場面が多くて、着実にレベルアップしていることを証明した。
その他では、清水でレギュラーを奪取したリオ世代のGK櫛引(清水)の台頭は日本サッカー界にとっては重要なトピックスだったので、触れないわけにはいかない。日本代表クラスの実力を持つGK林(現鳥栖)からポジションを奪ったが、年代別代表クラスのキーパーであっても、J1でレギュラーを奪うのは至難の業である。「GK櫛引が試合経験を積んでいる。」というのは、2016年のリオ五輪のことを考えても大きい。
一方、20歳のGK櫛引にポジションを奪われる形で夏に鳥栖にレンタル移籍したGK林(鳥栖)のパフォーマンスも良かった。GK赤星の調子がイマイチで、怪我人も多くて、鳥栖はキーパーで困っていたが、まさか夏の移籍市場でGK林を獲得できるとは、誰も思っていなかっただろう。当時、鳥栖は残留争いに巻き込まれていたが、GK林の加入によって守備が安定して、期待どおりに「チームの救世主」となった。
ということで、当サイトの管理人が選ぶ2013年のJ1のポジション別ベストプレーヤーのゴールキーパー部門は以下のとおりとする。次回は右SB/右WB編。
1位: 西川周作 (サンフレッチェ広島)
2位: 榎本哲也 (横浜Fマリノス)
3位: キム・ジンヒョン (セレッソ大阪)
4位: 東口順昭 (アルビレックス新潟)
5位: 権田修一 (FC東京)
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