ゴールキーパー → J2の22クラブの中で、失点数がもっとも少なかったのは長崎で42試合で40失点。2番目に少なかったのは42試合で41失点の神戸。この2チームだけが1試合平均の失点数が0点台だった。3番目(=3位タイ)がG大阪と京都と横浜FCの46失点で、その次(=6位タイ)が岡山の48失点で、その次(=7位タイ)が千葉と札幌で49失点だった。失点数だけに着目すると、長崎と神戸の数字が際立っている。
そして、キーパーのポジションでフルタイム出場(=計3780分)を果たしたのは、GKオ・スンフン(京都)、GK岡本(千葉)、GK南(熊本)、GK佐藤優(東京V)、GK藤ヶ谷(G大阪)の5人。1試合だけ欠場したのはGK秋元(愛媛FC)、2試合だけ欠場したのはGK武田(北九州)とGK中林(岡山)、3試合欠場したのはGK金山(長崎)とGK守田(富山)、4試合欠場したのは、GK杉山(札幌)となっている。
名前が挙がった選手たちがとりあえずの候補と言えるが、J2のベストキーパーに挙げたいのは、GKオ・スンフン(京都)である。京都は、MF中村充とMFチョン・ウヨンが抜けて、FW久保もシーズン途中にヤングボーイズに移籍したので、攻撃力はダウンしてしまったが、新戦力となるGKオ・スンフンの加入は大きかった。192センチの長身で、リーチがあって、反応の鋭さとハイボールの強さは図抜けている。
第2位に挙げたいのは、GK金山(長崎)である。3節まではベテランのGK岩丸がスタメンだったが、4節以降、全試合でゴールを守った。リーグ戦において出場した39試合で34失点なので防御率は0点台だった。広島ユースから立命館大に進んで大卒3年目。JFLでは2年間で9試合の出場だけだったが、J2の舞台でチームの躍進に大きく貢献した。フィード能力も高くて、攻撃面でもチームに貢献することができた。
ここまでは簡単に決めることができるが、3位以下は頭を悩ませる必要がある。失点数がリーグ2位だった神戸は、GK山本海とGK徳重というJ1でもレギュラーを張れる実力者2人を擁しており、前半戦はGK山本海がレギュラーで、後半戦はGK徳重がレギュラーだった。結局、GK山本海は1節から18節まで、GK徳重は19節以降スタメンに名を連ねたが、ともに出場した試合数がちょっと少ないので候補に選出しにくい。
悩んだ末に、第3位にはGK岡本(千葉)を選出する。こちらもJ1のクラブでレギュラーを張れる実力者で、安定感もあるし、ビッグセーブも多い。第4位と第5位は、GK藤ヶ谷(G大阪)、GK松井(徳島)、GK武田(北九州)、GK中林(岡山)、GK守田(富山)、GK秋元(愛媛FC)らの争いか。このあたりになると、選ぶ人によって、全然、違ってくると思うが、フルタイム出場とJ2優勝に敬意を表してGK藤ヶ谷を第4位とする。
GK中林(岡山)は夏場までのパフォーマンスは文句なしで、トップ2に入ってきてもおかしくないプレーを見せていた。欠場した2試合も完全な消化試合となった41節と42節の2試合だけなので、岡山の絶対的な守護神として活躍していたが、秋以降は非常に不安定だった。失点につながった31節の栃木SC戦(H)での凡ミスを引きずってしまったような印象で終盤戦は全くらしくなかった。
チームとしての失点数はリーグワースト6位(=60失点)だったが、今シーズンのGK武田(北九州)は非常に良かった。北九州は、昨オフに主力が流出して、厳しいシーズンになることが予想されたが、ほとんど残留争いに巻き込まれることなくシーズンを終えることができた。冷や冷やせずに終盤戦を迎えることができたのは、安定したプレーで最後尾からチームを支えたGK武田の力によるところは大きかった。
数少ない若手キーパーの有望株であるGK守田(富山)は着実な成長を見せた。こちらもリーグワースト7位となる59失点を許したが、キーパーの評価というのは、「失点数の多い/少ない」だけでは判断できないところもある。191センチとサイズに恵まれていて、スローなところを全く感じさせないあたりにもスケールの大きさを感じる。23歳と若いキーパーであるが、富山でいい経験を積んでいる。
GK松井(徳島)も悪くはなかったが、本来はもっと安定感のキーパーである。前半戦は失点に絡むことが多かったので、推しにくい。最終的には、GK中林、GK武田、GK守田の争いとなったが、何だかんだ言っても、夏場までのGK中林は凄かったので、彼を第5位として、GK守田を次点とする。したがって、当サイトの管理人が選ぶ2013年のJ2のポジション別ベストプレーヤーのキーパー部門は以下のように決定した。3位以下は僅差なので、100人いれば100通りの答えになるのでは?と思う。次回は右SB/右WB編。
1位: オ・スンフン (京都サンガ)
2位: 金山隼樹 (V・ファーレン長崎)
3位: 岡本昌弘 (ジェフ千葉)
4位: 藤ヶ谷陽介 (ガンバ大阪)
5位: 中林洋次 (ファジアーノ岡山)
関連エントリー 2013/12/04
【J2】 2013年のポジション別ベストプレーヤーを考える。 (GK編) 2013/12/04
【J2】 2013年のポジション別ベストプレーヤーを考える。 (右SB/右WB編) 2013/12/05
【J2】 2013年のポジション別ベストプレーヤーを考える。 (左SB/左WB編) 2013/12/06
【J2】 2014年のポジション別ベストプレーヤーを考える。 (CB編) 2013/12/05
J3+(アンテナ) 2013/12/05
全記事一覧(2005年-2013年)
- 関連記事
-