■ 20節が終了J1は区切りとなる20節が終了して、勝ち点「42」の広島が首位に立っていて、勝ち点「41」の横浜Fマリノスが追いかける形になっているが、下位グループに注目すると、
14位 甲府 4勝10敗6分け 勝ち点「18」 得失点差「-13」
15位 鳥栖 4勝11敗5分け 勝ち点「17」 得失点差「-15」
16位 湘南 4勝12敗4分け 勝ち点「16」 得失点差「-19」
17位 磐田 2勝11敗7分け 勝ち点「13」 得失点差「-08」
18位 大分 1勝13敗6分け 勝ち点「09」 得失点差「-17」
となっており、その上となる13位の清水が7勝8敗5分けで勝ち点「26」を稼いでいるので、14位の甲府との差は「8」と開いている。したがって、残留争いに関しては、14位より下の甲府と鳥栖と湘南と磐田と大分の5チームの争いと言えるだろう。「昇格組の3チームがいずれも苦しんでいる。」というのが、今シーズンのJ1の残留争いのポイントの1つと言える。
残りは14試合となったので、すでに半分以上を消化しているが、この5チームは、今の勝ち点を倍にしても、J1残留の目安とされる勝ち点「37」に届かない。2012年は勝ち点「39」で16位の神戸と、勝ち点「38」で17位のG大阪が降格するというある意味ではハイレベルな残留争いとなったが、今シーズンは、勝ち点「35」前後でも、J1に残留できる可能性はある。よって、最下位で勝ち点「9」の大分にもチャンスはあると言える。
■ 苦しむジュビロ磐田一番の驚きは、やはり、名門の磐田が残留争いに加わっていることである。FW前田がいて、DF駒野がいて、DF伊野波がいて、さらには、MF山田大やFW金園もいるので、日本代表に召集された経験を持つ選手が何人もいる。タレントは豊富なので、上位候補に挙げる人も少なくなかったが、20試合で勝ち点「13」と散々な成績である。シーズン途中に関塚監督を招へいしたが、1勝3敗3分けとペースは上がって来ない。
得失点差は「-8」で、大差で負ける試合はほとんど無いが、とにかく、今シーズンの磐田は勝負弱さが目立っている。FW前田とGK川口がパフォーマンスを落としているが、それ以外の主力級の選手はそれなりのプレーを見せており、FW金園やMF山田大はゴールに絡む活躍を続けているが、試合の終盤に隙を作って相手チームに同点ゴールや決勝ゴールを許す試合が多くて、チームを引っ張るリーダーも見当たらない。
関塚監督が就任して、最初の4試合は1勝3分けと負けなしだったので、攻撃陣のタレント力と関塚監督の能力を考えると、「早々に残留争いから抜け出す。」と思ったが、東アジアカップの中断明けは3連敗とブレーキがかかった。ライバルの4チームと比べると、攻撃陣のタレントの豊富さは群を抜いているが、試合数が少なくなるに従って、プレッシャーは大きくなるので、楽観視はできない。
■ 状態が上がって来た甲府8連敗を喫するなど、一時は降格圏となる16位に転落した甲府は持ち直してきた。19節でC大阪に1対0で勝利すると、20節も新潟と引き分けて、2試合で勝ち点「4」を稼いだことで14位に浮上した。依然として、16位の湘南との差は「2」なので、安心できる勝ち点差ではないが、もっとも大変な作業である「連敗ストップ」をチーム全員で成し遂げて、チーム状態は上向きと言える。
20試合を終えてリーグワーストの16得点なので、攻撃力に課題を抱えているが、夏の移籍市場でFWパトリックとMFジウシーニョを獲得したことがプラスに働いている。ともに移籍後初ゴールは生まれていないが、雰囲気を持った選手であり、タメを作る仕事もできる。効果的な補強ができたので、チームに馴染んできて、期待どおりに2人がゴールを重ねることができるおうになると、残留争いから抜け出すことも可能となる。
15位の鳥栖は、DF菊地、MFニルソン、FW播戸を獲得して、さらには、日本代表クラスの実力をもつ清水のGK林の獲得も決定した。精力的な選手補強を行って、残留への意欲を見せているが、16位の湘南との差は「1」なので、しんどい戦いが続いていくのは間違いない。日本代表のFW豊田がいるので、攻撃陣に不安は少ないが、リーグワーストの46失点を喫している守備陣の立て直しは急務で、GK林のプレーに注目が集まる。
湘南もGKアレックス・サンターナとFWウェリントンを獲得しているが、共に能力の高い選手であることは、これまでの試合で証明している。2列目には活きのいいタレントが何人もいるので、前線でボールをおさめてくれる選手とゴール前で存在感を発揮できる選手が必要なので、特にFWウェリントンにかかる期待は大きい。前半戦を棒に振ったリオ世代のDF遠藤航の復帰もプラス材料で、戦力は整ってきた。
苦しいのは、大分である。まだ14試合残っているので、挽回は可能な数字ではあるが、残留圏である15位の鳥栖との差は「8」と広がりつつある。移籍市場でFC東京で活躍したゲームメーカーのMF梶山を獲得しており、FW高松、FW森島康と点の獲れる選手は何人かいるので、ノーチャンスではないと思うが、8差というのは、ギリギリのラインであり、これ以上、上のチームに離されてしまうと、精神的にきつくなる。
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