■ 開幕戦2013年のコンフェデレーションズカップが開幕。グループAはブラジル・日本・イタリア・メキシコが入っており、グループBはスペイン・タヒチ・ウルグアイ・ナイジェリアが入っているが、開幕戦で開催国のブラジルと日本が対戦した。日本代表がコンフェデに出場するのは、1995年・2001年・2003年・2005年に続いて5回目で、通算では13試合で5勝6敗2分けという成績を残している。
ホームのブラジルは「4-2-3-1」。GKジュリオ・セーザル。DFダニエウ・アウベス、チアゴ・シウバ、ダビド・ルイス、マルセロ。MFパウリーニョ、ルイス・グスタボ、オスカル、ネイマール、フッキ。FWフレッジ。川崎Fと札幌と東京Vでプレーした経験のあるFWフッキはサイドハーフでスタメンとなった。東京V時代の2007年にJ2の得点王に輝いている。
対するアウェーの日本は「4-2-2-2」。GK川島。DF内田、吉田、今野、長友。MF長谷部、遠藤、清武、香川。FW岡崎、本田圭。過去の35試合は全て1トップだったが、初めて2トップ気味のシステムを採用して、FW岡崎とFW本田圭の2人が前に並ぶ形となった。GK西川、GK権田、DF伊野波、DF酒井高、DF栗原、DF酒井、MF細貝、MF中村憲、MF高橋秀、FWハーフナー・マイク、FW前田、MF乾がベンチスタートとなった。
■ ブラジルが3対0で勝利試合は前半3分にブラジルが先制する。DFマルセロのクロスを中央でFWフレッジが落としたボールを受けたエースのFWネイマールが鮮やかなミドルシュートを決めていきなり先制に成功する。その後、日本もMF本田圭が積極的にシュートを放って、GKジュリオ・セーザルを脅かすシーンを作ったが、ゴールを奪うことは出来ず。前半は1対0でブラジルがリードして折り返す。
後半3分にブラジルは右サイドからクロスを入れると流れてきたボールをゴール前に上がっていたボランチのMFパウリーニョが右足で決めて2対0とリードを広げる。2点ビハインドの日本は後半6分にMF清武を下げてFW前田を投入。いつもの「4-2-3-1」に戻すと、FW前田に2度ほどシュートチャンスが訪れるが、GKジュリオ・セーザルに防がれてしまう。
試合は2対0で進むと、後半ロスタイムにブラジルはカウンターからMFオスカーのスルーパスを受けたFWジョーが決めてダメ押しの3点目を奪う。結局、試合は3対0でブラジルが勝利して開幕戦を飾った。ブラジルは2戦目はメキシコと対戦する。一方の日本は自分たちのサッカーができずに黒星スタートとなった。第2戦はザッケローニ監督の母国のイタリアと対戦する予定になっている。
■ 痛かった開始3分の失点開幕戦に登場したザックジャパンだったが、自分たちのサッカーが全くできずに終わった。ピッチ状態が良くなったので、ブラジルの選手もミスが多くて、両チームともボールコントロールのミスが目立って、パスがうまくつながらないシーンが多かったが、日本はブラジルのプレッシャーの前にテンポよくボールが回るようなことはほとんど無くて、日本らしいサッカーはできなかった。
ブラジルの出来もそれほど良くなかった。自国開催のコンフェデでプレッシャーも大きくて、昨年の10月にポーランドで対戦した時ほどの迫力は無かったが、立ち上がりの3分の先制ゴールが大きくて、ブラジルを慌てさせることもできなかった。先制ゴールのシーンはFWネイマールのシュートがうまかったので、日本の選手はどうすることもできないシーンだったが、重たい1点となった。
攻撃に関しては、前半はMF本田圭がブラジルの選手とも互角以上に渡り合って、3度・4度とシュートチャンスを作ったが、怪我上がりということもあるのか、後半になるとガクッと落ちてしまって、MF本田圭が攻撃に絡めなくなった。途中出場のFW前田は悪くなかったが、MF本田圭が攻撃の軸なので、彼のパフォーマンスが落ちてくると、強豪国が相手のときはチャンスを作れなくなる。
10番を背負うMF香川は持ち味を発揮できなかった。いいところでボールをもらった時は、ターンを駆使して前を向こうと頑張ったが、相手も警戒しており、ファールなどでつぶされることが多かった。「4-2-2-2」気味の布陣で守備の負担がいつもよりも多かったことも理由の1つだと思うが、いいところはほとんど出せず、決定機に絡むことは出来なかった。
■ 数少ない光明前回のポーランドでの試合は真っ向勝負を挑んで0対4というスコアだったので、今回、どういう戦いをするのか、注目されたが、FW岡崎とFW本田圭の2トップのような形で、ザッケローニ監督になってからは初めて「4-2-2-2」のような布陣でスタートした。ブラジルの最終ラインのフィード力を考えて、「前線から守備をして、最終ラインからのフィードを封じたい。」という考えがあったと思うが、機能したとは言えないだろう。
前回と比べると、引き気味に戦ったが、人数をかけて守ったら、失点をゼロに抑えられるというわけでもないし、積極的に行くと前回の二の前になる可能性が高くなるし、本当に難しい対戦相手である。当然、ブラジルを相手に確実に勝てる方程式などは存在しないが、普通に戦ったら0対4で、ちょっと守備的に戦っても0対3というスコアなので、厳しい結果と言わざる得ない。
フル代表に限った話ではないが、どの年代であっても、ブラジルと対戦する時は、こういう展開になることがほとんどである。GL突破を考えると、最後の3失点目は得失点差で響いてくる可能性があるので、ダメージの大きい失点であるが、ブラジルが相手と言えども、「0対2のままで良し。」という戦いはできない。0対2になった後の戦い方というのは、日本にとっては難しいものになった。
数少ない光明を挙げると、ポーランドで対戦した時と比べると、ブラジルの個人技に翻弄されるケースが少なかったことで、MF清武あるいはMF香川といった攻撃的な選手がサイドで1対1になったときの対応は課題として残ったが、最終ラインの4人はブラジルの個人技に対して、ある程度は守ることが出来た。守備に関しては、前回と比べると、手ごたえを感じることのできる試合となった。
■ 0対3というスコアこの日の日本代表の戦いぶりについては、ゲストの中田英寿氏は不満げだったが、「ボコボコにされてもいいので、最終ラインを高くしてリスクを負った戦い」をするのか、この日のように、「ちょっと現実的な戦い」をするのか、日本代表が世界のトップレベルに到達するまでは、このあたりのバランスをどのようにして取るのか、W杯が開催されるたびに問われることになる。
観ている人もいろいろなので、「何点取られてもいいので、1点取って欲しかった。」という人もいると思うが、ブラジル戦というのは、0対6や0対7や1対6や1対7のような簡単には立ち直ることのできないショッキングな得点差になる可能性も秘めている。「もっと積極的に行けばいいのに・・・。」と思うところはあるが、衝撃的なスコアになるのだけは避けてほしいと感じる部分もあるので、難しいところである。
完全アウェーのブラジル戦というのは24年ぶりということで、初体験に近いような感じだったが、中立地のポーランドで対戦した時は0対4というスコアで、今回、いきなりFWネイマールに決められて、正直なところ、ボコボコのスコアになるのでは?という恐怖心もあった。結局、0対3というスコアだったが、この「0対3」という結果をどのようにとらえればいいのか、すぐに答えを見つけるのは困難である。
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