■ 第26節J1の第26節。12勝8敗5分けで勝ち点「41」のジュビロ磐田と、6勝12敗7分けで勝ち点「25」のアルビレックス新潟がヤマハスタジアムで対戦した。磐田は4位で、新潟は17位。磐田は首位の広島との差は「4」で、優勝を狙える位置にいる。一方の新潟は降格圏に位置する。
ホームの磐田は「4-2-3-1」。GK八田。DF駒野、菅沼、千代反田、宮崎。MF小林裕、藤田、山崎、松浦、山田。FW前田。怪我から戻ってきたDF曹秉局とMFロドリゴ・ソウトはベンチスタートとなった。日本代表のFW前田は25試合で12ゴールを挙げている。
対するアウェーの新潟は「4-2-2-2」。GK東口。DF村上、鈴木、石川、金珍洙。MF三門、本間、藤田、田中亜。FWブルーノ・ロペス、ミシェウ。G大阪戦でスタメンだったMFアラン・ミネイロはベンチスタートで、MF藤田が右サイドハーフでスタメンとなった。FWブルーノ・ロペスは23試合で3ゴールを挙げている。
■ スコアレスドロー試合は序盤からホームの磐田がボールを支配して攻め込んでいく。攻撃の中心となったのは、右SBのDF駒野で、再三、サイドを切り崩して中央にクロスを供給していく。しかしながら、中央の選手に合わずに、新潟のGK東口がキャッチするシーンも多くて、ゴールは奪えない。前半は0対0で終了する。
後半になると、新潟もカウンターからチャンスを作るようになる。後半22分にFW矢野を投入すると迫力が出てきて、際どいシーンが増えていく。最大のチャンスは、後半48分のシーンで、DF宮崎のボールコントロールがミスになったところを奪ってFW矢野が右サイドを独走して、最後は中央でFWミシェウが合わせてネットを揺らすが、オフサイドの判定でゴールならず。
結局、試合はスコアレスドローで終了。新潟は勝ち点「1」を獲得したが、14位のC大阪、15位の大宮、16位のG大阪がいずれも勝利したので、14位のC大阪との差は「6」、15位の大宮との差は「4」となって、かなり厳しい状況に追い込まれた。
■ シュート1本に終わったFW前田試合は予想通り、磐田がポゼッションして攻め込んだが、決め手には欠けた。キレを見せていたMF山崎が前半22分で交代するというアクシデントが発生したのも痛かったが、1トップのFW前田に効果的なボールを供給できず、FW前田が生きなかった。
FW金園が怪我で長期離脱していることもあって、今シーズンは、FW前田が1トップで起用されているが、なかなか、シュートを打てなくて、チャンスに絡めない試合というのも、少なくない。FW前田は、26節まで、全試合フルタイム出場を果たしているが、26試合で47本のシュートなので、1試合平均で2本に届いていないので、1トップの選手としては、かなり低いアベレージである。
それでも、リーグ2位の12ゴールを挙げているので、ゴール数に関しては、「さすが」というしかないが、FW前田を生かしきれていない試合も少なくない。昨年までは、組み立てからフィニッシュまで、FW前田への依存度が高かったので、「仕事が分散できている。」と考えると、必ずしも、悪い話とは言えないが、もう少しシュートシーンに絡んでほしいところである。
■ 好調を維持する駒野友一とは言っても、今シーズンは、G大阪に次いでリーグ2位の得点数を記録しているので、攻撃に関しては、深刻に考える必要は全くない。中心になっているのは、2年目のMF山田、福岡から戻ってきたMF松浦といった2列目の選手であるが、右SBのDF駒野の充実ぶりも目立つ。
2006年、2010年と2度もW杯を経験したDF駒野も、もう31歳となったが、衰えは全く見られない。むしろ、ここ最近に関していうと、「過去最高の状態ではないか。」と思うほど、チャンスを作っていて、ゴールにも絡んでいる。
今シーズンはセットプレーのキッカーも任されており、フリーキックでもゴールを決めているが、サイドからのクロスと精度の高いプレイスキックは大きな武器になっていて、ここからたくさんのゴールが生まれている。磐田に移籍して1年目の2008年はチームに馴染めなかったが、5年目になって、すっかり、サックスブルーのユニフォームが板についてきた。
日本代表では、DF内田が不在のときは右SBで起用されて、DF長友が不在のときは左SBで起用されており、有り難い存在になっているが、今の状態であれば、DF内田が戻ってきても、DF駒野をレギュラーで起用するのがベターではないかと思う。
■ 苦しくなった新潟一方の新潟は、大一番だった25節のG大阪戦は、終了間際にPKを獲得して同点に追いついて、アウェーで貴重な勝ち点「1」を獲得した。直接対決で負けていたら、大変なことになっていたので、大きなドローとなったが、波に乗ることはできず、2試合連続でドローとなった。
もちろん、4位の磐田とのアウェーゲームなので、勝ち点「1」でも悪くは無いが、C大阪と大宮とG大阪が勝利したので、ここで離されてしまった。闇雲に攻めに出て、勝ち点「0」に終わるよりは、はるかにマシなので、最悪の結果ではないが、残り8試合となって、相当に苦しい立場に追い込まれた。
新潟は、またしても運に味方されなかった。後半48分にカウンターからFWミシェウがネットを揺らしたときは、「劇的な展開になった。」と思ったが、オフサイドの判定でゴールは認められなかった。DF宮崎のミスを突いて、FW矢野が素晴らしい躍動感でゴールに迫っており、最大のチャンスが訪れたが、結局、物にできなかった。
リプレーで見ると、FW矢野の選択がワンテンポ遅れてしまって、FWミシェウが先に飛び出しているようにも見えるが、パスを選択するのであれば、判断が遅かったと思われるし、外側からは、FW平井もフリーでゴール前に入ってきており、そこにパスを出すこともできた。前からのディフェンスと突破は見事だったが、最後のところで、適切な判断ができなかったように思う。
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