■ 風間八宏氏の就任が確実か?5節を終えたところで相馬監督を解任して後任の監督を探していた川崎フロンターレが、元日本代表で筑波大学の監督を務めている風間八宏氏を新監督に迎えることが決定的となった。風間氏は、引退後は、フジテレビ系列でメイン解説者として活躍していたが、かなり前から、「風間さんはプロの監督にならないのか?」という声も多くて、期待の高い日本人指導者の一人だったので、川崎Fというクラブで、どこまでできるのか、注目したいところである。
最終的には、風間氏に決まりそうな情勢となったが、後任監督については、何人かの候補の名前が挙がっていたが、当初、最有力とされていたのは、2004年のアテネ五輪で日本代表の監督を務めた山本昌邦氏である。「決定的!!!」という流れになっていたので、急転直下で風間氏に決まりそうなムードになっていることに驚いた人も多いと思うが、個人的には、山本昌邦氏がどこまでできるのか、見たかったという気持ちもある。
山本昌邦氏は、ここ最近、多くのクラブの監督候補として名前が挙がっていて、もし、監督就任となれば、6年ぶりの現場復帰となるが、「名誉挽回できるのか?」は、気になるところである。山本昌邦氏というと、トルシエジャパンなどでコーチを経験し、「日本人の若手指導者の中では屈指の存在である。」と評価されていた時期もあった。アテネ五輪後に率いたジュビロ磐田で結果を残すことができず、大きく評価を下げてしまったが、あのときの磐田は、世代交代の真っただ中の時期だったので、誰が監督になっても難しいようなチーム状態で、気の毒に感じる部分もある。
NHKの解説者として活躍していて、6年も現場から離れていることから想像できるように、Jリーグのクラブからの評価は高くない模様だが、いずれ、どこかのクラブで再チャレンジしてほしいところである。
■ 風間氏はベストな選択か?ということで、山本昌邦氏はダミーのような扱いとなって、風間氏の就任が決定的となったが、風間氏がどういうチームを作るのか、興味深いところである。今の川崎Fも、当時の磐田と似ているところがあって、世代交代が必要な時期に入っているが、筑波大学では、「攻撃重視のサッカーで、普通とは少し違った指導方針で、いいチームを作っている。」と評判になっていた。
相馬監督の解任理由の1つに、「フロンターレらしいアグレッシブさが見られなくなった。」ということが挙げられていたが、風間監督になって、アグレッシブさを取り戻すことができるのか。契約期間は「来シーズン末まで」となることが濃厚なので、早急に結果を求められるような状況ではないが、早い段階で、「良くなりそうな雰囲気」を醸し出すことができるか、注目したいところである。
不安視されるのは、「プロのチームを率いた経験が無いこと。」で、筑波大学での実績は評価されているが、学生とプロでは、教え方も変わってくる。プロ選手が相手となった場合、「監督としての実績」が無いと、尊敬も集めにくい。また、相馬監督がそうだったように、経験の少ない監督は、一度、歯車が狂うと、修正が効かなくて、ズルズルと後退してしまう傾向が強い。
今回は、相馬監督の後釜となるので、プロの監督としてすでに評価が確立されている指導者を招聘する方が、無難だったと思うので、筑波大学から未経験者の風間氏を引っ張ってくるという決断を下した川崎Fのフロントは、賭けに出たともいえるが、最初は、誰でも、未経験であり、未経験者だからこそできるようなこともある。したがって、ギャンブル的な要素を含んだ人事といえるが、川崎Fのフロントの心意気は買いたいところである。
そして、また、風間氏は、ギャンブルする価値のある人物の一人だといえる。もちろん、結果がどうなるかは分からない。フロントは、「タイトルを狙うこと。」と、「フロンターレらしいサッカーを取り戻すこと。」という二つのことを求めているので、要求はかなり高い。普通に考えると、今の状況で、この二つのことを実現できる指導者というと、相当に、限られて来る。したがって、風間氏が川崎Fで成功できるかどうかは、やってみないと分からないが、考えられる日本人の指導者の中で、川崎Fのフロントは、ベストに近い人選をしたのではないかと思う。
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