今週末、一番、見所があって、いい試合になったのが、J2の柏と鳥栖の試合。帰り道に、携帯で試合結果をチェックしていたときに、思わず、電車の中で声を上げそうになった。録画してきて良かった・・・。
J2は、柏・横浜・神戸・仙台の4強と、東京・山形・鳥栖・札幌の中位グループに分かれつつある。鳥栖としては、今シーズン終了後の昇格の可能性は少なくなっているが、それでも、まだまだあきらめるには早過ぎる。とにかく、上位チームにくらいついていくまで。一方、柏にとっては、ホームではどんな相手にも勝ち点3を確保して、2位以内を確実にしたいところだ。
試合はスリリングな展開になった。前半24分に、セットプレーからディエゴのヘディングシュートがポストに当たった跳ね返りを、FW李忠成(イ・チュンソン)が押し込んで先制。しかし、後半38分に、右サイドから山城がクロスを上げると、新居がジャンピンボレーで決めて同点。さらに、前半42分には、柏のDF岡山のオウンゴールで勝ち越し。2対1で鳥栖リードで前半を終了した。後半は立ち上がりから柏が押し込む展開になるが、後半7分に、鳥栖の山城がハーフウェーラインからドリブルを開始すると、右と左に走る選手を使うと見せかけて自分で突進。最後は、GK南をあざ笑うかのような、見事な見事なループシュートを決めて3点目。さらに、後半13分には、新居がペナルティーエリアでファールをゲット。そのPKを自ら決めて4点目。そして、圧巻は後半29分。ペナルティーエリア内で相手ディフェンスを背負った状態でボールを受けると、素早い反転をしてシュート。これが決まって、チーム5点目。速さと強さを見せ付けた、これぞストライカーというゴールだった。(新居らしくないゴールだったかもしれないが・・・。このゴールで、新居は今シーズン2回目のハットトリックを達成。)柏は、後半38分に、小林祐三のファインシュートで1点を返すも、これで試合終了。柏ホームで、鳥栖が5対2で勝利するという、衝撃的で痛快な試合だった。
柏自体は、それほど悪くなかったと思うが、それ以上に、新居と山城の出来が素晴らしかった。鳥栖の1点目と5点目の新居のゴールと、3点目の山城のゴール(付け加えると、小林のゴールも。)は、今シーズンのベストゴール投票にノミネートされることが確実なくらいのグレートなゴールだった。数は少ないかもしれないが、鳥栖から駆けつけたサポーターにとっては、最高の夜になっただろうな。おめでとうございます。
それにしても、新居は凄い。これだけ、見ている人の心を揺さぶるプレーヤーは、J1でもそうはいない。新居のプレーを見ていると、日本協会がどうのとか、マスコミがどうのとか、川淵がどうのとか、オシムジャパンがどうのとか、そんなことは、しばしの間、どうでも良くなる。サッカープレーヤーとしての価値を示すのは、所属リーグがどこであるかとか、代表選手であるかどうかとか、ルックスがどうかとか、そんなもので決まるものではなくて、どれだけ、試合中に人々に驚きと感動を与えられるかどうかだろう。そういう意味では、今の新居は文句のつけようがない。
鳥栖が来シーズンのJ1昇格を逃したとしたら、新居にはJ1からのオファーが殺到するだろう。今の新居なら、J1でも、コンスタントにゴールを生み出すことが出来るだろう。そして、いつか、オシム監督に代表に呼ばれる日が来るだろう。でも、ボクは、今、”鳥栖の新居”を代表に呼んでほしい。代表選出だけが全てではないが、もし、これが実現すれば、サガン鳥栖とJ2にとっての効果は、計り知れないものがある。オシム監督の英断に期待。
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