■ 第23節ブンデスリーガの23節。7勝10敗5分けで勝ち点「26」のシュツットガルトは、ホームで最下位のフライブルクと対戦した。フライブルクは4勝12敗6分けで勝ち点「18」。昨シーズンは、32試合で22ゴールを挙げたFWシセの大活躍もあって「9位」と健闘したが、大黒柱のFWシセが、今年1月にニューカッスルに移籍し、大きな戦力ダウンとなった。
ホームのシュツットガルトは「4-2-3-1」。GKウルライヒ。DFブラルズ、タシ、ニーダーマイアー、酒井高徳。MFクヴィスト、クズマノヴィッチ、ハルニク、ハイナル、岡崎慎司。FWイビセヴィッチ。29日(水)に開催されるフランス戦のドイツ代表に招集されたFWカカウはベンチスタート。アルビレックス新潟からレンタル移籍中のDF酒井高は3試合連続スタメンとなった。日本代表に招集されたMF岡崎は2試合連続ゴール中で、今シーズンは6ゴールを挙げている。
■ シュツットガルトが快勝!!!ウインターブレーク明けは、シュツットガルトは1勝3敗1分けで、フライブルクは1勝2敗2分け。フライブルクは、22節の試合でバイエルンを相手に引き分けるなど、やや調子を上げてきているが、この試合は、シュツットガルトが試合を優位に進める。
まず、前半12分に左サイドでボールを持ったDF酒井高が、逆サイドのMFハルニクにクロスを送ると、MFハルニクはトラップして中に切れ込む。ここで、FWイビセヴィッチがうまく絡んで相手DFを引き寄せると、MFハルニクは完全フリーで中央を突破し、難なくゴール。DF酒井高は初アシストとなった。
さらに、前半21分にも、GKウルライヒのロングキックをおさめたMFハルニクのクロスをMF岡崎がスライディングしながらゴールに押し込んで2点目を挙げる。MF岡崎は3試合連続ゴールで、7ゴール目となった。しかし、フライブルクも、前半27分にセットプレーから1点を返して、前半は2対1とシュツットガルトがリードして折り返す。
後半は、フライブルクがボールを支配し、シュツットガルトは危ないシーンが多くなるが、後半17分に左サイドのコーナーキックを獲得すると、MFハイナルのボールを起点に、ゴール前のDFブラルズがコースを変えてネットを揺らし、3対1とリードを広げる。さらに、シュツットガルトは、後半37分にも、MFハイナルのクロスからMFハルニクが決めて4点目を挙げる。MFハルニクは13ゴール目となった。結局、4対1でシュツットガルトが快勝。暫定で8位に浮上した。
■ MF岡崎慎司は3戦連発で7ゴール目!!!シュツットガルトは、昨年末から不振が続いており、ここ9試合では1勝6敗2分けと散々な成績で、22節もアウェーでハノーファー96に2対4で敗れたが、この試合は、攻撃陣が爆発し、今シーズン8勝目を飾った。幸先よく2点リードを奪うことができたので、もっと楽な展開になってもおかしくなかったが、セットプレーで1点を返された後は、相手に攻め込まれるようになった。ただ、「同点ゴールか???」と思われたシーンで、相手のシュートがポストに当たるなど、運はあった。
好調のMF岡崎は、今シーズン、20試合目の出場となったが、前半21分にゴールを決めて、リーグ戦で7ゴール目を記録した。ヘルタ・ベルリン戦、ハノーファー96戦でもゴールを決めているので、3試合連発となったが、いいところにポジションを取っていて、チャンスを確実にものにしている。右サイドを突破したMFハルニクのクロスは、高速クロスとなったので、合わせるのは難しいボールだったが、泥臭く飛び込んで、体ごとゴールに押し込んだ。
シュツットガルトは、右サイドハーフのMFハルニクが13ゴールで、MF岡崎が7ゴールを記録している。逆に、トップ下のMFハイナルはノーゴールなので、今シーズンは、サイドハーフの得点が目立っている。MF岡崎も、オーストリア代表のMFハルニクのゴール数には及ばないが、コンスタントにゴールを稼いでおり、二桁ゴールも射程圏内に入って来た。
冬の移籍市場でFWイビセヴィッチが加入したことも大きい。彼は中央で起点となれるので、MFハルニク、MFハイナル、MF岡崎の2列目トリオがチャンスに絡むシーンが増えてきた。これまで、1トップで起用されていたFWカカウやFWポグレブニャクは、ボールが収まらないタイプだったので、かなり効果的な補強となった。ドイツ代表のFWカカウを含めて、前線のタレントは豊富で、様々な組み合わせが考えられるが、現状では、この4人の組み合わせがベストであり、他の選手を起用するとクオリティーが落ちてしまうのは明らかである。
■ DF酒井高徳は先制ゴールをアシスト一方、イタリア代表経験のあるDFモリナロが不在ということもあって、DF酒井高も3試合連続でスタメン出場を果たしたが、先制ゴールのMFハルニクのゴールをお膳立てし、ブンデスリーガで初アシストを記録した。このシーンは、FWイビセヴィッチがスクリーンをかけたような感じになって、MFハルニクがドリブルシュートを決めたが、逆サイドにいいボールを送ったDF酒井高の判断と技術の高さが光った。
このシーン以外にも、この日は、利き足ではない左足の精度が高くて、左足のクロスでチャンスを作った。後半には、完全に左サイドを崩してファーサイドで待つFWイビセヴィッチにパーフェクトなクロスを送ったシーンがあったが、右足のクロスよりも、左足のクロスの方が、いい感じで蹴ることができている。完全ドフリーのヘディングシュートをFWイビセヴィッチが決められなかったので、2アシスト目はならなかったが、素晴らしいプレーだった。
また、クロスだけでなく、突破力でもアピールしている。もともと、スピードのある選手であるが、日本時代よりも、スピードで相手のディフェンスを振り切るシーンが目立っている。これは、海外でプレーする選手の多くに共通する話であるが、クイックネスがこれまで以上に武器になっている。
一方で、守備面は課題といえる。この日は、対面した選手がスピードのある選手だったこともあって、裏を取られるシーンが何度かあった。幸いにして、ピンチにつながることは少なかったが、インターセプトを狙うべきか、否かのところで、判断をミスするシーンが何度かあった。いずれにしても、スタメン起用された3試合で相当なアピールができたので、DFモリナロが戻ってきても、継続してレギュラーで起用される可能性はある。難しい冬の移籍となったが、ここまでのところ、予想以上にうまく事が運んでいる。
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