■ 個のアピール機会この時期の国際親善試合に大きな意味はない。そして、相手がどこだと、どんなメンバーかということもあまり関係ない。とりあえず、久しぶりに合宿をして、チームメートとコミュニケーションをとることが、一番、大切だと思う。戦術がどうだとかは、最終合宿で煮詰めればいい話で、選手個々がどれだけアピールできるかが見所である。
一番目立ったのは、MF三都主。レッズでの好調なプレーそのままに、素晴らしく切れのあるプレーで、再三チャンスを演出して、アシストもマークした。バリエーションがあって、精度の高いクロスは絶品で、全盛期の「アレックス」が戻ってきたようだ。これは、非常に頼もしいことだ。
もう一人光ったのがFW佐藤寿人。(彼自身にとって、)この大一番で、らしいワンタッチのゴールを決めることのできる集中力は、さすがというほかない。ドイツ大会では、大黒の椅子(スーパーサブ)には、佐藤寿人が座っていることだろう。そうでなくては、絶対におかしい!!!
■ 玉田のスピードとテクニックこの試合では、<3-5-2>だったが、FW玉田が中盤まで下がってきて、うまく中盤とトップの繋ぎ役として機能していた。玉田のスピードとテクニックは、大柄な選手相手には、相当に威力を発揮するだろう。柳沢なき後、スタメンの座は、ゆるぎないのものになったのではないか。
中盤で存在感を発揮したのは、福西。対人に強く、散らしも出来て、得点力もある福西のプレーは、この試合でも光っていた。後半に小野が、再三ゴール前に顔を出せるようになったのも、福西の存在が大きい。
チームとしてみると、奪ったボールをダイレクトで繋ごうという意識が見られたのが収穫。これまでは、DFラインでボールを奪ったら、一度ボランチにボールを渡して、そこから展開することが多かったが、坪井 or 中澤から、トップの選手にボールを当てて展開しようという試みが見られたことは新しいチャレンジで一定の評価はしたい。ただし、フィードのミスが目立ったのも事実で、坪井と中澤では不安が残るが・・・。
■ 苦しい小野の立場小野に関しては、彼が、もっとできる選手であることはみんな知っていると思うから、あえて厳しいことをいうと、欧州組が帰ってきたら、スタメン確保は難しいと思う。
光るパスが、2度3度あって、そのパスセンスは何物にも変えがたい日本代表の武器ではあるが、福西、中田を脅かすまでのプレーは見せられなかった。スタメンは難しいとなると、サブでどうしても点を取りたいときに小野を入れて局面の打開を図るという役割が与えられることになるが、いままで、サブの経験がないだけに未知数。代表落ちもあるかもしれない。
■ 選手の勢いや調子を重視した選考を・・・全体的に見ると、Jでいいパフォーマンスを見せている選手(三都主、佐藤、玉田、坪井)がこの試合でもいいパフォーマンスを見せて、Jでもいまひとつの選手(久保、小野、宮本)のパフォーマンスは、この試合でもいまひとつだったという、分かりやすい結果になった。
これまでのジーコ采配は、選手の調子とか体調は一切考慮しないものだったが、さすがに、この時期にきたら、勢いだとか、調子だとかを重視して選手選考をしてほしいと思う。
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