■ J1の第21節J1の第21節。13勝3敗4分けで首位を走る横浜F・マリノスはホームの日産スタジアムで宿敵の川崎フロンターレと対戦した。川崎Fは8勝7敗4分けで勝ち点「28」。首位の横浜FMとの差は「15」。逆転優勝のためには勝つしかない状況になっている。このカードは「神奈川ダービー」と言われていたが今回の対戦から「BIG神奈川ダービー」という名称がつけられた。近年のJリーグを引っ張る2クラブの激突となった。
ホームの横浜FMは「4-2-1-3」。GK一森。DF松原健、上島、エドゥアルド、永戸。MF藤田譲瑠チマ、渡辺皓、マルコス・ジュニオール。FWヤン・マテウス、アンデルソン・ロペス、エウベル。20節の名古屋戦(A)の前半終了間際に負傷したMF西村拓は欠場。MFマルコス・ジュニオールがスタメンで起用された。得点源のFWアンデルソン・ロペスは20試合で15ゴールを挙げている。FW杉本健はベンチスタート。
対するアウェイの川崎Fは「4-1-2-3」。GK上福元。DF山根視、高井、車屋、登里。MFジョアン・シミッチ、脇坂、瀬古樹。FW家長、山田新、宮代。怪我人が続出している中、キーパーはGK上福元が起用された。20節の横浜FC戦(H)は久しぶりにGKチョン・ソンリョンが起用されたがこの日はベンチ外となった。19試合で5ゴールのFW宮代がチーム内得点王になる。FW山田新は17試合で2ゴールを挙げている。
■ 「BIG神奈川ダービー」には42,772人のお客さん首位の横浜FM vs 9位の川崎Fという「BIG神奈川ダービー」には42,772人のお客さんが集まった。試合の前半は横浜FMペースになった。前半10分にはFWエウベルの突破からFWヤン・マテウスに決定機が訪れたがシュートはクリーンヒットしなかった。前半12分に川崎FのFW山田新のシュートがネットを揺らしたがオフサイドの判定でゴールとは認められなかった。前半19分にはFWエウベルにも決定機が訪れた。
前半の終了間際に横浜FMにアクシデントが発生。右SBのDF松原健が相手と激突して脳震盪で交代となった。代わってDF畠中が起用されたがCBだったDF上島が右SBにスライドした。後半になると横浜FMは前半ほどはチャンスを作れなくなった。後半12分に川崎FはFW家長の折り返しからMF瀬古樹に決定機が訪れたが決められず。後半26分には途中出場したMF遠野が倒されて川崎FにPKが与えられた。
FW家長がキッカーを任されたがキーパーのGK一森がビッグセーブを見せた。大きなチャンスを逃した川崎Fだったが後半49分にゴール前に上がっていたDF大南の折り返しから最後はCBのDF車屋が体ごと押し込んで土壇場で先制ゴールを奪った。1対0で勝利した川崎Fは2連勝。横浜FMとの差は「15」から「12」に縮まった。大逆転優勝に望みをつないだ。横浜FMは2試合勝ちなし。ホームでは初黒星となった。
■ 決勝ゴールを奪ったのはCBのDF車屋ダービーマッチらしい白熱した展開になったが後半に流れをつかんだ川崎Fが劇的な形で勝利した。正直なところ、上位争いをする横浜FM・神戸・名古屋・浦和などが揃って大崩れすることは考えにくい。逆転優勝はかなり難しいと思うがそれでも望みをつなぐことが出来たのは大きい。ここ1年ほどで横浜FMとの差が広がりつつあった川崎Fにとってはプライドを保つ意味でも価値ある勝ち点「3」を獲得となった。
決勝ゴールを奪ったのはCBのDF車屋だったがアシストを記録したのもCBのDF大南だった。攻撃陣がチャンスを生かせない中、攻撃参加したCBの2人がゴールを奪った。最後のシュートは簡単なものではなかったが執念で押し込んだ。DF車屋も32歳になってベテランの域に入ったが経験値は豊富。MF三笘、MF旗手、MF守田、MF田中碧など若手から中堅世代の主力がたくさん抜けた川崎Fを支えている。
キーパーは2試合ぶりにGK上福元がスタメンで起用されたがミスなくプレーした。ここ最近は失点に絡むミスが増えており、先日の横浜FC戦はベンチスタート。GKチョン・ソンリョンがスタメンで起用されたがこの日はベンチ外。再び、GK上福元に出番が回ってきたが安定したプレーを見せた。リスク覚悟の超・攻撃型のキーパーなので「失点に直結するミス」が生じるのも仕方がないができる限り、減らす必要がある。
浮上のためには攻撃陣の奮起が必要となるが途中出場したMF瀬川祐ならびにMF遠野の2人は大きな存在感を発揮した。MF瀬川祐の素晴らしいスルーパスを受けたMF遠野が倒されてPKを獲得するシーンもあったが決勝アシストのDF大南も含めてこの日の川崎Fは交代選手がしっかりと仕事をした。横浜FM側で途中出場したFW杉本健やMF植中やFW宮市亮などがあまり目立たなかったのとは対照的だった。
■ 選手層は薄くなっている。敗れた横浜FMはこれで2試合勝ちなしとなった。優勝争いの山場はまだ少し先だと思うが上位争いをする名古屋とはドロー。宿敵の川崎Fには敗れた。嫌な流れで中断期間に突入することになった。次節はアウェイの浦和戦。こちらも上位対決となる。ただ、8月6日(日)に予定されているのでかなり先の話になる。MF西村拓などが怪我をして戦線から離脱しているがMF西村拓が戻ってこれると心強いが・・・。
先のとおり、横浜FMは交代選手があまり機能しなかった。後半開始から脳震盪のDF松原健を下げてDF畠中を投入。CBでスタメン出場したDF上島を右SBに回したがDF上島は右SBでのプレーに慣れていない。力の差が大きい相手であるならば無難に右SBをこなせるだけの能力を持った選手だと思うが川崎Fのような強豪相手となると厳しい。後半はDF上島のいる右サイドから効果的な攻撃は出来なかった。
DF松原健の交代は脳震盪の影響なのでこの日は6人の選手を投入できた。FW水沼、FW宮市亮、FW杉本健、MF喜田拓、MF植中も起用されたが交代出場した選手は総じて静かだった。「選手層の厚さ」というのは横浜FMが昨シーズンのリーグ戦を制することが出来た大きな要因の1つに挙げられるがオフにMF岩田、FWレオ・セアラ、FW仲川が移籍。DF小池龍など怪我人も出ているので選手層は薄くなっている。
心配されるのはレギュラー組にかかる負担が大きくなっている点。例年の横浜FMと比べると替えの利かない選手が少なくない。ボランチはMF渡辺皓を中心にMF藤田譲瑠チマ、MF喜田拓、MF山根陸がいるので大きな問題は生じないが左SBはDF永戸の控えだったDF小池裕が怪我で長期離脱することになった。サブ組中心だった先日の天皇杯の3回戦はJ2の町田に1対4で大敗したがサブ組の奮起は必要である。
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