■ ついに迎えたファイナルの舞台第46回となる日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会は決勝戦を迎えた。準決勝は柏U-18と対戦して前半を終えた時点で2対2だったが雷の影響で試合続行は不可。抽選の末に決勝進出を果たした横浜Fマリノスユースは正田醤油スタジアム群馬でセレッソ大阪U-18と対戦した。横浜FMユースはC大阪U-18やC大阪U-23などC大阪の育成部門で長きに渡って指導した大熊裕司監督がチームを率いている。
横浜FMユースは「4-2-3-1」。GK髙橋太陽。DF舩木大輔、髙橋謙豪、畑野優真、池田春汰。MF篠原佑岳、島田春人、松村晃助、望月耕平、白須健斗。FW内野航太郎。プレミアリーグEASTで11試合に出場して12ゴールと大活躍中のFW内野航太郎は185センチの大型ストライカー。2021年にU-17日本代表に召集されている。右SBのDF舩木大、CBのDF畑野はともに2年生。2022年にU-17日本代表に選ばれている。
対するC大阪U-18は「4-2-3-1」。GK春名竜聖。DF和田健士朗、白濱聡二郎、川合陽、西川宙希。MF伊藤翼、佐野泰、皿良立輝、清水大翔、末谷誓梧。FW金本毅騎。1年生ながら8番を背負っているMFエレハク有夢路はベンチスタート。FW金本が1トップの位置で起用された。プレミアリーグWESTで10試合で11ゴールを挙げて得点王争いの首位を走っているU-18日本代表のFW木下慎之輔は欠場となった。
■ 10分ハーフの延長戦に投入したが・・・。決勝戦はC大阪ペースになった。前半5分に左SHのMF末谷がポスト直撃のシュートを放った。さらに前半11分には右SHのMF皿良がクロスバーに直撃する惜しいシュートを放った。試合を優位に進めたC大阪だったが前半20分にCKを献上するとDF畑野にヘディングで決められて失点。追いかける展開になった。前半のC大阪は何と15本のシュートを放ったがゴールを奪うことは出来ず。前半は1対0で折り返した。
後半開始からC大阪は1トップのFW金本を下げてFW緒方を投入したが後半は横浜FMが持ち直してほぼ互角の展開になった。前半ほどはチャンスを作れなくなったC大阪だったが後半33分にCKを獲得するとキャプテンでCBのDF川合がフリーでシュート。最初のシュートは決まらなかったがこぼれ球を自ら押し込んでようやく1対1の同点に追いついた。試合は40分×2では決着がつかず。10分ハーフの延長戦に入った。
延長戦の前半9分にC大阪が右サイドのCKを獲得するとMF皿良が蹴ったボールをファーサイドで待っていたDF川合陽がヘディングで合わせて2対1と逆転に成功する。さらに延長戦の後半9分にはカウンターからMF皿良のパスを受けた途中出場のMF中山聡が決めてダメ押しの3点目を奪った。3対1で勝利したC大阪U-18が13年ぶりに日本一に輝いた。横浜FMはCKから先制ゴールを奪ったが逃げ切れなかった。
■ 大会のMVPに輝いたのは3年生のDF川合陽C大阪は後半はシュートが8本だけ。延長戦は前半と後半を合わせて4本だった。ハーフタイムの後は前半の40分のようには攻められなくなったがそれでも試合を通して27本のシュートを放った。横浜FMも11本のシュートを放ったが計100分の戦いの中ではC大阪の技術の高さがとにかく目立った。横浜FMの持ち味は前線からのハイプレスになるがC大阪が巧みにボールを回してプレスを掻い潜る場面が沢山あった。
決勝Tで対戦したFC東京U-18、東京Vユース、横浜FCユースとの試合はここまでパスワークで剥がすことは出来なかった。強いプレスをかけてくる横浜FMはどんどんボールを奪いに来るのでC大阪としては戦いやすかったと言える。引いて守られたら苦しくなったと考えられる。ずっとC大阪の育成部門で指導をしてきた大熊裕司監督が率いるチームを打ち破っての日本一というのは余計に嬉しい話になる。
大会のMVPに輝いたのは3年生のDF川合陽だったが文句なしの活躍だった。なかなかゴールを奪えない中、同点ゴールを奪って試合を振り出しに戻すと延長戦の前半9分に逆転ゴールをゲット。神がかり的な活躍を見せた。176センチなのでCBとしてはサイズに恵まれていないが1対1の対応力が高くてヘディングも強い。判断や技術も正確なのでスペックは相当に高い。ボランチやSBも難なくこなせそうな能力がある。
C大阪の下部組織は2021年から風間体制になった。男子のC大阪U-18だけでなく、その下の世代ならびに女子チームも同じ哲学で強化を進めているという。C大阪U-18から興国高に転籍してJ2の山形でプロキャリアをスタートさせたDF坂本稀のように「風間サッカーに合わなかった選手」がたくさん他校あるいは他のクラブに転籍している。そのことに関しては否定的な意見もあるのでここで結果が出たのは大きい。
■ 185センチの大型ストライカーのFW内野航太郎敗れた横浜FMユースは持ち味であるプレスをかけてもパスワークで掻い潜られるシーンが目立った。特に前半はプレスをかわされて何度もシュートまで持ち込まれた。思うようなサッカーができない難しい展開だったがCKから前半20分に先制ゴールを奪った。先のとおり、ハーフタイムを経た後半は横浜FMも盛り返した。ほぼ互角の展開になったので「このまま逃げ切れそうな雰囲気」もあったがCKから追いつかれた。
高さのある選手がたくさんいる横浜FMに対してC大阪はそこまで高さのあるチームではない。高さ勝負では横浜FMが優勢だったがCKの回数はC大阪が11回、横浜FMが6回のみ。双方ともCKからゴールを奪ったがCKを獲得した数の多かったC大阪はCKから2つのゴールを奪った。いいボールが入ってくると高さのあるチームでも対応するのは難しくなる。キッカーを務めたDF和田健士朗とMF皿良のボールは鋭かった。
横浜FMのユースもたくさんの選手をプロの世界に送り出している。今年のチームにもタレントは沢山いるが、やはり、目立つのはプレミアリーグEASTでゴールを量産している3年生のFW内野航太郎になる。この日はゴールを奪えなかったが185センチと体格に恵まれている。近年の横浜FMのトップチームは長身ストライカーに頼らないサッカーになっているが動き方を見るとゴールを量産して理由が良く分かる。
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▼ 動画の投稿日 (2022年8月2日)
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