■ シュート技術とディフェンス技術 海外サッカー通の方に聞いたところ、「Jリーグはレベルが低くて、Jリーガーはシュートが下手過ぎる。プレミアリーグの試合では、シュートはほとんど枠に行くし、宇宙開発などありあえない。」という。
確かに、シュートが枠を大きくそれるシーンはJリーグではよく目にする光景だが、ただ、「単純にサッカーのレベルが上がれば、シュートが枠に行くようになるのだろうか?」という疑問は、ほとんどの人が抱くものだろう。
実際に、個人のシュート技術が上がれば、誰もマーカーがいないフリーの状態でシュートを放つことが出来るとすれば、シュートが枠に飛ぶ確率は間違いなく上がるだろうが、その一方で、シュートを枠に飛ばせまいとするディフェンダーの技術が向上すれば、必然的に枠内シュートの確率は低下するだろう。
サッカーの場合、攻撃と守備は表と裏であり、どちらかの前提を省いた状態で議論を進めても、意味のないことが少なくはない。
■ 枠内シュートランキング それはともかく、ここで2008年のJ1各クラブの枠内シュート率を表記する。
| ランク | 枠内シュート率 |
FC東京 | 1 | 45.1% |
清水 | 2 | 44.7% |
柏 | 3 | 42.8% |
札幌 | 4 | 42.8% |
名古屋 | 5 | 42.4% |
G大阪 | 6 | 42.2% |
川崎F | 7 | 42.2% |
京都 | 8 | 41.1% |
大分 | 9 | 40.1% |
磐田 | 10 | 40.1% |
浦和 | 11 | 39.8% |
神戸 | 12 | 39.7% |
新潟 | 13 | 38.9% |
横浜FM | 14 | 38.8% |
大宮 | 15 | 38.1% |
東京V | 16 | 37.1% |
千葉 | 17 | 36.0% |
鹿島 | 18 | 35.5% |
参考 2008 サッカーダイジェスト総集編
意外なことに、リーグ2連覇の鹿島アントラーズが第18位でリーグ最低であり、逆に、リーグ戦の順位が18位で早々に降格が決定したコンサドーレ札幌が4位と好位置につけている。
■ 鹿島が最下位である理由は? ここで、鹿島がリーグ18位であった理由を推測してみると、
① シュート本数の多いマルキーニョスがあまりシュートが上手くない。
② ミドルシュートを積極的に放った。
③ フォワードの選手と比べてシュート技術の劣るミッドフィールダーやディフェンダーのシュート本数が多かった。
という3つの理由が考えられなくもないが、いま一つ、正当性に欠けるのは否めない。なにより、「アントラーズの選手はシュートが上手くない。」とか、「アントラーズの選手のシュートは確実性に欠ける。」というイメージを持っている人は、ほとんど少数だろう。
サッカーを数字で評価するとき、事前のイメージ通りであることもあるし、逆に、事前のイメージとは異なることもある。簡単に数字で評価できないのがサッカーの面白さであり、奥深さなのかもしれない。と同時に、サッカーで数字を扱うときは注意したいものである。
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適度に枠外→カウンターを食らって失点しにくい
かも
鹿島ファンなので贔屓目かもしれませんが。。
鹿島は枠外と言っても宇宙開発はそれほど多くない気がします。
また惜しいシュートが多いというのも印象としてあります。
ただシュートをほぼ毎試合20本前後打ってるのでもう少し入らないのかなと思っていたので、このデータに納得もします。
鹿島が18位であった理由はおそらく、
①ミドルシュートを積極的に放った
②試合展開上、押し込む展開が多く
敵DFが揃っている状態でのシュートが多かった
の2つだと思います。
②の反対をコンサドーレと考えれば、コンサドーレの
枠内シュート率が高い事も理解できるかと。
また、①と②は関連性があって、敵DFが揃っているから
ミドルが多いと推定できるのではないかと思います。
そのため、この分析には
シュートエリアとシュート数も足してあげた方が
良いように思います。
もちろん、数字があればの話ですが。
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