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【Jリーグ】 MF坂元達裕(セレッソ大阪)の切り返しがエグイ。 | | |　

■　注目の上位候補同士の対戦は・・・。

開幕前に上位候補に挙げられた横浜Fマリノスとセレッソ大阪の試合は9月13日(日)に行われた。10勝2敗3分けで2位のC大阪に対して横浜FMは6勝7敗3分けで10位。思うような結果を出せていない。4連勝中のC大阪に対して横浜FMは3試合勝ちなし中。2試合連続逆転負けを食らっているので好対照の2チームの対戦になったが後半7分にMFマルコス・ジュニオールのクロスからFWエリキが決めて横浜FMが先制に成功する。

主導権を握る展開になった横浜FMだったが後半13分にMF清武に鮮やかなループシュートを決められて1対1の同点に追いつかれると後半20分にはDF片山瑛の突破を後ろから止めたCBのDF伊藤槙が一発レッドで退場。10人になった。数的優位となったC大阪は後半41分に途中出場したFW高木俊が決めて逆転に成功する。2対1で逆転勝利を飾ったC大阪は5連勝。敗れた横浜FMは3試合連続の逆転負けとなった。

夏に加入したFWジュニオール・サントスの活躍もあって浮上しつつあった横浜FMにとって川崎F→名古屋→C大阪と続く上位との3連戦は「今シーズンのターニングポイント」だったがまさかの3試合連続の逆転負けとなった。いずれの試合も先制ゴールを奪っているが逆転で敗れた。川崎F戦の前の13節の神戸戦(A)は3対1とリードを奪いながら2失点して引き分けに終わったがここで勝ち点「2」を失ったのも痛恨だった。

4試合勝ちなしとなった横浜FMは「2連覇が絶望的」と言える状況になった。16節を終えた時点で首位の川崎Fと2位のC大阪の差でも「8」。C大阪でも限界ギリギリの勝ち点差になるが首位の川崎Fと10位の横浜FMの差は「23」。まだ半分の試合数しか消化していないとは言っても逆転優勝は不可能に近い。開幕前に本命視されたのはリーグ王者の横浜FMだったが今シーズンは噛み合わないシーズンになっている。

■　5連勝となったセレッソ大阪

対照的にC大阪は5連勝となった。上位候補に挙げられたチームとの対戦が多い9月はC大阪にとっても勝負の時期と言えるが4位の名古屋との差が「9」まで広がったので4度目のACLの出場権獲得の大きなチャンスを迎えている。川崎Fがほとんど勝ち点を取りこぼさないので逆転優勝というのはかなり難しいと言えるが4位以下との差が大きく広がっており、クラブ史上最高の2位というのは十分に可能な立ち位置になる。

再開後、なかなかゴールを奪えずに苦労したが10節の柏戦(A)からリーグ戦では7試合連続で複数ゴールを奪っている。川崎Fにはアウェイで大敗したが7試合で6勝1敗となる。失点の少ないC大阪の得点力が上がって来たので連勝が続くのも当然の話である。16節を終えた時点で11勝2敗3分け。16試合で勝ち点「36」を獲得しているが普通のシーズンであれば高確率でC大阪が首位を走っているだろう好成績である。

立役者になっているのはMF清武とMF坂元の2人である。ともにゴールとアシストを量産しているが中でもMF坂元の活躍はセンセーショナルと言える。昨シーズンはJ2の山形でプレーして42試合で7ゴール3アシストを記録。わずか1年でJ1のC大阪への個人昇格を果たしたが開幕からずっと右SHのレギュラーとして活躍しており、この日も2アシストの活躍。百戦錬磨のMF清武に優るとも劣らない活躍を続けている。

2人の連携からチャンスを作る場面が多くなっている。1点目はMF坂元のパスからMF清武のループシュートが決まって1対1の同点に追いついたが後半41分に生まれた2点目のFW高木俊のゴールはMF坂元の真骨頂と言える鋭い切り返しから生まれた。ゴール前にいたFW高木俊のポジショニングは非常に良かったが「MF坂元が切り返しをして右足で速いグラウンダーのクロスを入れた時点で勝負あり」と言えた。

　・　2020/02/18 　【Jリーグ】 MF坂元達裕(モンテディオ山形→セレッソ大阪)がなかなかエグい。

■　分かっていても引っかかってしまう必殺の武器

「切り返し」は分かっていても引っかかってしまう絶対的な武器になっているが相手のSBもしくはWBと1対1になったら高確率でビッグチャンスを演出できる。この試合でマッチアップしたのは横浜FMの左WBのMFティーラトンだったがMF坂元の切り返しを封じるのは相当に難しい。先日の浦和戦(H)ではDF山中を「切り返し」であっさりとかわしてオウンゴールを誘発したが「1人で止めるのは至難の業」と言える。

SBやWBと1対1になったときどういうプレーを仕掛けてくるのか？はマッチアップする相手も十分に理解しているはずである。浦和戦(H)でDF山中がどういう形でやられたのか？はMFティーラトンも頭に入れてプレーしていたと思うが為す術なくやられてしまった。左足のクロスも精度が高いので左足でクロスを上げる素振りを見せたらそちらを封じようとするしかないがそうなると「切り返し」で置いてけぼりを食らう。

「左足でクロスを入れる素振りを見せながら右足に持ち替えて右足でグラウンダーのクロスを入れるプレー」が十八番になっているが左足でクロスを入れることも可能な状況になってから判断を変えて右足にボールを置くまでのスピードが尋常ではない。右足を出してクロスをブロックしようとした相手のSBもしくはWBの体勢は大きく崩れてほぼフリーの状態でMF坂元が右足でクロスを入れるシーンが目立つ。

最後のクロスの選択についてはクレバーである。左利きのテクニックのある選手が右サイドから縦に仕掛けて相手を抜き去った後、右足でクロスを入れるときはふんわりとしたクロスをファーサイドに入れるケースが多い。それも1つの方法ではあるがふんわりとしたクロスは相手のCBにクリアされやすい。ふんわりしたクロスなので「クリアをしにくいボール」ではあるがクロスがゴールにつながる確率はあまり高くない。

同じような場面でMF坂元は右足でゴール前に速いグラウンダーのクロスを入れる場面が多いが「個人的には一番いい選択だ。」と思う。もちろん、ケース・バイ・ケースなのでFW都倉のような大型フォワードがファーサイドにいたらふんわりとしたクロスを入れても効果的だと思うがサイドを打ち破られてあたふたしている相手にもっとも効くのは「速いグラウンダーのクロス」である。オウンゴールになる確率も高い。

　・　2020/02/10 　【京都サンガ×セレッソ大阪】新スタジアムのこけら落としに行ってきた。 (生観戦記・上)
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