■ 9試合勝ちなしで順位が急降下風間監督が就任して3年目となる名古屋は12節を終えた時点では7勝2敗3分けで勝ち点「24」。首位のFC東京との差は「6」。2位と上位争いの中心に位置した。2010年以来となるJ1優勝の期待が膨らんだが13節からの7試合で0勝6敗1分けと低迷。一気に順位を落として上位争いから脱落した。最初の12試合はわずか8失点のみだったが13節からの7試合で計17失点。17節の神戸戦(A)では大量5失点を喫した。
直近の20節はホームのG大阪戦だった。豊田スタジアムは42,975人という大観衆で埋まったが後半46分に復帰戦となるMF宇佐美に同点ゴールを食らって2対2のドロー。目前まで迫っていた勝利を逃した。その後、ゴール前の絶好の位置でFKのチャンスを迎えたが移籍後初出場となるDF太田宏のFKはGK東口が好セーブで防いだ。この試合から夏に獲得した新戦力を起用できたが両者の明暗はくっきりと分かれた。
これで名古屋は9試合勝ちなしとなった。20試合で7勝8敗5分けとなる。勝ち点「26」を稼いでいることを考えると『現時点で残留争いに巻き込まれている。』というわけではないが21節が浦和戦(A)、22節が川崎F戦(H)。ビッグクラブとの対戦が続くことを考えると『残留争いに巻き込まれる可能性』は否定できない。23節は松本山雅戦(A)になるが下位の松本山雅に敗れて12試合勝ちなしになるようだと非常事態である。
■ 天皇杯では鹿屋体育大に大敗「後半46分に同点に追いつかれてのドロー」というのは印象が良くない。「風間監督は解任される可能性が高い。」と報じたメディアもあるが、今のところ、正式なニュースは流れていない。後任監督の候補として名古屋で監督を務めたことがあるベンゲル監督やFC東京と鳥栖で監督を務めたフィッカデンティ監督の名前も挙がっているが年俸面や年齢などを考えると「ベンゲル監督の復帰」というのはあり得ないだろう。
名古屋は昨シーズンも長く勝てない時期が続いた。「○○試合未勝利」というフレーズに過剰に反応してしまうサポーターは多いと思うが上位争いに参加していたチームが急失速して9試合勝ちなしとなったことを考えると「監督交代という決断が下されても不思議はない状況」と言える。天皇杯の2回戦で鹿屋体育大にホームのパロマ瑞穂スタジアムで0対3の完敗を喫したというのも印象的には良くない。
「21節の浦和戦(A)までに監督交代が実施されるのか?否か?」が注目点になるが名古屋のフロントというのは良くも悪くも我慢強い。就任3年目となるクラブOBの大森スポーツダイレクターが監督人事などに関する権力を握っていると思うが、昨シーズンはもちろんのこと、J2だった2017年も何度か「監督を代えた方がいいのでは?」という声が挙がったが、その都度、フロントは風間監督をかばってきた。
■ 3年契約の3年目と言われているが・・・。良くも悪くも「クラブを根本から変えるために風間監督に任せているので簡単にはクビを斬らない。」という強い意志を感じるので仮にこのタイミングで風間監督を斬るのであればかなりの驚きである。(ただ、就任当初から風間監督は「3年契約」と言われているので、就任1年目だった2017年、ならびに、就任2年目だった2018年と比べると、残りの契約期間が少ない分、クビを斬りやすくなっているのは確かである。)
去就に注目が集まっているが個人的には「この段階で解任するのはまだ少し早い。」と考える。前半戦に結構な量の貯金を作っているので20節を終えた時点では7勝8敗5分け。昨今のJ1リーグはクラブ間の戦力差が小さいことを考えると「トータルで考えると十分にあり得る成績」である。昨シーズンは15位だったことを踏まえると(コストパフォーマンスは良くないが)想定された範囲内の成績におさまっていると言える。
気の毒に感じるのは過去に何度か風間監督は名古屋で「解任されてもおかしくないタイミング」を迎えているので、そのときに強く解任論を主張したものの、その後、「V字回復」を果たしてバツが悪くなっていた人たちがここぞとばかりに「風間監督の解任論」を唱えるために集まってくる点になる。声の大きい人が集りやすい状況になっているので部外者には「糞味噌に批判されている。」と錯覚されがちである。
■ このタイミングでの監督交代は・・・。川崎F時代から賛否両論ある監督であり、アンチの多い監督であることは間違いないが、もう1つ、個人的な意見を述べると「このタイミングで風間監督を斬るのは勿体ない。」と個人的には考える。「ベンゲル監督時代」や「ストイコビッチ監督時代の初期」などごく一部の時期を除くと明確なスタイルがなかった名古屋にパスサッカーを植え付けてクラブのイメージを大きく変えた功績はやはり無視できないほど大きい。
名古屋のホーム戦の観衆が増えているのは「営業関係者の努力によるところ」ならびに「FWジョーなどスター選手が増えたこと」も大きいと思うが、やはり、風間監督になってから攻撃的で点がたくさん入るサッカーを展開していることが最も大きな理由だと思われる。「過剰なほど攻撃に力を注いでエンターテイナー性の高いサッカーを展開した監督の次」は誰が就任しても大変なのはよく知られているとおりである。
なので個人的には「静観すべきタイミング」だと思う。ここで監督を代えた場合は「迷走している感」が強くなってしまうと思うが、DF丸山が離脱して、MF米本が長期離脱中。流れが非常に良くないのは確かである。良くも悪くもシンプルな考え方をする監督なのでドツボに嵌ったときに打てる手が少ないのは風間監督の弱点であり、欠点である。経験のある監督なのでここからどう立て直すのか?に注目したいが・・・。
★ 現在の投票数 → 30票
→ 最大で10人まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2019/06/29 【Jリーグ】 独断と偏見で選んだ「カッコいいと思うチャント」 (10選)
2019/06/29 【Jリーグ】 独断と偏見で選んだ「カッコいいと思うチャント」 (エクストラ)
2019/07/01 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (GK編)
2019/07/18 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (右SB/WB編)
2019/07/18 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (CB編)
2019/07/18 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (左SB/WB編)
2019/07/21 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (ボランチ編)
2019/07/22 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (アタッカー編)
2019/07/22 【J1】 ポジション別の評価ランキング (1位-10位) (フォワード編)
2019/07/22 【J1】 2019年シーズンの記事一覧 (まとめ)
- 関連記事
-