■ J2の第9節 J2の第9節。3勝4敗1分けで15位の栃木SCはホームのカンセキスタジアムとちぎでレノファ山口と対戦した。FC大阪を躍進させた志垣監督の招聘に成功した山口は3勝3敗2分けで10位。まずまずのスタートを切った。栃木SCも勝ち点「10」を獲得しているが直近の8節は千葉を相手に0対8の大敗。歴史的な惨敗を喫した。水曜日に行われた千葉戦(A)から中3日なのでリバウンドメンタリティーが試される。
ホームの栃木SCは「3-1-4-2」。GK丹野。DFラファエル、平松航、藤谷匠。MF神戸、石田凌、大森渚、南野遥、大島康。FW矢野貴、奥田晃。メンバーはあまり変わらなかったがFW宮崎鴻とMF青島太がベンチスタート。MF南野遥とFW矢野貴が先発で起用された。G大阪から育成型期限付き移籍のMF南野遥はフォワードではなくてインサイドハーフでスタメン出場。7節の長崎戦(A)で移籍後初ゴールを記録した。
対するアウェイの山口は「4-2-2-2」。GK関。DF前貴之、板倉洸、キム・ボムヨン、新保。MF池上、相田、野寄、五十嵐。FW若月、梅木翼。こちらはメンバーをかなり入れ替えた。CBながら3試合連続ゴール中のDF平瀬大はベンチ外。FC大阪から完全移籍のDF板倉洸が移籍後初スタメンとなった。川崎Fからのレンタル期間を延長したMF五十嵐も今シーズン初スタメン。2023年はJ2で36試合に出場している。
■ 15位の栃木SC vs 10位の山口の試合 15位の栃木SC vs 10位の山口の試合の前半はアウェイの山口が優勢だった。前半28分にロングボールから183cmのFW梅木翼が競り勝って後ろに流したボールに反応したFW若月が上手いコントロールからキーパーと1対1に近い決定機を迎えたがベテランのGK丹野が好セーブを見せた。直後の前半29分にはMF池上のCKからファーサイドでフリーになっていたDFキム・ボムヨンがボレーシュートを放った。
0対0で迎えた後半になると栃木SCもチャンスを作るようになった。後半14分にCKを獲得するとトリックプレーからMF神戸がミドルシュートを放ったがキーパーのGK関が何とか防いだ。山口は後半22分にボランチのMF相田の絶妙なスルーパスから抜け出したFW若月にこの試合で2度目のビッグチャンスが到来したがキーパーをドリブルでかわした後、シュートを打ち切れず。寸前のところでクリアされてしまった。
栃木SCは後半17分にベテランのFW矢野貴を下げてFW宮崎鴻を投入すると彼を起点にチャンスを作った。後半34分にはFW宮崎鴻のスルーパスから抜け出したFW奥田晃がシュートを放ったが決めることは出来なかった。試合は0対0で終了した。栃木SCはこれで3試合未勝利となった。山口も2試合未勝利となった。ともに前節はショッキングな負け方だったがクリーンシートを達成。少しリカバーできたと言える。
■ 37歳になったGK丹野研太が無失点に貢献! 栃木SCはこれで3勝4敗2分けで勝ち点「11」。15位となった。前評判はあまり高くなかったことを考えるとまずまずのスタートを切ったといえるが、やはり、8節の0対8の大敗はショッキングだった。難しい精神状態で試合に入ったと思うが何度かピンチを迎えながらも無失点。自信になるだろう。0対8の試合が響いて9試合で計20失点となるがもともと守備が脆いチームではない。立ち返る場所はあるクラブである。
「キーパーの責任はあまりなかった。」とは言っても8失点は印象が良くない。GK丹野ではなくてサブキーパーのGK川田を先発で起用することも十分に考えられたがそのまま。GK丹野は開幕から9試合連続スタメンとなったが何度か好セーブを見せてチームを救った。37歳でありながらJ2のクラブでレギュラーとして活躍できている点は素晴らしい。オフに岩手から栃木SCへ。この年齢で個人昇格する選手は珍しい。
攻撃陣は9試合で7得点。今シーズンも得点力不足に苦しんでいる。攻撃に関するスタッツの多くがJ2ワースト級なので攻撃の部分は栃木SCの大きな問題点といえるがタレントはそれなりにいる。どの各選手も高さやスピードや強さやテクニックなど何かしらの武器を持っているので噛み合ったら面白いことになると思うがまだしっくりこない。絶対的な選手はおらず。最適な組み合わせは見つかっていない。
インサイドハーフで起用された19歳のMF南野遥に期待がかかったがこの日は不発だった。フォワードの位置がベストだと思うが栃木SCはロングボールを多用するクラブなので176cmのMF南野遥が最前線だとキツイ。試合に出続けることが何よりも大事なので「試合に絡めるのであればインサイドハーフにトライするのはOK」だと思うが得点力が不足しているクラブなのでこの位置でゴールに絡む活躍が期待される。
■ FW若月大和はチャンスで決められず・・・。 山口も1つ目の8節の熊本戦(H)は1対0とリードを奪いながら後半の終盤に16歳のFW神代に2連続でPKを決められて1対2の逆転負け。こちらも精神的なショックの大きい試合になった。重苦しい雰囲気の中でこの日を迎えたと思うがアウェイで勝ち点「1」を獲得した。前半は山口ペースだったので前半のうちに先制ゴールを奪えなかったことは響いたがこれで3勝3敗3分け。完全にイーブンの成績になった。
9試合でわずか7失点というのは昨シーズンまでの山口では考えられないような数字である。2023年は42試合で67失点。J2昇格後、年間の失点数が最も少なかったシーズンでも2021年の51失点なので「ほぼ毎年、失点の多さに悩まされてきた。」と言えるが志垣監督になって一変した。この日は愛弟子であるDF板倉洸を今シーズン初めて先発で起用。メンバーを入れ替えて戦ったが大きく崩れることはなかった。
志垣監督というとFC大阪のときも堅守が光った。毎年、これほど失点が多かった山口を短期間のうちに「堅守のチーム」に変えたのは驚きである。オフの移籍市場で派手な動きを見せたわけではなかったがFW若月、MF相田などは十分な戦力になっている。課題は攻撃の部分になるがチャンスはそれなりに作れている。この日も山口の「ゴール期待値」は1.531。わずか0.260だった栃木SCを大きく上回った。
絶対的なストライカーはいないのでフィニッシュのところに課題を抱えている。FW梅木翼、FW若月、MF河野孝、FW山本駿などはまだ若いので成長が期待されるが新加入のFW若月には2つビッグチャンスがあったのでどちらか1つは決めないといけなかった。横浜FCとの開幕戦でゴールを奪った後、ずっと無得点が続いているので「大事に、確実に決めたい。」という思いはあったと思うが大胆さに欠けた。
※ 投稿日:2024年3月20日(水) (総再生数:5,116回) ※ ナレーションは「音声読み上げソフト」を使用しています。 ※ 一部、訛りがありますが気にせずにスルーしてください。 VIDEO 関連エントリー 2024/01/14 【J1:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:344名) 2024/01/09 【J2:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:187名) 2024/01/10 【J3:順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者:91名) 2024/02/09 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~1:山形、2:岡山、3:千葉、4:鹿児島、5:群馬~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~6:栃木、7:清水、8:藤枝、9:山口、10:愛媛~ 2024/02/10 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~11:秋田、12:仙台、13:横浜FC、14:長崎、15:徳島~ 2024/02/11 【J2編】 今オフの補強の最終評価 ~16:水戸、17:いわき、18:大分、19:熊本、20:甲府~ 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (前編) 2024/02/21 【生観戦:金沢×富山】 金沢ゴーゴーカレースタジアムのこけら落としに行ってきた。 (後編) 2024/04/13 全エントリーの一覧 (2018年-2023年)
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