サッカーコラム J3 Plus+　

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【J2】 22クラブの中で「ここから浮上していくチーム」はどこだろうか？ | | |　

■　堅いサッカーで首位を走る東京ヴェルディ

J2は9節が終了したが6勝3敗で勝ち点「18」の東京ヴェルディが首位を走っている。9試合で14得点/6失点。ロティーナ監督になって堅いサッカーにシフトチェンジしたが失点数はリーグ2位の少なさ。とにかく堅守が光っている。リスクをかけないサッカーなのでビハインドの展開になったときの戦いぶりに物足りなさを感じる時もあるがなかなかビハインドの展開にならない。監督交代で雰囲気はガラッと変わった。

2位は横浜FC、3位は名古屋、4位は徳島、5位は湘南、6位は大分となるが、ここまでのところ、好調ぶりが目立っているのは横浜FCと徳島の2チームである。横浜FCはプレシーズンの段階からチーム状態が非常に良かったが、そのままの勢いで開幕に突入。エースのFWイバを中心に着実に勝ち点を積み上げている。9試合でわずか5失点。失点数はリーグ最少となる。攻守にバランスのとれた好チームに仕上がっている。

4位の徳島は攻守にアグレッシブなサッカーを見せている。こちらもスタイルが大きく入れ替わったが攻守に連動したサッカーで内容と結果を両立させている。運動量を必要とするサッカーなのでどの試合も後半20分あたりを過ぎるとガクッとパフォーマンスが落ちる。「全体の動きが止まった後の戦い方」が大きな課題と言えるが若手が多いチームなのでノビシロは大きい。開幕前の期待以上の結果を残している。

■　巻き返す可能性は高い京都サンガ

昇格初年度ながら6位に位置する大分もいいスタートを切った。J3降格が決まった後に中心メンバーの多くが流出したので2015年当時とはメンバーが様変わりしている。予想の難しいチームだったが、当時からのメンバーであるMF三平、MF後藤優、DF鈴木義、GK上福元などが主力に定着。さらに若手のMF姫野やMF岩田などが台頭。新加入のDF竹内彬やMF小手川やFW林容平などもすんなりとチームに馴染んだ。

2015年は金沢、2016年は山口と町田が序盤戦から快進撃を見せて序盤戦のJ2の主役になったが、今シーズンも昇格組の大分が旋風を巻き起こしつつある。「昇格チームの勢い」というのは凄まじいものがあるが、上位から下位まで差は小さい。0勝8敗1分けで勝ち点「1」の群馬が大きく出遅れてしまったが、1位の東京Vと21位の讃岐の差も「11」のみ。1試合で順位が大きく入れ替わるほどの熾烈な戦いが続いている。

プレーオフ圏外となる7位以下のチームの中で「ここから浮上していく可能性が高いチーム」と言えるのはDF闘莉王を攻撃的なポジションで起用するようになった8節の愛媛FC戦(H)から明らかに流れが変わった京都だろう。DF闘莉王はここ2試合で計4ゴール。類まれな得点センスを如何なく発揮して崖っぷちに追い込まれていた布部監督を救った。FWケヴィン・オリスとのコンビは超・強力。巻き返す可能性は高い。

■　開幕9試合勝ちなしのザスパクサツ群馬だが・・・。

開幕5試合は0勝3敗2分けだったが、6節以降は3勝1分け。トータルで3勝3敗3分けとなった11位のFC岐阜は要注目チームの1つに挙げられる。開幕当初からパスがつながるいいサッカーを披露していたがなかなか結果につながらなかった。壁にぶち当たっていたが最初の壁を乗り越えてゴールに向かう迫力が出てきた。開幕前から期待値自体は非常に高かったが面白いシーズンになる可能性が高まってきた。

2連勝中の熊本も上昇気流に乗り始めている。開幕から7試合は1勝4敗2分けと苦戦したが、4月16日(日)に行われた復興支援マッチ(8節)の松本山雅戦(H)の勝利で空気が一変した。この試合で移籍後初スタメンを飾ったFWグスタボが躍動。9節の金沢戦(A)でも先制ゴールを挙げるなど新エース候補に名乗りを上げた。とにかくフィジカルが強くて推進力とシュート力がある。21歳のMF嶋田慎ともいい関係を築いている。

開幕から9試合勝ちなし。0勝8敗1分けの群馬を率いる森下監督は崖っぷちに追い込まれているが、ここに来て内容自体は良くなってきた。目指すサッカーが出来つつあるので(依然として結果は出ていないが)ここから浮上していく可能性はそれなりに高いと思う。もちろん、断トツの最下位なので「ここからは這い上がるしかない。」というところまで落ちているが、ここ最近のチーム状態は決して悪くないと思う。

逆に状況的に厳しくて浮上の気配があまり感じられないのは千葉である。「極端に高い最終ライン」というエスナイデル監督のやり方が研究され始めてあっさりと失点するケースが増えてきた。完全に行き詰まっているが(現段階では)次の策を持っている監督には見えない。やり続けるしかない状況に思えるので悲観的にならざる得ない。9節の名古屋戦(A)で今シーズン2勝目を挙げた18位の山口は金星で流れを変えたい。