□ 川口能活 6.5オーストラリア戦のPK戦のセーブシーンが、今大会のハイライトとなった。6試合とも、日本がボールを支配していたので、ピンチの数自体が少なかったが、集中力を切らさず、最小失点に抑えた。
□ 楢崎正剛 採点なし出番はなかった。だが、彼が第2キーパーとして控えているという状況は、心強い。
□ 川島永嗣 採点なし同じく出番はなかったが、国際大会を経験できたことは、貴重な経験となっただろう。
□ 駒野友一 6.0大会前の捻挫の影響からか、十分なコンディションではなかったようだが、それでも、UAE戦以後は、フルに出場して、チームに貢献した。
しかしながら、本来は右サイドの選手であり、右足からの精度の高いアーリークロスが、ほとんど見られなかったのは、残念だった。左足のキックの精度も低くはなかったが、右足の精度に比べると見劣りする。左サイドバックの目処がつけば、やはり、右サイドバックで起用して欲しい選手である。
□ 坪井慶介 採点なし出番なし。3バックシステムであれば、出番はあったと思われるが・・・。
□ 加地亮 5.0どうにも、今大会は精彩を欠いた。クロスの精度が低く、右サイドから崩した場面でも、なかなかチャンスにつなげられなかった。また、つなぎの場面でも不用意なミスが目立ち、安定感がなかった。
□ 中澤佑二 7.0貢献度はチーム№1。圧倒的な高さとリーダーシップは、このチームには必要不可欠なものとなった。中澤がいなければ、失点数は、倍になっていたかもしれない。いつまでも中澤に頼りわけにはいかず、そろそろ後継者を見つけなければならないが、まだ、当分は、中澤にまかせておいて大丈夫だろう。
今後の注目は、闘莉王が復帰したときに、闘莉王とのコンビネーションが確立できるかどうかである。
□ 今野泰幸 6.0カタール戦で先発。駒野の復帰によって、以後は、ベンチスタートとなったが、オーストラリア戦でも途中出場し、本職ではない左サイドバックでのプレーであったが、及第点以上のプレーを見せた。
攻撃力では、右の加地や左の駒野には及ばないが、守備力では今野が上回り、セットプレーの高さ対策にもなる。逆サイドの選手との兼ね合いになるが、今野のサイドバック起用は、面白いオプションになりそうだ。
もちろん、本職のボランチでの起用も検討して欲しい。鈴木啓太あるいは、阿部と比較しても、見劣りすることはなく、守備力を考えると、№1といえるだろう。
□ 阿部勇樹 6.5カタール戦の失点につながったファールシーンと、サウジアラビア戦の3点目の失点のまずさから、印象は悪くなっているが、貢献度は、チームでもトップクラス。慣れない4バックのセンターというポジションで、新境地を開いた。
今後、闘莉王が戻ってきたときに、どのポジションを任されるようになるのか分からないが、引き続きCBでプレーするならば、もっとビルドアップに参加して、最後方から攻撃をオーガナイズして欲しい。
□ 遠藤保仁 6.0大会中は、いい部分と悪い部分が顕著に現れた。そういう意味では、貴重な経験になっただろう。キープ力の高さ、試合をコントロールする力、一瞬のパスで局面を変えられる力は、アジアカップの日本代表チームには不可欠であったが、一方で、国際レベルでは、もう少し、個人での打開力がないと、苦しい部分もある。
オシム監督にとっても、想定済みのことと思われるが、中村俊輔や中村憲剛との共存は悪くはなかったし、一定の成果を残したが、限界点も示した。今大会の活躍はすばらしかったが、これからも、確実に代表で生き残れるかどうかは、まだ、不透明といえる。
□ 羽生直剛 6.0スーパーサブとして起用されて、何度も決定的なチャンスをつかんだが、決めきれず、結果は残せなかった。チャンスを作ったこと、チャンスに絡んだことは、高く評価できるが、得点に結びつかなかったことで、イメージは悪くなった。
ただ、今大会は、結果的に、羽生の決定力の無さが目立ってしまったが、本来の羽生は、決定力の無い選手ではない。昨シーズンと今シーズンのJリーグでの成績(06年7得点、07年4得点)から考えると、羽生よりも得点力のある日本人の攻撃的MFは、ほとんどいない。
□ 山岸智 5.0ギャップを作るという意味では、山岸のスタメン起用は、十分に考えられるオプションである。サイドから崩してもなかなか、フィニッシュにつなげられないことの多い日本代表では、サイドプレーヤーながら得点に絡むプレーがうまい山岸の起用は、間違いではない。
だが、どうも、代表では、十分な出場機会を与えられながらも、不完全燃焼の感は否めない。
実際、左ウイングバック(あるいは、左サイドバック)の位置に山岸を起用するのであれば面白いと思うが、それが2トップの一角に近い形であったり、<4ー4-2>の攻撃的MFに近い形であれば、それほど効果的とは思えず、及第点のプレーは見せているが、山岸でなければならない、という理由は、特には見つからない。
□ 中村俊輔 6.5コンディション的には、十分ではなかったと思われるが、最終的には、№10にふさわしいプレーを見せた。足がつりながらも、フィールドを走りまわる姿は、かつてのイメージから程遠く、新しい一面を見せた。
「どこで個人技を発揮すればいいのか、まだ分からない。」とサウジアラビア戦の後に語っていたが、その答えは、3位決定戦の韓国戦で、ある程度、見つかったことだろう。1つ1つ課題を見つけて、1つ1つ課題を解決していければ、問題ないのである。
□ 鈴木啓太 6.5UAE戦でのダーティーなタックルの影響からか、パフォーマンスが落ちた試合もあったが、大会を通してよく戦って、チームを引き締めた。貢献度は高い。
今大会の日本は、昨年の試合では頻繁に見られた、縦のポジションチェンジがほとんどなくて、鈴木啓太の危機管理能力が試されるシーンはそれほど多くなかったが、その分、サイドのスペースに飛び出して、ボールを受ける場面も多かった。
課題とされる展開力については、まだ、向上の余地はあるが、年々、レベルアップを見せており、今大会でも、ロングボールを使って局面の打開を図ろうとするシーンが目立った。チャレンジする精神は、悪くなく、いっそうの精度が伴ってくれば、これからも、日本代表の中心として君臨できるだろう。
□ 中村憲剛 5.5中盤の底でしっかりとボールをキープし、遠藤や中村俊輔をシンプルに使って、攻撃を組み立てようと試みた点は、評価できる。彼のキープ力は、ポゼッションサッカーをする上では、不可欠であった。
しかしながら、大会を通して、やや物足りない部分を感じたのも事実である。何度か決定的なシュートシーンを作りながらも、フィニッシュの精度を欠いて得点を奪うことが出来なかった点も1つであろう。
また、縦に速いサッカーをする川崎フロンターレと比べて、今大会の日本はカウンターで攻撃を仕掛けるシーンがほとんどなく、ポゼッション重視のスタイルであったため、中村憲剛のもつ守から攻への切り替えの速さという特徴が、十分に発揮できる環境ではなかった点は考慮して評価したい。
このポジションは、人材も豊富であり、憲剛より、もっと守備的な選手を2人並べて、さらなる後方からのオーバーラップを促すスタイルにモデルチェンジすることも考えられるし、もっとゴール前に頻繁に顔の出せる、センターハーフタイプの選手を起用することも考えられる。いずれにしても、ポジション争いは厳しい。
□ 水野晃樹 6・0カタール戦とUAE戦に途中出場し、いいプレーを見せていただけに、もっと出場機会を与えても良かったのではないか。チームが、4バック主体であったので、本来のポジションである右のウイングバックというポジションが存在せず、攻撃的MFの枠で勝負するしかなかったのが、不運ではあった。
□ 橋本英郎 採点なしカタール戦で途中出場したが、リズムに乗り切れなかった。
□ 太田吉彰 採点なし一度も出場機会がなかったのは、非常に残念であったが、日本代表として、長期間、チームに帯同できたことは大きな財産になるだろう。
□ 伊野波雅彦 採点なし同じく、出場機会はなかったが、貴重な経験を積む場になったことは間違いない。
□ 佐藤寿人 5.5オーストラリア戦、サウジアラビア戦、韓国戦と得点の欲しい場面で起用されたが、期待にこたえることは出来なかった。
スーパーサブとしての適正はあると思うが、今後は、しっかりと結果を残して、その地位を確立していって欲しいと思う。国際レベルでは、得点センス以外の部分では見劣りするので、何よりも、ゴールを決めることが求めれられる。しかしながら、ライバルは少なくない。
□ 巻誠一郎 6.0ベトナム戦での2ゴールと、オーストラリア戦の同点ゴールを生んだヘディングでの折り返しシーンが印象深い。大会を通してみると、結果も出て、悪くないものであった。
□ 高原直泰 6.5すばらしい存在感を示したオーストラリア戦までの4試合に比べると、サウジアラビア戦と韓国戦は、明らかに精彩を欠いた。欲しい時間帯にゴールは生まれなかった原因として、高原の不調がその1つであることは間違いない。
試合後、オシム監督は、「高原の体調が良くないことを理解しつつも、それでもゴールを奪ってくれるかもしれない。」という期待をかけていたことを明らかにした。
今大会では、高原がゴールを決めれば試合に勝つことができるし、高原の調子が悪くてゴールを決められなければ日本は苦戦を強いられるという、分かりやすい法則が生まれた。オシム監督の上記のコメントとこの1つの法則は、日本代表にに待望のエースストライカーが誕生しつつあることを示すものではないだろうか。
□ 矢野貴章 6.0パワープレー要因として起用されたが、韓国戦では、効果的な働きを見せた。ただ、彼は、高さ以外のよさも備えている。スタメンで起用して、どこまで出来るのかをみたかった。
□ イビチャ・オシム 6.0集大成といえるオーストラリア戦で、内容の伴った勝利をつかんだことは高く評価できるが、サウジアラビア戦と韓国戦では、やや硬直した選手起用で勝利をつかめなかった。それが、事前にオシム監督の想定どおりだったにせよ、やや残念な選手起用であった。
ジェフ千葉時代から、他の監督よりも辛抱強いタイプの監督だが、韓国戦の後の発言から推測すると、この試合がラストチャンスだった選手もいたのだろう。いずれにしても、大切なの今後の戦い方であり、これからの采配振りが注目される。
人気ブログランキングに参加しています。「この記事が良かった。」というときは、クリックをお願いします。↓
人気blogランキングへ一票0668
※ さっそく、アジアカップの総括をしましょう。あなたは、今大会の日本代表についてどのように感じましたか?ご意見は、こちらから寄せてください。↓
http://form1.fc2.com/form/?id=216225
これまでに寄せられたご意見を追加しました。
※ これまでに寄せられたご意見をupしました。
・ハッサン2世さん
・ナベさん
・NLさん
・Shinさん
・チャンさん
・ネスさん
・ひいさん
・熊さん
・√326さん New!!!
・レッズファンさん New!!!
・ポロリーノ山田さん New!!!
アジアカップ総括 ご意見一覧へ
- 関連記事
-