7月に開催される、4カ国共同のアジアカップに向けて、キリンカップのモンテネグロ戦とコロンビア戦が行われる。
以下で、試合の見所を。
■ 勝つための準備をして勝つこと。モンテネグロ戦も、コロンビア戦も、単なる親善試合のひとつである。だが、今回のキリンカップを単なる親善試合をみなして、勝敗にこだわることなく淡々と試合をこなすだけでは、あまりにももったいない。
トルシエ監督が就任して以降、日本代表の試合といえども、親善試合は親善試合と割り切って、勝敗にこだわる姿勢を見せずに、単なるテストマッチとして扱う傾向が強くなった。これは、欧州スタンダードで見ると、当たり前なのかもしれないが、真剣勝負の回数を減らしたことで生まれた弊害は少なくなかったように思う。
モンテネグロ代表やコロンビア代表の実力は不明だが、おそらく、全く歯が立たない相手ではないだろう。しっかりとした準備をして、しっかりとした選手起用をして、2連勝を目指して戦ってほしい。
すべての親善試合に勝つことを求めるのはナンセンスであるが、大きな大会を目前に控えた試合に関しては、しっかりとした結果を求めていきたい。親善試合で勝利することが出来ないチームが、本番できっちりと勝利をつかむことはできるだろうか?
■ メンバー選考から見る本気度本気度で見ると、オシム監督の今回の選考からは、勝つことを優先したことが見受けられる。象徴的なのは、リーグ戦では、16位に沈むジェフ千葉所属のMF羽生やMF山岸の選考だろう。
羽生の場合、同ポジションでは、G大阪の二川や横浜Fマリノスの山瀬の方が、Jリーグでゴールやアシストという目に見える結果を残しているし、海外組には、ルマンのMF松井大輔というテクニシャンも控える。だが、オシム監督は、迷うことなく羽生を選んだ。
昨年の8月の
ホームでのイエメン戦や、昨年の11月の
ホームでのサウジアラビア戦で、途中出場した羽生の献身的かつ効果的な動きが、停滞しかけたチームのムードを一変させたことは記憶に新しいところである。試合の流れを急激に代えられる存在として、オシム監督の中では、羽生は不可欠であり、貪欲に勝ちを目指すオシム監督の意図が見て取れる。
同様の現象は、MF山岸に対する評価にも見られる。世間一般の山岸に対する評価は低く、ボクの山岸に対する評価も高くないが、オシム監督の山岸に対する評価は、変わらずに高い。
山岸よりも、二川や山瀬の選考を希望する意見も少なくないが、中村俊輔や中村憲剛、遠藤保仁のいるポジションに彼らをアックアッパーとして控えさせるよりも、手薄なサイドアタッカーであり、両サイドをこなせる柔軟性と、高い得点センスをもつ山岸をベンチにおいておくほうがチームにとっては、有効だと考えたのだろう。
Jリーグ全チームを見渡しても、山岸と同タイプの選手を探すのは、困難であり、希少価値を持つ部分である。あらゆるパターンを想定し、実力上位の選手から順番に選手選考をするのではなく、最も効果的な23人を選考するという考え方は、前監督にはなかった部分でもある。
■ 中田浩二と阿部と鈴木の起用方法は?欧州組で、オシムジャパンになってから初めて日本代表に参加する中田浩二に対しては、以前から、代表復帰を期待する意見が多かった。可能なポジションは、センターバック・ボランチ・左サイドバック・左ウイングバックの4つであるが、いずれのポジションでも、日本トップクラスの水準のパフォーマンスが披露できるだろう。
興味深いのが、阿部や鈴木との併用が可能なのかどうかである。オシムジャパンでキープレーヤーになっているのは、阿部と鈴木であり、彼ら2人が、前がかりになりがちなチームを落ち着かせる存在になっているが、中田浩二に、同様な役割を与えたとしても十分にこなしてくれるだろうし、鈴木や阿部以上の成果を生み出すかもしれない。
実際問題、日本代表においてどのポジションがベストなのか、まだ分からない。実際にプレーをするところを早く見たい。
■ 憲剛と俊輔と遠藤監督に対しては、誰が入ってもある一定水準以上のチーム力をもったチームを作る指導が求められるが、逆に、各選手に対しては、自分が持つ他の選手にはない独自の色を思う存分発揮してほしいと思う。そういう観点から見て、注目なのは、ハイレベルな選手が揃う攻撃的MFのポジションである。
現代の日本サッカー界をリードする、川崎Fの中村憲剛、G大阪の遠藤保仁、セルティックの中村俊輔の3人を併用する可能性は、無いわけではないが、それは限りなく低いだろう。
いずれも「パサー」に分類される選手だが、中村憲剛がボールを持つと展開のスピードがアップするし、遠藤保仁がボールを持つと試合のリズムが変化するし、中村俊輔がボールを持つと時間とタメとファンタジーが形成される。実力的には甲乙つけがたい3選手については、高いレベルで競争をしていってほしい。
- 関連記事
-
個人的に羽生は好きだけど、山岸は勘弁してほしいなぁ。
ポリバレントはわかるが、魅力はそれだけの気がする。
ガーナ戦で決定的チャンスを外しまくったときは本気で腹がたった。
何が代表だと。僕はオシムを指示するけど千葉ジャパンは反対です。
トラックバックURL:https://llabtooflatot.blog.fc2.com/tb.php/599-b49aa08b
| トップページ | 人気ブログランキング | Jリーグブログ村 | 全記事一覧 (2018年-2023年) | お気に入りに追加 |