■ 試合前から盛り上がるAC長野パルセイロのサポーター少し雨も降っていたが、この日はそこまで暑くなかった。「夏場の17時キックオフの試合」というのは非常に大変であるが、この点は幸いだった。スタジアムを2周ほど歩いてみたが、かなり傾斜があってどの位置からでも試合が観やすい。バックスタンドで試合を観たが、フクアリや豊田スタジアムと並んで「日本でも屈指のスタジアム」と言われるベストアメニティスタジアムに雰囲気が似ていると感じる部分もある。
想像以上に新スタジアムはいい仕上がりになっているが、サポーターの盛り上がり具合も凄まじいものがあった。同県のライバルである松本山雅のサポーターが熱狂的であることは良く知られているが、AC長野パルセイロのサポーターの熱狂度も決して引けを取らない。スタジアムにある大きな屋根が声を反響させているところもあるが、試合前のアップの段階からサポーターの応援の声が響いていた。
#1 オフィシャルショップの前
#2 ゲート8 (アウェイゴール裏側)
#3 長野パルセイロのゴール裏の入り口にある張り紙
■ J3リーグの第21節ホームの長野は「4-1-2-3」。GK田中謙。DF小山内、内野、大島嵩、有永。MFパク・ゴン、仙石、佐藤悠。FW勝又、宇野沢、近藤祐。2対0とリードを奪いながら、2対3と痛恨の逆転負けを喫した20節のレノファ山口戦(A)は「3-4-2-1」を採用したが、この日は福岡から新加入のMFパク・ゴンをアンカーに置く「4-1-2-3」だった。新戦力のDF小山内とMFパク・ゴンとFW近藤祐は2試合連続スタメンとなった。
対するY.S.C.C.横浜は「4-2-3-1」。GK高橋。DF山本、松田、中西、小澤。MF吉田、三浦、大泉、工藤、友澤。FW梅内。Y.S.C.C.横浜は3勝12敗4分けで最下位の13位と苦しんでいるが、20節はホームでJ2経験のあるガイナーレ鳥取に1対0で勝利。実に15試合ぶりに勝ち点「3」を獲得した。鳥取戦(H)の後半36分に殊勲の決勝PKを決めたFWエルサムニー・オサマはこの日もベンチから出番を待つ。
#4 コンコース (バックスタンドの2F)
#5 スタジアムの周辺
#6 広々としたコンコース
■ 決勝ゴールを決めたのは左SBのDF有永首位を走るレノファ山口との差は「11」。優勝&自動昇格のためにはもう負けられない長野だったが、前半は思うようなサッカーが出来ない。右SBのDF小山内の精力的なランニングは目立ったが、左から右に向かって強い風が吹いていたのでロングキックが伸びてゴールラインを割るケースが目立った。最下位のY.S.C.C.横浜が相手なので早い時間帯に先制ゴールが欲しかった長野にとっては不本意な前半となった。
前半はどちらかというとY.S.C.C.横浜のペースと言えたが、後半になると長野がボールを保持する時間が長くなる。いくつかのチャンスを逃した後の後半28分に波状攻撃から最後は左SBのDF有永が決めてようやくホームの長野が先制に成功する。今シーズンの長野は左右のアウトサイドの選手が点に絡む割合が極めて高いが、この日も相手ゴールをこじ開けたのは左SBで起用されたDF有永だった。
終了間際にY.S.C.C.横浜が決定的なチャンスを迎えるが、キーパーのGK田中謙が防いで1対0で長野が勝利。出来としてはアウェイのY.S.C.C.横浜の方が少し良かったと思うが、長野は苦しみながらも勝ち点「3」を獲得した。健闘したY.S.C.C.横浜の中ではキーパーのGK高橋、センターバックのDF松田とDF中西、ゲームをコントロールしたMF吉田の活躍が目立った。Y.S.C.C.横浜はこれで3勝13敗4分けとなった。
#7 ゴール裏から
#8 きつい傾斜 (バックスタンド)
■ 何でY.S.C.C.横浜はこんなに勝てないの???ということで、試合は後半28分にDF有永が決勝ゴールを決めて1対0でホームの長野が勝利したが、アウェイのY.S.C.C.横浜の頑張りが目立った。篠ノ井駅に向かう帰りのシャトルバスの中で3歳くらいの長野サポーターの男の子(← この子はJ3リーグにかなり詳しかった。)が「何でY.S.C.C.横浜はこんなに勝てないの???」と両親に質問していた。確かに3勝13敗4分けで最下位に沈むチームには思えなかった。
「ゴール前の厚み」に関しては長野と比べると無かったが、中盤でのボール回しのスムーズさという点では新加入選手が何人もスタメンで起用された長野と比べると少し上だった。どの国でも、どのカテゴリーでも、下位に低迷するクラブはロングボール中心のアバウトなサッカーをしている確率が高いが、Y.S.C.C.横浜はしっかりとボールをつなげるチームで、2列目の3人の攻守に渡る献身的なプレーも目立った。
Y.S.C.C.横浜とは「Yokohama Sports & Culture Club」の略であるが、昨シーズンは4勝17敗12分けで最下位だった。横浜市には横浜FMというビッグクラブがあるので、J2の横浜FCでさえ様々な部分で苦労している。J3リーグに所属するY.S.C.C.横浜であればなおさらで、サポーター獲得の難易度は長野などと比べるとはるかに高いと思うが、結果と内容を両立させることが大事になってくるのは言うまでもない。
#9 Y.S.C.C.横浜のサポーター
#10 サッカー界のレジェンドの1人
→ 【長野パルセイロ×Y.S.C.C.横浜】 新たに誕生したフクアリ級の素晴らしいスタジアムに行ってきた。 (生観戦記) (下) に続く。
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