■ レフティを好む吉武監督チームの核となっているのは、FW杉本、DF宮原、DF石田の3人であるが、他にも、面白い選手はたくさんいる。中盤から前のポジションの選手は「160センチ台の小柄な選手」をたくさんメンバーに選んでいるので、パッと見ると、同じようなタイプの選手を選んでいるかのように感じられるが、実際には、そういうことはない。「判断力と技術力の高い選手」というのが選考基準の1つになっているのは間違いないが、着目ポイントはそこだけではない。
今回の「96ジャパン」に選ばれている選手は、「判断力」と「技術」という2つの要素に加えて、何かしらのプラスアルファを持っている。このプラスアルファの部分が選手の個性であり、崩しの局面では大きな武器となるが、高い攻撃センスを感じさせるのは、左利きのMF三好(川崎U-18)、MF仲村(千葉U-18)、FW小川(浦和ユース)の3人である。「フリーマンと呼ばれるポジションの選手」と「左利きの選手」が吉武サッカーで変化を生み出す役割を担っている。
FW小川は右ウイングでプレーすることが多いのでややタイプは異なるが、MF三好とMF仲村の2人は「96ジャパン」で与えられている役割は同じである。中盤の右の2列目(=フロントボランチ)に入って、中盤でタメを作るとともに、右SBの選手と連携してサイドアタックの中心となる。「94ジャパン」のときは、MF秋野(現柏)が同じような役割を担っていたが、吉武監督はラストパスが出せる天才肌のレフティが大好きだということはよく分かる。
MF三好は2012年のU-16アジア選手権でもセンスの良さを感じさせるプレーを見せたが、レフティ特有のイマジネーション溢れるプレーが魅力である。MF仲村も、MF秋野もそうだと思うし、広島のMF野津田、熊本のMF堀米、愛媛FCのMF加藤大なども「同じような匂い」を感じるが、普通の右利きの選手からは感じられない独特な感性を持っている。この点が吉武監督がレフティーを好む理由であることは間違いないだろう。
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◆ まとめ #624 「96ジャパン」で目に止まった選手 (上) (2013/10/28)
・レフティを好む吉武監督
・東京世代となるのは6人
・大型レフティの中野雅臣
→ 3連勝で見事にグループリーグを首位で通過した96ジャパンは決勝トーナメントの1回戦でスウェーデンと対戦します。ここで勝つと歴代最高成績であるベスト8に並ぶことができます。今回は、アジア予選と本大会を観ていて、目に止まった選手を何人か挙げてみました。今回は「下」になります。
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