CB編 → 独走でJ2優勝を決めた甲府を支えたのは、36歳のDF盛田と32歳のDF津田のCBコンビである。DF盛田の初スタメンは14節で、DF津田は4節でスタメン出場した後、次にチャンスを得たのは19節なので、シーズン前半は活躍できなかったが、2人がスタメンにするとチームが落ち着いて、無敗記録を更新中である。ただ、DF盛田もDF津田も出場試合数が22試合と少ないので対象外とした。
他に活躍が光ったのは、千葉のDF竹内とDF山口智のコンビ、東京VのDF土屋とDF高橋のコンビなどである。DF山口智はJ1のG大阪でもレギュラーとして活躍していた選手なので、当たり前と言えば当たり前であるが、J2ではトップレベルのCBで、リーグ最少失点に大きく貢献している。彼が欠場したときに勝ち点を取りこぼしており、不在のときの影響は大きかった。
一方、DF竹内は7ゴールを挙げた2011年ほど「得点力」は発揮できていないが、DF山口智とコンビを組んで、中央の守備を引き締めている。フィールドプレーヤーでフルタイム出場を続けているのは、千葉のDF竹内と、松本山雅のDF多々良と、FC岐阜のMF服部の3人だけで、タフさとクリーンさが光っている。名古屋では右SBでプレーすることもあったが、J2では屈指のCBとなった。
38歳になったDF土屋は、今シーズンも質の高いプレーを続けている。177センチの身長で身体能力で勝負するタイプなので、年齢を重ねると衰えが目立つプレースタイルだと思うが、フィジカル的な衰えはほとんど感じられない。パートナーを組むDF高橋は、五輪代表には選ばれなかったが、安定感を増しており、攻撃でも貢献している。最近は、左SBで起用されたときも、質の高いプレーを見せるようになった。
その他では、3位の湘南はDF遠藤、4位の大分はDF阪田の活躍が光っている。松本山雅のDF飯尾、岡山のDF竹田も同様であるが、今シーズンは3バックを採用するチームが多くなっていて、3バックの中央で奮闘している選手がたくさんいるが、彼らが代表格である。DF遠藤やDF竹田などは、精度の高いフィードでもチームに貢献しており、3バックの中央に求められる要素を高いレベルで備えている。
U-19日本代表の中心としても期待される19歳のDF遠藤は、(PKを含んでいるが、)7ゴールというのは立派である。一方、大分のDF阪田はスピードを生かした守備で多くのピンチを防いでいる。大分は左右のストッパーはレギュラーが固定されておらず、いろいろな選手を試しているが、中央にDF阪田がいるので、大きなほころびを見せていない。スピードは魅力である。
その他では、山形のDF西河、横浜FCのDFペ・スンジン、松本山雅のDF飯田とDF多々良、栃木SCのDF當間、草津のDF御厨なども頑張っているが、大型CBとして可能性を感じさせるプレーを見せているのは、富山のDF福田とFC岐阜のDF関田である。DF福田は188センチの長身で幅もあるので、空中戦は圧倒的な強さを見せる。一方のDF関田も185センチの長身でリーチもあるので、高さだけでなく、カバーリング能力も高い。
ということで、このポジションも多くの候補者の名前が挙がったが、1人を選ぶとしたら、千葉のDF山口智となる。千葉は39試合で33失点ということで、岡山と並んでリーグ最少失点であるが、経験と実績のあるDF山口智の加入は大きかった。フィード力のある選手で、しかも、リーダーシップも備わっているので、千葉にとっては大きな戦力となった。
全体を振り返ると、DF山口智、DF土屋、DF盛田、DF津田など、ベテランの活躍が目立つシーズンになっているが、湘南のDF遠藤とDF大野、東京VのDF高橋、北九州のDFキローラン木鈴、FC岐阜のDF関田など、若手も頑張っている。ただ、若手に関しては、「まだまだ、数は少ない。」と言わざる得ない。日本サッカー界は、若くて力のあるCBを必要としているので、彼らのいっそうの飛躍と新しい力の台頭に期待したいところである。
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