■ プレシーズンマッチプレシーズンマッチのガンバ大阪とジュビロ磐田の対戦。G大阪はグアムキャンプの後、二次キャンプは宮崎県内で合宿を行う予定だったが、新燃岳の噴火の影響で断念し、大阪で合宿を行ってきた。しかし、プレシーズンマッチはキャンセルできないため、この試合のために鹿児島まで移動してきて試合を行った。
G大阪は<4-2-3-1>。GK木村。DF加地、金正也、山口、下平。MF武井、二川、イ・グノ、宇佐美、金承龍。FWアドリアーノ。DF高木、DF中澤は欠場。DF金正也は駒沢大出身のルーキー。MF二川がボランチで、MF宇佐美がトップ下。右サイドにMFイ・グノ、左サイドに新外国人のMF金承龍。1トップはC大阪から移籍してきたFWアドリアーノ。MF橋本は長期離脱中。地元での試合となるMF遠藤はベンチスタート。
対する磐田は<4-2-2-2>。GK川口。DF駒野、古賀、イ・ガンジン、山本脩。MF那須、小林、山本康、パク・チュホ。FW山崎、前田。2010年10月のソウルでの日韓戦で負傷してシーズン終盤を欠場したDF駒野が復帰。明治大学出身のMF小林がスタメン。MFジウシーニョはベンチスタート。鹿児島実業高校出身のMF那須も地元凱旋となった。
■ イ・グノが決勝ゴール試合の序盤は磐田が相手DFの裏を突くプレーでチャンスを作るが、前半16分にMF那須が負傷退場するアクシデントが発生。磐田はMFジウシーニョを投入し、MF山本康をボランチに下げて対応する。
前半20分くらいになると、G大阪がペースを握る。すると、前半35分に中盤でボールを持ったMF金承龍が浮き球のパスを送ると、走り込んだMFイ・グノが落ち着いたコントロールから右足でシュートを決めてG大阪が先制する。前半は1対0のG大阪リードで折り返す。
後半開始から磐田は、動きの重かった途中出場のMFジウシーニョを下げて、大分から加入のMF藤田を投入。ポジションを動かして修正を図る。後半は、両チームとも次々のメンバーを交代させてあわただしい展開となるが、ゴールは生まれず。結局、1対0でG大阪が勝利した。
■ 仕上がりの早いガンバここ数年、スタートで出遅れているG大阪であるが、今シーズンはいいスタートが切れそうな感じである。MF遠藤、MF明神、MF橋本が不在で、MF二川がボランチに入るという苦しい布陣であったが、前からのプレスも効いており、仕上がりはよさそうである。
Jリーグは3月5日に開幕するが、G大阪は、それよりも先の3月1日にアジア・チャンピオンズリーグのメルボルン戦が控えている。ホームでの試合であり、グループリーグ突破のためには勝たないといけない試合であるが、今の時点でこのくらい仕上がっていれば、いい戦いができるのではないだろうか。メルボルンは相性もいいので、勝って勝ち点「3」を取りたい。
■ アドリアーノの1トップG大阪は<4-2-2-2>から<4-2-3-1>にシステムを変更している。1トップに入るのはFWアドリアーノで、その下にMFイ・グノ、MF宇佐美、MF金承龍が並ぶ形になっている。MF遠藤が戻ってきたらMF遠藤がボランチに入って、MF二川が2列目に入る可能性もあるが、これまでとは違った新しいシステムである。
1トップに入るFWアドリアーノはC大阪でも1トップで起用されていたが、「ポストプレー」や「パス出し」を得意とはしておらず、1トップ向きの選手ではないが、このシステムではよくボールが集まってくるので、得点チャンスはかなりありそうで、前線で孤立しても「個の力」で何とかしてしまうだけのパワーを持つので、ゴール量産も期待できる。
「ボールのもらい方」はそれほど上手くなくて、味方とのコンビで崩すタイプではないが、FWアドリアーノが得意とする形まで中盤がお膳立てさえすれば、その後は一人でどうにかしてしまう。過去にも、FWバレーであったり、FWレアンドロであったり、そういったタイプのフォワードはG大阪にはいたので、FWアドリアーノも同じような使い方をすれば大きな問題はないだろう。
■ 新戦力の金承龍G大阪の新戦力で目についたのは韓国人のMF金承龍。2008年の北京五輪にも出場しているが、クラブチームでは、ソウルでも、光州尚武でも、ほとんど試合にも出場しておらず、2008年が13試合で1ゴール、2009年が7試合で1ゴール、2010年が4試合でノーゴール。前評判は低くて、「なぜ、移籍金を払ってまでこんな選手を獲得したのか?」と言われる始末であったが、いろいろなプレーをそつなくこなしそうで、これまでのG大阪にはあまりいなかったタイプの選手に思える。
MFイ・グノのゴールをアシストしたパスは見事だったが、シーズンが始まっても、ゴールやアシストを量産するタイプには見えないが、181cmと高さもある。「GKとCB以外はすべてこなす。」という報道もあったが、G大阪の求めるレベルでサイドバックが出来そうな雰囲気はなくて、外国人助っ人として考えるとやや物足りない気もするが、「チームに足りない部分を補う」という意味では悪くない補強ではないかと思う。
MFイ・グノとは高校の同級生ということで、チームメイトとコミュニケーションを取ることに対して障害は少ないだろう。FWルーカスが退団し、MF橋本も長期離脱中で、MF遠藤やMF明神も故障で欠場することが多くなってきているので、一人でも多く戦力にしたいところである。前評判は低かったが、G大阪にとって重要な選手になるかもしれない。
■ ジュビロのスタメンは?一方の磐田は、中盤のMF西が長期離脱し、中盤の駒が不足しているが、さらにMF那須も怪我で途中交代と、さらに苦しい状況になってきた。MF那須の代わりは新加入のMF藤田がいるが、MF那須はキャプテンであり、攻守ともに存在感のある選手である。開幕に間に合わないようだと相当な戦力ダウンとなる。
フォワードや最終ラインは駒は揃っているので、問題は中盤であり、このポジションが充実してくると面白くなるが、現状では、右サイドにMF山本康、左サイドにMFパク・チュホ。ボランチがMF那須(or MF藤田)とMFMF小林というメンバーになっている。注目のルーキーのMF小林であるが、運動量が豊富で、スケールの大きな選手である。ボール回しのときに、もう少しプレーに関与してほしい気もするが、このままいくと、開幕スタメンは間違いないところである。
攻撃的なポジションは、MF菅沼、MFジウシーニョという選手もいる。MFジウシーニョはさっぱりであったが、MF菅沼は途中出場でいいプレーをみせて流れを変える役割を果たした。左サイドバックはDF山本脩が入っていたが、パク・チュホを左サイドバックに下げた方が破壊力はアップしそうであるが・・・。
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