■ 2年ぶりの復帰が確定2018年はJ1で33試合に出場して20ゴールを記録。秋以降に大失速したのでリーグ制覇は逃したものの広島の2位躍進に大きく貢献したFWパトリックだったが今シーズンは13試合で3ゴールのみ。450分のプレー時間にとどまっている。自身のコンディションの問題ならびにFWドウグラス・ヴィエイラの加入によって大幅に出場機会を減らしている中、古巣であるG大阪への復帰が確定した。2年ぶりのG大阪復帰になる。
今夏、エースのFWファン・ウィジョがボルドーに移籍した。FW宇佐美を獲得したが「軸になれるCF」がどうしても必要だった。FWアデミウソンやFW食野亮もどちらかというとセカンドストライカーである。中央でどっしりと構えて相手CBとタフに戦えるCFを必要としていたのでFWパトリックというのは打ってつけの存在である。2014年に三冠を達成したときに猛威を奮った「ウサ・パトのコンビ」が復活する。
G大阪は今夏の移籍市場でMF今野(→磐田)、MF中村敬(→FCトゥウェンテ)、MF藤本淳(→京都)、MF高木彰(→山形)、MF田中達(→大分)、FWファン・ウィジョ(→ボルドー)が抜けている。「主力の大量流出」と言われているがこの中で不動のレギュラーだったのはFWファン・ウィジョくらい。MF今野とMF藤本淳は出場機会に恵まれておらず、MF高木彰はJ3でゴールを量産しているがチャンスはなかった。
期待の高かったMF中村敬の移籍は痛手と言えるが絶対的な主力というわけではなかったことを考えるとFW宇佐美に加えてFWパトリックが復帰したことで戦力的な収支はイーブンかややプラスと言える。「ずっとG大阪を支えてきたMF今野を丁重に扱うべきだった。」と批判する人もいるが意図的に世代交代を進めている今のG大阪の中で居場所を見つけるのは難しいことを考えると「致し方ない移籍」と言える。
■ たくさんの有名選手がチームを離れたが・・・。「一部のメディアで言われているほど今のG大阪は危機的な状況ではない。」と思うがFWパトリックに関しては浦和も獲得に乗り出していた。こちらはFW興梠にかかる負担が大きくて「第2の得点源」や「第3の得点源」となる選手を必要としていたのでFWパトリックに目を付けたと思われるが獲得は成功せず。FW杉本健の復活にかけるか?新たなCFを探すか?のどちらかの道を選択することになりそうだ。
もちろん、広島にとってもFWパトリックは貴重な戦力だった。18節のC大阪戦(H)では同点ゴールを決めており、20節の松本山雅戦(H)では後半の終了間際に勝ち越しゴールを決めている。「城福監督の戦術に合ったCFはFWパトリックよりもFWドウグラス・ヴィエイラ」と言えるが純粋に得点力や相手に与える威圧感はFWパトリックの方が上になる。引き止めに動いたがわずか2年で広島を離れることになった。
広島は、先日、FW皆川(→横浜FC)の移籍も発表している。2人のCFが抜けており、残ったのはFWドウグラス・ヴィエイラとFW渡とFWベサルト・ベリーシャの3人のみ。CFの数的にはもともと多かったがFWベサルト・ベリーシャはここまでJ1のリーグ戦ではベンチ入りの機会すらなし。オーストラリアの国内リーグでの実績は物凄いものがあるがほぼ使われていない状況であり、「構想外に近い扱い」を受けている。
FWドウグラス・ヴィエイラは12試合で4ゴール、FW渡は15試合で3ゴールとなる。FWドウグラス・ヴィエイラが軸になっているがこの3人体制で後半戦を乗り切るのは難しいと考えられる。「今後、広島もCFの補強に動くのは確実」と考えられる。上位争いに踏みとどまれるのか?否か?の瀬戸際にいるので即戦力になれるCFを獲得したい。FWパトリックの推定年俸は8,000万円ほどなので「お金はある。」と思われる。
■ 差別騒動は丸く収まったが・・・。FWパトリックを取り逃がした浦和、FWパトリックが抜けた広島の今後の動きが目下の注目点になるが、「FWパトリックと浦和」の関係で思い出されるのは差別騒動になる。2015年のCSの準決勝ではG大阪と浦和が対戦してG大阪が勝ち上がったが、当時はG大阪に所属していたFWパトリックに対して浦和のサポーターである高校生(当時)が自身のツイッターで人種差別的な投稿をして大きな問題になった。
当時、FWパトリックはこの件について「すごく悲しい気持ちになった。」、「昨日は明け方の3時ごろまでいろいろ考えてしまって眠れなかった。」とコメントしているが、その後、高校生がFWパトリックに謝罪をした。「彼には上を向いてもらいたい。大人になってこういう問題が起こらないようにしてほしい。」とコメントするなどFWパトリックが大人な対応を見せたことで彼への好感度や株は急上昇した。
FWパトリックが懐の大きさを見せたことで一連の騒動は、ひとまず、丸く収まったが心に傷を負ったのは間違いないところ。差別だけでなくいじめや暴力などにも当てはまるが簡単には当事者の傷は癒えない。今さらFWパトリックが当時の差別騒動のことを新たにコメントして蒸し返す意味はほとんどないが「浦和ではなくてG大阪を選択した今回の決断」にあのときの差別騒動が全く関係していないとは言い切れない。
「条件面でG大阪の方が良かった。」 or 「慣れ親しんだG大阪でプレーしたいと考えた。」 or 「G大阪の方が出場機会を得やすい。」なども決断の理由になるが、この差別騒動は浦和入りへの障害になることはあってもプラスになることは一切ない。「FWパトリックと高校生は和解をした。」とも伝えられているが1人のサポーターの軽率なツイートがクラブにマイナスの影響をもたらすことが普通にあり得る時代になった。
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