・【岡山×金沢】 Cスタに行ってきた!2036年にはどんなクラブになっているだろうか? (生観戦記) (前編) → 前編はこちら ■ J2の第20節 J2は早くも20節となった。「悲願のJ1昇格」を目指すファジアーノ岡山は6勝4敗8分けで勝ち点「26」で8位に位置する。対戦相手のツエーゲン金沢は7勝6敗6分けで勝ち点「27」。7位なので岡山よりも1つ上の順位になる。今シーズンの金沢は何故かアウェイ戦に強くて10試合で5勝2敗3分けとなる。一方、ホームの石川県西部緑地公園陸上競技場では9試合で2勝4敗3分けなので相当に極端なことになっている。
ホームの岡山は「4-2-3-1」。GK堀田。DF河野諒、柳育崇、ヨルディ・バイス、宮崎智。MF喜山、本山遥、田中雄、ステファン・ムーク、ハン・イグォン。FWチアゴ・アウベス。W杯出場がかかった大事なプレーオフの豪州代表に選ばれたFWミッチェル・デュークは欠場。U-19日本代表に選ばれてモーリス・レベロ・トーナメントに参加しているMF佐野航も欠場となった。FWチアゴ・アウベスがスタメンに入った。
対するアウェイの金沢は「4-4-2」。GK白井。DF松田陸、松本大、庄司、長峰。MF藤村、平松昇、小野原、嶋田慎。FW林誠道、杉浦恭。金沢というと「4-2-2-2」を採用するケースが多かったがここ最近はレフティのMF嶋田慎をトップ下に置く「4-4-2」を採用している。元・日本代表でベテランのFW豊田がベンチ入り。13試合で3ゴールを挙げている。19試合で5ゴールのFW林誠道がチーム内得点王になる。
#12 キックオフ (18時)
■ 前半のみで5ゴールを挙げた岡山 ロースコアの試合になることが予想されたが驚きの展開になった。序盤から攻め込んだ岡山は前半6分に右サイドのCKを獲得すると右SBのDF河野諒の精度の高いキックからボランチのMF本山遥が決めて先制に成功すると直後の前半10分にもDF河野諒のCKから188センチのDF柳育崇が豪快なヘディングシュートを突き刺した。さらに前半12分にはMFステファン・ムークのシュートが相手のハンドを誘ってPKを獲得する。
絶好のチャンスを迎えたがFWチアゴ・アウベスの左足のシュートは枠を大きく外してしまう。命拾いした金沢は前半26分にFW林誠道のゴールで1点を返した。反撃ムードが高まったが前半34分にMF藤村の不用意なパスからカウンターを食らうとFWチアゴ・アウベスのパスを受けたMFステファン・ムークが決めて3点目。さらに後半39分にもFWチアゴ・アウベスのパスからMFハン・イグォンが決めて4点目を奪った。
4対1と大量リードの岡山は前半終了間際にもPKを獲得する。揉めに揉めた末にキッカーはまたもFWチアゴ・アウベスになったが今度は豪快に決めて5点目を奪った。前半だけで5ゴールを奪った岡山が大量リードを奪ってハーフタイムに突入する。金沢はハーフタイムに4人の選手を交代したが後半15分にCBのDF松本大が2枚目のイエローカードを受けて退場。数的不利の10人になったがスコアは動かなかった。
#13 5対1で大勝!
■ セットプレーからゴールを積み重ねる。 5対1で大勝した岡山は4試合負けなし。5位に浮上した。3強(仙台・横浜FC・新潟)との差は大きく広がっているが4位の山形とは「1差」。消化試合数が1つ少なくないことを踏まえると絶好の位置に付けている。岡山は19節を終えた時点では18試合で20得点のみ。今シーズンも得点力不足&攻撃力不足に苦しんでいたが驚きのゴールラッシュとなった。開幕戦に続いて今シーズン2度目のゴールラッシュとなった。
J2のリーグ戦で岡山が5ゴール以上を奪ったのは2回目となる。2016年の34節のFC岐阜戦(A)で5対0と大勝しているがこの時以来になる。4ゴール以上を奪ったのは6回目。もう1ゴール奪っていたらクラブ新記録だったのでこの点は残念に感じるが前半に5ゴールを奪ったのはクラブ史上初。ホームで5ゴール以上を奪ったのも初。4点差以上で勝利したのは3回目。クラブにとっては記録づくめの試合になった。
前半の早い段階で2つもCKからゴールを奪えたのは大きかった。DF柳育崇とDFヨルディ・バイスが加入したので今シーズンの岡山はセットプレーが武器になるはずだったが肝心のセットプレーの機会が非常に少なかった。1試合平均のCK獲得回数はJ2最少。武器を披露する機会をなかなか作れなかったがこの日は立ち上がりから攻め込んでCKのチャンスを得た。分厚い攻撃を見せて攻守に相手を圧倒した。
#14 試合終了
■ FWチアゴ・アウベスが1ゴール2アシスト FWミッチェル・デュークが豪州代表に召集されて欠場したこともあってFWチアゴ・アウベスが1トップで起用された。これまでは3トップの左でプレーする機会が多かった中、最前線で起用されてハマった。1本目のPKは豪快に外してしまったが3点目と4点目をアシストして5点目は自身にとって2本目となるリベンジのPKを確実に決めた。1ゴール2アシストの活躍だったが「素晴らしい活躍を見せた。」と言える。
ここ最近はスタメンから外れる試合が増えており、直近の3試合はいずれもベンチスタートだった。「切り札的な起用法」になっていたが、やはり、良くも悪くもスペシャルな選手なのでJ1昇格を果たすためには絶対に必要な選手である。もっと言うと岡山のようなクラブ規模のチームであれば「癖のある選手を獲得してうまくチームにフィットさせないとJ1昇格は無理」と言える。使いこなせないようだとJ1行きは難しい。
左SHで起用されたMFハン・イグォンも絶大な存在感を発揮した。ここに来て左SHで起用される機会が増えているが持ち前のフィジカルを生かした突破はド迫力だった。前半39分にはFWチアゴ・アウベスからのスルーパスを受けて今シーズン2ゴール目をゲットした。トップ下のMFステファン・ムークは3点目を挙げたが2つもPKをゲットした。持ち味をフルに発揮しているわけではないがシュートは巧みな選手である。
#15 人見絹枝像 (岡山市出身)
■ 悪夢のような試合 敗れた金沢にとっては悪夢のような試合になった。前半だけで5失点。ハーフタイムで柳下監督が厳しいゲキを飛ばしたことは容易に想像できるがハーフタイムで4人の選手を交代させた。後半に出場した選手は気持ちの入ったプレーを見せて退場者が出たにも関わらず、6失点目を許さなかった点は評価できるが「前半10分でCKから2失点」となると監督はお手上げである。マークのミスも含めて前半はミスが多発した。
金沢は平均身長が高くてセットプレーは苦手ではない。むしろ、セットプレーを武器にしなければいけないチームなので想定外である。悔やまれるのはFW林誠道のゴールで1点差に迫った後、いい流れで戦えていたにも関わらず、前半34分にMF藤村の軽率なパスからカウンターを食らって3失点目を喫した点になる。ベテランらしからぬミスだった。流れが金沢に傾いていたが自らのミスで手放す形になった。
「遠征のしやすい土曜日の夜の試合」ということもあって金沢のサポーターもたくさん訪れていた。金沢と岡山は距離は離れているが「金沢からサンダーバードで京都 or 新大阪まで行った後、新幹線で岡山まで行く。」というルートをたどると所要時間は3時間半ほど。時間はそこまでかからない。シティライトスタジアムは「遠征のしやすいアウェイのスタジアムの1つ」になるがこれ以上ないほど辛い帰り道になった。
#16 試合後のサポーターへの挨拶
■ 2008年当時はJFLのチームだったが・・・。 ということでホームの岡山が5対1で大勝したが「記録的なゴールラッシュ」を見せたので岡山のサポーターのテンションは高かった。サポーターにとっては最高の試合になったと言える。「これ以上ないほどの楽しい試合」になったことも多分に関係しているとは思うが「シティライトスタジアムの雰囲気」は非常に良かった。イベントやグルメなどサッカー以外の部分も充実しているので良い時間を過ごすことが出来た。
バックスタンドでの観戦だったが集中して試合を見守っている人が多くてワンプレーワンプレーに大きな拍手が送られていた。残念ながらコロナの影響で声を出しての応援は解禁されていないが1つ1つのプレーにきっちりとサポーターが反応してくれるので岡山の選手はもちろん、対戦相手の選手もプレーをしていて楽しいのではないか?と思う。声を出しての応援が解禁されたらさらにいい雰囲気になるだろう。
特徴的なのはメインスタンドにいるお客さんからの拍手が大きい点になる。岡山のコアなサポーター集団がいるのは(ゴール裏ではなくて)バックスタンドなので二手に分かれる形になっている。メインスタンドのお客さんの拍手の音などがバックスタンドまで伝わるのにもコンマ数秒はかかることもあってゴール裏のサポーターが主導して応援をする大半のスタジアムと比べるとかなり異なる応援になっているように感じる。
「サポーター集団がバックスタンドにいる中、メインスタンドにいるお客さんも巻き込んでの応援をしようとする難易度の高さ」は想像できるがスタジアム内の雰囲気はいいので「みんなで一緒になってファジアーノを応援している。」という気持ちにはなれる。初めて岡山に行ったのは14年前の2008年8月だった。当時はJFLだった。今から14年後は2036年。J1に定着していてもおかしくない潜在能力があると思う。
#17 岡山みやげ (きび団子など)
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