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【J2】 2020年にブレイクしつつある若手プレーヤーをひたすら挙げてみた。 (後編) | | |　

■　188センチの大型ボランチ兼CB

「優勝候補の筆頭」に挙げられながら出遅れた磐田はまだエンジンがかかっていない。苦しい序盤戦になっているが期待の高卒3年目のDF伊藤洋がようやく独り立ちをして欠かせない戦力になっている。当初はボランチで起用されて3節からCBで起用されるようになったが188センチのサイズを生かしたダイナミックなプレーを見せている。本職はボランチになるがCBの位置でもスケールの大きなプレーを見せている。

新スタ元年の京都はFWピーター・ウタカやDF森脇やDFヨルディ・バイスなど経験豊富な選手をたくさん獲得して4勝2敗3分け。まずまずのスタートを切ったが20歳のGK若原が定位置を確保して素晴らしい活躍を見せている。DF伊藤洋と同様で2019年に行われたU-20W杯の本大会に出場しているが20歳とは思えないほど安定感のあるキーパーである。今シーズンのJリーグは若手キーパーの活躍が相当に目立っている。

金沢はやや不安定な戦いを続けているが例年どおりで柳下監督は積極的に若手を起用している。大卒ルーキーのFW加藤陸は広島ユース出身。中央大を経由して金沢に加入したが2トップの一角で定位置を確保。すでに2ゴールを挙げている。5ゴールのFWルカオとの2トップは今シーズンの金沢の大きな武器になっている。FW加藤陸は178センチなのでそこまでサイズのある選手ではないが万能型のフォワードである。

守備陣では高卒2年目のDF石尾が定位置を確保している。C大阪U-18出身でDF瀬古(C大阪)と同学年になるが横浜FMに移籍したDF山本義の穴をしっかりと埋めている。右SBはDF長谷川巧が出遅れた影響もあって高卒ルーキーのDF高安にたくさんのチャンスが与えられている。推進力のある選手ではないが技術が高くて落ち着いてボールを受けてパスを出せる選手である。タレントの多い興国高出身になる。

■　守備力の高いMF佐野海舟

ポポヴィッチ監督が就任した町田は攻撃的なサッカーを志向するかに思えたがここまではあまり点が取れていない。チャンスの数も少なくてまだ攻撃に関しては成熟されていないが前線からのハードな守備が最大の特徴になっている。2トップの一角でプレーするFW安藤瑞の献身的な守備がスイッチになっているが本職であるボランチの位置で起用されている高卒2年目のMF佐野海は定位置を確保。ブレイクしつつある。

米子北高出身で当時から守備能力の高さは高評価されていたが高いボール奪取力はJ2の中でも目立っている。「ボール奪取力」に関してはすでにJ2でも上位クラスと言える。ボールを持ったときのプレーの精度や質の向上が目下の改善点になるがハードな守備でチームに大きく貢献している。Wボランチを組むMF高江はG大阪からの期限付き移籍になるがこちらは攻撃の部分でチームに好影響を与えている。

東京Vは相変わらず若手の才能の宝庫と言えるが最大のサプライズは大卒ルーキーのMF山下諒になる。磐田U-18出身で大卒1年目。開幕前のキャンプには練習生として参加したが見事にプロ契約を勝ち取った。最大の武器は何と言っても爆発的なスピードになる。パサー役になれる選手が多い東京Vのサッカーにうまくフィットして大きな戦力になっている。クロスやシュートの精度アップが今後の課題と言える。

ボランチのMF藤田譲瑠チマはまだ18才。高卒ルーキーになるが早くも欠かせない戦力になっている。運動量が多くてテクニックもあるので中盤で存在感を発揮している。2019年のU-17W杯の本大会で躍動したが東京Vは、ほぼ毎年、ユースからいい選手がトップチームに昇格してくる。まだJ2のリーグ戦で出場機会は得られていないがすでに5回もベンチ入りを果たしている16歳のMF阿野にかかる期待も大きい。

■　東京世代のMF久保田和音

降格1年目の松本山雅はここまで2勝4敗3分け。大きく出遅れたが岡山から獲得したテクニシャンのMF久保田が存在感を発揮している。レンタル元の鹿島との契約が満了になった後、なかなか所属先が決まらなかったが3月末に松本山雅への加入が発表されると再開後は出場機会を獲得している。テクニックがあって周りの選手をうまく使える選手なのでいいアクセントになっている。1997年1月1日生まれになる。

1勝3敗5分けと大きく出遅れた山形は下位に沈んでいる。「昇格候補の1つ」に挙げられていたことを考えると例年であれば監督交代の声が出てきてもおかしくないほどの低迷ぶりである。厳しいスタートになったが右WBで起用されている大卒2年目のMF末吉塁の活躍は数少ないポジティブな要素に挙げられる。大阪体育大出身。2019年はわずか1試合の出場にとどまったが積極的なドリブルが武器になっている。

岡山も2勝4敗3分けと出遅れた。苦しいスタートになったが昨シーズンは怪我に泣いた大卒2年目のDF松木駿がSBで起用されて存在感を発揮している。もともとはフォワードの選手になるがDF増谷が怪我をして離脱していることもあって右SBで起用されるケースも多くなっている。推進力を持った選手なので新しいポジションで本格的にブレイクする可能性がある。ここまで左SBで起用されるケースも少なくない。

甲府は大卒3年目のMF太田修が早くも2ゴールを挙げるなどブレイクしつつある。大卒ルーキーのDF中塩は開幕スタメンを勝ち取ったが左利きでパス能力の高いCBである。中央大出身で大卒ルーキーのMF中村亮もここにきて出場機会が増えている。パス能力の高いボランチである。2017年以来のJ1復帰を目指す甲府はここまで3勝1敗5分け。引き分けが多くなっているがまだ1つしか負けていない点は高評価できる。

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